2010年氷瀑を求めて
(善五郎の滝、番所大滝、八坂大滝、穴清水祖師堂の滝)
 



善五郎の滝
氷が青く見えないのは、
たぶん積雪のためだ。
冬の善五郎の滝は3回目だが、
氷の量としては多くないが、積雪の分、
結氷量が多く見えた。


アイスクライマーが赤い矢印の先にいる。
こうやって見ると、滝が小さく見えてしまう。



滝の横顔。
水が流れている部分が氷と合わさって
よく見えないが、中央あたりから落ちている。



我々が帰る間際についに本流の滝に来た
アイスクライマー。
向かって右の氷から登って、
落ち口にある木にザイルをとりつけて
本流を下って来た。



中央下の青い部分が水っぽい。
唯一流れのある部分がそこに落ちている。
そのあたりは氷と水の境目だ。



水の流れ落ちている部分。
今年は氷のくらげがたくさんだ。





番所大滝
惜しいかな、ほとんど凍っていない。


滝つぼを覆う氷もそれほど多くない。


滝見台の下までおりて撮影の悪い大人。
よい子は真似してはいけません。





八坂大滝
空は青かったんだけどね。
確かに、午後の日光がモロに当たる
あったかい場所の滝ではある。



赤い矢印の部分に
蛸坊主状の氷ができるはず。
今回はみごとに平らだった。





穴清水祖師の滝
どうして写真だと水が写らないのかしらん。
もっとちゃんと水が落ちていたのだが。
これは横から見た下段。
滝つぼに崩れた氷があったので、
条件がよければ、もっと氷に覆われるだろう。



大きさ比較。
手前にダンナがいる。



全体像。
しかし、ホントにどうして水が写らないのか。
下段の上のほうの白い場所も実は氷で、
そこにも水流があるとしたら、
けっこう段差のある段瀑なのだろうが、
緑の濃い時期には上は見えないと思う。
しかも、もしかしたら、沢程度の
流れなのかもしれない。

2010/2/20 善五郎の滝(22M)、番所大滝(40M) 松本市
          八坂大滝(50M) 大町市
          穴清水祖師堂の滝(下段5M) 麻績村

日本経済が低迷しているなか、我が家の経済も低迷していて、なかなか滝を見に行く予定がたてられないでいた。
しかし、せっかくの冬である。昨年は暖冬であまりまともな氷瀑を見なかったが、今年は寒い。きっと綺麗に凍っていることだろう。
それほど遠くには行けないが長野か群馬の氷瀑を見に行こうじゃないか。
ちょうどハイオク車の維持に限界を感じてレギュラーガソリン自動車に乗り換えたばかりである。こいつのETCがまともに動くか検証する必要もある。(ちなみに新しい我が家の自動車は、「はろー米」くんという名まえです。ダンナのページはこちら
気温と天気予報を調べたところ、この週末は群馬方面はやや気温が高くなるらしい。長野だとまだマイナスの気温だ。それなら、長野に行こう。
しかし、長野の手軽に行ける凍る滝というと、だいたい行きつくしている。去年は横谷渓谷に行ったし、その前は大禅などの三滝に行った。ローテーション的に行くとしたら、乗鞍の善五郎だろう、ということになった。(南信州や木曽はちょっと遠いのでパス)
そんなこんなでほぼいつもの平日に出勤するのと同じくらいの時間に家を出発。新潟はみぞれのような雪のようなものが降る、重たい空だった。
長野に入ると、空は一変して青空になった。11時前に、前川渡の滝前を通過。今回はこの滝は危ないので行かないことにした。浮石だらけの滝下は、かなりデンジャラスなのだ。だが、この湧き水が県道の下をくぐるあたりで、金網を越えて汲んでいる人がいた。そっか、湧き水だから飲用にするのか。って、危ないですよぉ。気をつけて。
11時10分に善五郎の滝の駐車スペースに到着。前の時はとめるのに困ったが、今回はうまい具合に1台スペースが空いていた。それでも5台ほどの自動車が駐車している。スノーシューをはいて、歩き出すグループもあった。
  
   
一瞬乗鞍岳の雲が切れて姿を見せてくれた。
  
入り口の積雪状態はこんなもん。
我々も仕度をして出発。我々はスパイク付きの長靴である。
歩き出すと、前に来た時よりもなんとなく雪が多い感じがした。踏み跡がある場所は長靴でもまったく埋まらないのだが、ちょっとはずれると、確実に長靴以上足が埋まりそうである。
10分も歩かないで善五郎の滝前に着くのだが、それまでの間に10人ほどのスノーシューハイクのグループや、何組かの滝の見学者がいた。この氷瀑を見るのは、かなりメジャーなことになってしまったようだ。
  
空が青いわ〜。
坂を滑らないように慎重におりて、滝の手前の橋のところまで来て、おやまあ、本当に今年は積雪が多いのだと分かった。
橋の欄干まで雪で埋まっているのだ。橋のそばの小滝の滝つぼもすっぽり雪の中で、水は少ししか見えていない。
    
