んがお工房の桜めぐり


2013年新潟の桜@

2013年の新潟の春は寒いんだか暑いんだか、さっぱりわからない春だった。
そもそも冬が山沿いでとんでもない豪雪になったが、平野部ではむしろ少雪で、2月の初めに春一番が吹き、今年は春が早いと思いきや氷点下の寒さのぶり返しがやってきたりした。
桜の予想は、一般の我々ではさっぱりたてられない状況で、咲いたというニュースを得てから行動せざるを得なかった。
そんなこんなで、遠出はあきらめ、県内の桜を追うことにしたのだ。
さて、4月の第二週になって、新潟での開花が最も早い部類である高田公園の桜が満開というニュースが入った。我々の住んでいるあたりはもう少し北なので、まだ開花前である。
となると、ぜひ行っておかなければなるまい。
ちょうど近くに古いソメイヨシノがあると聞いていたし、さらにその近くにはカタクリの群生地があると分かっていたので、ついでに回ることにした。



斐太南小学校の桜
樹齢100年以上のソメイヨシノ。
もともとあった古いソメイヨシノはなくなってしまったが、
同じころに植えられたという2本が残っている。


こちらは向かって右側の木。
いかにも古木といった感じだ。


幹。このこぶの感じが古さを物語る。


左側の木。
こちらのほうが比較的元気がよさそうだ。


わずかに花が咲いていてくれた。


満開になったらさぞ綺麗だろう。


幹。すぐに大きく4つに分かれている。

カタクリ群生地でお昼を食べることにしていたので、午前中に出発。
百万人観桜会の高田公園の混雑を警戒したが、高速道路もそれほど混んでいなかった。
ナビの案内通りに道の駅あらい近くから国道18号をはずれ、県道428号に入ると住宅街になった。細い道を走って行くと、校庭が現れた。
土曜日の午前中なのに、シンとした校舎とグラウンドで、子供の姿かまったくない。
昨今、学校内に関係者以外の者が入るのを嫌う風潮があるので、入っていいものかどうか迷ったが、人気が全くないので校舎の裏に自動車をとめてグラウンドに歩いて行った。
さて、桜はどこだろう。
まず目立ったのはまっ白いコブシの木の花だ。大きな木にいっぱい花をつけている。
  
グラウンドには端っこに何本かソメイヨシノの木があったが、まだつぼみの状態で開花はこれかららしかった。
高田公園は満開だというのに、ちょっと妙高市に入っただけでも開花状況が違うのか。
目的の桜は、他の桜と違って古い木なのですぐに分かった。
県道側から見るとグラウンドの右端向こう側に2本立っている。
  
怪しいものじゃありません、桜を撮影しに来ましたと分かるようにとにかくカメラを構えて、グラウンドの奥まで行った。
途中に平成16年の創立百周年の記念碑が立っていて、「さくらはみんな知っている」と書かれてあった。
一番の古木はこのころに植えられたものらしい。
2本並んで立っている古い木のうちの手前の木は、太い幹の木で、ねじれた幹が途中から太くなっているように見える。
かなりの老木と一見してわかり、積雪の多いこの地方で、何回も枝を落としてしまったんだろうなぁと想像できる。
ブランコと塚のような土盛りを挟んで、もう一本の古木がある。
こちらはすぐに大きな枝に分かれている木で、樹勢としてはこちらのほうがあるような感じだ。
四方に枝を張り出して、満開になったらさぞ豊かにピンク色になるだろうと思わせる。
土盛りに登れるようになっていたので、子供たちが遊ぶ場所なのかと思い、そこから桜を撮影しようと登ってみた。
と、土盛りの上に切り株があった。
そうえ、これが一番古い桜の切り株なんだな。
どこにもそんな説明はなかったが、きっとそうなんだと思った。
  

  

  

グラウンドや校舎の周りには何本か若いソメイヨシノもあって、桜を大切にしている様子だった。
  

まだ一分咲きの学校の桜を後にして、斐太歴史の里というカタクリの群生地に行った。
そこで知り合いにばったり出くわしたのはこちらのレポでどうぞ。
白いカタクリなども見ることができて、気持ちのいい散策になった。



高田公園の桜
ちょっと写真が暗くなってしまったが、
堀の向こうには妙高山や青田南葉山が見える。



うわっという感じで咲き誇っている。
さすがに満開の威力はすごい。



どこを見てもピンクです。


三重櫓と桜。
夜にはライトアップされて、
撮影スポットになる。
今回の目的は満開の高田城址である。
斐太歴史の里を出て、やや太陽が傾いた頃に市内に到着。行けば近い場所に駐車できるだろうと思っていたら、臨時駐車場の矢印通りに進めば進むほどどんどんと高田公園から離れて行くのが分かった。
げ、これはもしかしたら、高田インターチェンジに設置されていた駐車場まで案内するつもりか?
そこからだとシャトルバスに乗って戻ってこなければならない。
いくらなんでも、遠くないか?
と、いうことで、公園で食べる菓子パンを買うという名目でかなり近いスーパーの駐車場に自動車を入れて、しっかりと菓子パンを駐車代と言いつつ購入。徒歩で公園内に入った。(よい子はマネしないように。我々はほんの数分公園にいるだけの通過観桜者であると言い訳しておこう)
公園内の桜はまさに満開。
以前来たのは夜桜だったのだが(ちなみに高田公園は日本の三大夜桜の一つだ)昼間の桜もすごい。
とにかく満開なのがすごい。
お堀を縁どっているのが全部桜。
新潟県にこんなに人間がいたのか、と思うくらいのとんでもない人出に押されるままに屋台の間を歩いて「へー、最近はこんな食べ物を売っているんだね〜」としばらくぶりのお祭り気分を味わいながら名所の三重櫓に来た。
おお、櫓も桜に縁どられているぞ。
ふと見ると、櫓と道をはさんで反対側に土手のような高い場所があり、人がそこの斜面でお花見しているのを発見。
登ってみると、櫓が目の高さになってこれまた美しかった。
  
