んがお工房の桜めぐり


2019年桜追いA
かみのやま温泉の桜たち

2109年の桜めぐりはは遠い岐阜県から始まった。そのまま順調に県内、東北と進むはずだった。だというのに、である。なんと岐阜に行った直後に強力な寒波が日本列島を襲い、そこらじゅうで雪が降った。桜の開花はあちこちで足踏み状態になってしまったのだ。もう予想もなにもできない状態である。
いつもは4月の20日前後の週末となれば、近隣の桜の名所がどこもいい状態のはずなのだが、今年はさっぱりだ。
どこに行くよ。
せっかく土日のお休みなのに。
行くなら福島?長野? 一番桜のいいところに行きたいじゃないか。
さんざん悩んで、あちこち調べて導き出したのが山形だった。
とはいえ、山形の置賜桜回廊は今現在おすすめできる桜の状態ではない。山形でもあまりメジャーではなく、さりとて見ごたえのある桜の名所はないか。ヒットしましたよ、あっと驚く「かみのやま温泉」
かみのやま温泉のホームページに桜マップというのがあって、本当にたくさんの桜が紹介されている。
有名な木はないが、樹齢300年以上の古木が何本もあるのだ。これはお得な場所である。
そんなこんなで、4月20日の土曜日、見事に晴れ上がった桜めぐりの好天の日、いさんで山形に向かった。
が。
実はその日は山形には行けなかった。
高速道路に乗る前になんと対向車からの飛び石を喰らい、フロントガラスにヒビが入った。走行しているうちにヒビが広がり、絶対に高速なんかに乗ってはいけない状態に。速攻で修理に出しましたとさ。しくしく。
でも、桜は逃せないので、日曜にするはずだった用事を土曜に済ませて、日曜日に私の自動車で山形に向かった。
土曜のほうが青空でいい感じだったんだけどね〜。土曜のほうが帰りの時間を気にしないでよかったんだけどね〜。運がない。
それでも、桜狂いは桜を追うのだ。





かみのやま温泉駅の桜
我々を最初に出迎えてくれた桜。
駅のロータリーに立っている桜だ。
ピンクの色が濃くてかわいらしい。


日本の春、といった感じの絵になる、
上山城と桜。


これも上山城と桜。
裏手から撮影した天守。


沢庵桜
幕府の制圧により上山に流された
沢庵禅師が心慰められた桜の大樹だったが、
のちに幕府領となった上山城が
取り壊されて、沢庵のめでた桜も
一部を残して切り倒された。
その後懸命に咲いていた桜だが、
枯死してしまい、
現在の桜はそこから生えたひこばえ
である、という主旨の説明が
説明看板に書かれていた。
どうりで、細くて目立たない。
立派に育ってほしいものだ。


真ん中のほっそい小さい桜が
沢庵桜です。


花はこんな感じでした。



西光寺の桜
これは市の保存樹木である桜。
樹齢は不明。


みっちりと咲いている。


全部開いている。
これぞ満開である。

4月21日
すったもんだの末にかみのやま温泉に向かった我々。かみのやま温泉の場所がうまく把握できないで、山形でも遠いほうになるとあまり理解していなかつたのは、この私である。
ダンナが米沢南陽道路がかみのやままで開通して、無料区間があるから、高速道だけで行けるというので漫然と隣に座ったままだった。
遠かったです。東北道回りは。
ざっと3時間半はかかってしまった。
ま、途中できれいな残雪の磐梯山が見れたからいいか。

  春の磐梯山。残雪がきれいだ。

一応かみのやま温泉のHPの桜マップはダウンロードしてもってきてはいるが、もう少し情報が欲しいので、駅前にある観光案内所に行くことに。
駅の駐車場に自動車をとめて、観光案内所に入り、地図はないかと探していると案内係のおばさんが声をかけてきた。
これがやさしいおばさんだったのだが、我々の知りたいことと、彼女の教えたいことがちぐはぐで、会話がかみ合わない。我々は歩いて行けるか行けないか、自動車のほうがいい距離なのかが知りたい。
おばさんは自分のオススメの桜の名所を教えたい。
とにかく、ちゃんとした桜マップを手に入れられたので、歩いてすぐだという上山城に行くことにした。

