2007年梅雨の置賜
関根大滝 





関根大滝
これは真ん中の不動様の所まで行って
上部を撮影したもの。
簾上の水流が綺麗だ。


こちらは、お賽銭箱のあたりから撮影した
滝の全体像。
ほぼ真ん中に不動様がいらっしゃる。
幸い、緑っぽいので、
景観から浮き出ていない。



滝の前の広場には、
いかにも信仰の滝といったものが
並んでいる。
ダンナのすぐ目の前が滝の流れの
下流である。



大きさ比較。
赤丸の中にダンナが立っている。
不動様と並んでいる。
不動様はだいたい人間と同じ大きさだ。



実は、お賽銭箱から見えるよりも
上のほうにも、もう一段ある。
ちょっと角度を変えると
かろうじて見える。



これは、不動様の後ろにある、
何段目かの滝つぼ。
水量のある滝ではないので、
滝つぼも浅い。
2007/6/24 関根大滝 (落差20m?)  山形県米沢市

こんな梅雨の時期に山形県に行こうと思ったのは、実は私ではない。ダンナだ。絶滅危惧種の蝶を保護している場所が山形県にあるのである。
その蝶の発生時期が6月中旬から7月はじめにかけて。ちょうど梅雨の季節である。
この日、金曜日までは雨、月曜日からも雨。しかし、土日は晴れという、出かけなくてどうするという天気予報だった。
だとするなら、山形に行かずしてどこに行こう。
ちょうどその場所は、我が家から高速道路を利用しなくても3時間かからずに着くことができる置賜地方にある。実は我が家から山形置賜地方は、福島会津地方についで近い県外なのである。
そんなこんなで、家を8時に出発して、10時半過ぎには飯豊町にある「どんでん平ゆり園」に着いていた。
あれ、蝶は?
いや、せっかく県外に行くのだから、そのあたりの観光スポットにつれて行けと私が言ったのである。(ゆり園と温泉についてのレポはこちら
その後、道の駅飯豊の近くで昼食をとり、保護地域に赴き、めったに見られるわけが無いと思われていた蝶がわらわら見られてしまい、素人の私はこんなもんが絶滅危惧種なのかとむしろ呆れてしまったが、蝶好きのダンナとしては、素晴らしいものを見られて満足したようである。
思いがけずあっさりと蝶を見ることができたので、その後の時間が空いてしまい、よし、滝でも見るか、ということになった。
しかし、今回は滝についてはまわるつもりが全くなかったので、調べてもいない。せっかく山形に来たっていうのに、どこに行っていいものやら、皆目見当もつかない。
だが、ちょうど湧き水を汲むつもりでいた資料に滝水を清水として汲める場所があるというのがあった。
米沢市の郊外なので、自動車で30分くらいの場所だ。
米沢市といえば、滝好きであれば滑川大滝、とか、天元台の滝たちを思い出すだろうが、そこまでどっぷり滝めぐりをする時間もなかった。
そんなわけで、どんな滝かは分からないが、水を汲むついでに関根大滝に行くことに決定。
あとは、カーナビ「じゅごん」ちゃんに近くの関根駅まで案内してねとお願いして自動車を走らせた。

