2013年GW飽海三名瀑めぐり? 



十二滝
一番下の段だけだ。
いつ頃滝見台が崩落したのだろう。
早期の復旧を望む。


この看板は、以前滝見台にあったものだと思う。
土砂の中から拾い上げて
ここに設置したのだろうか。


右岸にある遊歩道からわずかに上段が見える。


林道に出た先にある
十二滝の上流。
渦巻く早瀬だ。
もしかしたら、これが「水汲み滝」
「てんつき滝」あたりかもしれない。



玉簾の滝
この日は雪解け水を集めて
豪瀑と化していた。


もうもうと水しぶきをあげて、
観光客たちを水びたしにしている。


この水の流れを見て。
まるで生き物のよう。


滝がまるで怪獣みたいに見える。


早春の林の中に落ちる姿は、
本当に巨大だ。



開運出世の瀧
不動の滝というのが正式名称らしい。
が、神社にしっかりと
この名前の札が立っていた。


御瀧神社との位置関係。
建物の背景になって、
とても綺麗に見える。


滝の前には柵。
むやみやたらに滝に入れない。


大きさ比較。
意に反して、滝が小さく写りました。


滝の水はは神社の脇を通って
道路を挟んだ川に向かって流れる。


落ち口。


途中の岩盤。
溶岩っぽいんだけど。



胴腹の滝
たぶん、お堂の両脇の流れから、
お堂の下まで全部含めて
胴腹の滝というのだと思う。


上の写真とほぼ変わらないが、
湧水の途中の岩に立つことができるので、
あちこち動いて撮影できる。


大きさ比較。
意外にたくさん木がはえている。
2013/5/5 十二滝(落差30m)  玉簾の滝(落差63m)
         開運出世の滝(落差15m?)  胴腹の滝 
                           山形県酒田市 
                
今年のGWは、予定を決められないでいた。というのも、飼い猫の1匹が要介護状態になり、予断を許さない状況になっていたのである。
5月に入って、近場であればどこかドライブにでも行けるかな、という状況になり、どこに行こうかと迷った。
せっかくのGWのドライブであれば、百選の滝か有名滝を見てみたい。ああでもない、こうでもないと考えた末に新緑が美しいであろう山形の十二滝に行ってみることにした。
山形県酒田市の滝たちには何度か行ったことがあるのだが、実は見落としている滝がある。「開運出世の滝」と「胴腹の滝」。どういうワケかこの2本は存在を知っていながら常に見落としている。これを拾う目的もあった。
それほど早起きもせず、いつもの出勤くらいの感覚で出発して、日本海東北道の無料区間もありがたく利用させていただき、まず最初に着いたのが十二滝である。
6年前の2007年にも来ている。とても綺麗な滝だった印象がある。
ところが、駐車スペースに自動車を入れて、妙な違和感を覚えた。おみやげ屋が開いていない。自動車も1、2台くらいしかとまっていない。
それでも深く考えずに歩き出した。
滝の入り口に来て、その先の林道が閉鎖されているのがわかった。大きく通行止め、とある。しかも、路肩部分が崩れ落ちているようである。
滝へ下る階段から何人が人が上がって来て、これから滝に行こうとする我々に一番下の滝は見られるけれど、上のほうまでは行けないと教えてくれた。土砂崩れがあったそうなのだ。
上のほうまでは行けないとはどういうことだろう。
我々はわざわざ新潟から来たので、無理でなければ通行止めを乗り越えて滝見台まで行くつもりでいた。だが、あの赤い吊り橋が落ちていたらアウトだしなぁ。
河原まで降りてみると、ちゃんと吊り橋はかかっていた。
最下段の滝も綺麗な二条の流れを見せてくれている。
が、あれ?滝の左岸、あんなにえくれていたっけか?左岸側がえぐれていて、もう一条とても細い滝が落ちている。滝から少し離れると雪もまだ消えずに残っていた。
滝に近づいて行くと、滝の右岸にとってつけたようなネームプレートが立てられていて、あれ、これって前からあったっけか?と疑問に思う。
とにかく最下段の滝を撮影してから、吊り橋に向かった。
吊り橋は渡る所に通行止めのロープがあった。
しかし、吊り橋はちゃんとかかっていて床板もしっかりそろっていたので通れないこともなかった。吊り橋の向こう側もしっかり通行止めのロープがある。その先は、と見上げて唖然とした。
道がごっそり落ちていた。道どころか、滝見台だった場所も全部崩落していた。かなり大規模な土砂崩れが滝見台のあった場所を襲ったのだ。
  
