2021年氷瀑を求めて@
番所大滝善五郎の滝





番所大滝
今年の番所大滝はこんな感じ。
やや氷に厚みがある。



左岸のファルコンは、今年はちょっと
獰猛な感じだ。



右岸のイーグル・・・。
いや、イーグルじゃないなぁ、
今年の右岸は何者だろう。



滝つぼが氷のために狭くなっている。
肉眼ではこの氷はとても青く見えた。




善五郎の滝
そんなにガッチリと凍っている感じはしないが、
アイスクライマーがとりついていた。
まだまだ成長過程の氷瀑じゃないかな。



でも、十分に耐えうる強度があるのだろう。
しっかり登っている。



水流が見える部分とアイスクライマー。
なんか、薄氷って感じだけどね。



繊細なオブジェになっている
水流部分。



右岸には氷のクラゲがたくさん。



雪がもっさり積もっている。





親子滝
珍しく撮影しました。
とはいえ、車窓よりです。
国道158号の親子滝トンネルと
前川渡トンネルの間の信号の
すぐそばにある滝だけど、
道沿いすぎて立ち寄れないままだった。
今回は交通量が少なかったので、
速度を落として撮影できた。
どれが親でどれが子なのか、
他のいわれがあるのかは、
分かりません。





八坂大滝
どれれが滝なんだやら、
この写真ではよく分からないと思うが、
ど真ん中の縦線の白い部分が滝です。
一番下の横の直線が滝前の木の道。
ぜんっぜん凍っていないのが分かる。


2021/1/23  番所大滝(40M) 
           善五郎の滝(22M)  長野県松本市

2021年の氷瀑シーズンは、コロナ禍の真っただ中だった。
2020年の年末になって第三波のうねりがやって来て、日本中が外出の自粛ムードになりつつあった。
しかも、正月寒波、次の三連休も寒波。
日本海側のわが新潟県はどちらの寒波も大雪に見舞われ、自宅の除雪に追われる羽目になってしまった。外出自粛どころか、出たくても道路が除雪が間に合わずに自動車が動かない状態に陥った。
そんなこんなで、この年は例年よりも滝初めが遅れてしまった。
1月も後半になって、寒波が二度も襲った日本列島。こりゃ、氷瀑がよさそうじゃないか。
首都圏ほかに緊急事態宣言が発出されたが、滝も凍る寒冷地に小人数で行くのをはばかるほど過度な自粛をする必要もないだろう。
さあ、ようやく2021年の滝めぐりの始まりである。

午前7時過ぎ、いつもの出勤時刻並みに家を出た1月23日土曜日。実はあまり天気は芳しくなかった。
まだ1月のこと、氷瀑も成長過程の時期である。
この時期に見ごたえがあるとしたら標高の高い滝で、そうとなれば、乗鞍高原の滝に狙いを定めるのは定番中の定番と言える。
天気予報も群馬方面よりはマシな感じではあったが、滝の住所である松本市の予報は雨なのだ。
標高を上げれば、雨は雪になるだろう。
歩く場合、雨よりは雪のほうがいい。びしょびしょになるより、払えば落ちてくれてる雪のほうが楽だ。
この日、まだ善五郎の滝に行ったことがないというダンナの山仲間のYutaさんと番所大滝の駐車場で待ち合わせて合流することになっていた。
高速道路を出て少ししてYutaさんから「今、道の駅風穴の里で雨だ」との連絡。あわわ、このままだと30分くらい待たせることになる。
いや、11時待ち合わせだもの、Yutaさん、早いってば。
とにかくやや急ぎ気味で奈川渡ダムを通り過ぎ、県道に入る。
途中から予想どおり雨は雪になり・・・
だんだんもっさもさと大降りになってきた。
うわ〜、大雪だ。滝、見えないかも。いや、そんなこたないか。
ペンションが目立ちはじめると、すぐに番所大滝の駐車場である。
ちゃんと除雪された駐車場にYutaさんの自動車が待っていた。
今までのドライブで大雪だったから、かなり積雪も多いかと思いきや、番所大滝の駐車場の雪はそれほどでもない。山と積まれた除雪後の雪で入り口さえわからない状態を知っている我々には、あれ、今年は少雪なのか、と思うくらいである。
それに、車外に降りて、いつもの肺がチリチリするような空気の冷たさも感じない。
あれ〜、横綱級の寒気が2度も来てしまったので、今年はもう冬が終わったのか〜?
あいさつもそこそこに支度をして番所大滝の遊歩道を歩きはじめた。
あ、やっぱり緩んでいる。
鉄製の手すりに手袋がくっつかない。それどころか濡れてしまう。
足元も雪に足跡がついて凍り付いている感じがない。
立ち入り禁止になっている番所小滝方面の遊歩道を通り過ぎ、急な階段を下る。
さすがに急すぎるし、氷の上に雪が積もっている感じなので危ないが、我々はピンつき長靴、Yutaさんも滑り止め対策はしている。それでも手すりにつかまりながら滝前のあずまやに到着した。

  
Yutaさんと出発。雪はほぼない

    
  あずまやも凍っていない。あたりは水墨画の世界だ。

ああ、雪ったら、もっさもっさと降り続け、滝を霞ませている。
それでも、末広がりのいい形をした滝の両側を氷のフリルが飾っていて、思っていたよりも凍っている感じだった。
滝つぼの周りも凍っていて、青い氷に白い雪が積もっている。
凍っていない水の部分が深く丸く、なんだかとても不気味に見えた。
我が家の定番である番所大滝前のランチにYutaさんも付き合わせ、寒い寒いと言いながらあったかいラーメンを食べ、Yutaさんからその場で豆を挽いたコーヒーをいただいたりした。
ものすごく美味しかったです。

