2020年氷瀑を求めてA
麻苧の滝



麻苧の滝
半分から下の氷は2018年に見た時より
やや厚い気がするが、
水流はむしろはっきりと太い。


近寄ると、スカートがゴージャスになった感じ。


横から見てみる。
滝つぼ付近の氷も多い。


滝つぼ全体は凍り付いてはいない。


凍っては崩れるを繰り返しているのかな。


大きさ比較。
ダンナが中央に立っている。
意外と大きい滝でしょう。


繊細なフリルのような氷だ。



イラスト看板から推測すると、
たぶんこれは孫滝だ。
過去2回来ているが、みつけられなかった。


大きさ比較。
小ぶりの滝だが、落差は5メートル以上あると思う。


切り揃えられた氷がきれい。



これはたぶん自行滝


滝つぼの水がきれいに澄んでいて、
落ち葉が模様のように見えた。



イラスト看板からすると、
母滝になるのかと思う。


落差からすれば、
麻苧の滝(父滝)よりもあると思う。
右端にダンナが立っている。


もう一つ大きさ比較。
登山道が母滝の岸壁をよじ登る形になっていて、
その登山道に立つダンナ。
今回も鎖を使ってよじ登るのは断念しました。


2020/2/11  麻苧の滝(40M)  群馬県安中市

2020年の1月2月は今までに経験したことのない暖冬だった。
雪国である新潟では平野部に積雪のない2月は本当に珍しいことだ。いや、積雪がないだけではない。例年ではどんなに暖冬であっても、最高気温が10度以上になることなどないのに、2020年は何日も10度以上の日が続いている。最低気温がマイナスになるのは放射冷却の晴れた朝だけで、そんな日は日中はヒーターのいらないくらいの暖かさになる。
新潟がこんななんだもの、今年は氷瀑は無理だろう。
滝が凍るとしたら、標高の高い場所か冷たい風の吹く谷間くらいだ。
しかし、2月中旬に「今季最高寒波」というのがやってきて、各地で気温が下がった。マイナスが数日続いて、この機を逃したら今年の氷瀑は本当に見ることができないだろうと予想できた。
ところがその週末はどうしても外せない用事があって、滝には行けない。週末はダメでも、2月11日の火曜日は建国記念の日で休日だ。単独の休日ではあるが、行くしかない。
どこの滝が凍るだろう。
日帰りで行けるのは長野か群馬か。
定番の長野県の大禅の滝は林道が崩れて通行止めであるという情報があった。
では、群馬県はどうだろう。印象のよい中止の滝に行ってみよう。
長野で林道が通行止めというのがあるくらいなので、ダンナが慎重に道路状況を調べた。特に自治体のページでは何も書かれていない。よし、大丈夫。
と、いうことで、建国記念の日に行く氷瀑は群馬県の中止の滝に決定した。

ところが。
全線雪のない関越自動車道、上信越自動車道と乗り継ぎ、いいペースで湯の沢トンネルを通り、上野村に入った。しおじの湯という温泉施設のそばを通り抜け、トンネルを抜け。そうそう、ヘアピンカーブのトンネルがあったんだっけと思っていたら、目の前にゲートが出現。すっかり道が塞がれていた。
冬期閉鎖の様相ではない。看板が立っている。読んでみると、
「台風19号被害による通行止め」

  ゲートの図。中止の滝はまずずっと先だ。

ゲートの先には大きな土嚢が積んであり、反対側の路肩も崩れているのが見てとれた。林道、崩れているんだ。
これは、気をつけて走れば行けるんじゃないの、という感じでは全くない。
さりとて、徒歩で行くにはまだ林道だけでも5キロ以上あるはずだ。そこまでの根性はない。
諦めるか。
自動車をターンさせ、それではどこに行くか、悩んだ。
そこで、ダンナがスマホを手にして、我々の2時間くらい前にダンナの山友達であるYutaさんが同じく通行止めを見て自動車を返して、早滝に向かったと連絡があったのを知った。(運転中のためリアルタイムで連絡を受け取れなかったのだ)
早滝で会うことはできないかもしれないが、帰り道のYutaさんの顔くらいは見られるかもしれない、と、目印になる道の駅万葉の里に向かった。
そこでとりあえず昼食をとって、そのあと我々も早滝に向かえばいいだろう。
ここでまた我々は想定外の事態をくらってしまう。
道の駅万葉の里。改装中でした。
改装中も改装中、全部閉めての改装。あるのは仮設トイレのみ。食事なんてできない。
おいおい、早滝は行って帰るだけで1時間以上かかる。空腹を抱えて行ける距離ではない。Yutaさんとも連絡がとれて、早滝は凍っていなかったことと、すでにYutaさんは埼玉方向に向かってしまっていることを確認できた。今回は残念だけど会えないね。
我々はとにかく腹を満たしたい。
あと、これから行く滝もどうするか決めたい。
滝については一応候補はあった。下仁田まで戻り、妙義山麓の麻苧の滝だ。あそこならたぶん凍っているだろう。新潟に帰るのに方向的にも無駄がない。
ということで、またしても国道299号を上野村方向に戻り、道の駅上野でなんとかお昼にありついた。ここのイノブタにはけっこうお世話になってますです。