  
  桜の向こうに小さくお城が見えるんだけど、わからないなぁ。この桜の近くには足湯もあった。

  ここを曲がるとお城の坂道。

歩いてすぐというわりにけっこう歩いて上山城に着いた。
城に向かう道は急な坂道になっていて、自動車がすれ違えないで苦労していたりするのを見て、駅においてきてよかったとここでは思ったけど。
けっこう歩いた段階で入手した地図の縮尺が滅茶苦茶なのだと気がつけばよかったとあとで思うことに。
さて、上山城。
桜の満開の時期ですな〜。お祭りでした。
こじんまりとしてはいるが立派な天守を持つ城の真ん前にバンドがちょっと懐かしいメロディーをガンガン鳴らしてました。
うっわ〜、ミスマッチ。でも、お祭り色まんまん。
市民が集まって満開の桜を楽しんでいる。

  
  石段の上にバンドが演奏しているんですけどね。シュールでしたよ。

城の周りは月岡公園になっていて、ここも桜の名所だ。
城をぐるっと回ると、イラストマッブにあった「沢庵さくら」を発見。あらら、ほっそい木。ちっとも名木らしくない。ほかの桜と品種が違うようで。
ここは、城と桜のコラボを楽しむだけでいいことにしよう。
イラストマップを手に、次に見るべき桜に向かう。

  月岡神社。お城の裏手にある。

この近くでは西光寺の桜がきれいらしい。地図によれば、城の裏手の月岡神社から細い道をたどって行けばすぐのはずだ。
えーと、はずだったんだがな。
まず月岡神社は小高い場所にある裏手の道路に出るには坂を下らないといけない。
月岡神社がわに駐車場があって、市民はここに駐車して桜を見に来ているらしいことが分かったけど。
高い場所にあるので、道はなんとなくわかる。駐車場をつっきり、フェンスを跨ぎ、もう閉鎖したらしいホテルの前を通って下の道に出た。
で、路地を通っていくと、鳥居のいっぱいある栗川稲荷神社というのがあって。
路地の案内にも神社の名前があったので、そっちに向かって行ったら、あることはあったんだけど、鳥居、3つしかないし。鳥居のトンネルって書いてあるんだがな。裏なのか、こっち。

  
  栗川稲荷神社。鳥居は並んでいたんだけどなぁ、

  
  これは迷っている途中でたまたまみつけた石崎神社。石段の奥の鳥居を桜が覆っていてきれいだったが、桜マップにはのっていない。。

首をかしげながら西光寺を目指して歩いていくと、あらららら、国道に出ちゃったよ。路地を見落としたらしい。
もうここがどこかもさっぱりわからないので、国道をとにかく駅方面に歩く。イラストマップを手にあっちじゃないか、こっちじゃないかとうろうろすること15分以上。こんもりとした桜のピンクを頼りにやっと探し当てた、西光寺。
おお、石段の上の山門を両側から桜が覆っていて、すごいことになっている。いや、このピンクがなかったら見つけられなかっただろうけど。

  
  こちらは西光寺の石段。桜が覆っているのは、山門。

石段を登って境内に入っていくと、あ、これは違うなといった感じの大きな桜があった。市の保存樹木であるプレートがあったが、いわれのあるものでもないらしく、説明の看板もないので、樹齢や種類はさっぱりわからない。
だがしかし、これ以上にない満開状態だった。つぼみひとつなく、散る花もない。まさに満開。
苦労して探した甲斐があつたなぁ。


