![]() 秋保大滝 遊歩道を下って、滝前まで行って撮影。 雪がひどいのがわかるかしらん。 滝の両サイドの氷が分厚い。 ![]() 滝の下流の岩は 全部雪の綿帽子を被っている。 ![]() こちらは、神社裏の滝見台から撮影。 滝下から見るよりもずっと大きな滝に見える。 ![]() 真ん中部分にカーテンのように 氷が張り出している。 ![]() 滝つぼ付近の氷の鎧。 ![]() 中盤は、滝の背後の岩盤が凍って 茶色っぽい色になっていて、 実に不思議な色合いだった。 ![]() こちらは、遊歩道の入り口の近くの 橋の上から見た秋保大滝。 橋からでも充分に見えるんてす。 ![]() 不動滝 かろうじて見えた姿。 雪の壁と樹木の向こうに見える。 ![]() 実際の見え方はこんな感じ。 赤い矢印の先っちょが不動滝。 この谷の上流には地蔵滝があるはずだが、 この角度では見えない。 ![]() エコーラインは青空の向こうに続いている。 この写真のずっと左側に 三階の滝があるはずなんだけどなぁ。 蔵王の樹氷たち ![]() これが一番見たかった「海老の尻尾」。 風上に向かってどんどん成長していく。 ![]() コントラストをめいっぱいいじりました。 幻想的な樹氷原。 ![]() 一瞬垣間見えた、はるか彼方。 ずっと向こうまで モンスターたちに埋め尽くされていた。 ![]() 快晴だったのよ。 でも地吹雪で真っ白な世界だった。 一瞬だけ青空が覗く。 ![]() モンスターっていうより、 幽霊みたいに見えるわね。 |
2012/2/4 秋保大滝(落差55m) 2012年冬、昨年の3.11大震災の復興目的で東北の高速道路が土日無料になった。これは、この冬は東北に向かうしかない。 ではどこの滝に行こうか。と、考えるのが滝好きなのであるが、今回に限って言えば滝はついでだった。 前々から蔵王の樹氷を見てみたいと思っていたので、我が家にとってこの冬の高速道路無料はそのためにあると言ってもいいくらいだったのである。 よし、樹氷を見に行こう。 と、調べて、冬の山の経験の全くない我々でも手軽に樹氷を見ることができるツアーを探した。 すみかわスノーパークから雪上車で樹氷のある場所まで連れて行ってくれるツアーがあり、首尾よく予約もとれた。宿も格安の宿を確保できた。 そこから、ではどの滝を見ることができるだろう、と計画をたてたのである。 まあ、宮城だから秋保大滝さまにはご挨拶しなくちゃならないだろう。で、その先の姉滝なんかも見られるんじゃなかろうか。 蔵王に行くんだから、途中にある三階の滝や不動滝も当然見られるだろうし。おお、かなり贅沢に百選の滝を見ることができる。こりゃあいいぞ。 なーんて思っていたのであった。 ここで懸命な方であれば気がつくと思うが、樹氷ができるんだから厳冬期である。滝を見るにあたって積雪は大敵だ。 ところが、日本海側に住む我々は太平洋側の積雪はたいしたことないだろう、とたかをくくっていたのである。 だから、一応スキー場から出発するツアーなんだし、標高高いんだし。少しは雪が多いことくらい予想しろってば。と、今となっては思うのだが、毎度のことながら甘い考えの持ち主は現場に遭遇するまで想像ということをしなかった。 2月4日当日。実は新潟は大雪だった。 朝、起きると家が埋まっていた。というのは言いすぎかもしれないが、平野部の我が家にはあるまじきとんでもない積雪で、まず自動車を道路に出すところから苦労しなくてはならなかった。しかも、空からはどんどんと雪が落ちている。1泊して翌日帰ってきてみたら、もっととんでもないことになっているだろうなぁ、と気分が暗くなった。 磐越自動車道を太平洋側に向かって進む。 猪苗代湖をすぎたあたりから、前方の太平洋がわの空が明るくなって、やっぱり太平洋がわはいいなぁ、などと話していた。あとはぽかぽかの日差しのなか、適当な場所で持参のおにぎりの昼食を食べて、と思っていたら、東北道に乗って北上し始めたあたりから空が暗くなった。 雪がわさわさ降ってくる。うそだろう、こっちがわはそんなに雪は降らないんじゃないのぉ。いやいや、東北ですってば、一応。 どこまで行っても雪はやまず、むしろ強くなってくる。そうこうしているうちに、秋保大滝に着いてしまった。 仕方がないので、あまり人目のない遊歩道がわの小さな駐車場で自動車の中で昼食。あーあ、まだ雪降ってるよ。どさどさ降ってるよ。 お昼を食べても雪は降り止まないので、諦めて出発することにした。