んがお工房の桜めぐり


2019年桜追いB
白馬村の桜たち

2019年のゴールデンウィークは、改元の祝日のために多い人でなんと10連休という超大型連休になった。
けどね、我が家は私の仕事の都合で4月の前半戦2日と5月の後半戦3日しか連休になりませんでした。むしろ例年より短いという世間様とは逆行したGWになってしまった。
しかも、桜追いAで書いたが、自動車のフロントガラスが割れてしまって、予期せぬ出費を被った。おいそれと遊び歩けないGWになってしまったのである。
だから、というか、仕方なく、というか、5月のほうに山を一つ登って滝を一つ見て、という予定をたてていた。4月には県内のリピの山にカタクリを見に登って、前々から見たかった福島の桜を見て。
ところがである。なんと、カタクリを見に行くはずだった坂戸山は4月28日の段階で満開とは言えない状態。福島の桜に至ってはまだ蕾だった。どっちもダメじゃん〜っ。
慌てた。予定は完璧だったはずなのに。
どちらも4月の初めにあった積雪で開花がかなり遅れているようなのだ。
仕方がない、どっちも5月の連休のほうにずらそう。
となると、4月の連休に山と滝を入れなくては。
ええーー、4月の山ってば。どこもかしこも雪がまだある。我々は雪の中の登山は極力したくない。悩みに悩んで、4月28日に行ったのは菅名岳。雪の中の登山は避けたかったのに、結局雪の上を歩いたけどさ。
あとは滝。滝、滝。
そっちは棚に上げた(おいおいおいおい)
5月の福島に行く時に一つくらい拾えるだろう。
だとしたら、桜じゃないですか?
北のほうか標高の高い場所であればまだまだ桜はいける。
探しましたよ4月の連休にちょうどいい桜。
ありましたよ。
弘前。
わははは。
それはさすがに無理だ。もっと時間と資金に余裕がある時に考えよう。
では、ほかにどこがあるだろう。
さんざんネットで調べて行きついたのが、長野県白馬村だった。
白馬村には桜のスポットがいくつかあって、ホームページでも紹介されている。
長野でもかなり都会から遠く、交通の便もよくない白馬だ。きっとのんびりと桜めぐりができるだろうな。
我々の住む新潟市からもちょっと遠いけど、ゴールデンウィークだし。白馬村でのんびりしよう。
のんびり、ね。ううむ。
そうですとも、なめてましたよ、一大観光地の白馬村を。
のんびりどころか。そこらじゅう人だらけでしたわよ。




貞麟寺のしだれ桜
樹齢約400年の枝垂れ桜
白馬村天然記念物。

別名イトザクラと説明にあった。
まだ咲き始めで、ちょっと見栄えしないが、
桜のたくさんある貞麟寺でもひときわ大きい
威風堂々とした木だ。


お寺の建物と比べても大きいのがわかる。


ねじれた幹。


枝張りもねじれている。


支柱に支えられた枝。



境内はカタクリ咲く桜園。


その向こうには雪の山々が見える。

4月29日
天気予報的にはどこもかしこも晴天で、桜めぐりには絶好の日。糸魚川で北陸道を下りて、国道148号をひたすら南下する。午前11時に白馬村入りするまで空はきれいな青空だった。

空と雲まで絵になる白馬村。

実は、例によって大した情報収集もせずに現地入りしている我々はまず情報を集めるために道の駅に立ち寄ることにした。
道の駅はJR白馬駅よりもかなり松本方面に走ったほうにあるのだが、桜を見ながら戻る形であれば問題はない。
白馬駅あたりまではもくろみどおり晴天のもとのんびりドライブといいうのが順調に進んでいた。しかし、白馬駅近くになって愕然。道、渋滞てるし。我々は反対方向に向かうので渋滞にはハマらなかったが、何これと目を疑うくらい自動車の列が続いている。
ここに至って、GWの白馬は大観光地なので大混雑するのだ、という事実に気がついた。そうだったか〜。
道の駅も駐車場入りするのに案内係が立っていて、入りづらいありさま。まだ正午には間があったが、きっとこのありさまでは昼食難民する。道の駅の食堂が空いているうちに食べてしまおう、とさっさとそこで昼食をすませた。
お昼を食べている間になぜか青空に雲が広がり、うっすらとした曇りになってしまった。あれ、もくろみがどんどん外れているぞ。
道の駅の外側にある案内所で白馬めぐりマップというのを入手して、これから行く桜のルートを決める。
まずは、貞麟寺だ。ナビにあったので案内してもらうことにした。
そしたら、国道148号の沢渡という信号で曲がって線路を渡るのだが、あまりに細い道に入るのでかなり心配になる道だった。
が、よーくあたりを見ると、必ず「貞麟寺」と矢印がある案内がある。それぞれを見落とさなければたどり着ける。実は線路からはそんなに遠くない。

