2007年滝初め
   不動滝、弥作の滝 





不動滝
この日は少し水量が少なかったため、
幅が狭く見えるが、
水が多い時は幅広の分岐瀑になるだろう。
沢を渡らないと全体が見えないのが
難点だが、なかなか綺麗な滝だ。



参道から見た不動滝。
かなり上から見ている。
右に見える赤い屋根が不動堂。
不動堂の位置からは滝は見えない。



滝つぼ。
ちょうど一番水量が多い場所の正面に
屏風上の岩盤があって、
そこに当たる感じで落ちている。



大きさ比較写真を撮りたかったのだが、
対岸に渡るのが怖くて撮れなかった。
ダンナの撮影位置は沢の向こう、
という証明写真。ちょうど写真の左端の
切れた先に不動滝がある。





弥作の滝
やはぎのたき、と読む。
突き刺さっている木が枝に見えると、
とても小さな滝に見えてしまうのだが、
これは大木です。



大きさ比較写真。
と言っても、ダンナの位置は、滝よりも
かなり高い位置である。
これより先は積雪のため
よくわからないので行けなかった。



落ち口。
ちょっとだけ凹凸があって、
複雑になっている。



流木のせいで水流が変化している。
この木はいつまで滝によりかかって
いられるのだろうか。





参道を登って15分程度のところで見られる
出合いの滝。
幅も落差もある滝なのだが、
とりたてて名まえの看板もなかった。
草木の繁る頃にはもしかしたら
見えないのかもしれない。





こちらは、大久保の集落の生活用水と
思われる水が川に落ちている滝。
参道から戻る時に
民家の犬に吠えられながらみつけた。
川まで崖になっているので、
かなり落差がある。



上の滝はこんな感じ。
大山祇神社近くの
民宿と大きさが比較できる。



で、さらに下方は、
なだらかになって川に注いでいる。
2006/1/2 不動滝 (落差10m?)、弥作の滝 (落差15m?) 福島県西会津町
毎度おなじみ滝初めの日が来た。
毎年どこに行こうかと頭を悩ませるのだが、昨年福島県の滝に出かけ、偶然にも初詣にふさわしい滝に出くわした。(達沢不動滝)
できれば今年も初詣を兼ねられるような滝がいいな、とぼんやりと考えていた。
そんななか、ダンナがここはどうだと提案してきたのが西会津町の不動滝と弥作(やはぎ)の滝である。
この滝は、西会津の古い神社仏閣の中でも筆頭格と思われる神社の大山祇(おおやまずみ)神社の奥の院に向かう参道の途中にある滝なのだ。
大山祇神社といえば、新潟から会津に向かってドライブしていれば、イヤでも大きな看板を何度も見る。私の中ではかなり立派でかなり大きな神社なのだろうという印象のある神社なのだ。
そのわりに一度も行ったことのない神社でもあった。
年の初めに神社の滝とはこれ以上によい取り合わせもないだろう。
昨年とはうってかわって、雪のほとんどない磐越道を通って、大山祇神社へと向かった。
出発した時には雪は無かったのだが、さすがに奥会津である。神社に近づくにつれ、だんだんと積雪が目立つようになってきた。
県道に入り、大山祇神社の駐車場に自動車を入れ、さて、神社はどこだと見回すと、すぐそばにこじんまりとした社が見えた。
  
大山祇神社大久保遥拝殿
あらまあ、思っていたよりかなり小さい神社だ。しかも、正月2日だというのに、参拝客もチラホラくらいしかいない。まだ午前中だからかなぁ。
とりあえず、滝の場所を確認するために、駐車場にあるイラストマップを見る。
奥の院、奥の院と言っていたが、実はそれこそが御本社で、こじんまりとしているのは、大久保遥拝殿という、いわゆる出張所だということがわかった。
ならば、本社に向かう参道は整備されているだろう。多少の雪は気にすることもないはずだ。
とりあえず、まず滝が先なので、自動車に戻って身支度をする。積雪はあったが、参道なので長靴にならなかった。
  