西光寺の桜を見終えた段階で時刻は正午。ほんの小さな区域なのに、迷ったせいで時間をくってしまった。
これでは、絶対に見たい桜を見落としてしまうかもしれない。
と、いうことで、駅まで戻り自動車に乗り込む。
絶対に見たいのは樹齢500年の権現堂の桜である。これを見逃したらお話にならない。
観光案内所でもらった地図を広げ、出発する。
この地図、ぱっと見、実にわかりやすく、目印になるお店なんかも書いてあるのだ。
案内所のおばさんもすぐにわかると言っていたし。楽勝でたどり着けるだろう。

向こう側

権現堂の枝垂れ桜
樹齢約500年の紅枝垂れ桜。
振袖桜ともいわれる。
蔵王権現の信仰をする人や
地域民が地域の繁栄を願い植えられた桜で、
咲く姿が成人を祝う振袖姿のようなので
振袖桜という、と説明書きがあった。


老木ではある。
幹は補修の跡がある。


でも、花はみっちり。
みごとな満開。


見上げると、


降るような花に包まれる。


これは真横から見た姿。
ぐるっと回ってみることができるので、
好みの姿を撮影できる。

楽勝?
なんで楽勝と思ったかなぁ。
いや、地図が正しければ楽勝だったのだ。いやいや、きっと地図は発行時には正しかったに違いない。
目印のお店が移動していたんだよぅぅぅぅ。
かみのやま温泉から県道12号で蔵王の坊平方面に進み、こうや食堂というお店のある交差点で左折する、と地図にはある。
ところが、こうや食堂が無かったのだ。
これも目印の中川郵便局をすぎて、かなり走ったのでおかしいなとは思った。しかし、道の左側を流れている蔵王川を渡る橋がなくては、その向こう側にある集落には行けない。
おかしいと思った次に橋のある道になったので、左折した。
ま、違いますわね。
どうも一本蔵王高原よりの橋を渡ってしまったらしく、ずんずんと標高を上げるのだが集落らしい集落はない。
どんどんどんどん標高上がるし。畑ばっかりだし。
あ、桜。でも枝垂れ桜じゃない。権現堂の桜は枝垂れ桜だよ(写真に撮らなかったがどうもこれが小倉観音の桜だったらしい)。などと会話しているうちに、道は方角的に上山方向に戻る感じになって下っていった。
下るにつれ、道が広くなり、民家も見えるようになってきた。
そして、はっきりと大きな桜の木が出現した。
枝垂れ桜だ。間違いない、絶対にあれが権現堂の桜だ。
なぜって数組の人がカメラを構えて撮影しているもん。
我々は間違った方向から向かったので、道路の右がわに桜の木が立っているのが見える。その手前に農協かなにかの倉庫らしきものがあり、その前に5台ほど駐車できる。見学者はそこに駐車しているようなので、我々もならった。
桜の向かいにバス停があり「権現堂」とある。停留所の名前が権現堂というなら、迷うことなくたどり着けるはずなのにな、普通は。
ともあれ、なんとかたどり着けた。
見上げる桜は巨大だ。

  
  我々は好み方向から桜をみつけた。左側に権現堂バス停。

  
  普通はこっち側から桜を見ると思う。大きな桜でしょう。

  
  桜は公民館の敷地に立っていて、この日は統一地方選挙の投票日。花ののれんをくぐって投票する。駐車スペースは投票者のものだったかもしれない。お邪魔しました。

ちょうど選挙の投票日で、公民館の敷地にある桜を見るのと投票に来る地元の人で桜の前は和やかな感じだった。
この山の真ん中の集落を桜はずっと見守ってきたのだろう。
地域ぐるみで一緒に生きている、そんな感じがこの桜にはあった。