大幅に無駄を重ねて再び湯の沢トンネルをくぐり、下仁田まで戻り、なんとか麻苧の滝にたどり着いたのは午後2時20分。なんだったのよ、この半日は。
駐車スペースから歩き始めて、吊り橋を渡る。
あれ、ヘンなものが置いてあるぞ。
登山道の案内と登山届用のポストの下に青い入れ物が置いてある。なんだろうと見てみたら、「豚コレラ、靴底消毒用石灰。下山時に使ってください」と書かれていた。おおおおお。豚コレラ。群馬県は豚コレラの警戒地域か。そういえば、イノシシが感染源だったっけ。こんなところで今どきの物を見せられてしまった。

    
  吊り橋を渡った先にあったポストの下に青い箱。石灰だ。

  手作り感たっぷりの滝の案内も増えていた。

ともかく、我々は滝に向かう。
まず弁天様のおわす池に行こう。
今回もこの池はほぼ水がない状態。
だが、前回と違って、池とさらに奥にある沢の間の雑木がなんだかスカスカで見通しがよくなっていた。
何気なくそっちの方向を見ていたら、おや、滝っぽい。
見通しがいいということは、歩くにもそんなに藪こぎしなくていい状態で、あっという間に河原に出ることができた。
あ、滝がある。
吊り橋のたもとにあった麻苧の滝の下流の滝たちの一つであろう小ぶりの滝が落ちていた。
今まで2度ここに来たことがあるのだが、この滝は見ていない。拾い物である。
水量が少ないので、両側が凍っていて、なかなか面白い。
河原に立って見てみると、その滝の左岸上のほうが、麻苧の滝の遊歩道の途中にあるあずまやのあたりだとわかった。
ところで、右岸の上のほうにもスチール製の階段がある。何の階段なのか、ちょっと気になったので、行ってみることにした。
別に何の階段でもなかった。単に滝の上流に出られただけだ。どうやら水を利用するための施設らしいものがあったので、昔は階段を利用する必要があったのかもしれない。
そこからショートカットであずまやまで登れないかと思ったが道がなくて無理だった。結局弁天様まで戻って正規のルートで登り始める。
途中の池が見事に凍っていて、きっと薄いんだよ、この氷は。と、小石を投げてみたら割れずに跳ね返った。厚かったよ。麻苧の滝も厚く凍っているかしらね。 

    
  孫滝の右岸上にあった謎の階段。登ると孫滝の上流。ずっと先に見えるのが子滝かなぁ。

    
  孫滝を見下ろすことができる。左は凍り付いた池。氷は厚いようだった。

遊歩道の左手に見える沢の小滝たちはなんとなく凍っているかな、という感じだ。
正面に見える登山道方向の別沢もきれいに凍っている。
さて、麻苧の滝は?

  遊歩道の感じと、途中に立っている七福神たち。

    
  吊り橋手前の寿老人と遊歩道を登る前に左側に進んで行くとある弁天様。

    
  あずまや前に布袋さま、福禄寿は岩の上にいらっしゃる。

    
  安産岩をくぐって、橋を渡る。

       
  毘沙門天は見上げる岩の上。橋を渡って小屋の手前に大黒天の姿が。

  
  麻苧の滝に向かう道に恵比寿様がたたずんでいる。。

  橋の上から見える麻苧の滝の姿。。

橋の上に立って右に目を向けると、おお、凍っているよ。
どうかなぁ、2018年の1月に来た時より多少氷が厚いかなぁ。
さすがに2月なので累積する氷があるのだろう。
ただ、水の流れも2018年より多い感じで、真ん中の目玉の部分が全く凍っていなかった。
それでも、なんとか凍っている滝を見ることができた。
氷瀑を見ることができてほっとした。
写真を撮影して遊歩道を戻る。
そうそう、吊り橋のたもとで石灰を靴につけるのを忘れない。白い足跡が吊り橋の途中くらいまでほたほたとついてしまった。

あっちウロウロ、こっちウロウロした2月11日ではあるが、とりあえず収穫はあった。
しばらく写真を撮影して駐車場に戻る。時刻は午後3時15分。
翌日からまた仕事があるので、あまり長居はできない。まっすぐに新潟に戻った。これで今年の氷瀑は見納めかな〜。


  
  吊り橋手前にあるイラスト看板。現実の遊歩道とはちょっと感じが違うんだけど。
   麻苧の滝の上流の祖滝、曾滝については、たぶん見ることができないと思う。

交通
麻苧の滝  最寄ICは、上信越自動車道松井田妙義IC。インターを出たら、県道51号を経て、国道18号に入る。国道18号を左折。軽井沢方面に向かう。しばらく走ると、左側にドライブインがある。峠の釜飯で有名なおぎのやのドライブイン。これをすぎてちょっと走ると、国道がY字に分かれる。そのまま直進が国道18号。左手坂を下る感じに分かれているのが旧中山道。ここを旧道のほうへと左折。道は大きく左にカーブし、もう一度右にカーブする。この右にカーブする曲がりはな、左側に麻苧の滝自然公園(だったと思う)入り口の看板がある。道はものすごく細いうえに急な下り坂なので、注意が必要だ。道の突き当たりにつり橋がある。つり橋の手前の道を右に曲がり、少しすると駐車スペースになる。自動車をここにおき、あとは徒歩だ。
  麻苧の滝までなら、簡単な装備でも充分楽に行くことができる。遊歩道の入り口から麻苧の滝までは写真を撮影しつつでも10分くらいだった。

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