んがお工房の桜めぐり


番外編2012年京都の桜めぐり

タイトルに「んがお工房の桜めぐり」とあるが、今回に限っては「んがお工房ではないので、実は番外編である。
んがおRの母はそろそろ高齢で一緒に旅行できる機会もそれほど残されていないということで、姉が秋に春にとツアー旅行を計画してくれる。前回の秋は姉が新潟まで来てくれたので、今回は私と母が上京してのツアーとなった。
すべての計画を姉にまかせたら、なんと1泊二日の京都桜めぐりが決定してしまっていた。
今回のツアーは、JTB旅物語の「春の嵯峨野トロッコ列車と京都桜10景めぐり」である。
おおーーー、京都の桜を10個も見られるのか〜。
と、けっこう期待していたのだが、悲しいかな、今年の春は遅かった。例年であれば満開か散り始めていてもいいはず4月7日の京都の桜が、今年に限ってはまだ咲いていない状態だったのである。
しかも、集合の東京駅で、添乗員氏はのたもうた。「今日の京都は最高気温8度。ところによって、にわか雨か雪だそうです」
でぇぇぇぇぇ。雪の新潟を脱出して春を満喫しに来たのに。満開の桜の東京をあとにするのに。なんで京都は雪〜。
思いっきり春の装いの薄着の私にとって、暗雲たちこめる出だしだった。
今回は番外につき、桜メインというわけにはいきません。なにせ、どの写真にも母と姉が写っておりまして、それをトリミングしたものがほとんど、ということで、ロクな写真がありません。旅行記と思っていただけたら幸いです。



産寧坂の桜
清水寺の桜よりもこの産寧坂の桜の
印象が強い。


観光客の姿は冬服。
みんなマフラー姿です。
京都の桜めぐり

2012年4月7日
新幹線のぞみ号にてあっという間に京都について、いよいよ京都の観光がスタートする。快晴の東京をあとにして、京都は薄曇り。しかも、しっかり寒い。姉から借りたカーディガンでなんとかしのいでいたが、私はブルブル震えていた。京都の人たちも観光の人たちも、完全装備の冬支度である。マフラーがうらやましい。京都、寒いんだ〜。
まず第一の観光場所は清水寺。
予想どおりに桜が咲いていない。まだ蕾も固い感じだ。
ここに来る間に母が転んでしまって、ひざを痛めてしまい、歩くのは大丈夫だが階段がキツイという状況になっていた。ところが清水寺、坂やら階段だらけ。それでも時間はたっぷりあったので、ゆっくりと回ることができた。
一応、音羽の滝の水もいただきました。
まだ10時前だというのに、けっこうな人出があって、バスに戻るまでのお土産やさんで捕まって、八つ橋の試食をさんざんしたりして。
途中の産寧坂では、綺麗に咲いているしだれ桜を発見して、ようやく京都の桜に出会えた感じがした。




