んがお工房の桜めぐり
2013年新潟の桜A
2013年の桜は新潟県内に絞ると決めたのだが、この週末はたった1日しか休みがない日曜日が朝から雨だった。 桜に雨は似合わない。 灰色の空に薄いピンク色は映えない。 だが、雨には雨の楽しみ方があるんじゃないか? 雨で人出が減っているだろう混雑する桜に行ってみようじゃないか。 幸いなことに、我が家から桜の名所百選に選ばれている「大河津分水の桜並木」と「村松公園」は高速道路を使わなくても行ける範囲にあるのである。 新潟県内の桜の名所百選は、この2つのほかにはあと1つ、「高田公園」があるが、それは先週見に行った。 よし、今年は百選を3つとも行ってやろうじゃないか。 桜追いは、雨でもくじけないのである。 |
分水桜並木 日本の桜の名所百選に選ばれた並木の一部。 ソメイヨシノの並木で、 我々が見た場所の木は若かった。 もう少し上流の大河津橋から可動堰 あたりの桜はかなり古かったと思う。 満開だったんだけどね〜。 写真右側が大河津分水。 信濃川からの人工の支流だ。 |
4月21日 大河津分水の桜は桜並木というよりも「おいらん道中」という行事で有名である。 おいらんの恰好をした女性が重たい着物を着て、たいそうなぽっくりをはいて、ゆるゆると桜並木の下を練り歩く。 毎年4月20日前後の日曜日に開催されるのだが、ここ数年桜の満開からはずれてしまって、葉桜の下、とか、つぼみの下、とか、気の毒な道中になっていた。 今年はきちんと満開になったというのに、雨。 雨でも歩くのかなぁ、傘さすのかなぁ。と、十分な情報収集もしないまま、一番最初にめについた無料駐車場に自動車を入れた。 しかし、行けばわかると思っていたら、どっちに行っていいのかさえさっぱり分からない。桜並木のある大河津分水の土手の方向はだいたいわかるんだがなぁ。 仕方がないので、駐車場の交通整理をしている人に会場はどこですか、と聞くと、左に曲がってしばらくして、さらに右に曲がるとシャトルバスが出ていると教えてくれた。 え、シャトルバス? 遠い場所に駐車してしまったのかしらん。 分水はすぐ近くのはずだけど。 と、思いつつ歩いてく。これがまた遠い。どんなに歩いてもバスの発着所にならない。 やっと着いたと思ったが、どう考えてもここからなら歩いて土手に行ったほうが早い。 で、歩いてみました。 それがまたとんでもなく遠かったですぅ。 どうも、我々が分水の並木だと思っていたのは、別の場所だったらしく、一番綺麗な場所はずっと遠い場所なのだ、と思いつつ歩いてみた。 が、賑やかなイベントなどが行われている歩行者天国みたいな場所には来たが桜はない。こうなれば勘で土手に出るか。 と、方向だけ定めて土手に出たら、とてもきれいな並木になった。 も、おいらん道中はどうでもいい。この並木だけ撮影して戻ろう。 土手の道の両側に桜がある、というわけではなく、土手の法面に2列桜が並んでいる、といった感じである。 撮影しながら歩いて行くと、ちゃんと「分水桜並木」と書かれた銘碑があった。 それにしては屋台も出ていないし、静かすぎるし。 いくら雨でも、たぶんここはおいらん道中の会場ではないのだろう。 あとで聞いたところ、今年のおいらん道中は雨のため体育館で行われたそうで。もしかしたら、シャトルバスはそちらに連れて行ってくれたのかもしれない。 ま、我々は桜が目当てだったので、これでいいことにしよう。 「おいらん道中」については、分水おいらん道中に詳しい。 |
村松公園 約3000本のソメイヨシノが咲く 日本の桜の名所百選に選ばれた公園。 中には穂咲八重彼岸桜という めずらしい品種もあるそうだが、 どこにあるやらわからなかった。 こちらはグラウンド脇の桜。 たぶんヤマザクラだと思うが、 ピンク色がとても濃い。 可憐でしょ。 |
続いて、雨の降るなか、五泉市の村松公園へ。 ここは市民憩いのお花見公園で、晴れていればレジャーシートを広げた家族や仲間たちで大賑わいの場所のはずだ。 しかし、グラウンド脇に設けられた大きな有料駐車場に自動車はほとんどとまっていなくて、われわれもこの状態で有料というのはばからしいので途中でみつけた裏手の入り口にある3台ほどの駐車スペースに自動車をとめた。 ソメイヨシノはほとんど花が散っていて、濡れた地面が花びらで埋め尽くされている。 これはこれでしっとりとした桜の美を感じさせた。 まずトイレに行きたかったので、表の入り口に行ってみたら、グラウンド脇の桜がものすごく見事に咲いていた。 ヤマザクラなのか、ピンクの濃い桜で、何本も連なっているのがとてもかわいらしい。雨のせいかピンクの色もより濃くなっているように見えた。 公園内を歩いていくと、ほとんど人影がない。 小屋の形をした臨時の飲食ができる売店には何人かお客さんがいたようだが、屋台も店じまいの準備をしているらしく、今日は商売あがったりの様子だった。 雨が降らなければソメイヨシノもまだ咲いていて、お客さんもたくさん来たのかもしれないが、今日の雨は冷たい。ちょっと散歩がてらお花見という気分にさえならない。 今年は残念な週末になってしまったようだ。 だが、我々にしてみれば、ゆっくり桜を見てまわれるとてもいいお天気な気がした。雨が降っていなければ宴会お花見の会場であろう場所を歩き、芝生をふみながら雨の桜を楽しむ。 こんな場所あったのね、村松公園、と池を縁どる桜を見たりして、寒かったが再発見のあった散策だった。 なにより、桜の根元を埋め尽くす花びらのじゅうたんが印象的だった。 村松公園については、五泉市のHPの村松公園のページが詳しい。 |
ということで、雨を理由に晴れていればどっと観光客やら宴会客やらで埋め尽くされる名所の桜を見に行くことができた。 雨は雨なりに楽しむことができる。 これは桜追いにとっては再発見だった。 |