2018年氷瀑を求めて@
麻苧の滝



麻苧の滝
優雅に凍った凍り始めの姿だ。
ど真ん中に丸い目玉みたいな
模様の凍り方をしている。
優雅というか、不気味というか・・・。


大きさ比較。
滝の向かって左下に赤い帽子の
先行者がいるのがわかるかな。


岩盤まで近づいて撮影。
上の方と下の方の角度が違うのが
よくわかる。


ほぼ垂直に落ちる上の部分。


こちら、中央の丸い目玉の部分。


最も優雅に見える裾部分。
滝つぼは凍りついて、
大量の落ち葉を固めていた。


レースのドレスの裾みたいでしょう。


氷の造形も一つ一つ繊細だ。


そして、なぜだか透明度が高い。


不動様が安置されている割れ目が
滝の左岸に見える。





瓶子の滝
みすずの滝、と読む。
毎度「びん子」と打ち込んで変換させているけど。
まだつながっていない状態だ。
これは、河原のそばの道まで下って撮影。


これが参道にある滝を見る場所から見た図。
完全に電線が邪魔。
でも、つららの上の部分が見える。


川のそばの道は工事中。
重機などがある。


水を受ける部分はこんな感じ。

2018/1/7  麻苧の滝(40M)  群馬県安中市
           瓶子の滝      群馬県高崎市

2017年は曜日の並びから、正月休みが明けて間もなく三連休になってしまった。と、いうことで、完全に正月をひきずって、どこかの滝に行きたくなった。1月といえば、氷瀑だろう。
この冬は最強寒波と気象庁が連呼する寒波が何度も来ているのだが、1月の初めの時点ではまだその気配もなく、滝が凍っている場所はほぼ無い。あるとしたら、標高の高い場所だろう。
我々には一つ心当たりがあった。
新潟から比較的近くて標高が高くて、凍るんじゃなかろうかと思われる滝。麻苧の滝だ。峠の釜めしなんかが売っているあたりにある滝だ。標高にして550メートル。群馬の冷気にさらされて、あのさらさらした流れがきっと凍っているに違いない。
新潟から比較的近い、とはいえ、群馬の安中市である。早起きする気力もないので、遅い出発になり、麻苧の滝の駐車スペースに着いたのはほぼ正午だ。
あれ、1台自動車がとまっているなぁ。
この滝には2度ほど来たことがあるが、意外に来る人がいる。まあ、物好きには違いあるまい。
支度を整えて出発。さすがに寒いなぁ。
まずは吊り橋を渡って、弁天様の池にご挨拶なのだが。
あれ、凍っていないなぁ。
過去2回3月に来た時にはけっこうこの小さな池も凍っていたはずなのに。
さすがに1月では累積の冷気が足らないか?

  
  弁天様の池。水、少ない〜。

ちょっと心配になりながら、遊歩道を登って行く。
それにしても、落ち葉がすごい。足首まで埋まりそうなほど落ち葉が積もっている。下手をすると、落ち葉で滑って転びそうである。ただ、転んでも落ち葉なので、ふかふかだ。
途中、左手に流れる沢の流れ落ちが凍っていて、水の量も少なくなっているのを見て、多少期待しながら、大黒様の前を通り、不動明王の前に。
あ、見えた。
橋のたもとから、上流がわに白い塊が見える。
おお、凍っているぞ。
麻苧の滝、見事に凍っていた。

  
  橋から見えた麻苧の滝。

なんか、ものすごく優雅な凍り方だぞ。
まるで大きな一つ目みたいな凍り方の部分が滝中央にある。
ダンナは橋を渡らずに河原に下りて、そのまま遡上。遡上と言っても、水はほとんど流れていないので石の上を歩くようなものである。
私は橋を渡って通常のルートで滝に近づいた。
近づいたのだが、こっちがわ、ホントーにものすごい落ち葉の量で、すねくらいに積もったの落ち葉の上を足場を探しながら歩かなければならなかった。
近づいて気がついた。
あ、物好き。
先行者が滝を撮影している。三脚をしつらえて、さらには手持ちのカメラでも撮影しているようだ。
到着して、あいさつ。彼はもうちょっと凍っているかと思ったんですけどね、と言った。
我々にしてみれば、これだけ凍っていれば十分である。完全結氷と言ったっていいだろう。いや、厳密には50%くらいの凍り方だっただろうけど。
凍りは薄く、かなり透明度が高い感じがした。氷の下で水が流れてさわさわ落ちているのだが、滝つぼは完全に凍っているように見え、水の流れはほとんどない。
おかげで滝下で右に左に自由に動き回れて、あちこちから滝を見ることができた。
真下から見上げると、ふんわりとしたスカートを広げたように見える。白いレースのついたスカートである。実に優雅。これは凍り始めの1月だから見られたものかもしれない。
あちこちから滝を眺め、まだじっくりと滝と向き合いたいらしい先行者にあいさつして滝を離れる。
麻苧の滝と別沢、登山道がとりついている沢も見上げてみると、これまたきれいに凍っていた。
立木が邪魔をして見通せないが、段漠がそのまま凍りついたように見える。すごいなぁ。