  JR大糸線の線路を渡る。そしてすぐ線路沿いに左折。ここで迷っている人もいた。

  左折するとこんな感じの道になってしまう。でも、大丈夫。すぐにお寺になる。

  お寺の参道。

駐車場が寺より手前にあったので、そこに入れると、駐車場のすぐ隣が小さなカタクリ園になっていて、そこで捕まる。新潟でもカタクリは見られるんだけどね〜。
でも、ここのカタクリよりもお寺の中のカタクリのほうが桜とコラボしていてきれいでしたよ。
お寺に近づくと、思わずわぁっと声が出るほど桜がたくさん咲いていた。これがいろいろな色の桜で、よくあるソメイヨシノ一色の桜の名所とは違う。
足元にカタクリが咲き、様々な桜が花開き、そして奥には北アルプスの山々が雪を頂いて輝いている。
こりゃすごいや。
たくさんの人たちがこの光景をカメラに収めていた。
我々もひとしきり写真を撮影してから、お寺の境内へ。
そこにひときわ巨大な桜の木があった。
まだ咲き始めで数輪しか咲いていなかったのだが、木の大きさは境内のどの桜にも勝る。
何本かの支柱で支えられて、大きくうねるようにねじれている姿も桜の年輪を感じさせる。
でも、この子が咲くころには境内を今ピンクに染めている桜たちは散ってしまっているだろうな。
雪や温かさの関係で同時に咲くこともあるとは思うが。
咲いていないこの木を撮影する人はほとんどなく、ゆっくりと木の回りを見てまわることができた。
境内には他にも色や形のいい桜の木がたくさんある。
桜の季節に白馬に来たらこのお寺には立ち寄ったほうがいいと思う。山里の素敵な桜の園である。

  お地蔵さんの佇む桜もある。






長谷寺のしだれ桜
樹齢不明の枝垂れ桜。
こんもりとした姿が実にきれいで
花色も美しい桜だ。


境内の真ん中にあるので、
一周ぐるりと見てまわれる。
どこから見ても形のいい子である。


だというのに、どういう理由なのか、
枝と幹にトラロープが絡んでいた。
決して枝張りを保つために必要な措置には
思えなかったが。
少なくとも花の季節だけは外してほしい。


花はみっちりと咲いていて、
まだまだ若さを感じさせた。


木の大木とはこんな感じ。
木の右側にダンナが立っている。

次にに向かうのは、長谷寺である。
このお寺の桜は白馬村のホームページで紹介されていた。
やはりナビにあったので案内してもらう。このお寺もわかりやすい場所にある。十郎の湯という温泉施設のそばにあり、そこを通り過ぎたら左折するのだが、ちゃんとよく見ると案内看板がついている。
細い道に入ってすぐの右側が長谷寺だ。山門をすぎてすぐに駐車場がある。
しかし、あれ、自動車がゼロ。
貞麟寺にあれだけカメラマンがいたのになぁ。
とりあえず境内に行くと、すぐにきれいな桜をみつけることができた。
見つけるも何も、真ん中にすくっと立っている。いやでも目に入る。
ほぼ満開状態。
とてもきれいな形をした桜で、こんなにきれいに咲いているのに見てくれる人が一人もいないのがもったいないくらいだった。
喜んで近づいて行く。
右に左に桜を愛でる。
が、あれ、なんだこの違和感。
もっと近づいて分かった。
桜の枝と幹をなぜが黄色と黒のトラロープで縛り上げているのである。
理由がさっぱりわからない。
枝張りの形を整えるためのロープなのか。
この無粋な色のロープはむしろカメラマンを遠ざけたい意図さえ感じる。
だからこの桜を見に来る人が少ないのかというのは勘繰りすぎだとは思うが、かわいらしい女の子がロープで縛り上げられているイメージしかわかないのは、桜にもお寺にもマイナスだと思う。
何か理由があるにしても、せめて花の季節だけは外してくれないものか。もったいない。
ちなみに、このお寺の売りはむしろ杉のほうで、樹齢500年以上の杉が山門付近にあって、白馬村の天然記念物に指定されている。
また桜の木も真ん中にある枝垂れだけではなくほかにもたくさんあって、杉の深い緑との相性はとてもいい。
それだけに、トラロープは本当に残念極まりない。