一番見たい桜は見た。
で、このまま坂を下って行けば、また県道12号線に出ることができるはずだ。
ちゃんと出ましたよ、県道に。なんのこたない、中川郵便局を通り過ぎてすぐの信号を左折でしたよ。わっかりやすかったですよ。
時刻はすでに午後1時になりなんとしている。いくらなんでも腹減った。
明日は仕事だから、そんなに長くはいれないし、あとは本当に見たい桜と滝だけに絞らなくてはならない。
となると、次は大勢至の枝垂れ桜だ。と、いうことは、また市内に逆戻り。
今日はおにぎり持参なので、どこかいい公園でも探してお花見ご飯にしよう。
なかなか忙しいドライブになった。




葡萄畑の一本桜
樹齢不明のオオヤマザクラ。
葡萄畑の斜面のすぐ下から見上げて撮影。



これは、東和薬品山形工場の門あたりから
撮影した桜。
手前は工場の桜である。
今回のベストショットだ。


引くとこんな感じ。
写真の右手に製薬会社の工場がある。



かみのやま桜マップの
「ニュートラックかみのやま近くの
桜のトンネル」というのが
たぶんここかも。
素敵な道だった。
自動車を降りて撮影すればよかった。

大勢至の枝垂れ桜を探すため市内に戻る途中、というか、どっかご飯を食べられる場所を探している途中、正面の小高い丘にものすごく形のいい桜があるのを発見した。
うわ〜、きれいだ、きれいだ。
この丘は、どうもぶどう畑らしいぞ。
その丘に向かって近づいて、道端に自動車をとめて撮影。
近づくと丘が見えなくなって思ったよりいい写真にならない。この桜は遠くからのほうがよかったね。
探せば桜の足元まで行く道もありそうだったが、それ以上近づくのをやめておいた。それよりも、ご飯だご飯だ。
実はめぼしはついている。
御幸公園というのが斎藤茂吉記念館の隣にあって、というか、御幸公園の中に斎藤茂吉記念館があるのだが、その公園は観光案内所のおばさんのオススメ桜スポットなのだ。
公園であればおにぎりくらい食べられるだろう。
ナビに御幸公園を入れて一本桜を見るためにやみくもに走ってどこだかわからなくなってしまった現状から脱出する。
ナビが案内してくれた道がなんだかごちゃごちゃした民家の真ん中の道で、その途中にわぁぁぁぁっと声をあげたくなるような桜のトンネルがあった。
それほど大きな桜ではないのだが、両側から密度濃く桜の木が咲き乱れ、細い道の上を覆っている。すこ゜いなぁ。こんな民家しかないような場所でも桜だらけだ。
この桜並木を抜けると、ジェネリック薬品で有名な薬品会社の建物の前にポンと出てしまった。おっきい会社だが、日曜日はたぶんお休みで静かだ。
と・・・。
「ちょっ、ちょっ、ちょっと、自動車とめて〜」
つい叫んでしまった。
さっき見た葡萄畑の中の一本桜がこの会社の前の道からよく見通せるのだ。しかも、緑の丘に立っている姿がさっきの場所よりもずっと美しい。
幸いなことに会社は静かだし、自動車の通りもそれほどないし、道路の脇にとめて、しばらく撮影。
満足して御幸公園に向かった。
御幸公園は家族連れなどが遊びに来るスポットらしい。駐車場は広く、遊び道具などを持った子供たちが中に入って行く。
山形新幹線の上を渡る橋で斎藤茂吉記念館に向かって行くが、斎藤茂吉記念館には入らずに公園へ。腹減ってるし。
おお、観光案内のおばさんオススメだけはある。ソメイヨシノの老木がズラリと並んでいる。
線路を見下ろす感じで公園があり、その線路側はほぼソメイヨシノ。通路を挟んで芝生の植えられている気持ちのいいスペースになる。
芝生の上にもたくさんシートを広げてお花見している人たちがいたが、線路を見下ろせる桜の直下にもたくさん人が陣取っていた。
花の中を通る山形新幹線が見えるのだ。なにせ、茂吉記念館駅がすぐそこ。速度も遅くなるので写真を撮るのも楽なんじゃないかな。
我々もシートを広げて遅い昼食をとることができた。