湧き水の資料がかなり詳しかったので、関根大滝まではほとんど迷わずに行けた。
県道151号で米沢市から水窪ダム方面に走り、JR奥羽本線関根駅を通り過ぎたあたりにある「すみれ」という旅館の手前のごく細い道に右折で入って行く。右側に「すみれ」があったら通り過ぎたと思ってよい。
斜め右のやや登り坂になった細い道で、その入り口によく見ると「関根大瀧不動尊」という案内も出ている。
細い道をしばらく進むと、奥羽本線のガードをくぐる。
その先は林道のようになっているのだが、我々が行った時には、ガードから先は土砂崩れのため通行止めでゲートができていた。
ただ、この先を150メートルほど進めば不動尊の入り口だとわかっていたので、ゲートの前に自動車をとめて、徒歩で進んだ。
ただし、この時点でここで水を汲むのは諦めている。大きなペットボトルを数本かかえて歩くのはイヤだもの。
薄暗いがちゃんと舗装されている林道を歩いて行くと、右手に曲がる砂利道が見えた。どうやらこれが不動尊の入り口らしい。
そこを登ると、湧き水の資料にあった滝水を引いている管があった。が、この管には栓がされていて、水が出ていなかった。どうも下流のほうに管を伸ばして、旅館か民家で使用しているようである。ペットボトルを持ってこなくてよかった。
もう少し登って行くと、いかにも滝が存在していそうな突き当りになり、首を左にめぐらすと想像よりもずっと立派な滝が落ちていた。
濃い緑の中で、埋もれてしまいそうにも見えるが6段から7段の段を形成して、白い水を落としている。
そのど真ん中に不動明王の像が立っていた。
わははは、本当にど真ん中。
滝を全部撮影すると、必ずこの不動様が入ってしまう場所である。
まあ、信仰の滝である証拠ともいえるし、この不動様があってからこその関根大滝なのかもしれない。
それにしても、この不動様をなぎ倒すくらいの水量には絶対にならないということか。だとすると、やさしい不動の滝ということになる。
そのちょうどど真ん中の不動様の所まで登って行けそうだった。腰を痛めているはずのダンナがどんどん登って行く。
不動様と並んだ。あらまあ、あの不動様ったら、ほぼ人間と同じくらいの大きさなんだ。
ダンナが登ってしまったので、私も登ってみると、意外に足場の無い岩というか泥というかの斜面だった。
よもやそんな場所に踏み入るつもりもなく、観光旅行のつもりだったので、ちょっとおしゃれしていた私はひるんだが、ここでやめたら滝好きがすたる。
軍手もないし、どろどろだし、しかし気合で登った。
不動様が目の前である。
  
ある意味、これが一番関根大滝らしい写真かも。
ここまで登れば、もちろん不動様の入っていない滝の写真を撮影することができる。そりゃあ、仕方がないことだが、上部だけの写真なんだけど。
問題は下りる時なのだが、腰からきて足の感覚が正常ではないダンナが楽々下りて行ってしまった。
私のほうがかえって服をよごしたくないもんだから、のろのろと下る結果になった。
思いがけず、いい滝を見れた。ついでに回った滝ではあるが収穫である。

結局湧き水は、同じ米沢市にある錦堂薬師堂にある「澄心の泉」の水を汲んだ。大腸菌が検出されたから煮沸して飲むように、との看板があったが、水は冷たく、そのまま飲んでも美味だった。ちなみに、おなかの調子は悪くなってません。
  
錦堂薬師堂。杉の右手の小屋が水汲み場。

  階段の上から水汲み場を撮影。錦堂薬師堂はこのさらに上の上の上まで行くらしいので、行くのを断念。

  水汲み場の図。水量豊富。
交通
  関根大滝  最寄ICはたぶん米沢南陽道路の米沢北IC。ただし、我々は新潟から行ったので、米沢市内を通った。米沢市内から県道2号、県道151号を利用して水窪ダム方面に向かう。あとは右欄本文中を参考にしてください。
関東方面からだと、東北自動車道福島飯坂ICで下りて、国道13号を利用して米沢を目指すので、右欄の表記とは逆方向になるので注意。
  
錦堂不動堂  水窪ダムから県道151号で県道2号方面に向かって進むと、海老が沢大橋という橋で最上川を渡る。
その橋を渡らずに手前で左折。そこから結構な距離走り、かなり山奥に来たなぁと思うあたりの左手に右欄の写真のような錦堂薬師堂の入り口がある。道を挟んで向かい側に駐車場もある。水は大腸菌が検出されたとかで、煮沸して飲むようにと注意書きがある。
言い伝えでは、病気が治る水で、この水で儲けようとすると七代に渡って祟りがあるらしい。
  


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