  山門に桜が覆いかぶさる。

  樹齢500年超の杉たちにも桜。

  で、桜の花を散らかす鳥。



続いて向かったのは、桜のスポットではない。
が、今の時期でないとみられない木の花であることは間違いないコブシの見られる場所である。これもホームページで紹介されていた。
ここは道の駅に向かう際に道路わきに案内があったのに気がついていたので、すぐに行くことができた。
案内に従って国道148号からJR大糸線を渡り、そこから先も丁寧に案内がある。民家わきの畦道のような道に入るとちゃんと駐車場があった。
田んぼの向こうに白い花を咲かす大きなコブシの木が2本立っていて、田んぼに映る姿が美しいと紹介されていたが、この日は風が強く、田んぼの水は波立っていて何も映し出してくれていなかった。
しかも、咲いたばかりのはずのコブシが色が茶色くなっていた。
実は新潟のコブシも4月の寒の戻りできれいな状態ではないことに気がついていた。ここのコブシもつぼみの時や開花後に例年よりも寒い気温にさらされたのかもしれない。ちょっと残念。
それでも、田んぼの畦道を渡りコブシのそばに近寄ったり、田んぼから反対側に行ってみてみると、北アルプスを背景にしたコブシを見ることができて、なかなか楽しかった。
四十九院のコブシというのが名前になっているが、現地に行くまで分からなかったのだが、四十九院というのは祠の名前らしい。そばに小さな石の祠が立っていて、四十九院と看板が立っていた。のどかな風景だ。
ただし、人気の撮影スポットだそうで、三脚をしつらえたカメラマンたちがたくさんいた。力の入った撮影風景もまた、傍観者的に楽しむことができる。私もしゃがみ込んで撮影しましたけどね。

  手前の水田に写る姿がきれいらしい。本当なら真っ白なはずのコブシの木。


    
  こんなふうにちゃんと案内がある。コブシの木の手前の畑の中に右の写真のような石の祠があり、これが四十九院。

    
  田んぼとコブシを挟んで反対側の空き地からコブシを見ると、雪の山々が背景になる。青空なら映えただろう。コブシは実はまだ咲き始めだった。





野平の桜
樹齢は不明。
桜云々というよりは、この場所に桜があるのが
人気の撮影スポットだ。
ホントに絵になる。
青空だったらもっとよかったのに。


桜はきれいに丸くなる
オオヤマザクラの特徴そのままの桜。


満開でしたよ。


長野の広さと山々の雄大さを
感じさせる場所である。


地元の農家の畑から撮影なので
ちょっとはばかられるのだけど、
菜の花ごしの桜も撮れる。

次は大出公園という公園を目指すことにした。
これもまたホームページで紹介されていて、吊り橋と茅葺屋根と桜と白馬三山のすてきな光景が見られると紹介されていた。
松本方面から白馬駅に向かって延々と渋滞が続いてたのを見て知っていたので、地図を開いて国道に出ないで公園に向かうことに。
これがとても快適な道でほぼ自動車の通りのない道だった。観光地ってこういうことがあるのだ。
ほぼ大出公園のすぐ近くに出たはいいが、なんとそこで渋滞発生。
たくさんの自動車が大出公園に入ろうとしている。
おそらく、観光客の量ほど駐車スペースがないのだろう。どうにも動きそうもない。道路から見える公園内はピンクに染まっていて、桜満開の様子だったが、泣く泣く諦めだ。渋滞の列から外れてUターン。次の桜に向かう。
やっぱり紹介されてていた野平の桜だ。
実はこの桜については、桜追いとしては老木であるとか珍しいとかではなくて風景プラス桜で成立しているフォトスポットの桜なので、あまり重要視していなかった。見られればいいかな、程度だったのである。
相変わらず国道には出ずに裏道から野平地区に入る。野平地区は、姫川を渡って急激に標高を上げた先にある。
どこにその桜があるのかさっぱり分からなかったが、野平地区に入ったとたんに駐車場案内があった。
あらまあ、駐車場がきっちりしているんだ。
入れてみたら、それほどたくさんの自動車が止まっているわけではなく、さらに、見渡す限り桜らしいものはない。
強いて言えばあの桜なんじゃないの、というのが、はるか遠くの坂の向こう側にある。いや、遠いでしょう。
しかし、道路わきの立て看板に路上駐車はやめてくれ、とあちこちにあるので、どうやらあの桜に間違いないようだった。
三々五々自動車が来て、人が歩いて行く。
今はこんなだけど、注目されたときにはとんでもないことになったのかもしれない。日本のカメラマン、恐るべし。
仕方がない、歩くか。
歩いてみると思っていたほど距離はなかった。桜が小さいので遠く見えたのだろう。意外にたくさんの人が桜を見ていた。
桜に近づき、俯瞰で桜を見下ろす位置を探ると、さらに向こう側に丘のような場所があった。畑の脇の道を通り過ぎ、丘に登る。
おお、見下ろせるぞ。桜ちっちゃ〜。山、でっか〜。信州、奥深〜っ。
やっほーと叫びたくなるような風景だった。
桜のもとに戻り、さんざん撮影。
あとから自宅で写真を見たら、なんのこたない、この桜が一番撮影枚数が多くて印象に残った桜だった。
人気があるっていうのは、やっぱり理由があるものである。