  
橋の欄干まで雪。橋のそばの淵も雪。
滝前まで行くと、数名のカメラマンが三脚を設置していて撮影中だった。それに、
「登っている人もいる」とダンナが言う。
え、と思って、滝を見るがみつけられず、ふと、滝の向かって右側の氷に動くものを見つけた。おやまあ、アイスクライマーだ。
まだ本流の滝のほうで登っていないので、写真を撮るなら今のうちかもしれない。
滝前まで行ってみると、本当今年は雪が多いのがわかった。
なんだか滝の落差が縮まったみたいに見える。滝つぼがすっぽり雪の中なのだ。
滝つぼの水はほとんど全く見えず、落下する水はあるものの、青白く光る氷と水の中間のような部分に吸い込まれていく。
水とその周辺の流動的な部分だけがやたらに青い。そうでない氷の部分には雪が乗って白く見えているのだと思う。
スノーシューをはいた人がけっこう滝つぼの中心あたりに行っていたので、踏み跡がいくつも重なっているのを確認して私もそっちに行ってみた。
まったく心配なく頑丈な雪だった。そう、氷の上に雪が降り積もって固められたといった感じである。
スノーシューの人は青く見える水の降り注ぐ部分の近くまで行っていたが、私は長靴なのでやめておいた。
前に来た時は、2回とも滝つぼが見え、落ちたら死ぬな、という恐怖感があったが、今回はまったく無い。
それよりも、あれ、善五郎の滝ってこんなに小さかったっけか?と思うくらいだった。
アイスクライマーが氷に取り付いていたせいかもしれない。積雪のせいかもしれない。

20分弱氷のそばで撮影したら、寒くなってしまった。アイスクライマーが本流の滝にとりかかったあたりで、善五郎の滝前を撤収。
帰り道、スノーシューハイクのグループが雪上でお昼を食べていた。それも楽しそうだなぁ。
我々もお昼にしよう。
ここに来てのお昼は、定番である。番所の滝の滝見台のテーブルで滝前カップラーメンだ。上手い具合に駐車場には1台も駐車していない。ここの駐車場のトイレは暖房完備で実に快適。利用しない手はない。
長い階段を下って行くのだが、雪はあるものの、それほどガチガチには凍っていなかった。氷を下るのと雪を下るのでは、雪のほうがはるかに楽である。
滝前に到着するが、予想どおり番所大滝のもろい氷はほとんど剥がれ落ちていた。
テーブルにもうっすらと雪が積もっていて、なんだ氷じゃないのか、と思っていたが、やかんにポットからお湯を入れてその重みで雪が溶けたら、実は昨年よりも分厚い氷だったと分かった。
  
2センチ以上ある氷のテーブルクロス。
番所大滝の凍る姿を見られるのは、タイミングが難しいらしい。2008年はかなりラッキーだったかもしれない。
ところで、今回は滝見台から下へ下るのに、踏み跡があった。踏み跡があまりに明瞭だったので、我々もそれを利用して滝見台の下に行った。
あくまで自己責任です。マジで危ないですぞ。雪の下は岩で、どこで足をとられるか分からない上に、氷で足を滑らせたら滝つぼに転落だ。ちょっと怖かったので、早々に退散。あとは、また長い階段を登って駐車場に戻った。

午後からの予定は、ちょっと自動車を移動させて、旧八坂村の八坂大滝を見ることにしていた。あの滝は、2008年に立ち寄った時には凍っていなかった。今年であれば、きっと凍っているだろう。また蛸坊主かくらげ入道になった姿を見てみたい。かなり期待していた。
乗鞍からは、下道を走るので、意外に時間をくう。2時間弱かけて旧八坂村の大滝の駐車スペースに到着。一応念のため、と、橋の上から滝を見てみた。
あららららら〜、凍っていない。ってか、育っていない。
滝下に雪の塊らしいものは見えるのだが、それが高くなっていない。いったん凍って崩れたのか、それとも今年は育たなかったのか。
とにかく、蛸坊主でもなんでもないのだ。
これでは見に行っても仕方がない。滝下まで行くのはやめておいた。
かなり期待していただけに、ショックは大きかった。なにせ、わざわざ回ってここまで来たのだ。そうでなければ、別の滝を見る手もあったのである。

傷心のまま、他の滝を探す気力もなく、では帰りましょうということになった。帰る前に長野の湧き水を汲んで帰ろう。
ダンナが前もって調べてくれた湧き水が八坂大滝の1本北の県道にある。穴水清水という。どうもお堂があって、その裏にシミみたいな滝があって、そのそばに湧き水があるらしい。
滝はちっとも期待していなかった。なにせシミ。
国道403号の麻績インターのそばの県道12号に入って行くと、なんだか古そうな町並みになった。あとで調べたら麻績宿という善光寺街道の宿場だと分かった。その麻績宿を通り過ぎ、どんどんと坂を登って標高を上げていく。
確かこのあたりなんじゃないかな、という場所で道路拡張工事が行われていて、2分も信号停止させられそうになった。が、休工中で信号も休止。ゆっくり徐行していると、なんと工事中のフェンスの向こうに水汲み場らしいものを発見した。
工事現場を過ぎるとすぐにバス停になり、そのバス停のそばにもバスタブ(しゃれじゃないです)がおかれてどこからか水が引かれていた。
あの水汲み場が怪しい。
    
  
バス停そばのバスタブの水と、工事現場のフェンスの向こうの水汲み場。
バス停のそばのちょっと路肩が広くなった場所に駐車して、どろどろの工事現場まで戻り、水汲み場を見てみた。コップがおかれていて、どうやら間違いないらしい。しかし、お堂は?
  
