小野川不動滝2014年初秋(栂平園地) 





小野川不動滝
やっぱり左岸の滝見台からが
一番綺麗に見える。


橋の上からだと、こんな感じ。
意外にも滝の正面ではないのだ。


橋はこういう具合についてます。


橋と滝の距離感。


橋があるので、右岸にも行ける。


左岸がわからだと、
滝つぼもきれいに見える。


さらに、「荒廃している」遊歩道を登ると
けっこういい滝の姿が見える。




この季節はそばにツリフネソウが咲いている。
2014/9/6  小野川不動滝(40M)  福島県北塩原村

2014年の夏は、とにかく天候が不安定で、丸一日晴れるということがほとんどなかった。雨の予報が出ているかと思えば、降ったのはほんの10分の土砂降りであとは晴れていたり、晴れの予報が出ているかと思えば一日どんよりと雲が重かったり。
そんなこんなで夫婦そろって風邪をひいてしまった週末である。
風邪のほうは、比較的軽くすんで、体調的にはそれほど悪くないのだが、無理な運動もできない。だというのに、この土日は珍しく晴れの予報が出ている。なにもしないのはもったいない。もったいないけど、ゆっくり寝てもいたい。
そんなふうにぐずぐずしているうちに土曜日の朝はあっという間にすぎて、じゃあどこかに行こうかと行動を起こしたのは午前9時すぎ。
前日に行くんだったら長野か福島だね〜と言っていたので、比較的近い福島方面に自動車を向けた。
高原の草花をちょっと歩いただけで見ることができる場所、で思い当たるのは、福島県では磐梯吾妻スカイラインにある浄土平だ。レストハウスの近くにある湿原の木道を歩くだけならそれほど体力も使わないはずだ。
しかし、あそこは観光客が多くて、お昼のためにバーナーに火をつけられる場所がないかもしれない。
いや、その少し手前に小さな駐車場があって、そこからどこかいい場所に行けるかもしれないぞ。
などと思いつつ、その「兎平駐車場」に着いたのが12時半。
いつもであれば、この駐車場はそれほど自動車がとまっていないのに、今日はほぼ満車。ちょっとおかしいな、とは思ったが。
駐車場にある案内看板で、ここから1キロほど歩くと栂平園地という場所に行くことができて、そこには展望台みたいなのがあるらしいとわかった。展望台があるなら、ごはん食べる所くらいあるだろう。
 栂平園地の入り口。
と、いうことで、お昼を背負って歩き出した。
浄土平からほんの2キロも離れていない駐車場なので、ここから出発するとしたら、浄土平の湿原の一角くらいに飛び出るのだろう、くらいに思っていた。
が、歩いてみると、樹木の間のじめじめした道を徐々に登って行く。あらら、階段まで出現したぞ。
10分強で階段が途切れて、見通せる場所に出たら、だいぶ下のほうに浄土平の駐車場が見えた。あらら、お目当ての湿原はかなり下だ。
    
  樹林帯をゆるやかに登って行く。眼下に浄土平の駐車場が見える。
    
  ヤマハハコだらけの道。一切経山の噴煙も見える。この二枚は帰りに撮影。
そこから少し歩いて、木道のある場所に出た。道標には50メートル先が栂平園地とある。そちらに進んで行くと、だんだん草むらがひどくなった。時々リンドウなどが咲いているが、ほとんど人の手の入っていない場所に時々ベンチやテーブルがある。どうもここが栂平園地らしかった。展望は樹木のため、まったくと言っていいほどない。
1組だけ草むらに埋もれそうなベンチで休んでいたがほかに人けはない。
あまりに草むらがひどいので、木道まで戻った。
ちょっとした湿原になっているようだが、木道がぐるっとその周りを取り囲んでいる。ほんの5分も歩かずに一周できるくらいの木道だ。その一角に腰かけてお昼にした。
この道はそれほど人も来ないし、実はヤマハハコやヨツバヒヨドリが多くて、どっさりとアサギマダラが飛んでいる道なので、蝶好きには穴場かもしれない。
    