  
  御幸公園の桜。実はこの写真には山形新幹線も写っているのよ〜。
  わからないでしょう。


   
  左の桜並木の下がわに山形新幹線の線路がある。奥が斎藤茂吉記念館と駐車スペース。





大勢至のしだれ桜
樹齢約300年。
背後に杉の木があるので、幽玄に見える。
花の色も白っぽい感じだ。



桜のそばまで行って撮影。
角度によってかなり表情が違う。



それほど大樹ではない。
300年では、桜の中では若造かもね。



大勢至の祠のある場所よりも
隣の空き地に向かって枝を落としている。

腹も満たされたので、桜めぐり再開だ。
しかし、もはや時刻は午後2時を回っている。滝を一本見る予定なので、せいぜい市内の桜のわかりやすいものしか行けない。
だが、大勢至の桜だけは押さえておきたい。
しかし、手持ちの地図はあまりにおおざっぱだ。「龍王温泉荘」の裏手にあるらしい、というのが唯一のマトモな情報である。
とにかく、「龍王温泉荘」に行けばわかるかもしれない。
いや、わかりませんでしたよ。
ここに至って、とにかくかみのやま温泉は桜に関しては現地の案内が皆無なのだとわかった。桜マップがあるくらいなのに、ホントーに現地には案内は全くない。全然ない。桜めぐりの人には不親切極まりない桜の里である。
龍王温泉荘まで行き、手元のおおざっぱな地図でもうちょっと北の住宅街なんじゃないかと目星をつけて、路地に入り込む。
ほっそい路地で、自動車のすれ違いさえ困難な道だ。
が、どうもこの先には宝泉寺というお寺があって、そこに斎藤茂吉の墓があるらしい。しかし、そのお寺のほうまで行かずに、一本手前のさらにほっそい路地へと左折する。もう、あてずっぽうもいいところなのだが、見てほしい桜の老木は桜狂いを呼ぶのよ、本当に。
ほっそい路地の右側がいきなり空き地になって開けていて、その向こう側に枝垂れ桜がゆうらりと枝を揺らしていた。
あれだ。
まさか、とは思ったが、もう大勢至の桜でなくても、あの桜に会うためにあっちうろうろこっちうろうろしたのだと思った。
どこに自動車が止められるかわからないくらい細い道だったのだが、うまい具合にゴミステーションだったか、用水槽だったかのそばに1台ぶんのスヘースがあった。
どうやったらあの桜のもとに行けるのか。
空き地のど真ん中を歩いて行くのははばかられる。
見ると、空き地と民家の間にあぜ道があった。
あぜ道。桜マップの大勢至の桜の説明に「勢至菩薩の御堂近くの畦道に咲くしだれ桜」とあったではないか。

  道路がわから見るとこんな感じ。

  右手が民家と畦道。

畦道を歩いて行き、桜のもとに行くと、民家の裏手に本当に小さなお堂があった。「大勢至」とみてとれる文字がある。
おおおおお。まさしく、この枝垂れ桜は大勢至の枝垂れ桜なのだ。
つて、桜にはまったく銘碑がないし、保存されている風情もない。
そもそもこのお堂だって、なんだか民家の裏庭にある犬小屋みたいにひっそりとしている。知っている人以外絶対に来ることはないし、もしかしたら近所の人だって存在を知らないかもしれない。
これ、みつけられたのは奇跡だなぁ。
しみじみとしてしまった。
桜は、樹齢300年以上というわりにはしっかりとした幹をしていて、豊かな枝を空き地になっているたぶん田んぼまで垂らしている。
お堂のほうから見るよりも、空き地を隔てた路地側から見るほうが枝垂れ具合が美しい。
よく呼んでくれたね、と路地から桜を見ていて、あら、と気がついた。桜のずっと向こう側の丘が見えるのだが、なんと東和薬品の山形工場がよーく見えた。
あの工場はかみのやま温泉の桜めぐりの重要なキーポイントらしい。