蹴上インクライン
の桜

この幅広い軌道を船を乗せた台車が走った。
実際に船と台車も展示してある。


軌道が高い位置にあるので、
下の道の脇から生えている桜の木の枝が
すぐ目の前にある形になる。
ずっと先まで桜並木だ。



平安神宮の
紅しだれ桜

これ、咲いたら本当にきれい綺麗だわよ。
悲しいったらありゃしない。
調べたら、翌週に満開だった。
次にバスが向かったのは、南禅寺。いつもであれば、南禅寺の駐車場に駐車して、その周辺を散策するらしいのだが、今年に限って、南禅寺は大きな行事があって、駐車場はそちらに貸切になるらしい。
仕方がないので、我々のバスは、平安神宮の駐車場に駐車した。
そこから徒歩で案内される。
ところが、私も姉も、このツアーはほとんどバスで移動してガイドさんがきっちり案内してくれるものと思い込んでいたのだが、南禅寺の手前で解散、と言われてしまった。ええーーー。3時間自由時間を与えるので、南禅寺、哲学の道、蹴上インクライン、平安神宮を自力で見て回れ、と言う。
バスの中で地図を渡されて、駐車場の場所だけ確認させれられて、あとは自由にしろとのこと。自由ったって・・・
とにかく老齢の母をつれて、階段の多い場所には行けない。
まあ、とにかく、平らな場所なら大丈夫なので、歩いてみるか、ということになった。
とりあえず、南禅寺に行ってみるが、山門の向こうの桜は蕾も固い。母を階段の下で待たせて、それだけ確認して戻る。
次は哲学の道だな。
30分弱歩いて哲学の道の入り口に到着するが、これまた桜は蕾も固い。
なんだか桜に裏切られたような感じだし、母は歩きたくないって言うし。
とにかく戻って、平安神宮に行こう。
平安神宮のしだれ桜はこの旅行で私的には円山公園のしだれ桜とともに一番楽しみにしていた桜なのだ。しだれ桜はソメイヨシノより早いと思うので、咲いていてくれるかもしれない。
戻る途中に蹴上(けあげ)インクラインの桜並木がある。
そこまで来て、本当ににわか雨が降ってきてしまい、いよいよ寒くなった。ちょうど道の反対側に国際交流会館というのがあって、だれでも入れて休憩できるようだった。母をそこのベンチで休ませて、私と姉で蹴上インクラインに行く。
蹴上インクラインというのは、私もそんなのが京都にあるとは全く知らなかったのだが、琵琶湖から京都に水を引く琵琶湖疏水の一部で、傾斜のある土地にレールを引き、その上に船を乗せて運んだ場所である。
両側に桜並木があって、ここの桜は本当に見事に咲いていてくれた。
ただ傾斜している上に鉄道軌道のように砂利と枕木があるので、足を痛めた母には無理な場所。見せてあげたかったなぁ。
急いで桜を見て、国際交流会館で待つ母を迎えに行って、また徒歩で平安神宮に向かう。
平安神宮前の広場では、よさこいの発表会のようなものが開催されていて、カッコいい衣装をつけた人たちがたくさんいた。
それを眺めている時間はなくて、とにかく平安神宮の中に入る。
あ、広い。
派手な建物の前の広場はかなり広いうえに砂利。母をサポートして、しだれ桜を探すが、あららららら〜、あの屋根の上の濃いピンクがしだれ桜かしら。どうもそうらしい。まだまだ蕾じゃないの。
かなり落胆してしまった。
それでもとりあえず中の庭園に行く。自由散策なので、ここの入園料は自前だ。そんなこと、パンフレットにも日程表にも書いていなかったのになぁ。
中に入ると、咲いていたらきれいだろう桜の天井になっていて、寒すぎる今年の春が恨めしくなってしまった。
それでも、回遊式の庭を順路にそって歩いて行くと、早咲きの桜があって、庭園と桜の取り合わせに京都に来た甲斐があったなぁ、などと感動したりして。
  

   東神苑の橋殿から池の向こうに見える桜。




祇園しだれ桜
一重白彼岸枝垂桜。
現在の桜は二代目で、樹齢は80年ほど。
公園のカラスによる被害などで
弱っているらしい。


咲いている花のアップを撮影したかったが、
なにせ人出が多くて、近づけなかった。



祇園白川の桜
実は、この写真の橋の右側の旅館に
泊まったことがあります。
すんごく料理がおいしかったです。



祇園白川の桜はかなり咲いていて、
のんびり歩くにはちょうどよかった。。

次にバスが向かったのは、祇園だ。
例年なら桜にちょうど良い週末なので、とにかく観光客が多い。多少の渋滞にハマりつつ、八坂神社の駐車場に駐車。はぐれないように、と、さんざん念を押されて赤い旗の後をくっついて行った。
いやはや、本当にすごい人出だった。
歩く隙間もないほど円山公園の中は人だらけ。
もうそろそろ日が傾きかけているので、これから宴会という人も多いのだろう。
お目当てのしだれ桜の前で、撮影時間をくれたので、ぐるりと桜を回ってみた。
ああ、しかし、この桜も咲いていない。
しだれ桜は咲いたらこんもりと美しいのだが、蕾の状態ではあまりにさみしい。道行く人の話声で、かなり枝を切ったのだということも分かった。
再び旗のもとに集まって、とんでもない人ごみのなか、露店の間を通り抜ける。うわ〜、関西の露店ってば、見たことのない食べ物がたくさんある〜。
あれなに、これ美味しそう、でもひっかかってたら旗を見失う〜。
  
