2019年氷瀑を求めて@
箱瀬の滝、三滝



箱瀬の滝
ちっさい写真ですみません。
滝自体はちゃんと落ちているんですが、
なんか、痛々しいです。


崩落の説明看板が立派になってました。



小禅の滝
半分が日陰になっちゃって。
それにつけても、真っ白だわ。


ちょっと下流から撮影。


高速シャッターで流れを止めたみたいに
写ってますが、氷です。



大禅の滝
なんか、寸足らずに見えますね。
2019年2月初めの大禅です。


遠くから見るとこんな感じ。


落ち口から氷までが遠いっ。


大きさ比較。
あら、滝が小さくなっちゃった。


左岸から撮影。


松かさは見事の一言。



クラゲも立派。


ホント、綺麗だわ。

2019/2/2  箱瀬の滝(10M) 
           大禅の滝(30M)  長野県北相木村

今年の冬は新潟の平野部ではびっくりするほど雪が少なかった。しかし、新潟の平野部ではびっくりするような氷点下の日も数日あって、氷瀑に期待していいのやら、どうなのやら、さっぱりわからない状態だった。
そういえば、昨年もそんなことを言って、標高の高い場所ならいいかもしれないと長野県の御嶽の滝たちを見に行って、見事に凍っていない滝を見る羽目になった。
では、今年はどこに行こう。
滝初めに行った群馬県の小豆の滝と九十の滝は思いのほか素晴らしい滝でもっと凍っていたら申し分のない氷瀑だったのにな。
さんざん思いめぐらし、結局定番が一番じゃないの、ということになった。
氷瀑の定番、その一番手はもちろん、三滝の大禅である。
どんなにカッチリと凍った滝であっても、あのフォルムの素晴らしさを真似ることはできない。
と、いうことで、本来であれば厳冬期のはずの2月2日に長野を目指して自動車を走らせた。
しかし、毎年この時期の長野道はとんでもない積雪や降雪で50キロくらいで走られればありがたいくらいなのに、今年はからっと乾いた路面でまったく走行に支障がない。途中、県境付近でかなりの濃霧が発生したが、雪よりはましだ。
ましだ、ましだと思って、前方を注意しながら走行したら、いきなり赤いテールランプが出現。まさか停止しているとは考えもしなかったが、停止していた。気をつけて運転していたので衝突しなかったが、なんと、停車している自動車の前には除雪車が。
えーっ、積雪ないじゃん。と思っていたら、路肩にうず高く積まれた除雪後の雪が道路に向かって落ちてくるのを防ぐための除雪が行われていたのだ。濃霧時に、それはやめてよ〜。肝を冷やした。
長野入りして、北相木村に向かう。
いつものことながら、長野の空は青い。新潟の空はどんよりと重いのに、長野に来ると綺麗に晴れている。
北相木村に入り、箱瀬の滝の橋になったので、下りてみる。
あれ、ちっとも寒くない。なんだか空気が長野じゃない。
積雪もほぼ無い。橋の途中まで歩いて行き、滝を見下ろしてみる。
ちゃんと滝は落ちている。だが、平成26年におきた土砂崩れの跡はそのままで、もちろん、あのかわいらしい蓮状の氷「鍋蓋」もなかった。
とりあえず、それだけ確認して、三滝に向かう。
三滝の駐車場に着いたのは出発が遅かったので、お昼をかなり回ってからだった。
広い駐車場にはほんの数台自動車がとまっているくらいだ。

  
カッサカサの駐車場。

  
遊歩道もこの状態。

それにつけても、雪がない。かつてこの駐車場でこんなに景色が茶色かったことがあっただろうか。滝へと向かう遊歩道もほとんど土が出ている。
いつものように我々はスパイク付長靴持参なので、それを履いて登りはじめたが、必要なかったかな、と思うくらいだった。
少し歩くと、上の方からなにか声を掛け合っているような音が聞こえてきた。がつがつと氷を砕く音もする。
例年よりかなり少ないとはいえ、日当たりのない場所などは雪がガチガチの氷になって遊歩道を隠している。それを砕いて除雪している人たちが作業をしているらしかった。
ご苦労様ですと声をかけると、滑り止めをまったく考えていない人も来るからね、と笑っていた。私たちはこれですよ、と長靴の裏を見せたら、それなら安心と言ってくれた。
地元の人のこういった努力で安全に観光できるのだと改めて実感する。感謝しかない。
まずは、小禅の滝に行ってみることにする。

