2020年氷瀑を求めてB
番所大滝善五郎の滝





番所大滝
今年の番所大滝はこんな感じ。



両側の氷もほんのちょっぴりしかない。



でも、雪降る姿も美しい。



水墨画の世界になっていた。




善五郎の滝
我が家が見た善五郎の滝の氷瀑の中で
一番凍っていない感じがする。
もう少し凍っていたが、崩れてしまったようだ。。



横から見た図。
分かりづらいが、水流が激しく流れている。



大きさ比較。
外国人の女性が立っている。



もひとつ大きさ比較。
ダンナが写真右端にいるが、わかるかな。



クラゲ状の氷も少ないなぁ。



右岸の氷のオブジェ。



ぶわっと雪が襲い掛かった時の図。



これは滝見台からの善五郎さん。



上流に小ぶりの一段があるのがわかる。



滝見台からの距離感はこんなもん。
手前の樹木がちょっと邪魔かも。

2020/2/23  番所大滝(40M) 
           善五郎の滝(22M)  長野県松本市

2020年の氷瀑シーズンは記録的な暖冬だった。
滝が凍るほど気温が下がらない。氷瀑を見られるとしたら、よほどキリっと寒くなった放射冷却の朝か、標高の高い場所か。
ほぼ氷瀑を諦めていた2020年。しかし、意外にも雪と氷には遊んでもらっていた。
2019年12月には安達太良山の滝に行き冬早々に雪をラッセルしたし、七ツ釜五段の滝では氷の芸術を見た。
今年はもういいんじゃないのかな、と思っていたが、2月に夫婦そろっての連休は23日24日だけなのである。
遠くに行けるチャンスなのだ。
では、どこに行こう。週末になるまではあれこれと考えていた。日光の庵の滝と長野の田立の滝のどちらかに行きたい。ちょっと無理すれば日帰りできる範囲である。
だが、無理できなかった。なにせ23日の日曜日になるまで、みっちり6日間の労働をしなければならなかった。忙しい一週間で、夫婦そろって疲労困憊していた。こんな状況で遠い場所、長い歩行距離の滝を目指したら、必ず事故を起こす。
近場にしよう。
近場・・・というか、定番の滝に決定しました。番所大滝と善五郎の滝。
乗鞍高原のこの滝たち、実は我が家からはそんなに近くはない。近くはないけど、何度も行っている場所なので、気持ち的に楽なのだ。
あまり凍っていないかもしれないが、まったく凍っていないことないだろう。
そんなこんなで、23日の朝は\平日よりちょっと長く寝て、午前8時半頃に自宅を出発。
新潟の天候はとんでもない暴風雨で、北陸自動車道の海沿いを走る場所などでは横風でフラつきながら長野に向かった。これ、本当に松本あたりは晴れているの?
晴れてましたよ、松本は。
いやぁ、さすがに長野だね、新潟のどんよりとした冬とは大違いだね、とか話ながら、国道158号を乗鞍高原に向かって走る。しかし、それほど先に進まないうちに、新潟と大差ないどんよりとした雲に覆われてしまった。
あらららら、山は雪だわよ。
過去何度か冬の乗鞍には来ているが、晴れの確率が高い。雪というのは今までにないと思う。
しかし、12時ちょうどに番所大滝の駐車場に到着した時には、空からはらはらとではあるが雪が落ちてきている状況だった。

昨年のレポと比較してみると、わずかではあるが、雪が多い。
昨年よりは多いが、例年よりはとんでもなく少ない。
支度を整えて遊歩道を歩き出す。先行者の足跡があったのだが、途中で断念したらしい、真っ白な雪だけしかない階段になってしまった。

  
遊歩道を下って行く。

  足跡が全くなくなってしまった。

  板状節理に小さなツララ。

  あずまやは、シュガーパウダーをまぶしたようだ。。

  テーブルもパティシエの作品みたい。

  遊歩道、ちょっと整備されてました。。

うっすらと雪があるせいで、階段のどのあたりが凍っているのかよく分からない。ちょっと怖くはあったが、スパイク付き長靴なので普通の長靴よりは安心だ。それに、空気が冷たくなく、手すりも凍っていない。乗鞍高原の2月の空気が吸い込んでも肺がチリチリしないくらい暖かいなんて、違和感がある。
いつもの番所大滝の滝見台の椅子とテーブルにもうっすらと雪が積もっていた。この雪はほんの今朝降ったんだな。サラサラの雪で手で軽く払っただけですっかりきれいになった。
滝は、もちろん凍っていなかった。両側にできていてもおかしくない氷のオブジェもほんのちょっぴりしかない。
とりあえず、ここで持参したおにぎりとカップラーメンで昼食にして、と。
真冬のこの滝には絶対人は来ないと我々は思い込んでいたのだが、バーナーに火をつけて、お湯を沸かし、すっかりいい具合にラーメンができた所で5、6人の装備もばっちりのご一行がやって来た。チェーンアイゼンにダブルストック。うーむ、軽装の我々が申し訳ないくらいだ。しかも、ラーメンすすってるし。
「ごめんなさい、占領しちゃって」と、謝りながらしっかりと食べた。
どうも中京圏からの観光客らしいイントネーションが飛び交う。しきりに滝をすごいすごいと言っていたかと思ったら、反対側の岸壁を見てもすごいすごいと言っている。
なにかと思って彼らが去ったあと、そっちを見たら、バスケットボールよりも大きいスズメバチの巣があった。
しばらく嵐のように写真を撮って、お邪魔しましたと去って行った。聞き耳をたてていたら、善五郎の滝にまず立ち寄り、それから番所大滝、そしてこれから平湯大滝に行くらしい。がんばれ、滝好き。
さて、我々は昼食を食べ終え、写真を撮影して、善五郎の滝に向かう。
いつもながら番所大滝の駐車場のトイレはありがたい。あったかくてきれいで広い。もし吹雪にでもあってしまったら、ここが避難小屋になるとまで思う。今回も利用させてもらいました。