ふと周りを見回すと、石の門柱があった。立派な門柱で、そこから斜面を登って行くと建物があるらしい。それがお堂だろう。
しかし、工事中でU字溝のコンクリートが設置途中で並べられている状態。門柱の先のうっすらと積もった雪には踏み跡もない。
でも、行くしかないでしょう。
と、いうことで、休工中の現場を突っ切って、U字溝をまたいで、どろどろを歩いて、雪の上に到達。ちょっと坂を登って穴清水祖師堂に着いた。
その建物の脇、というか、坂の正面に滝はあった。
  
祖師堂と滝の位置関係。滝がわからない〜。
思っていたより立派な滝だった。
ちょっとだけ凍っている。滝つぼのあたりに崩れた氷が落ちているから、もう少し前ならもうちょっと氷で覆われていたかもしれない。
見上げると、さらに上流にも氷の塊があり、どうやら数段の滝らしかった。
しかし、目で見ると、立派な滝になるのだが、家に戻り、写真を見て愕然。水が写っていないじゃないの。
あまりにも太陽サンサンと降り注いでいて、滝の水の存在を消してしまっている。写真よりももっとちゃんと水は流れおちてましたよ。シミじゃありませんよ。
さらに、上流の氷もイマひとつ上手く撮れていなかった。
真冬の状態でこれなので、樹木が繁った時にはおそらく上の滝などは見えないと思う。案外、梅雨時くらいしかマトモに水が写真に写るほどの量にならない滝なのかもしれない。
それでも、けっこう凍っていたので、八坂大滝のショックが薄らいだ。
水は工事現場フェンス向こうにあった場所で汲んで、長野のお土産にした。
交通
  善五郎の滝、番所大滝  長野自動車道松本ICをおりて、国道158号線で上高地方面に進む。スイカの名産地波田町を通り過ぎると、道の駅「風穴の里」があるので、そこで情報収集をするとよい。
途中、トンネルとトンネルの間で左折して乗鞍高原に向かう道に入る。県道84号である。乗鞍高原、と必ず道案内があるので、見落とさないようにすれば間違わない。
国道158号線がわから行くと、最初に番所大滝に出る。JAなどがある建物が立ち並んだ場所であるが、看板があるのですぐにわかる。一応有料駐車場になっているが、管理人などはいない。駐車場から階段で延々と下る。滝見台の下のスペースへは、踏み跡があるので行けるが、大変危険なので、自己責任で行動するように。
県道84号をさらに進み、いくつかのカーブを曲がったあたりに右側に善五郎の滝の駐車スペースがある。ここから行くと滝前に出られる。もう少し進んで、すずらん橋の手前左がわにもかなり広い駐車スペースがある。ここのすずらん橋がわからも善五郎の滝に行ける。こちらからはかなり高い位置にある滝見台に先に行くことができる。

  八坂大滝  一番近いICは、長野自動車道の麻績ICである。ここから国道403号を明科方面に進み、坂北村に入る少し手前で県道55号へと右折する。分かりづらいかもしれないが、403号を走っていて上信越道をくぐってしまったら行きすぎである。
国道19号を変則的に横切り(工事の関係で、今回は細い橋を通らせられたので、国道を出て左折、すぐ右折という感じだった)旧八坂村に入る。すると大滝洞門というスノーシェッドがある。これをくぐるとすぐに新大滝橋という橋と弘法橋という橋が連続て出てくる。この橋の間、左側に目立たない看板で「八坂大滝」とあり、右側には駐車スペースらしい広場がある。駐車スペースには滝についての説明看板が設置されている。ここから滝は遠望できる。
  


  穴清水祖師堂の滝  ライトマップルには穴水という湧き水として記されている。最寄ICは、長野自動車道麻績IC。インターを出て、国道403号を少し長野市方面に進むと県道12号の交差点になる。ここを左折して麻績宿のまんなかを通り、さらにずんずん進んで山の中に入って行く。いったん筑北村になるがすぐにまた麻績村になり、その変わった直後あたりに右がわに下の写真のような穴清水祖師堂の入り口がある。
ただし、2010年2月現在は、ちょうどそのあたりが道路拡張工事のど真ん中で工事現場と化していた。
滝は、入り口から少し登った建物の横にある。
湧き水を汲みたい場合は、入り口から県道を少し先に進んだ右手に汲む場所がある。バス停のあたりが道路が広くて駐車できると思うが、我々の行った時は工事のためにバス停を移動してあると書いてあった。
  


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