雪をかぶった道祖神。入り口は「やすらぎ」だ。
道祖神の脇の道に入って行き、民家の犬に吠えられながら急な坂を下って行くと川に出た。橋でその川を渡るようである。ようであるのだが・・・。
我々の足が止まった。
げ、雪の上に足跡が無い。いや、あるのだが、ぼんやりと輪郭のなくなった足跡が一人分、頼りなく橋を渡っている。
そこまでついていた足跡は犬のものも含めて橋の手前で引き返していた。
こ、こらこらこら。この先が本社なんだろう、大山祇神社。
なんて、不信心な。お参りもせずに滝を目指そうとしている自分たちを棚において、雪の参道を整備しない氏子を呪う。
  
だが、積雪は10センチないくらいである。長靴なら行ける。過去、塩原や四万でだれも通っていない雪道に乗り込み、滝初めを敢行したわれわれである。(2004年の塩原のレポはこちら。2005年の四万のレポはこちら)これくらいの雪で撤退してたまるか。
と、いうことで、また自動車に戻り、長靴に履き替えた。滑り止めのスパイクもしっかり装着。ついでに、どうせだれも本社のほうには行かないだろうから、そっちでお昼を食べてしまえ、と、昼食の準備もして再出発した。
再び犬に吠えられながら坂を下り、頼りない足跡を頼りにして橋を渡った。
案内のイラストマップでは、不動滝まで徒歩20分、弥作の滝まで徒歩40分、御本社まで徒歩60分とある。
積雪しているとはいえ、長靴の丈ほどもない雪なので、多少時間はとるかもしれないが少なくとも1時間もあれば弥作の滝まで行けるだろう。
どうせ沢沿いの道なのでそれほど大変でもないだろうし・・・。
甘かった。
ずーーっと登りだった。
さすがに本社までは自動車も通ることもあるらしい道なので幅はあるし、とんでもない坂道というのではないのだが、とにかく登りだ。
標高が高くなるにつれ、積雪も危うく長靴がもぐりそうな所までになる。
またしても年明け早々、雪まみれだ。
  
なだらかに登って行く林道。

  
平行してついている足跡は、うさぎのものらしい。
しかし、本当にこの道でいいんだろうか。
他に道は無かったにしても、参道らしいものがまったく見当たらない。
普通、信仰の山の参道ともなれば、石燈籠があったり、寄贈の石柱が並んでいたりするものなのだが。
しまいに、頼りにしていた頼りない足跡も引き返してしまった。途中で諦めるなー。
なんと、我々の前に続く道には一つの足跡もない状態になってしまった。ああ、何年か前の滝初めもそうだったよなぁ。
つまるところ、2007年に不動滝と弥作の滝を見るのは、我々が初めてということになる。
とにかく、間違っていないことを信じて歩いて行くと、はるか下方になってしまった川に滝が見えた。お、不動滝か?
どうも、最初に渡った川に合流している沢が滝になって落ちているようなのだが。
不動滝には案内があるというので、とにかく近づいてみた。
近づいてみても、まったく案内が無い。あれれ、かなりいい規模の滝なんだがなぁ。
それから5分も歩かないうちに前方に赤い小さな鳥居が見えてきた。
おお、「不動滝」と看板がある。
ザバザバという水音も聞こえ、下の方に赤い屋根と滝が見えた。
だいぶ下だ。
  