  栂平園地。ほんっとに小さな湿原だ。
    
  この写真でほぼ半分見えている。リンドウがたくさん咲いていた。
    
  園地よりも実は遊歩道のほうが花がたくさん、蝶もたくさん。
    
  それにつけても、アサギマダラの多いこと。一目8頭くらい当たり前。
このアサギマダラの団体を見るためにここに来たんだな〜と思いつつ、駐車場に戻る。でも、せっかくだから浄土平にも立ち寄ってみましょう。
自動車に乗り込み、浄土平の駐車場に向かう。が、しかし、一昨年に来た時には無料開放中だった駐車場がなんと今は有料になっていた。乗用車は300円なり。なんか、無性にそれが惜しくなった。最初からこっちに来ていれば惜しいとも思わずに駐車したのだろうが、一番の目的の外でのお昼はもうすんでしまっている。ちょっとだけ木道を歩く程度で300円はもったいない。
と、いうことで、スルーしてしまった。現金な我々です。
さて、もったいないといえば、たった外でお昼のためだけに高速代とガソリン代を払うのも実にもったいない話で、ここまで来たならどこか滝に立ち寄らずにはいられないだろう。
本当であれば、磐梯吾妻スカイラインから一番近い滝は幕滝で、そこに行くのはかなり魅力的な選択だった。
が、ちょっと確かめたいことがあった。
小野川不動滝の前に橋ができたという情報をかなり前に仕入れたのである。
あの滝の前に橋?
右岸からの遊歩道と左岸からの遊歩道があるのもかかわらず、それをつなぐものがなかったので、我々も2回行って右岸と左岸からアプローチしていたのである。
その橋を見てみたかった。
と、いうことで、今回はグランデコスキー場からの遊歩道をチョイス。
浄土平からグランデコスキー場は意外に遠く、小一時間かかって、午後3時に駐車場に到着した。
前回この遊歩道に来たのは2009年なので、5年ぶりということになる。
で、その5年のうちにすっかり前のことを忘れてしまっている。
こんなにじめじめした林の中を下ったかなぁ。こんなに下りは長かったかなぁ、と思いながらだらだらと下って行く。
しばらくして、滑りやすい横木の階段が終わったら、平らな道にぶつかった。右に行くと小野川不動滝、左に行くとどこに出るのかは書かれていないが、わりと広くて足場は悪くなさそうな道だった。
とにかく滝に向かう。
左手に川を見ながら少し歩くと、あら、橋だ。
その向こうに小野川不動滝が落ちている。
実は我々は上流からアプローチする遊歩道を歩いているつもりでいたので、滝の下流に出てしまって、ちょっとびっくりしているが、なんのこたない、5年前と同じ道を歩いてきている。
5年前と変わっているのは、橋があること。
かなり立派な「不動滝橋」が小野川に架かっていた。
これでストレスなく右岸からも左岸からも滝を見ることができる。
川の上の目線で滝を見ることもできる。
2012年にできたらしい橋を渡って、途中から滝を見てみる。
あらまあ、樹木が邪魔をして、あまりよく滝が見えない。
滝を上から下まで見通したいなら、左岸がわの滝見台から見たほうがいいみたいだ。
ところが、その滝見台、半分崩れて、手を入れられていないようだった。
橋をかけておきながら、どうしてこの滝見台をきちんと手入れしていないんだろう。ものすごく危ない状態だ。
ここからの滝が一番きれいなのに。
  これ、滝見台。完全に崩れている。
右に左に滝を堪能して、じゃあ今度は上流のほうから戻りましょう、と、遊歩道を歩き出した。
まず滝を巻く感じでガッツリ登る。
登るって・・・。道は階段状になっているのだが、その階段が崩れている。時々斜めになったり、外れたりしていて、ほぼ階段ではない。
じめじめした斜面をずるずる滑りながらやっとの思いで登ったかと思えば、橋が斜めにっている。
    