分かりづらいが、崩落部分。滝の正面だ。
えーと、白状すると、それでも我々はロープを乗り越えて上段が見えるあたりまで藪漕ぎで登るつもりでした〜。が、次々と善良なる観光客のみなさんがやって来たので、さすがに自制しました。
他県の人間にはなかなかニュースとして伝わってこないのだが、この地方も集中豪雨の水害があったのだろう。
昨年の那智の滝のあたりでも水害の爪痕を見たけれど、これからゲリラ豪雨などが頻繁になったら、綺麗な滝たちも見ることが難しい状況になってくるのかもしれない、と、ちょっと怖くなった。
仕方がないので戻ろうとしたら、吊り橋のたもとから滝の右岸にそって階段が伸びているのをみつけた。前に来た時はみつけられなかったけど。
せっかくなので登ってみることにした。
おお、滝の横顔が見えるぞ。よく写真集などで見る優美な十二滝の姿とは違う姿だけれど、上段の滝も見える。
さらに上に行くとなめた綺麗な流れになり、林道に飛び出た。ほんの5分もかからずに十二滝を登ってしまえるわけである。林道からは渦巻く滝の上流の流れを見ることができた。
  
右岸の遊歩道。ほぼ階段。

  
遊歩道の出口。

  
オオルリ、いました。
ちょっとショックだったね〜と思いつつ、次の滝に向かう。次は玉簾の滝である。
こちらはお土産屋もしっかり開いていて、駐車スペースにもたくさんの自動車が止まっていた。ひとまず安心。
歩き出すと、滝までの遊歩道にはたくさんの早春の花が咲いていた。キクザキイチゲやエンレイソウは本当にたくさん咲いていて、滝が目当てでなくても楽しい。途中の池にはミズバショウも咲いている。
  
池にはミズバショウ。
いよいよ滝に近づいて、あれれ、なんだか傘さしている人がいるぞ。あれ、子供がびしょびしょになっているぞ。
  
傘さしてるけど、晴れてたんですよ。
晴れた日だったのに、滝の周りだけびっしょり濡れている。
あわわわわ、滝、大爆発。
とんでもない水量の滝がそれ自体別の生き物みたいにあっちに揺れこっちに揺れ、見物客に向かって水しぶきどころか雨のように水流を降らせているのである。
すげー。とても近づけない。カメラがだめになる。
と、思いつつ、近づいてしまうのが滝○かですぅ。
さんざんカメラを濡らしてあちこち動いて爆発的水量の滝を堪能した。
冬にはこの滝が凍るんだから、東北の四季はすごいなぁ。
さてに、次の滝は、開運出世の滝だ。
この縁起のいい名前の滝にはぜひ寄ってみないとね。
そうは思っていたが、きっと神社やお寺の滝にありがちなショボい滝だろうと予測していた。
案内版に沿って県道から坂道を登って行くと思ったよりもすぐに左側に神社が現れた。わっ、滝、すごいじゃん。
神社の裏側に予想に反したきれいな分岐瀑が落ちていた。
我々のすぐ前に若い女の子2人組が滝を見にやってきていて、神社に熱心にお参りしていた。うむ、開運出世を願っているのだろう。
それを横目に神社の脇を通り過ぎて滝の近くに行く。
御神体が滝なのか、滝の前に柵があって、なんとなく厳かな感じだ。滝つぼ近くに何かしらの石碑が立っているが、文字の判別もつかなかった。
  