不動滝の文字のある赤い鳥居。

  
鳥居のそばには「うるおい」道祖神。

  
不動堂に向かって下って行く。
鳥居をくぐって下に下りて行く道があった。
うわ、積雪があるとなんだか怖い。
幸いてすりがあったので、それにつかまって一歩一歩下りて行った。
行った先にまた橋があった。とほほ、雪でほとんど埋まっている。たとえ穴が開いていたって、これじゃあわからないじゃないか。
とにかく、慎重に橋を渡って、不動堂の前に出た。
軽くお参りしてから不動堂の裏あたりにある滝へ行った。
不動堂からは直接滝は見えない。滝と不動堂の間に屏風のように岩が張り出しているのである。
いったん河原まで下って、不動滝の前を対岸に渡ると全体が見えるようになる。
ただし、私は怖いので対岸には渡らなかった。
不動堂がわからでも身を乗り出すようにするとなんとか見えるのだ。
対岸に渡ったダンナを待っていると、ぎょっ、背後に気配がした。
なんと男性が一人不動堂への下り道を下りて来る。
こんな場所に来る人は皆無だと思っていたので、心底びっくりした。
どうも我々の足跡を追って来たらしい。そりゃそうだ、足跡が無いと来る気にはならないが、足跡があると勇気百倍になるものである。それに足跡をたどると歩くのも楽だし。
ダンナと入れ違いに男性は滝を見に下りて行った。
不動堂からは来たのとは別の道で参道に復帰するルートがあるのだが、雪のためはっきりしなかった。ちょっと怖い道に見えたので来た道を戻る。
ぐるっと堰堤を回る感じで参道は続いていたので、雪の無い時や踏み跡がある時は別のルートのほうが断然短縮になるのだが。
それから20分、またしても登る。今度はちょっと下ったり登ったりする。寒いかと思っていたが、うっすら汗までにじんできた。
遠くに小さいお宮が見えて、弥作の滝が近いとわかった。
お宮のすぐ下に弥作の滝が見える。
  
弥作の滝のすぐ上にあるお宮。

  
ここには「出会い」の道祖神がある。
この滝の前にも下りて行く道があるのだが、雪のためさっぱりわからない。
少しだけ下って行けそうなルートを慎重に雪を踏みしめながら下って行った。
とりあえず木の邪魔しない場所まで行けたが、河原まで下りることは難しかった。
不動滝よりも落差のある滝が気持ちよく落ちているのだが、ど真ん中に木が流れ落ちたまま突き立っていて、水の流れ自体も変えているようだった。滝よりもその木のほうが印象的である。いつまであのまま立っていられるんだろうか。
一段下った場所で滝を見ていると、お宮からガランガランと鈴を鳴らす音がした。さっきの男性だ。今度は滝には行かずに先に進んでいったらしい。
そうか、本社で初詣か。
我々は空腹だったので、お宮の軒下をお借りしてお昼にすることにした。
彼が本社まで行くのだとしたら、往復40分はかかるので、お宮の軒下でラーメンをすすっている姿を見られることもないだろう。
今回は新兵器を導入している。
ガスボンベのストーブである。ユニフレーム様より提供いただいたアイテムで、冬の屋外でのちょっとした暖をとることができる。
さすがに屋外なので、本当に手をかざすと暖かい程度のものなのだが、赤い灯があるだけで、なんだか心もあったかくなった。
  
ほんわかあったかいオレンジの光。
そんなこんなでお昼を食べていると、なんと、本格的に雨が降り出してしまった。これはちょっといただけない。
我々も初詣、とも思わなくもなかったのだが、この雨では先に進むつもりにもなれなかった。何より、滝が主目的の我々である。本社に行くのはあっさり諦めた。
帰りはサクサク歩いて35分で駐車スペースに到着。
お土産屋にあった会津りんごを購入して帰路についた。
あ、しまった。結局遥拝殿にもお参りしていない。初詣は滝詣ということで。
2007年も滝に終始しそうな予感の滝初めだった。
交通
  大山祇神社  最寄ICは磐越自動車道西会津IC。国道49号線に出て、少しだけ新潟方面に進むと、「鳥追観音」と案内標示のある交差点に出る。ここを鳥追観音方面へと左折。あとは道なりに進み、鳥追観音を通り越してさらに進むと、道の突端に大山祇神社の駐車場がある。お土産屋などがあるのですぐにわかる。神社前にトイレもある。
  不動滝、弥作の滝  駐車場の道祖神脇から御本社への参道へと入って行く。駐車場からは徒歩になる。
整備された林道を登って行き、不動滝は20分。そこから弥作の滝までも20分。各滝の滝下へは降りることは可能だが、少し急な斜面になるので注意が必要だ。
不動滝は沢を渡らないと全体を撮影できないので、長靴があったほうがいいだろう。
なお、御本社へは弥作の滝からさらに20分登ることになる。


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