  
  麻苧の滝とは別の沢の氷。

帰り道も落ち葉に気をつけながら、七福神の像を確認しつつ戻る。1月7日に七福神とは、ちょっとめでたい感じがするじゃないか。
さて、駐車場に戻りついたのは午後1時。せっかく群馬まで来て、この時間で戻るのはもったいない。それに、まだ凍っている滝があるんじゃなかろうか。
我々の記憶の中にある安中市あたりの凍りそうな滝というと、榛名神社の瓶子の滝だ。榛名湖はワカサギも釣れるんだし、きっと凍っているぞ。
ナビに案内させて榛名神社を目指す。
どこをどう通ったのかさっぱり分からないのだが(こらこら)榛名湖を通らずに神社の近くに来てしまった。市営駐車場の文字があって、小さいスペースに自動車がほぼ満車。あら、まだ初詣の時期かしらん。わずかに空いていたので自動車をさっさと滑り込ませた。
歩き出したら、これがけっこう距離のある一番遠い駐車場で、時刻はもう午後3時近かったので近い場所でも十分に駐車できたのだった。
歩いて気がついたが、前に来た時にはこんな場所通った記憶ないんだけど、という真っ赤な大きな鳥居をくぐる。

  大きな鳥居がお出迎え。

この場所も知らないな、という感じの門前のお土産やの並びを通り抜けたら、やっと見知った山門に出た。前はこの山門前のお蕎麦屋さんの駐車場に入れたんだった。
あとで調べたら、真っ赤な大きな鳥居は2015年に新しくできたウエルカムゲートだそうで、そりゃ記憶にないケワである。
山門をくぐり、こんなに歩いたっけな〜と三重の塔を見上げながら坂道を歩いて行くと、小さな橋。神橋だそうで、それがかかる行者渓というこれまた小さな沢もカチンコチンに凍っていた。おお、瓶子の滝も期待できるぞ。

  
  山門。

  
  三重の塔。

  
  行者渓もカチンコチン。

しかし、期待はすぐに裏切られた。
神橋からそれほど歩かずに瓶子の滝を見ることができる場所になるのだが、そこから見える滝は水道の蛇口から細〜く流れる水、みたいな感じだった。
あちゃ〜、半分も凍ってないよ。
しかも、瓶子の滝が流れ落ちる川は只今工事中らしく、重機がデンと居座っていて、絵にもならない。さらに、前にも思ったのだが、電線が滝と滝を見る場所の間に横に走っていて、必ず滝を横切る。
せめて川まで下りることができれば多少絵になるかもしれないが、工事中で立ち入り禁止だろうし。
と、ダンナが上流がわから行けるかもしれない、と言った。ええー、行けないよ、工事中だし。私は重要文化財の榛名神社の社を見たいよ、とそれぞれ別の方向を示した。
結局別行動。
私は流れのままに階段を登って行ったら、否応なく初詣参拝の列に組み込まれてしまって、ゆっくりゆっくりお参りする人たちに付き合うはめに。しかも、社の半分は工事中でシートに社の実物大の写真がプリントされたものの後ろ側に隠されていたし。

  
  初詣の人の列。

  
  こちら側は工事中ではなかったけどね。。


ダンナは首尾よく河原まで下りて、瓶子の滝を撮影。さらに上流の堰堤まで行っておもしろい氷の造形になっている堰堤を撮影してきた。

  
  川もいい具合に凍っている。

  
  堰堤の手前に門がある。

  
  うろこ状に凍った堰堤の水。

どっちもそれなりの収穫を得て合流。
さて、もう日も大きく傾いてきている。これから新潟まで帰らなくちゃ。
帰り道、今度こそ榛名湖の脇を通って伊香保温泉の方向に進む。ワカサギ釣っているかな〜と思ったが、湖は凍ってもいなかった。
伊香保温泉の健康ランド的な日帰り温泉であったまって帰宅。
この新春は、七福神も見たし、榛名山で初詣もしたし、いいことあるかしらん。
いつになく、縁起づいた滝めぐりになった今回だった。
交通
麻苧の滝  最寄ICは、上信越自動車道松井田妙義IC。インターを出たら、県道51号を経て、国道18号に入る。国道18号を左折。軽井沢方面に向かう。しばらく走ると、左側にドライブインがある。峠の釜飯で有名なおぎのやのドライブイン。これをすぎてちょっと走ると、国道がY字に分かれる。そのまま直進が国道18号。左手坂を下る感じに分かれているのが旧中山道。ここを旧道のほうへと左折。道は大きく左にカーブし、もう一度右にカーブする。この右にカーブする曲がりはな、左側に麻苧の滝自然公園(だったと思う)入り口の看板がある。道はものすごく細いうえに急な下り坂なので、注意が必要だ。道の突き当たりにつり橋がある。つり橋の手前の道を右に曲がり、少しすると駐車スペースになる。自動車をここにおき、あとは徒歩だ。
  麻苧の滝までなら、簡単な装備でも充分楽に行くことができる。遊歩道の入り口から麻苧の滝までは写真を撮影しつつでも10分くらいだった。

瓶子の滝  榛名山神社内にある。我々は新潟からなので渋川伊香保IC利用。東京方面なら前橋か高崎IC利用と榛名山神社のHPにあった。
榛名山神社の公式HPは、こちら
瓶子の滝は、山門をくぐって、坂道をしばらく登った先にある。神社の本殿はさらに階段を登った先だ。

んがお工房の日本百名滝めぐり  滝レポートトップ  掲示板