何かの石碑。
岩盤は黒く、ゴツゴツした丸い突起が浸食によって現れた感じだ。溶岩が固まったみたいにも見える。
そこに水が当たってとても綺麗に分岐している。
それにしてもなんで開運出世の滝というようになったんだろう。どうも元の名前は「不動の滝」らしいんだけど。
滝の前にある「御瀧神社」に何かしらの由来が書かれているものと思っていたのだが、何の説明もなかった。ただデカデカと「開運出世の瀧」と名前が出ているだけである。さては、言ったもん勝ちか?できれば、ご利益を期待できる言われの説明がほしいものである。
続いて向かったの、飽海三名瀑「二の滝」だ。
ところが、今回は道路が閉鎖されていたため、胴腹滝のすぐ上で通れなくなっていた。たしか6年前はゲートがあっても行けるところまで行こうと自動車を走らせたのだが、今年は無理はしなかった。留守番させている猫が心配で、できれば早く帰りたかったのである。
すぐに二の滝を諦めて、胴腹滝だけ見ることにした。
この胴腹滝、実は2回フラれている。1度目は二の滝を見に行った6年前。帰りに立ち寄ろうと思っていたら、2人とも注意していたにも関わらず案内版を見落とした。キツネにつままれたみたいに通り過ぎてしまったのだ。
2度目は氷瀑の二の滝を見に行った2011年。こちらは積雪のため行くのを断念した。
ようやく三度目の正直で来ることができた。
こんなに立派な駐車場があったっけ、というくらいの駐車場に自動車を入れたら、運搬用1輪車にポリタンクを積んだ人がやって来た。
有名な湧水らしく、水を汲みに来る人が多いのだろう。あの1輪車で運べるくらいの場所だから、そんなに距離はないんだろうな。
と、思っていたら、意外に歩いた。普通に歩けば3分なんだが、坂だし、途中には小川があるし。1輪車で水を運ぶのは大変だろう。入り口に自由に使ってください、といった感じの1輪車があったけど、そうまでしてもおいしい水なんだろうなぁ。
  
滝までの道。

  
沢を細い橋で渡る場所もある。
3分、杉の林の間を歩いて行くと、正面に不動堂と滝が見えた。
滝・・・、滝だな、滝だ、滝。
不動堂を挟んで両側から湧水が流れ落ちている。一番落差がある部分で2メートルかなぁ、3メートルあるかなぁ。
それが苔むした岩の間を通りながら何段にもなって落ちている。
大きな分類からしたら、たぶん滝ではなくて湧水だ。だが、湧水がこんなに豊富に湧き出ているのも見事なものである。
  
胴腹滝の全体図。水汲み用のパイプが手前にある。
説明板によると鳥海山の8合目がその源で、湧き出たこの場所でも8合目の冷たさのままだとか。ミネラルバランスがとてもいいそうである。
写真を撮影してから、飲んでみたが、何の雑味もないクリアな水だった。

十二滝は上のほうが見られなかったし、二の滝は見てないし。とんだ飽海三名瀑めぐりになってしまったが、とりあえず宿題の滝は片づけられた。
これで満足しよう。
そのうち、また飽海地方に来て、ゆっくり滝めぐりをしよう。そうだな、一の滝、二の滝の上流の滝を見ながら、鳥海山にチャレンジっていうのは、どうだろう。
そんな気持ちにさせる山形へのドライブだった。

  
  帰りに撮影できた田んぼに写るさかさ鳥海山。
交通
  十二滝  最寄ICは山形自動車道酒田IC。そこから国道7号線に出て、酒田市街に向かう。最上川を渡り、少し走ると県道40号との交差点に出るので、ここを右折。あとは県道40号を外れないようにしばらく走って行く。国道345号と交差するがまださらに先に進む。
このあたりから、十二滝と案内が出てくるようになる。
案内を発見したらその案内通りに進めば間違いない。
意外としっかり案内があるので、迷わない。
現在滝見台は崩落しているために、河原までしか行けない。
  玉簾の滝  最寄ICは山形自動車道酒田みなとIC。県道59号で旧八幡町方面に進み、国道344号に出る。真室川方面に進んで、県道366号に入る。あとは案内どおりに進めばいい。案内はしっかりしているので、迷うことはない。
大きな駐車場があり、そこから徒歩3分ほどで滝前である。
ちなみに、GWの期間とお盆休みの期間はラットアップされる。興味のある方はぜひその時期にどうぞ。
  開運出世の瀧  
玉簾の滝に行く途中の県道366号、下黒川集落のあたりから左側を注意して見ていると案内版がある。その通りに左折するとそれほど走らずに左側に御瀧神社がある。その裏に落ちている。
  胴腹の滝  
最寄ICは山形自動車道酒田みなとIC。
県道59号60号と乗り継いで遊佐市街まで行き、あとは県道60号で鳥海山を登って行く。
道路案内に二の滝、とか一の滝、とか出ているので、まず迷わない。蚕桑の集落から県道60号を外れないように登って行き、左側に立派な駐車スペースがあるので、そこに駐車。徒歩で3分ほどで滝だ。

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