2007年冬の神流
白水の滝、不動の滝、早滝 





白水の滝
これは、一番下の段で、
幅広に広がっている。
苔の緑と水の白さがなんとも言えず綺麗だ。


こちらは滝のほぼ全景。
ある写真集では落差5メートルとあったが、
下の写真でもわかるように
一番下の岩盤から離れる部分だけで
ダンナの身長くらいはあったのて、
5メートルではすまないと思う。



大きさ比較写真。
ダンナと滝の間に沢が流れている。
この沢は水源の沢だそうで、
滝より上流は立ち入り禁止になっていた。



滝のまんなかあたり。
湧き水のため苔の緑が綺麗だ。
沢の向こう側だったので
水を触ることができなかったが、
きっと冬場では暖かい水と
感じたはずだ。。





不動の滝
(一の滝)

落差はないが、
下部の赤い岩盤が印象的だ。
上にズコーンと倒木が覆いかぶさっていて、
その下に潜っての撮影になった。



不動の滝
(一の滝、二の滝)

これがその倒木の全体像。
一の滝の上流はるか向こう側に
二の滝が一応見えている。
滝を左に見る形で遊歩道がついているが、
二の滝のかなり手前で
ブッツリと無くなってしまっている。
二の滝の滝下へは
三の滝の遊歩道の途中から行けるようだ。



大きさ比較。
それにしても、この倒木はいったい
いつからあるんだろう。



不動の滝
(三の滝)

両側から迫ったついたて状の岩盤が
特に印象的だ。
と、言っても、下の写真の通りで、
このアングルしか切り取る場所がない。



ど真ん中に木があるので、
ちょっと分かりづらいだろうが、
三の滝の全体像だ。
滝の下流にも一段段差があって、
そこに木組みが渡されて
取水のホースが手前の黄色いタンクに
引き込まれている。
囚われの滝といった感じで、
あまり印象がよくない。





早滝
凍っていない時はこんなにも素直な直瀑だ。
かろうじて右上に
わずかに凍りそうな部分があるのだが、
ほぼ全く凍っていない。
これが数日で見事な氷瀑になるとは
信じられない。
2004年の凍った早滝はこちら




早滝を含んだ空間。
上の不動の滝の空間を
大きな規模で広くした感じだ。




大きさ比較。
といっても、滝まではかなり距離がある。
ここまでしか滝に近づけなかった。
ここの滝に向かって左側の部分が
よじ登るには危険な感じで崩れていた。




帰りに立ち寄った桜山公園の冬桜。








2007/12/24 白水の滝 (落差5m?)  群馬県神流町
            不動の滝 (落差15m)
            早滝 (落差40m)

2007年も終わろうとしている。
晩秋から冬にかけて、遠出できる休みがほとんどなく、たまの日曜日といえば雨天が続いていたので、このまま2007年が終わってしまってはマズイという危機感があった。幸いなことにクリスマス前は三連休。ここで2007年の滝めぐりを締めくくる滝行はできないものか。
しかし、我々には老猫の介護の使命があり、宿泊はできない。近場で冬らしいいい滝はないもんだろうか。冬の滝といえば氷瀑。群馬の滝なら年内でも凍っているんじゃないの?
実に安直な考えから群馬の氷瀑を目指すことにした。

群馬の氷瀑ですぐに浮かんで来るのが早滝である。あのクラゲ状の氷の重なった造形は芸術的だ。他にもいくつも凍る滝はあるが、この早滝はダンナが1眼のデジカメを購入する前に訪れているので、マトモな写真がない。行くなら早滝だろう。
実は早滝は群馬と言っても埼玉寄りの群馬なので新潟からはそれほど近くもない。高速道路を利用して3時間強で最寄の道の駅「万葉の里」に着いた。
まずは、「万葉の里」からすぐに行ける不動の滝に行くのが順当なのだが、我々はここでトイレ休憩だけして、湧き水を汲みに行った。
ネットで検索して、名水百選の候補になったという湧き水が神流町にあるのを発見したのである。
一応場所も確認して、「万葉の里」からさらに長野県境に向けて出発。だが、確認したわりに曲がり角がわからずにウロウロしてしまった。
ウロウロしながら
「あれ、白水の滝だって」
と案内看板を見つけた。
今回は早滝と不動滝、それに入沢の滝だけ見るつもりだったので、白水の滝は予定にはなかった。だが、看板を見つけたからには寄ってみないわけにはいかないだろう。
ということで、水を後回しにして、神流川を橋で渡る。
ほどなく山道になり、うっすらと圧雪が道を覆うようになった所で、数名の作業者がその圧雪を取り除く作業をしていた。
何か工事でもしているのかしらん、と
「白水の滝まで行きたいんですが」
と聞くと行けるとの答え。それならばと自動車を進める。
前方には真っ二つに割ったような山が現れ、ここはいったい何?と不思議になった所でトンネルの入り口のようなものが出現して道は終わってしまった。
トンネルはゲートでふさがれていて、その横に叶山鉱山とある。しかも、入坑者のネームプレートがぶら下がっていたりして、現役の鉱山なのだと分かった。
そのトンネルの横に「←白水の滝入り口」と看板があったので、その先に目をやると、もう白水の滝が見えていた。ほんの100メートルも先ではない。
  