いや、遊歩道へ向かって出発ですよ。新潟県人が降雪くらいで滝をあきらめますかって。踏み跡さえあれば行くのだ。 遊歩道へはしっかりと踏み跡があり、苦労せずに進むことができる。ただし、階段が急なので、滑ってしまわないように気をつけなくてはならない。 途中、かわいらしいゆきだるまなども作ってあり、けっこう真冬の秋保大滝に行く人も多いのだとわかる。 ![]() どさどさと降る雪のなか遊歩道を下って行く。河原まで出ると、綿帽子を被った岩の向こうに滝が落ちていた。 両側に鎧のように氷の塊を従えている。 が、夏に感じたとてつもない迫力は雪に吸収されているようでほとんど無く、むしろ静かな感じだった。 それにつけても、雪が多い。カメラのレンズに雪がついて仕方がない。こりゃ、撤退するしかない。長居は無用とすぐに駐車場に戻った。 ここで気がつけばいいのに、じゃあ姉滝に向かおう、と先に進んでしまった。 自動車でほんの数分走っただけなのに、どかんと積雪が増え、両側の民家が除雪などしているものだから、通行も困難になってきた。それでもなんとかビジターセンターまで行ったのだが、その先は除雪さえしていない。徒歩で行けないこともない距離ではあるが、雪の降り方が尋常じゃない。無理はできないと判断した。ちょっと遅い判断ではあったが。 まだ時計は午後2時くらいだったが、本日のお風呂に決めていた遠刈田温泉の神の湯に向かうことにした。 が、あまりに早いので、帰り道、秋保大滝の神社がわに入り、上からの滝を見てみることにした。 こちらからの滝を見たのは1999年。もうかなり前のことなので、こんな感じだったかなぁと記憶もおぼろである。鳥居をぬけて、神社の奥にある滝見台まで行って滝を覗き込んだ。 ![]() ![]() ![]() あらまあ、すごい。 むしろ、滝下から見上げるよりも落差と迫力を見せ付ける、素晴らしい姿だった。 滝そのものを感じるには滝下がいいのだが、姿形がいいのは上からの展望だなぁ、などと思ったりして。 同じ滝とは思えないくらいだった。 その後、ちゃんと遠刈田温泉まで行き、気持ちのいいお湯にゆっくり浸かって、夕食を食べたあと新幹線白石駅のそばにあるホテルに到着。 かなり早かったが、翌日に備えることにした。 さて、翌日。 この日は三階の滝、不動滝を見ながら午前10時半までにすみかわスノーパークに入って、雪上車に乗り込むつもりである。 起きてみて、ホテルの窓をあけると、いいお天気。おお、昨日の雪はなんだったの。 これは樹氷もきれいにちがいない。 5階の窓から遠くにきれいに山々が見えたけど、あれが蔵王かしら。山頂がけぶっているけど、行くころにはあの雲はとれるかしら。 ![]() 昨日来た道と同じ道を走り、遠刈田温泉を通り越して、鳥居をくぐり、蔵王エコーラインをどんどんと標高を上げて行く。 それにしても、真っ白な世界だ。空が青いのだけが色彩である。 ![]() しばらく走って行くと、滝見台の文字が。三階の滝の滝見台である。道路わきの壁の一部が駐車可能なくらい引き込まれていたので、そこに駐車。 って、あれ〜?ただ自動車が止められるだけで、その先に踏み跡も何も全くない。滝見台に行く術は一つもない。いや、たとえスノーシューか何かがあっても危ない。 ダンナが雪の壁によじ登り、枝の見えている木に捕まって滝は見えないかと探してみた。 ![]() 遠くの谷に、不動滝の姿は見えた。 しかし、三階の滝は雪の壁の向こうでカケラも見えない。 おわ〜、百選の滝が見られると思っていたのに〜。ってか、百選の滝なのに、滝見台までなんとかルートくらい作っていてくれよぉ。 せめてチラっとでも見える場所まで踏み跡があったら行ったのに。 なんか、納得いかないまま自動車に戻り、さらに先に進む。 右手に不動滝の滝見台と蔵王不動尊があり、こちらには踏み跡があったので、たどってみたら、不動尊をお参りするためだけのものだった。滝は音さえ聞こえなかった。 ああ、せっかくの蔵王。さすがに不帰の滝までは無理と思っていたけど、まさか三階の滝が見られないとは。かなり残念である。 ま、今回の主目的は滝ではなく樹氷だ。空は青空。きっと白いモンスターは綺麗に映えるだろう。と、気持ちを切り替えた。 すみかわスノーパークまではきちんと除雪されていて、よほど雪道に慣れていないドライバーでもないかぎりは快適に進むことができる。 スキー客にまじって駐車場に止め、案内の人に受付の場所をきいて受付に。