  赤い矢印の先のちっさい桜が目的の桜。

  白馬のキャラクター「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男V世」が路上駐車はやめてと呼び掛けている。

  なぜか傍に三等三角点があった。






徹然桜
庚申殿、秋葉様、稲荷様などがある
伝行山の入り口にすっくと立っている。
植樹者の名前から徹然桜というらしいが、
樹齢などは説明にはなかった。


背の高い桜である。
満開であれば、見ごたえがあるだろう。


枝を支柱で支えられていた。
これはお堂がわから撮影。




白馬の桜めぐりもあと一つを残すだけだ。
新潟から白馬村に入ってその桜の場所はすぐに見つけていた。国道148号からちょっと入った場所に不自然に自動車がたくさん止まっていて、何かなと思ってナビを見たら伝行山とあった。目的の徹然桜はそこにある。
ナビに案内されるまでもなくたどり着き、桜と対面する。
むむ、咲いているのか?
満開ではないらしい。つぼみのほうが多いかな。さすがに白馬の春は遅い。
それにしても背の高い桜だ。
枝垂れ桜ではあるが、横に伸びるより縦に伸びましたといった印象を受ける。
桜は伝行山という信仰の山のふもとに立っていて、ぐるっと回りを見てまわることができる。
道路がわからお堂を背景に見るのが定番ではあるが、一段高いお堂のそばから桜を見るのもまたいい。
拝啓に雪山がきて、いっそう花のピンクが映えるだろう。
でも、もう夕方近くてしかも曇り空で。さらには満開じゃなくて。もうちょっといい時に会いたいものだ。

  道路を渡って撮影。満開ならピンクが映えるだろう。

  咲き具合はこんなもん。三分咲きくらいかな。


  山に登る道の両側がヤマザクラの並木。




桜を見終えたが、実は白馬村の花スポットでもう一つ行きたい場所があった。ミズバショウが見ごろを迎えている、落倉自然園だ。
ミズバショウといえば、白いほっかむりみたいに見えるあの大きながく片が2枚あるものがあるというのだ。それ、見てみたい。
ナビの案内通りに伝行山から山のほうに進み、ちょっと走ると左側に落倉自然園があった。大きな公園だろうと予想していたら、かなり小さく、駐車スペースもそれほどない。入口の駐車スペースは4台くらいしかなかったが、そこに滑り込むことができた。夕方だったので、来る人も少なかったのかもしれない。
入るといきなりグラウンドみたいになっていた。ホントにここか、と思ったが、水芭蕉祭りというのぼりが立っているので間違いない。
グラウンドを突っ切るといきなり木道になってミズバショウの群生地になっていた。
わ、ミズバショウどころか、ザゼンソウまであるじゃないの。しかも、並んでいるじゃないの。楽しいわぁ。
我々にはなじみの薄いフッキ草なども咲いていて飽きない。
しかも、二枚のがく片のあるミズバショウが意外にたくさんあるのだ。
あ、あそこ。あっちにもある。
もう宝探し状態。楽しいわぁ。
ぐるっと木道で一周しても30分もかからない、ほんの小さな湿原だが、なかなか楽しめた。

  湿原はこんな感じ。小さく見えないでしょ。


      
  
ザゼンソウ、フッキ草、キクザキイチゲ。

    
  がく片が2枚のミズバショウ。左は三枚に見えるが、奥に一枚のものが並んでいる。右の写真が一番ちゃんと二枚に見えた。

これにて今回の白馬村での花めぐりは終了である。さすが観光地の白馬村は桜を探すのに案内がしっかりして困ることはなかった。あとは近くの岩岳の湯に入って新潟に戻った。岩武の湯は近くにリゾート施設があって、アクテビティを楽しんでいる人たちがたくさんいるのを見て改めて白馬は大観光地であるのを認識。ただ、お風呂に入るにはちょっと早い時間だったので、ほぼ貸し切り状態で入ることができて大満足だった。
     岩岳の湯HPはこちらから
     白馬村の春の花のHPはこちらから



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