    
  テーブルにお昼のお店開き。右はYutaさんのコーヒーと滝。

  小枝まで白くなった木々の下を駐車場まで戻る。マスクがきつい坂だ。

腹も満たされ、次に向かうのは善五郎の滝だ。
さらに標高を上げるので、道路は真っ白な圧雪状態になっている。スキー場を通り過ぎると、本当に目に見えて雪が多くなってきた。
さあ、善五郎の滝の遊歩道の入り口だ。おお、やたら自動車が多いぞ。こんなに行っているのかな、滝前に。
歩き出すと、スノーシューの跡がたくさんある。
ここはスノーシュートレッキングが盛んな場所なのだ。
で、スノーシューの人たちは自由なので、ちゃんとした遊歩道じゃなくてはずれた場所にもどんどん行ってしまう。
あれ、こんな場所に分岐があったっけ、という場所にも道ができてしまっていて、ちょっと困った。
この遊歩道は橋の手前あたりは左側が崖で落ちると川という危ない箇所もあるので、スノーシューで自由すぎる歩行はちょっと危険だ。
今回は雪がもろい感じがして、ちょっとでも踏み跡を外すとズボッと潜ってしまう。ガチンコチンに凍っている時であれば、多少外れても運が悪くなければ潜ることもないんだけど、今回は長靴ではちょっとだけ不安だった。
それでも、木々についた雪の美しさなどを見上げながら歩き、橋に着く。
あ、橋の雪も少ないな。手すりが見えているもんな。

    
  おや、いつもよりたくさん自動車がとまっているぞ。晴れてたら山々が綺麗に見えるのにな。

    
  この道も木々の雪が綺麗だ。今年の橋はちゃんと欄干が見える。

    
  滝手前の階段も凍り付いていない。

  あ、滝が見えた。賑やかだぞ。

橋の先の階段を登り、善五郎の滝が見えると。
おお、賑やかじゃないか。
たくさんのアイスクライマーたちが滝の氷を楽しんでいる。
あの自動車の数はアイスクライマーたちが集まっていたせいだったか。
どうやら2パーティーいるらしく、ダンナが写真を撮ってもいいかと尋ねると、2つのチームからいいですよ、と返事が来たそうだ。
滝の写真を撮る人によっては、滝を楽しむ人がいるのを好まないひとも多い。それも分かる。
でも、私は善五郎の滝にアイスクライマーがいる風景は好きだ。
滝の大きさ、氷のすごさ、モノトーンの世界の彩り。
じっと見ていると、個人の氷との戦いと、それを支える人とのチームワークも見えてくる。
いいもの見たな、という気になる。
アイスクライマーたちを横目に、我々も右に左に滝を撮影。
今回は滝つぼの氷が厚くて、かなり右岸に近づいた位置まで行くことができた。

    
  滝を登る。女性なのよ。すごいなぁ。
  
クライマーたちが登るのを見ていたら、だんだんと体が冷えてきた。さすがにたまらなくなり、戻ろう、と言う。
いつもより気温は高いが、それでも真冬の気温に変わりはない。じっとしているとジンジンと冷えてくる。
来た道を戻って、駐車スペースに。
それぞれ片道4時間くらいかかってここに来ているが、今回の氷瀑は番所大滝と善五郎の滝だけだ。
もう少し色々と情報交換などもしたかったが、とにかく雪が降り続いている。
また、次にどこかでと曖昧な約束だけして、Yutaさんと分かれた。いろいろとありがとうございました。楽しかったです。

さて、目的の氷瀑を尋ね終わって、意外にも時間が早いことに気がついた。
我が家で乗鞍の氷瀑を見た帰りに立ち寄る定番の滝があるのだが、最近はちょっと足が向いていなかった。
でも、時間もあるし、立ち寄ってみよう、ということに。
行ってみたら、あらまあ、全く凍っていなかった。積雪もない。
さらに、滝前に行ける道も全面通行止め。土砂崩れでもあったのかなぁ。
行こうと思えば行けない道のりではないのだが、確かにあの滝は落石などの危険のある滝でもある。凍っていないのであれば、禁を犯してまで行くことはないだろう。
旧道の橋から遠望できる滝の姿だけ撮影して訪問を終えることにした。

    
  橋から見える滝はこんなもん。遠望だ。遊歩道は通行止めの看板があった。

年はじめの大雪のおかげでなかなか発進できなかった2021年の滝めぐり。定番の氷瀑めぐりから始めることができた。うむ、今年は定番を攻める一年になるのかな、などと占う一日となった。


交通
善五郎の滝  長野自動車道松本ICをおりて、国道158号線で上高地方面に進む。スイカの名産地波田町を通り過ぎると、道の駅「風穴の里」があるので、そこで情報収集をするとよい。
途中、トンネルとトンネルの間で左折して乗鞍高原に向かう道に入る。県道84号である。乗鞍高原、と必ず道案内があるので、見落とさないようにすれば間違わない。
国道158号線がわから行くと、最初に番所大滝に出る。JAなどがある建物が立ち並んだ場所であるが、看板があるのですぐにわかる。一応有料駐車場になっているが、管理人などはいない。トイレはとても綺麗で、暖房が入っているので、冬場はありがたい。ぜひ利用したい。県道84号をさらに進み、いくつかのカーブを曲がったあたりに右側に善五郎の滝の駐車スペースがある。ここから行くと滝前に出られる。もう少し進んで、すずらん橋の手前左がわにもかなり広い駐車スペースがある。ここのすずらん橋がわからも善五郎の滝に行ける。こちらからはかなり高い位置にある滝見台に行くことができる。
冬場は休暇村までしか除雪されていない。

八坂大滝については、只今近づけないようなので、行き方は割愛します。


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