鉱山の入り口。現役バリバリ。

  
で、そのすぐ脇にもう滝が見えている。
うっすらと雪が積もるなか、滝の前に行ってみる。
あら、面白い。滝の水がいったいどこから湧き出ているのかさっぱり分からない。
滝の白い水が落ちてくる場所はわかるのだが、その先は固い岩盤の絶壁になっているのだ。つまり、川や沢が滝の上流にあるのではなく、壁があるのである。壁からいきなり水が湧き出ていて、滝になっている感じだ。
  
分かりづらいが、正面のグレーは全て岩壁である。垂直の壁からいきなり水が出て来ている。
湧き水であるのは明らかで、この寒いのに水の中の苔は綺麗な緑色をしていた。水の温度が一定なのだろう。
木々が葉を落として、滝が落ちる斜面がよく見えたので、よっぽどよじ登って滝の水が出て来るその場所を見てみたいと思ったのだが、さっきの作業している人たちが来て目撃されたら困るし、まだまだ今回の滝めぐりは先があるし、自制した。
さんざん滝を撮影して駐車した場所に戻ると、トンネルからトラックが出てきた。ああ、現役の鉱山、中で作業しているんじゃないの。よじ登らないでよかった。
さて、白水の滝はある意味みつけてよかった収穫なのだが、まずはじめにしたかった水汲みが終わっていない。
よくよく地図を見て、ここだと思う曲がり口に入って、下小越地区に入った。すぐに橋を渡り、左折。やっと湧き水を発見。「小越の冷泉」と札も立っている。
あららら、ちっちぇ〜。百選候補になったっていうから、もう少し立派な湧き水かと思った、山に管を突っ込んでチョロチョロ水を出しているにすぎない。
ま、しかし、わざわざ迷ってまで探し当てたのだから、この水を汲もう。
湧き水と言う点では、白水の滝のほうがずっと綺麗で豊かな気がするんだが。ちなみに、白水の滝も百選候補だったんだそうです。
  
右に見えているのが神流川。赤い橋を渡って、赤い矢印のところに小越の冷泉がある。

    
いかにも手作りの屋根がついている。その下に塩ビ管があり、チョロチョロ水が出ている。

とりあえず水も確保して、もう一度道の駅「万葉の里」に戻り、今度は不動の滝である。自動車を道の駅の置きっぱなしにして歩き出したが、不動の滝の入り口前はやや広めの路肩になっているので、ここに駐車してもよさそうだった。
  
国道脇にすぐ入り口があり、迷わない。
入り口からすぐに道が分岐になっていて、右が一の滝二の滝になっている。主瀑である三の滝は左。まず一から見るのが道理でしょう。ということで右に進んでみた。
すると、倒木だらけでちっとも整備された様子がない。とにかく倒木を跨いで進み、すぐのところにある一の滝前に来た。
  
分岐から一の滝への道は倒木だらけ。
この一の滝にも倒木が二本もかぶっていて、ここ最近でいったいこのあたりに何があったのだという状況になっている。
遊歩道はさらに続いているので、ダンナが倒木をかいくぐり一の滝を撮影している間に登ってみた。
一の滝から上流にチラリと見えている二の滝に続いているはずである。
階段状になっている道を登って行くと、あら、ブッツリと道が切れてしまった。まだ二の滝は先である。だが、前方には泥の斜面があって、それを登る道もない。では対岸に渡っていくのかしらん、と探してみても、それらしいものはまったくなかった。
どうやら途中で道が崩れてしまって、そのまま放置されているらしい。だったら一の滝のあたりでロープでも張っておいてくれよ。泥っぽい道を登って来たっていうのに。
二の滝は見えているし、頑張れば対岸から行けないこともないのだが、そこは無理をしなかった。
分岐まで戻って、さて、では主瀑の三の滝に行きましょうと前方を見る。
げ。これは山登りですか?
かなり急な登り道が続いている。登っても登っても続いている。
    