スーパーで買った菓子パンと缶コーヒーで我々もつかの間のお花見タイム。
たまにこういうお花見桜もいいもんだね。
さすがに日本の三本の指に入る桜だね、などと言いながら、戻ることにした。
帰り道、お堀の橋を渡り、屋台の出ていない道を歩くと、こちらも両側からの桜並木で、人の数もそれほど多くなく、春爛漫を感じることができた。
  
  

   

高田公園を出て、実はこのまま帰宅するつもりだったのだが、この日満開だろうと予想される桜があった。新潟市内のじゅんさい池の桜である。こちらは夜にライトアップされると幻想的だとHPの情報などで知っていたので、かねてから見てみたかったのだ。
高田から高速に乗って、新潟市内まで行ってしまえばちょうどいい具合に日が暮れる。
よーし、行ってしまえ。
実に安直に自動車を走らせた。



じゅんさい池公園
の桜

すみません、三脚を持っていかなかったので、
一眼では激しくブレました。
私のコンデジの画像です。
おそらくエドヒガンじゃないかと思う。







じゅんさい池に下りる前にある
三本のしだれ桜。
京都円山公園のぎおん桜の子孫らしい。

じゅんさい池、といっても、場所を知っているわけではないのでナビに案内してもらった。
とにかく思いつきで行くことにしてしまったので、どこに駐車できるのか、交通規制があるのかないのか、それさえもさっぱり分からない。
とにかく、行けばわかるだろう。いつもながらいいかげんな我々である。
新潟西インターから新新バイパスに入り、竹尾インターで下りる。普段全く使わない道なので、ナビが頼りだ。
とりたてて困ることもなくじゅんさい池公園の近くまで来たら、交通案内のおじさんが出ていた。
どうもすぐ隣がじゅんさい池公園らしくて、その脇に路駐するようになっているらしい。ちょうど我々が着いたところで1台が出て、おじさんはそこに入るように指示してくれた。たぶん、ラッキーだったと思う。
昼間の公園を知らないのでどこをどう歩けばいいのか分からなかったが、自動車をとめた場所がちょうど入り口で、階段を下りて公園に行くらしい。
人に着いてそちらに行くと、トイレなどがある広い場所にでて、おおおーーー、3本のしだれ桜がライトアップされて闇に浮かび上がっていた。
ものすごく綺麗だ。
  
新潟ではちょっとした有名桜なので、屋台とかが出ているんじゃないかと思っていたが、じゅんさい池のいわれの書いた紙を置いてあるテントだけで、商売っけは全くない。
ちょっと高い場所から3本の桜を見下ろす感じで見ることができる。
もちろんそこから桜のもとに行くこともできた。
公園内のこと、明かりはほとんどなく、足元がちょっと不安なのだが、桜の明かりに引かれて階段を下り、桜のもとに立つ。
説明によると、京都の祇園桜の子孫らしい3本の桜はライトとかがり火に照らし出されて、本当に豊かに咲き誇っていた。
いつも思うのだが、桜についてはライトアップはしたほうがいい。桜の寿命を考えるとやめたほうがいいという意見もあるだろうが、誤解を承知で書けば花は見られてなんぼである。闇に浮かび上がる桜の花は、昼間の桜以上に本当に美しいのだ。彼らが咲くほんの数日の間だけ夜の姿を見せてもらってもいいではないか。
  
ところで、じゅんさい池の桜はじつはこの三本ではない。
池のほとりにある桜の木で、それが池に映って美しいのだという。
三本のしだれ桜からさらに公園内を下って行くと池になる。いや、ほんと、暗い公園で、段差はそれほどないけれど、階段は怖い。
人についてやっと下ると、わわわわわわ、上にも下にも桜だ。これが池に映る桜か。
三本の桜から階段を下るとすぐに池になるのだ。その対岸に桜が咲いていて、これもライトアップされている。本物の桜と水面に映し出された桜が対にになって、なんとも不思議な光景である。
周りがなんにも見えない闇なので、なおさらその不思議な感じが濃い。
ただ、ああ、思いつきで来てしまったために、ダンナは三脚を持っていない。こんな光量の条件では手振れしてしまう。しまったーーーー。
と、いうことで、まともな写真がない。
これは、我々の目で楽しんだ、ということで満足する以外にない。
池をぐるりと周り、桜を堪能して、また足元に気をつけて階段を上り、自動車に戻った。
ただライトアップされた桜があるだけなのだが、次から次へと人が訪れていた。こんな静かなお花見もあるんだ。
じゅんさい池公園は新潟が誇れるお花見スポットかもしれない。

そんなこんないで、朝から晩まで桜三昧、ついでにカタクリにまみれた一日になった。
ようやく新潟の春の盛りを捕まえた気分になれた日だった。


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