ぎゅうぎゅうの人出。
人ごみをポンと抜けたら八坂神社の境内に出た。ここでまた写真タイム。3人並んだ写真をバスガイドさんに撮ってもらったりした。
八坂神社を出て、まっすぐ伸びるのが四条通りで、かなりの繁華街だ。ここもとんでもない人でごった返していて、ガイドさんの旗を見失わないように後をついていくのが精いっぱい。
いったいどこに行こうとしているのやら、ガイドさん。なんでこんな人ごみを歩かなくちゃならないのか、さっぱりわからない。
かなりもみくちゃにされながら、なんとか左に折れて、少し歩くと、あらまあ、とってもきれいな川辺の道に出た。
祇園白川である。
京都らしい景観の場所で、桜が川沿いに咲いていてなんとも美しい。しかも、ちゃんと桜、咲いていてくれているし。ここに連れてくるために四条通りの雑踏をかき分けて来たワケか〜。
  
    
いかにも祇園っぽい場所に咲いている桜。
白川の通りは比較的人も少なくて、ゆったりと歩くことができた。
バスに戻って、あとはオプショナルになる。が、ツアーに参加している全員がそのオプションを申し込んでいるそうなので、ほぼツアーの日程になっている。
京都駅近くのホテルで湯豆腐の晩御飯を食べてから、二条城の桜のライトアップを見るのである。
湯豆腐の晩御飯は、実はそれほど美味しいものじゃなかったんですが(こらこら)おかみとおぼしき女性のサービスがなかなかよくて、印象はよかったです。





二条城の桜
ライトアップ

桜の花のトンネル。


闇に浮かび上がる桜。
たぶん、仙台屋じゃないかなぁ。
池にも映っている。



北大手門近くのしだれ桜は本当に見事。
どの写真もブレブレなので、
小さいサイズで雰囲気だけ
ご覧ください〜。

とりあえずおなかも膨れて、バスは二条城に。
二条城は門をくぐる前から竹に穴などあけて光が透けるようにしたオブジェが飾られていて、とてもいい雰囲気だ。
広い庭園のあちこちに桜があって、ライトアップされている。
私もなんとか写真に収めようと思うのだが、三脚も持っていないし、慣れないカメラだし、という言い訳のもと、ブレブレの写真を量産してしまった。
写真ではうまく伝わらないだろうが、このライトアップ、とても素晴らしいものだった。桜のライトアップは本当に美しい。桜の木にとってはちょっと負担になるのかもしれないが、花の咲いている期間だけ、夜も楽しませてくださいな。
二条城のお堀にもライトが当てられて、石垣に映る水面の光が幻想的だった。
  
ライトが揺れて映って幻想的。

この日の日程は以上で終了である。
あとはホテルに行って翌日に備えるだけなのだが、そのホテルが遠かった〜。この季節の京都では宿を確保するのが困難なのだそうで、なんと、関西国際空港近くのホテルでしたとさ。
添乗員さんなんか、地図は見ないほうがいいです、なんて言うくらい遠い場所で、ここまで遠いと、別のツアーが組めるんじゃないかっちゅうくらいの場所である。
しかも、満室だったらしく、エレベーターは何回待っても満員で乗れず、お風呂は洗い場が使えず。ホントーにとんでもありませんでした。
いい時期だからこそ旅行したいのだが、そんな時期には人も集中するワケで。少しでもいい思いをしたければ、もうちょっと上乗せした金額のツアーを選ばないといけないのね〜、というのが実感だった。