登山道っぽい三の滝への遊歩道。
5分ほど登って、道がなだらかになったあたりで、右側の沢に向かって下りて行く踏み跡を発見した。どうやらこの道を下って行けば二の滝に行けるらしい。
よし、帰りにこっちのほうに行ってみよう。今は三の滝である。
そこからはほぽ下り状態で、左に岩盤のくぼみを利用した不動様の祠を見ながら三の滝に向かって下りて行った。
  
三の滝へと下りて行く。

  
途中にある不動様の祠。
そのあたりで空模様が怪しく暗くなり、雨というより、雪というより、完全にあられがバラバラと降って来てしまった。痛い。
それにしても不動の滝の三の滝、おもいっきり取水の管が景観を邪魔しているじゃないの。写真集などは上手くこれを除いた構図で幽玄な滝に仕上げているが、この取水管とタンクがあるせいで、どうにも生活感の漂う滝に見えてしまう。不動様といえば、たいていはご本尊は滝なんじゃないのか、こら。
せっかく両側から屏風のようにせり出した岩の造形が素晴らしいのに、もったいないったらありゃしない。
それにしてもあられが痛いので、すぐに退散。
二の滝に向かう踏み跡へもあられがイヤで行かないことにしてしまった。

続いては今回のメインである早滝だ。
12月ということだし、今までの道の景色からして凍っていないことはもう充分に分かっていたが、それでもせっかく来たのだから行ってみないわけにはいかない。
ちょっとでも氷になっていてくれたらありがたいんだけどなぁ、などと期待しながら県道46号に入り、途中の塩沢ダムで吹雪きの中あずまやでカップラーメンをすすって昼食。おかしい、晴れる予報だったのにと空を仰いでいるうちに青空になってきた。
2004年の早滝オフの時に来た見覚えのある廃墟のそばに自動車を止める。この先の林道にも充分に自動車で入れるのだが、不動の滝の荒れた状況を見るとこの場に駐車したままのほうがよさそうだ。
  
早滝への入り口には常に看板があり、迷うことはない。

  
目印の廃屋。やや斜面の上にある。
歩き出して10分もしないうちに早滝への遊歩道になる。林道は少しあれていたが、ここまでなら充分に自動車でも来れた。もちろん先に駐車している車は一台もない。
遊歩道に入って、少し歩き出すと、なんだか道がガレ場のようになっていた。あらまあ、立派な木が倒れて道をふさいでいる。
階段状になっていたはずの横木がすっかり土砂で隠れて、斜面に踏み跡がついているような状態になってしまっている。
不動の滝の状態といい、どうもここ最近、このあたりで大雨か何かがあったのかもしれない。今は落ち着いて踏み跡もついている形なので進むことができるが、少し前なら危険だったかもしれない。
    
  
遊歩道の入り口。やや荒れた感じの遊歩道。
  
  
遊歩道の上にかなり大きな木が倒れていたりする。
ややして、赤久縄山への登山道が分かれる沢を渡り、いよい急な登りになった。
鎖などがあったりして、かなりの高度まで登る。はるか下に沢がみえてけっこう怖い。そこからちょっと下ると「早滝まであと100メートル」との看板があり、そこで遊歩道はパッツリと無くなってしまう。
わはははは、ここで放り出すか、遊歩道〜。
以前冬に来た時は、雪の下だから遊歩道がわからないので石だの岩だのを登って行かなくちゃならなかったのね、と思っていたが、雪がない状態で遊歩道はここまでだというのがはっきりとわかった。
あとは遠くに早滝も見えているし、自分で勝手に行ってね、ということなのだ。
せめて岩に赤いペンキで印でもつけておいてくれれば行きやすいだろうに、そういうこともない。さりとて、注意を喚起するような立て札もない。
    
  
急な登りになる遊歩道。
  
  
早滝まであと100m。でも、遊歩道はここまで。
  赤い○のなかにダンナ。赤い矢印の先に見える早滝。その間には岩ばかり。

  
ようやく見えてきた凍っていない早滝。
ところで、遠くに滝はすでに見えていた。
見えている通り、滝だ。
みごとなまでの直瀑で、もちろん凍っていない。
上から下まで凍っていない。
ああ、冬に来て、早滝の凍っていない姿見ちゃったよ。せめて緑の綺麗な頃とか、紅葉の頃とかに来たかったなぁ、流れている早滝。
とにもかくにも、岩をよじ登って早滝に近づく。右に左に渡って行くのだが、滝の一段下の場所まで来て、どうにも先に進めなくなった。
凍っていれば川の流れの上を進んだりもできるのだろうが、今は綺麗に川が流れている。それに、以前は行けたらしい場所が崩れていて、巻くに巻けない状況になっている。濡れる覚悟なら滝に近づけないでもないのだが、氷瀑でない早滝に戦意は喪失してしまっていた。
ここで撮影して、今回の早滝は終了してしまおう。
流れている早滝もよくよく見れば風情がある。特に早滝が落ちる岩盤は巨大な曲線を描いていて、この滝が長い時間をかけて後退していった様子がよくわかる。
だけど、やっぱり凍っていてこその早滝なのだ。
そこそこ撮影して、自動車に戻った。
ちなみに、早滝の下流の塩沢川は全体が滝といっていいくらいの渓流で、ところどころどうして滝と名まえがついていないんだというくらいの流れがあってなかなか綺麗だ。
冬枯れした雑木が邪魔をして写真として撮影できなかったのだが、凍って水量が少なくなっていない時も滝好きにはたまらない場所だろう。
早滝を出て、塩沢ダムの先にみつけた湧き水の探索をしたりして国道への道を下る。
  
