2013年花を求めて長野 千曲市の滝たち
(三滝、樽滝、女陰の滝)



三滝(一の滝)
岩盤に当たる水流が綺麗に分岐する。
厳冬期には凍るらしいが・・・
いや、凍っていたんだけど、
上に雪が積もるとワケがわからなくなる。



遊歩道の橋のあたりから見ると、
上を落ちる二の滝も見えて、
奥行きのある滝景色になる。



三滝(二の滝)
一の滝に似ているが、やや寝ている。


遊歩道が分かれていて、
滝のすぐそばまで行ける。
左岸に私が立って大きさ比較。



二の滝の特徴的な滝つぼの石。


こんなふうにほぼつぼを独占。


上から見るとまっ平らなのがよくわかる。
小人さんのステージかもね〜。



三滝(三の滝)
大まかに三段に分かれた三の滝。
ただし分岐ず細かいので、
段数は主観によるかも。



意外に大きな滝である。
赤丸の中に私が立っている。
遊歩道は滝を巻く感じでさらに上に
続いているが、
駐車スペースに戻るにはそちらに行かずに
沢から離れる。



一番上の段の滝つぼ。


緑の濃い時期にはとても綺麗だろう。



樽滝
遊歩道の終点より見上げる。
手前の白いのは氷だ。
ストンと落ちた水が岩盤でS字に流れる。
たぶん水量はいつもこんなものだろうが、
だからこのS字が際立っている。


案内看板には高さ45メートルとあった。
これは道路から見上げた図で、
看板の数字はたぶんここからの数字。
下のほうは、滝というより沢なので
落差45メートルというわけにはいかない。


道路からの大きさ比較。
沢を上流に向かって目を転じて行くと、
突き当りに黒い岩盤が見えると思う。
それがS字も鮮やかな樽滝である。


滝前に氷。
これは氷瀑を形成した後、
暖気で崩れたものと思われる。
かなりガッチリした氷だったので、
氷瀑は見事かも。
ただし、林道は冬季は通行止めになる。


遊歩道終点よりの大きさ比較。
手前にダンナが滝を撮影中。


大きさ比較の2。
S字の大きさはこんなもんです。


岩盤の妙で描かれるS字。


落ち口。
水量は少ない。




女陰の滝
滝、というよりは、沢なんだけど。


大きさ比較。
この程度です。



滝に打たれて身を清めると恋人が現れ
二人が結ばれるという「ロマンの滝」だそうだ。
どうやって打たれたらいいんだろう〜。
2013/3/16 三滝(滝の延長20M) 樽滝(全長45M?) 女影の滝(20M?)  長野県千曲市

3月に入り、今年はなぜかジェットコースターのように気温が上下を繰り返す日々が続いていた。
県内では早春の花たちがチラホラ咲き始めてはいたが、まだまだ寒く氷点下の朝などがあるのでシーズン突入というわけにはいかなかった。もちろん、気の早い花々を見る分には新潟はこの季節はとてもいい季節なのだが、ちょっと目先を変えてもいいでしょう〜、ということで、新潟では見られない花を長野県に見に行くことにした。
その花の名は、「セツブンソウ」。
実はもっと南で節分の頃に咲く花なのでセツブンソウというらしいのだが、長野県千曲市は北限の土地だ。だから、1か月も節分から遅れての開花になる。
あらかじめ調べておいた群生地が以前真冬に行って滝なんだか雪の塊なんだかわからなかった三滝の近くと分かったので、ついでに三滝も見ることにした。って、おいおい、滝のサイトだろう、このサイトは。本来、滝が主人公なはずだろう〜。
さておき。
千曲市は長野県でも新潟に近いのでだらだらと起きてだらだらと出発。午前11時に群生地の一つ倉科に到着した。
本来ならまだ林道のゲートが閉鎖されている時期らしいが、セツブンソウの開花時期なのでゲートが開けられて通れるようになっている。三滝へは右折、セツブンソウには左折の分岐を左折して、少しの間林道を走ると、道端の右側の斜面がセツブンソウの群生地だ。
自動車を適当に路駐して、斜面の遊歩道を歩く。
  