  斜めになった橋。ぐずぐずの階段。
    
  苔むしたコンクリート。最後の階段。
どうしたんだ、この遊歩道。
完全に打ち捨てられた状態じゃないか。
ようやくコンクリートの道になったが、コンクリートさえ緑色に苔むしていて、本当に人が入っていないようだった。
最後の登りを登りきって、グランデコリゾートのゴルフ場の一角に飛び出て、おやまあ、という看板を目にした。
    
  歩き終えてから荒廃していると言われても・・・。飛び出たゴルフ場の風景
「この先の遊歩道は荒廃して大変危険です。ホテル手前1キロからの新しい遊歩道をお勧めします。」
と、書かれている。
はぁ〜?新しい遊歩道〜?
そんな遊歩道あったのか〜?
首を傾げつつ、とにかく自動車まで戻り、グランデコをあとにする。
そして、道を1キロほど下って行くと、川がわに張り出して作られた真新しい10台ほどとめられる駐車場をみつけた。その向かい側に山に入って行く細い道があり、とても小さな看板で「小野川不動滝遊歩道」と書かれてあった。
こんなん、みつけられるか〜っ。
せめて駐車場の入り口にもっと大きな看板を出してくれ〜。
あとで地図で確認してみたが、どうも高低差はそれほどないが距離的にはほかの遊歩道と変わらないくらいの新しい遊歩道が作られたようだ。もしかしたら、我々が行きに利用した遊歩道の途中の道標のあった場所の広い道がそれだったのかもしれない。
予め知っていれば、どういう遊歩道なのか、確認して歩いたかもしれないのに。もう一度歩くつもりにはならなかった。
それに、新しい遊歩道を作ったから古いほうは手入れしないっていうのはどうだろう。特に不動滝の上流がわの遊歩道は、きれいな流れを見ることもできる、奥入瀬と比較しても劣らないとても素晴らしい道なのだ。打ち捨てるのはあまりにもったいない。
どうか、見直してほしい。
川に張り出す駐車場作る予算があるなら、古い遊歩道の手入れをしてください。
滝は苦労なく見たいとは思うが、ちょっとやり方違うんじゃないかな〜と思ってしまった。
たとえ手入れされてなくて、橋の木が腐っていたとしても、滝好きとしては滝の上流がわの遊歩道を歩くことを強くオススメします。もちろん、十分に気をつけて、自己責任で、ですが。
交通
  小野川不動滝  最寄インターは、磐越自動車道猪苗代磐梯高原IC。国道115号、国道459号で桧原湖方面を目指す。あとは、グランデコスキー場の案内に従って進めばよい。
途中、道の左側、川とは反対側に斜め後ろ方向に登って行く小道があり、そっちがわに行くと不動滝であるという小さな看板がある。そこで曲がると滝の右岸に出る遊歩道だが、今回我々はその道を利用していないので、どのようになっているかはわからない。
そこで曲がらずにスキー場まで行くと、駐車場奥の旧遊歩道になり、本文中に書いたように手入れされていない危険な道を歩くことになる。
今後小野川不動滝に行く一番よい道はたぶん「新しい遊歩道」だと思う。グランデコスキー場の手前の川がわに10台程度駐車できる駐車スペースが河原に張り出すような不自然な形で作られている。不動滝遊歩道用の駐車スペースだが、ちょっと案内が見えづらい小さなものなので、注意して走行しよう。そこから川の反対側に小路がある。ここにも不動滝と案内があるが、やっぱり小さい。
また、この道も我々は利用していないので、どんな感じかはよくわからない。
不安な場合は、自治体に問い合わせてみよう。
  

  
一応、現地の案内図。上のように駐車場のごくごく奥に入り口があり、そこの看板にこのような図があったんですが、我々はよく見ませんで突入してしまいましたとさ。



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