  
小禅の滝への階段。

  
これがキツいんだ。

  
階段と小禅はこんな感じの位置。

日当たりのいい小禅の滝までの階段は、ほぼ凍っていなくて、ただの急な登り階段でしかない。これで凍っているのかしらと心配しながら登って行くと、青空を背景にカチっと凍った小禅の滝が姿を現した。
白いなぁ。
凍っているというよりは雪が固まったような感じに見える。
ただ、ちょろちょろという水の音もしないので、氷は厚いようだ。
よくよく見れば、上段あたりの氷の奥に水の流れがみえないでもない。
それでも、心配をよそに、きっちりと凍っていてくれて、なんだかほっとした。
小禅の滝に来たときのお楽しみ、鑑瀑台の反対側の穴の奥にある氷筍はどうだろう。目をこらして見てみると、あったあった。例年よりもかなり小さいがちゃんとできていた。これもまたほっとした。
あとから小学生の男の子とお父さんと見られる見学者が登ってきて、小禅の滝だけ見てさっさと下りて行ってしまった。こらこら、氷筍を見せてやれよ。かわいいんだからさ。って、知らない人のほうが多いのかもしれないけれどもね。

  
暗くて写りが悪いですが、氷筍。

小禅の滝をあとにして大禅に向かう。
遠くに大禅の滝が見ることができる場所に来て、あら、やっぱりまだ半分くらいなのね、と感じる。一番上の落ち口まであの松ぼっくりが届くのはまだまだ時間がかかりそうだ。
滝下まで行くと、先客が2人いた。それぞれ左右に分かれてじっくり写真を撮影しているようだ。

  
標高が上がると雪も増える。

最初見たときには、小さいな、と思ったが、近づくと「ああ、やっぱり氷瀑の一番は大禅だな」と感じた。規模ではない。美しさだ。小さくても、見事なまでの造形美である。そして、色が素晴らしい。白い松かさの奥の水色のなんときれいなことか。
これが、だれの手も借りずに自然が作り上げたのだから、本当にすごい。
我々も思い思いに写真を撮影することにした。
それにしても、今年になって初めて気がついたのだと思うが、大禅の遊歩道の脇には、こんなにたくさん石像が並んでいたんだ。
今までずっと滝しか見ていなかったのだと思う。
これは一度凍っていない時にも来ないといけないんだろうなぁ。きっとかなり別の印象を与えてくれる滝なのだと思う。

  
ほら、石像がたくさん。

  
左岸のほうにもたくさん。

雪の少ない時に来て、初めて宿題を与えられたような気になった。
左岸の滝見台から撮影したあと、右岸の観音堂方向に行くと、先行者の男性が撮影ポイントを譲ってくれた。
よくここをご存じですね、と言われたので、有名ですよ、と答える。まだそれほど成長していないですね、と言うと、これくらいのほうがごみが少なくて綺麗ですよとのこと。
確かに、小ぶりの大禅の滝はごみ一つない水色をはらんだ純粋な氷だ。
我々はじっくりと撮影するタイプではないので、男性に礼を言って、大禅をあとにした。

  
左岸からは横顔が見られる。

今日はワンポイントで三滝だけを見にきたので、あとは帰るだけである。
午後1時半に到着して、午後2時半に出発。考えてみれば贅沢な真冬の一日を送ることができた。
交通
三滝  新潟から行くと、一番近いICは、上信越自動車道の佐久IC。ICをおりて右折して国道141号バイパスに出る。あとは清里方面に向かってしばらく走る。国道299号線の交差点を過ぎて、もう少し走ると、小海駅に向かう馬流という信号になる。ここで左の橋を渡って、県道2号に入る。トンネルをぬけて、道なりに進んで行く。しばらく走ると北相木村に入る。そこで県道124号北相木村方面に進む。124号をしばらく進むと、箱瀬の滝がある橋などを通る。
その橋を渡り、少しすると(三滝何キロという看板が随所にある)、右手にでっかい看板で三滝と書かれた矢印がある。ところが看板に見合わず左折する道は細い。細いうえに民家と民家の真ん中にあるので、道であるかどうか分からなくなったりする。とにかくこの看板のすぐそばの道に入るのである。
この道は林道で、すれ違いに困難な箇所のある道をしばらく走る。 しばらく走ると50台ほど駐車できる広い駐車スペースに出る。トイレあり。ただし、男性用は凍っていて流れないらしい。
この駐車スペースから徒歩で10分も登らずに大禅に出る。小禅は、この遊歩道の途中から行くことができる。登るが分岐からはすぐである。
関東方面からであれば、中央道須玉ICから国道141号を北上する形になる。

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