三滝と樽滝の分岐点のT字。

  
セツブンソウ群生地は廿楽折りの林道の間の斜面だ。

  
斜面をぐるっと回れるようになっている。
実は、セツブンソウは写真では見たことがあるが、実物は初めてである。写真からしてキクザキイチゲくらいの大きさの花かしらと思っていたのだが、こいつがめちゃくちゃ小さい。せいぜい大振りのユキワリソウくらいの大きさしかない。で、私の第一声が「ちっちぇえ〜っ」だった。
しかし、その小さいやつが実にけなげに咲いているのだ。
倉科の群生地は少し時期が早かったらしく、それほどワッという感じで咲いてはいなかったのだが、他に花らしいものが全くない斜面で小さな花が同じ方向を向いて花びらを広げているのはとても愛らしかった。
さて、無事にセツブンソウも見たことだし、分岐に戻って三滝を訪ねよう。
三滝は実は氷瀑になるとの情報を得てずいぶん昔に真冬に来たことがある。(レポはこちら)ところが前述したとおり滝の上に積雪してしまって滝としての印象が全くないのである。どうせ大したことないけど、近くまで来たんだから立ち寄りましょう、というくらいの気持ちだった。
すいません、三滝。
11時半に到着。入り口の遊歩道の案内版に1周848メートルとあったので、それほど時間はかからないだろうと判断して歩き出した。
  
倉科三滝園地入り口。ちょっと残雪。
まず一の滝がすぐに目に入る。
へえええ、こんなに綺麗な滝だったんだ。
岩盤に水流がぶつかって美しい模様を描く分岐瀑だ。岩盤の凹凸が細かいのでとても綺麗である。
見上げると二の滝の姿も見えて、奥行きのある光景になる。
そうか、三滝は冬に来ちゃあいけなかったんだ。むしろ緑の萌え出る頃のほうがきっと水流の美しさが映えるだろう。
遊歩道は滝の左岸に沿って伸びていて、一の滝を左に見ながら登るとすぐに二の滝になる。
  
遊歩道はこんな感じ。
二の滝へもごく近くまで行くことができる。
下から見ると分からなかったのだが、二の滝、滝つぼに面白い岩を抱えている。
なんか、テーブルみたいな岩だ。上がまっ平らで磨かれたようにつやつやしている。いつの頃からあるのかわからないが、ずっと二の滝の滝水を浴びているのだろうのに、あの平ら加減はどうだろう。
いや、まて、実はごくごく最近になって落ちて、ドサっと滝つぼに突き刺さった岩なのか。
色々想像を膨らませることができる岩だ。
二の滝からけっこうな角度の階段を上り、危険とかかれた遊歩道を別段何の危険もなく歩いて行くと、ほどなく三の滝に出る。
  
危険と書かれているがそんなに危険じゃない。
三の滝は長い斜面を優雅に流れ落ちている感じの滝だ。
大まかに三段になって落ちていて、全体を一つの滝とするなら一の滝や二の滝よりも落差は大きい。
遊歩道を滝をまたいで(飛び石で渡れる)右岸に移り、そのまま沢を離れて山を下る。
ダンナがやたらたくさん飛んでいたテングチョウの撮影をしている間に、私は滝の上にも伸びている遊歩道を歩いてみることにした。
ほぼ踏み跡くらいになって、三の滝を右に見ながら登って行く。滝の上はなだらかな沢になっていて、何やら分岐らしい道標があった。
この先は縄文の名水方面と百瀬方面に分かれるらしい。
  
三の滝上流の分岐。
この沢の上流に樽滝があると思っていた。もし近くならそのまま歩いてもいいかと思っていたが、道標に滝の名前がなかったのでやめた。三の滝まで戻るとダンナがまだテングチョウと遊んでいた。
このまま来た道を戻ってもいいが、それではつまらないので、沢から離れる遊歩道を進むことにする。しかし、沢から離れてしまったのでほとんど見るものもなく、なだらかな道をただ15分弱歩くだけで出発点に戻った。
  
林道のような道を下って行く。
正午を少し回ったところだったので、看板の前にあるベンチに陣取って昼食にした。どうせこんな時期に滝に来る人なんていないと思っていたら、1台自動車が来て、女性が降りて一の滝だけ見て戻ってしまった。せっかく来たのにもったいない。こんな時期に滝に来るなんて滝好きじゃないのかしらん。
さて、昼食を終えた我々は三滝があまりにも思いがけずに素晴らしい滝だったので、パスするつもりだった樽滝にも行ってみることにしてしまった。
樽滝はさっき見たセツブンソウの群生地を通り越してさらに先に進む。
ところが、林道はセツブンソウの群生地あたりまでは自動車も通っていて危険はなかったのだが、その先は落石ゴロゴロ、木の枝バサバサの通行困難な状態だった。
でもせっかく来たんだし、石や枝はそのつどどかせばいいし。
ということで、自動車で行ったわりには邪魔な障害物にあたっては降りてどかして、のろのろ進んで、ということを繰り返して、結構な時間をかけて樽滝前に到着。
いや〜、パンクしないで到着してよかったね〜、なんて言っていたら、前方から軽トラが楽々と走ってきて、かなり驚かされた。あの軽トラはきっとパンクしないタイヤに違いない。
樽滝は道路から見上げることができる沢のはるか高い場所にあるらしかった。
沢そのものが滝なんじゃないか、というくらいの角度で落ちているのだが、登り口と書かれた看板には10分と時間がかかれている。つまり、10分登らないと樽滝にはたどり着かない。
でも、たぶんあれだろう、というのは道路からも見えた。
  