人力車の上から撮影。
見事に咲いていたオオヤマザクラ。



渡月橋を望む「よしむら」さんで
「京のはんなり膳」1785円。
そばの実サラダ(写真)、おそば、そば粥、
そばの実アイスクリームのセット。
そば粥は絶品。



竜安寺の桜
つぼみが膨らんでいるのさえ
わからない状態だった。
咲いたらきれいなんだろうなぁ。



御室桜
こうなると、もう、桜なんだか
何なんだか分からない。
御室有明という種類で、
背丈がそれほど高くない。
遅咲きの桜だそうで、
開花の時期には拝観料が必要とのこと。
4月8日
あんまり印象のよろしくないホテルで借りを返せとばかりにたらふくバイキングの朝食を食べて、今日も今日とてバス上の人となる。
なにせ、遠いホテルなので、午前7時半にホテルを出発して、第一の目的地である嵐山に到着したのは午前10時。
ここでまた2時間半も自由に散策しろ、とのこと。相変わらず、聞いてないよ、それ〜の連続である。バスで手渡された地図を持って、どうすんのよ私たち、と途方にくれていると、人力車のお兄ちゃんが声をかけてきた。
人力車はかなりお高いのを実は知っていたので、3人で乗れればね〜と軽く受け流していたら、足が思わしくない母が俄然乗る気になってしまった。
3人で2台の人力車に乗って、30分コース。おひとり様約4000円強。私としては、かなり以前だが同じ嵐山で人力車に乗ったこともあるし、乗らなくてもよかったが、母がすっかりその気になっているし、仕方がない、付き合う以外ないではないか。
しかし、結果、乗って正解でした。
人で込み合う嵐山を人力車は爽快に走りぬけ、通りがかりの名所の案内をしてくれて、どこから来たのと世間話に付き合ってくれて、三人そろった写真もたくさん撮ってくれた。なにより母が疲れなかった。
  人力車の上より。竹林を走る。
しかも、昼食にちょうどいい蕎麦屋さんまで教えてくれた。
人力車のお兄ちゃんの教えてくれた蕎麦屋さんは渡月橋がとてもよく見える席で、窓に向かって掘りごたつみたいに座って食べられる場所だった。母も足が楽だったし、ものすごく美味しかったし。
これで桜が咲いていてくれれば満点だったのだが、桜はチラホラだった。
2時間半どうやって潰すか悩んでいたわりにはきれいに使い切ってバスに戻る。
続いて、ツアーの表題にもなっているトロッコ列車に乗る。
楽しかったんですけどね、桜、全く咲いていませんでした。ので、写真がありません。なんか、ただ乗っただけ、みたいな感じになってしまったが、もうちょっと季節があったかくなったら、桜がなくても緑と水のきれいな列車だと思う。
次の目的地は竜安寺。
石庭で有名なこのお寺、2012年のJR東海の京都キャンペーンで使われたそうで、恐ろしいくらいに混雑していた。
石庭の向こう側にこんもりと美しいしだれ桜が咲くのだが、うーむ、この桜も蕾が固い。人垣となった石庭を人の頭をかきわけつつ見て、桜が濃いピンクの蕾だと知りかなり落胆した。
桜が満開のころの写真のパネルを見て、こんなだったはずなのにね〜、とあちこちから声がもれる。ああ、ホンット、今年の春の遅さが恨めしい。
いよいよこのツアー、最後の見学地になった。最終の場所は仁和寺である。
ぼちぼち夕暮れも迫ってきて、露店なども店じまいを始めている。さすがに京都の大きなお寺なので、階段も多く、ツアーに含まれている庭園の見学にはなんとか母を引っ張って行ったが、金堂のほうまでは行けないというので、またしても母をおいたまま姉とダッシュで見に行く。
金堂の前には御室桜というのがあって、かなり有名らしいが、これがまた超遅咲きの桜でがちがちの蕾状態。
しかも、私はてっきり1本桜と思っていたのに、低めの桜の木が何本も何本もある桜の畑みたいなものだった。でも、これだけの背の低い桜が満開になったら、桜のじゅうたんの中にいるみたいでかなり綺麗なんだろうなぁ。
母とも合流して、バスに戻り、あとは京都駅でお土産などを見つつ新幹線に乗るだけだ。
ところが、この新幹線、あいかわらず大混雑の時期ということで、こだま号しか団体がとれずに、東京駅に着くのが午後10時45分。ということは、新潟に向かう新幹線の最終に間に合わないのである。
どんどんのぞみに追い越され、あれに乗っていたら間に合っただろうなぁとぶつぶつ言いながら、東京着。
在来線で新宿に向かい、どうしても一緒に帰ると言い張る母とともに夜行バスで新潟に戻ることになった。
まあ、夜行バスは思ったよりも快適で、思ったよりも眠れて、よく9日の早朝5時半には地元に到着。その日の仕事もつつがなく終えることができた。
母も膝を医者に診てもらい、骨にも異常がないことを確認した。
ああ、それにつけても、高齢の同行者がいる場合はツアーはよくよく調べないと大変な目に合うとわかった。見学地に入っていても、自由見学だったら、本当に困ってしまう。今回の教訓になった。
でも、総合して、よい旅行でしたよ。
これで、桜が咲いていたらね〜。
そのうち、必ずリベンジするぞぉ〜っ。


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