まだ出発に1時間ほどあったので、スキー場をウロウロしたりして時間を潰した。 が、我々のツアーよりも先に出発したツアーの帰りが15分ほど遅れているということで、我々の出発も15分遅れ。寒いなか待っていると、ゲレンデの上からゾロゾロとまるで軍団のように雪上車が5台も連なって戻って来た。 ![]() ![]() 本来、ワイルドモンスター号という雪上車は2台。しかも、午前と午後の2回しかツアーはない。しかし、樹氷の最盛期のこの日は、午前に2回ツアーがあって、小さな雪上車も追加されたようなのだ。 我々は早いうちの予約だったので、ワイルドモンスター号の2号車に乗車。といっても、ぎゅうぎゅうのベンチ方式のシートに5人ずつ×4列。膝小僧もくっつくくらいの狭さである。 しかし、すごいぞ、ワイルドモンスター号。ものすごい急斜面のゲレンデをガッツリと進んで行く。 一応、ガイドさんが運転手さんとは別にいて、これがけっこうイケメンの青年だった。ガイドさんと運転手さんは仕切られた運転席にいて、我々はいわゆる荷台みたいな感じで運ばれているので、ガイドさんの声はマイクごしに聞こえる。 コースとしてはすみかわスノーパークのゲレンデからさらにリフトの上のほうまで進み、途中からエコーライン上に出て、その先、ハイラインを少し登った場所まで行く。 リフトで登ってスキーやスノボを持って樹氷を見に行く人などが歩いていたりするのを横に見ながら、轟音をたてて雪上車で登っていくのである。 これがまあ、みんないい人ばかりで、雪上車に手を振ってくれる。なんだか嬉しい。 さて、かなり標高をあげたあたりで、空がなんとなく暗くなってきた。 えー、せっかくの青空だったのにぃ。 いや、それどころか、風が強くなり、降っていないが積もった雪が飛ばされて吹雪のようになってきた。いわゆる、地吹雪である。ものすごい。視界が真っ白。ゼロに近い。しかも、窓にうちつけて、窓も真っ白。横の窓にはワイパーもないから、車窓など見えない。他のお客さんが見えませんとマイクを通してガイドさんに言ったが、ガイドさんがなんとかできるものでもない。 我々は幸いなことに最前列に陣取ったので、前方の窓から前を見ることができた。さすがに前方の窓にはワイパーがついているので。 ほぼ一時間かけてワイルドモンスター号は樹氷原に到着。ここで10分ほど下車して樹氷を見ることができる。 が、ものすごい地吹雪。 青空はまったく見えない。 しかし、せっかく来たから下車して、樹氷を間近に見た。 世界でも稀な地形と気候でできあがる自然の芸術である。樹氷が真っ白いまま見ることができるのは、もしかしたらあと何年もないのかもしれない。なんて思うと目に焼き付けたくなる。 風上に向かって伸びていくというエビの尻尾と呼ばれる先端部分もじっくり見ることができた。 10分の間に地吹雪がおさまって、遠くが見てとれる瞬間が何度かあって、ガイドさんいわく、1年のうちでも、何回もない好条件の日です、とのこと。 えー、青空じゃないのに、これが好条件なのか〜。前日のツアーはこの樹氷原までたどり着けずに途中で引き返したというから、ラッキーなのかもなぁ。 ![]() とてもつなく寒かったが、10分はあっという間にすぎてワイルドモンスター号に戻る。 下りは登りよりもやや早く、午後1時過ぎにゲレンデハウスに到着。無事終了。 午後のツアーの人たちが寒そうに我々を待っていた。 まだ日は高くて、滝を見るつもりになればいくつか見られたとは思うが、大雪の新潟の自宅が心配だった。 今回のメインイベントを終了したので、さっさと帰宅することにした。 帰りの東北道磐越道は雪のための交通規制もなく、スムーズに戻れた。自宅も心配していたほど雪に埋もれていなかったし、猫どもも大人しく留守番していてくれた。 今回の教訓は、真冬の東北は侮ってはいけない、である。 大雪でなくても、積雪で滝が見られないことがあるので、下調べはよくしていきましょうね〜。 |
交通 秋保大滝 最寄ICは東北自動車道仙台南IC。国道286号を経て県道62号二口(秋保)街道に入り山形方面に進む。秋保温泉などを通り過ぎると、右側に秋保大滝レストハウスがある。ここからは上から見る滝見台。滝つぼまで行く遊歩道に行くには、レストハウスから仙台方面に戻り最初のT字を左に。すぐに名取川を渡る橋になるが、これを渡って右側のたもとに駐車場がある。遊歩道は道の反対側。歩いて5分で滝だが、けっこう急な階段だ。 すみかわスノーパークと樹氷ツアーについてはHPをご覧下さい。 |