樽滝の看板。下流は三滝川で標高は820メートルだそうだ。

  
樽滝の先は鏡台山の登山口らしい。
沢を直登するワケにはいかないから、まず階段で山にとりつき、足場のいい場所をぐるっと回って滝に近づくのだろう。
予想どおりそっちは滝じゃないだろ〜、という方向に進み、登るのね、という感じの遊歩道を歩く。
10分とは言わないが、5分以上かかって滝前に到着した。
  
滝の横に見事な階段。

  
階段を登りきると斜面を大きくまわりこむ。

  
途中に埴輪みたいなのがある。
おお、氷がある。
滝そのものは凍っていないが、厳冬期に凍っていたらしい残骸が滝の滝つぼとおぼしき場所にゴロゴロと落ちていた。
かなり大きな氷の塊で、これが岩盤に張り付いていたら、ものすごい氷瀑だろうになぁと想像させられるものだ。よし、厳冬期に見に来よう、と思ってみたが、林道が閉鎖されるので徒歩で行く根性がない限り無理である。
滝は黒い岩盤にわずかな水がSの字を描いて落ちるという、とても変わった水流の滝だ。
Sの字の下は分岐する流れになっているらしいが、氷が邪魔してよく見えない。
いや、むしろその氷のおかげでとても印象深い滝になっているのだが。
あと数日もしないうちにこのゴロゴロした氷の塊たちも解けて消えてしまうのだろう。氷瀑は見ることができなかったが、落ちた氷もまだ期間限定のものなのだ。
三滝も樽滝も全く期待していなかったのにとてもいい滝だった。
よーし、それならば、この地図に載っている女陰の滝というのもきっといい滝だぞ。
つい期待してしまった。
女陰の滝は三滝からほど近い上信越道五里ケ峯トンネルの脇にしっかりと滝マークがついている滝で、よもや現地に行かなければ存在もわからない樽滝より見栄えのしない滝とは思えなかった。
そんなこんなで、この道でいいのか〜?という道を走り、ゴンっと道路に居座る一抱えもありそうな落石を避け(それでも通行止めになっていなかった)たどり着いた滝は、ええーーー、これ〜?といった感じの滝だった。
滝ってか、沢?しかも、小沢?
ホントにこれが女陰の滝なのかどうか、なんどもあたりを見回した。
しかし、しっかりでっかい看板があるんだもんな〜。落差20メートルって、どこから図ればその数字が出るのかなぁ〜。
看板には女滝と書いてあるので、男滝がどこかにあるのかもしれないが、そもそも女陰の滝というくらいだから男滝はないだろう〜。
看板に案内図があった痕跡はあるのだが、すっかり色落ちして消えてしまっている。
なんだか腑に落ちない感じもあるのだが、これが女陰の滝だと納得するしかないだろう。もし違っていたら、お気づきの方はご一報ください。
  
でっかいんだ、この看板。
期待していた分ちょっと残念な気持ちのまま引き返し、最後の訪問地、もう一つのセツブンソウの群生地に向かった。
セツブンソウの群生地としては先に行った倉科よりもこちら、戸倉のほうが規模が大きいらしい。
キティパークという公園が入り口になっているらしいので、国道18号に出てからそのキティパークの案内を探した。
あれ、あったぞ、キティパークの案内看板。でも、なんで天狗の顔がくっついてるの?キティといったら、リボンのついた猫でしょう〜。どうもキャラクターの猫とは全く無関係の名前らしく、シンボルは天狗。いや、ホント、でっかい天狗が国道からも見えた。写真撮っておけばよかった。公園に入ってしまったら見えなくなったから。更埴インターから国道18号を南下する形で走って行くと、キティパークは左手の小山の斜面にある。案内通りに進んで、山をちょっと登ると駐車場だ。芝生の植えられた、遊具がある気持ちのいい公園になっている
小腹がすいたので、トイレを借りたスーパーで買った菓子パンとコーヒーで公園から市街を見下ろしながらおやつにした。長野はこういう気持ちのいい場所がたくさんある。
一休みしたあと、セツブンソウの群生地に。
駐車場からすぐの場所に入り口がある。けっこうたくさん人が歩いて行く。自動車も通れそうな道だが乗り入れはできない。
  群生地はキティパークの駐車スペースから右側の未舗装の林道に入って行く。
少し歩くと、神社の鳥居が見えて、林道をショートカットする形で階段が続いている。それを登りきると「自在神社」で、小さな祠の隣には天狗の松という樹齢約400年のご神木がすっくと立っていた。
  