左奥に見えるのが塩沢ダムの橋。

  
万願の水はコクがあると書かれている。

  
水量は少ないが、複雑な味がした。
国道462号に戻り、最後の滝である入沢の滝をめざすことにした。
地図に載っている滝なので、迷わないだろうと思っていたが、滝のあるはずの林道に入るなり、ものすごい荒れようだった。
水の流れが道を削り、土砂も流出している。今まさに修理している最中のような重機の姿も見えた。入り口になにも書かれていなかったので、工事中というわけではなさそうなのだが、ここでもここ最近でこの地域に天災があったのかな、という状況に出くわした。
自動車で進むには状況がさっぱりわからないので、入沢の滝は断念することにした。
時間が少し余ったので、ここから家路に着く途中にある冬桜の名所である、鬼石町の桜山公園に立ち寄った。
もう冬桜のシーズンも終わりに近いらしく、なんともうす寒い公園内だったが、それでも桜は咲いていて、なんだか季節感がめちゃくちゃになった。  
滝は凍っていないし、桜は咲いているし、今年のクリスマスはちょっと春っぽいクリスマスになってしまったようだ。
交通
全ての滝は群馬県神流町にあるので、道の駅「万葉の里」を起点に説明する。
道の駅「万葉の里」  最寄ICは、上信越自動車道藤岡IC、もしくは、関越自動車道本庄児玉IC。
前者の場合は、県道23号、13号を経由して、国道462号に出る。
後者の場合は、インターをおりると国道462号なので、そのまま長野県方面に進む。
ダム湖である神流湖を左に見ながらどんどん進むと、やがて左側、神流川がわに道の駅「万葉(まんば)の里」が見えて来る。

白水の滝  万葉の里を通り過ぎて、高八木トンネルをくぐり、さらに先に進むと神流川を渡る橋が見える。このたもとに白水の滝という看板がある。橋を渡って、登りの道をどんどんと進むと、叶山鉱山のトンネル入り口があって、そこが行き止まり。トンネルのそばに駐車スペースがある。鉱山は現役なので、くれぐれもトンネルをふさいで駐車しないように。
滝はトンネルの左側に行くとすぐにある。
  
不動の滝  万葉の里のすぐ手前、万葉の里に向かって進んでいる場合、右側、つまり川とは反対側に入り口の看板がある。まず見落とさない。看板の川がわの路肩が少し広くなっているので、ここに駐車しても大丈夫とは思うが、少し先の道の駅に駐車するのが順当だろう。
一の滝は徒歩3分もしないで見られる。主瀑の三の滝は、10分かからない程度の遊歩道の上り下りで行ける。

早滝  万葉の里よりかなり手前になる。町役場を通り過ぎ、八幡神社のすぐわきにある県道46号へと入る。塩沢ダムを目指して行くとよい。塩沢ダムを通り過ぎて、道は細くなり、いよいよ峠道になるが、そのつづら折の途中に早滝への分岐がある。林道に入って少しすると、右欄の写真のような早滝への入り口がある。廃屋が目印。
ここに駐車してもよいが、車高が高い自動車の場合はさらに奥まで行ける。遊歩道の入り口を通り過ぎて橋を渡るとすぐにやや広い場所になるので、そこに駐車するのが一番近いだろう。
遊歩道は、15分ほどの登りで100メートル手前まで整えられている。しかし、滝下に行くにはあと100メートルを岩だらけの場所を自力で道を選んで登る必要がある。

小越の冷泉  万葉の里から長野よりに進み、高八木トンネルをくぐってすぐあたりに小越の集落がある。ここの道へと左折で、つまり川がわへ入って行く。すると川を渡る橋があるので、それを渡って左折してすぐの右斜面を見ると小さな屋根状の目印がある。とても小さいので、見落とさないように。
万願の水  塩沢ダムを通り越して、すぐ、右側を注意していると案内の立て札がある。川に下る感じで道を下りて行くとすぐに右欄の通りの看板がある。


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