宿泊施設などが並ぶ道を走り、Mt.乗鞍スキー場を通り過ぎると、道が狭くなり、道路上に踏み固められた雪が現れる。いよいよ真冬の景色だ。
いつもの年であれば、地元新潟で雪道の運転は慣れてからの乗鞍高原なのだが、今年は初圧雪。ちょっと慎重になる。スキー場を過ぎてすぐのカーブが善五郎の滝の駐車場なのだが、おやまあ、いつも以上に自動車がとまっていた。
それでも駐車できたので、支度を整えて出発する。
空は相変わらずどんよりとしていて、この場所から見えるはずの乗鞍岳も全く見えない。楽しみにしていたんだけどな、真っ白い乗鞍岳の姿。
暖冬で雪の状態はどうだろうと思ったが、かなりしっかりと踏み固められていて、安心して歩くことができる。
スノーシューとおぼしき踏み跡がたくさんあった。スノーシュートレッキングの人気のルートなんだな。でも、滝前の階段はスノーシューではちょっと怖いかもよ〜。

  いつもより駐車している自動車が多い。

  積雪はこんなもの。

  橋も雪が乗っかっている。

  滝前の階段。今年は登るの、楽でした

我々は長靴なので、それほど苦労することもなく坂道も階段も歩いて、いよいよ善五郎の滝に到着だ。
うーむ、凍っていない。
あ、いや、厳密に言えば、40パーセントくらいしか凍っていない。
ザバザバ落ちている水流の部分がこんなに激しく見えていたことが今まであったっけ。
たぶん凍っていたものが崩落してしまったあとなんだと思う。その上にうっすら雪が積もって、崩れた氷を見えなくしている。
崩れないほどガッチリと凍り、アイスクライマーたちが登ることができるはずの善五郎の滝の氷が、今年は2月の半ばで崩れてしまったんだ。
しかし、そのおかげで、昨年見たようなもっさりと凍ったオバケみたいな善五郎の滝ではなかった。
あれよりはきれいだし、流れる部分が多く見えるので滝としても見事だと分かる。
見ると、スノーシューを履いた外国人の女性が滝見台からしげしげと滝を見ていた。我々が滝に近づいて行くと、行ってもいいんだ、とばかりに彼女も滝に近づいて来た。
私はそのあとから来た赤いジャケットの女性が目立つので、いい大きさ比較写真が撮れる、と滝見台まで戻ったが、ダンナが外国人の女性につかまって、写真を頼まれていた。英語だった?と聞くと英語だったそうで、これからは滝好きも英会話くらいできないとマズい時代になったかも、と思った。
滝前から離れ、遊歩道を戻り、途中にあった滝見台方向に行ってみよう、というとになった。
たの滝見台、たぶんすずらん橋から行くことができる滝見台だと思う。
前々から遊歩道から滝見台までの道があるのは知っていたが、かなり距離があるものと思っていた。
が、案内からすると100メートルでしかない。
じゃ、行ってみますか。
確かにそれほど歩かずに滝見台に行くことができた。
上からの善五郎の滝が見える。
見えるったって、遠いなぁ。
しかも、手前の木々が邪魔でうまく見えないし。
丁度足場になるような大きな石があるので、雪を払ってその上に立つとなんとか木を避けて滝を見ることができた。ここから滝を見るとしたら、やっぱり冬じゃないほうがいいかも。
でも、角度の違う滝を見るのも楽しいものだ。ほんのちょっとなので、もし遊歩道で分岐に気がついたら、行ってみるのもいいだろう。

  滝見台の様子。。

滝見台に寄ったりもしたが、往復で1時間かからずに駐車スペースに戻って来た。
時刻はまだ13時30分。どこかに立ち寄ることも可能だが、新潟までの長い道のりを考えれば、あとは温泉に入るくらいしかできない。いつもの竜島温泉「せせらぎの湯」に入ったが、ここもいつもより混雑していた。やっぱり世の中三連休なんだなぁ。
雪がチラチラ降るなか、新潟に向かう。松本市内に近づいたら、空は青空いいお天気。天気予報は嘘ついてなかったね。松本は晴れてたんだ。新潟に入ると、心配したほど雪にはなっていなかったが、あとで聞いたらものすごい大風の一日だったってさ。
ともあれ、今年の氷瀑の打ち止め、終了いたしました。

交通
善五郎の滝  長野自動車道松本ICをおりて、国道158号線で上高地方面に進む。スイカの名産地波田町を通り過ぎると、道の駅「風穴の里」があるので、そこで情報収集をするとよい。
途中、トンネルとトンネルの間で左折して乗鞍高原に向かう道に入る。県道84号である。乗鞍高原、と必ず道案内があるので、見落とさないようにすれば間違わない。
国道158号線がわから行くと、最初に番所大滝に出る。JAなどがある建物が立ち並んだ場所であるが、看板があるのですぐにわかる。一応有料駐車場になっているが、管理人などはいない。トイレはとても綺麗で、暖房が入っているので、冬場はありがたい。ぜひ利用したい。県道84号をさらに進み、いくつかのカーブを曲がったあたりに右側に善五郎の滝の駐車スペースがある。ここから行くと滝前に出られる。もう少し進んで、すずらん橋の手前左がわにもかなり広い駐車スペースがある。ここのすずらん橋がわからも善五郎の滝に行ける。こちらからはかなり高い位置にある滝見台に行くことができる。
冬場は休暇村までしか除雪されていない

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