  大勢至の桜と左の小さな桜の間の遠い丘の上に建っている白い建物が東和薬品の工場。



 あとはこのごく近くにあるはずの「旭昇桜」をおさえておきたかった。
老木ではないのだが、枝張りが市内随一のみごとさだとマップで紹介されていたからだ。これは簡単に見つけられると思っていた。
が、あいかわらず桜めぐりには不親切なかみのやま温泉だ。案内なんかひとっつもない。
川と川の合流点にあるらしい、というヒントで川沿いを走ってみたのだが、全然わからなかった。
さすがにタイムリミットだった。
ここであきらめよう。諦めて滝に向かおう。
そう思った途中の橋であーーーっ、名前のある桜がある。なんだとぉ〜。「鶴」って字が見えたぞ〜。しかし、交通量の多い橋のこと、駐車する場所さえもなく、通り過ぎるだけだった。あとで調べたら「鶴脛(つるはぎ)の桜」だそうで。珍しく銘碑のある桜だったけど、こんな写真ですみません〜っ。

  龍王橋という橋の線路側のたもとに立っている桜。えーと、橋の向こう側の右側のピンク。それが「鶴脛の桜」です。奥羽本線鶴脛跨線橋にちなんで名づけられたそうな。

完全に意気消沈。
滝に行くために自動車を方向転換しなければならない。県道から路地に入って滝方向に進もうとしたら、おや、遠くにきれいなピンクの桜が見えるぞ。畑の開けた空間の向こうに小ぶりながらきれいに咲く紅枝垂れ桜の姿が見えた。
近づけそうだったので、自動車を能動に入れ、桜の木のそばに行く。
どうも神社らしい。表側に回ったら、小さな神社の隣に公民館のような建物があり、ここも投票所になっていた。投票所なので、数台の駐車スペースがある。そこに自動車を入れて、桜を撮影。駐車したついでにこれから向かう萱滝をナビの目的地に入れた。
今写真を見てみても、きれいな紅枝垂れだなと思うのだが、さて、これはどこのなんという神社だったのやら。さっぱりわからない。
それとわかる写真を撮っておいたつもりだったが、神社の社に神社名が入っていなかった。
かみのやま温泉の桜マップにも書かれていない桜だ。小さいから、とりあげられないのだろう。
無名だが美しい桜がかみのやま温泉の桜めぐりの最後の桜になった。

  綺麗な紅枝垂れでしょ。平屋建ての屋根ほどの高さもない小さな木だけど。

  小さい神社の裏にあるので、ちょっと目立たないのが残念。

かみのやま温泉の桜マップはこちらからダウンロードできる。
マップには36の桜の見どころが紹介されているが、なんやかや言って、我々は車窓のみも含めて12か所くらいは見たんじゃなかろうか。
さんざん桜めぐりには不親切だと文句を言ったかみのやま温泉の桜なのだが、桜の季節には本当に桜だらけになる桜好き狂喜のスポットではあると思う。事前にGooglマップなどでちゃんと調べておけば、実はかなりの桜が載っている。温泉に泊まれば桜マップの桜をコンプリートするのも夢じゃないかもしれない。ただ、パンフレットのイラスト地図はあまり信用しないほうがいいわよ〜。

さて、せっかく温泉地に行ったのに、冒頭でも説明したように翌日は仕事の日に遠征することになってしまつた手前、のんびりとすることができなくなってしまった。滝に行き、あとは帰るだけである。
来るときは東北道回りで来たので、帰りは南陽市から国道113号で置賜地方を通り日本海に抜け、日東道で帰宅することに。結果的にはほとんど同じ時間かかったけど、高速代が三分の一以下ですみましたとさ。どっちを選ぶかは好みだわね。
フロントガラスの修理代は10万強かかるそうで。今年のGWは、近場で桜三昧だな〜っっ。



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