鳥居をくぐる小路はショートカットの道。

  
自在神社。神社の裏側に天狗の松がある。

  
セツブンソウ群生地。
そこからまた林道に復帰して、またしばらく歩く。看板が見えて、いよいよセツブンソウの群生地だ。
おおおお、ここはすごいぞ。斜面が白く見えるくらいに小さな花が群生している。ちょうど満開といった感じだ。倉科よりも見に来る人も多く、次々と人が来る。小さな花が一斉にこっちを向いて笑っているように見える。
  
ちっちゃい花が一斉に咲いている。

  
アップにするとこんな感じ。

  
よく見ると可憐な花なんだけど、地味だわね〜。

  
一面、セツブンソウでした。
早春の長野に来て、新潟にはない花を見て、拾い物みたいにいい滝も見ることができた。お天気もよかったし、いいなぁ長野は。長野道で新潟に戻る道を進むと、新潟の上空の雲はどんよりと重かった。まだまだ日本海側は冬が残っている。でも、その冬の雪がユキワリソウやカタクリを見せてくれるんだからねぇ。ちょっとのドライブでの長野の青空とよい花と滝に感謝しつつ一日を終えた。
交通
  三滝  最寄ICは、長野自動車道更埴IC。国道18号線に出て、南下。粟佐交差点を左折。右手に森将軍塚古墳を見ながら進み、Y字にあたったら左側に進む。が、このあたり、我々が行った時には道路工事中で、新しく道路ができる模様なので、ナビなどがあったらあんずの里は必ず入っているのでそれを目標にしたほうが確実かもしれない。
県道392号をまっすぐ東方向に進むとだんだんと林道っぽくなってくる。しばらく走ると、右欄上のほうの「不法投棄禁止」とか「熊に注意」の看板のほうが目立つT字に突き当たる。三滝園地は右に曲がって少し走った突き当りである。下流側の一の滝から遊歩道を歩いて三の滝まで行ける。遊歩道をぐるっとゆっくり回っても30分程度だ。スニーカー程度の足回りでも十分である。

  樽滝  上記の「不法投棄禁止」「熊に注意」のT字を「セツブンソウ群生地」に向かって左側に進む。山を登る感じで進み、セツブンソウ群生地を通り越してさらに進んで行く。落石などがあるので注意が必要だ。しばらく進むと道の左手に樽滝と看板があり、路肩が広くなっているのでそこに駐車。樽滝はそこからでも見えるが、入り口の鉄製の階段を上って遊歩道を歩いて行くと直下まで行ける。10分歩かない程度であるが、簡単な足回りでは無理。スニーカー程度でよい。

  女陰の滝  上記県道392号富士見橋のあたりから県道335号に入りあんずの里の観光会館を目指す。観光会館を通り過ぎると、左手に沢山川を見ながら上流方面に進むことになるが、あんず畑だの民家だのが入り組んでいて、道がまっすぐ川沿いにあるわけではない。とにかく沢山川をさかのぼるつもりで自動車を走らせよう。橋を渡って川が右手になったら道は安定する。そのままずっと走って行くと山がちになって、右手の谷がかなり深くなる。三滝方面に進む林道が左に分かれるがそのまままっすぐに進む。左右の山が迫ってきたらぼちぼち右側に上欄の女陰の滝の案内看板がある。路肩が広くなっているので十分に駐車できる。滝は看板からすぐ。

  セツブンソウ群生地  倉科の群生地は上記樽滝に行く道すがらだ。規模的には戸倉より小さいが、静かでゆっくり楽しめる。戸倉よりやや開花が遅い感じである。戸倉の群生地は戸倉宿キティパークを目指すとよい。更埴ICから国道18号線を南下して、JR戸倉駅近くの「今井」交差点を左折。線路を渡って道なりに山を登って行くとキティパークに自動的についてしまう。駐車場に自動車を入れて(無料)徒歩で群生地を目指す。ほぼ林道を歩くだけなので簡単な靴でも大丈夫だ。15分弱で群生地に着く。公園が入り口なので、家族連れなどが見に来ている。



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