2022年氷瀑を求めて
番所大滝善五郎の滝、八坂大滝



番所大滝
今年の番所大滝はこんな感じ。
滝つぼ付近の凍り方が
今までで一番分厚い感じだ。


左岸のファルコンは、今年はちょっと
鳥になりきれない感じ。


右岸のイーグル・・・。
いやはや、ただの塊でした。


代わりに、右岸下の氷がすごかった。
もっさりと厚く、青みがかっている。
今までで一番しっかりした氷だと思う。


これが分厚い滝つぼの氷。
肉眼では見事な水色の氷だった。



氷と雪ですっかり埋まってしまった滝つぼ。
右端に下流の流れが見える。
ここまで滝つぼが埋まるのも
珍しいかも。



善五郎の滝
こちらも分厚く凍っている印象だ。
いつも水流が露出している右岸寄りも、
かなり厚く凍って、ちょっとだけ水が見える程度。


水流部分のアップ。
氷が山のようになって、
青い松かさを形成しつつあった。


賑やかな滝前。
たくさんのアイスクライマーがいる。


今年の氷だと、何人登っていても安心。


右岸よりの氷の芸術。


玉たまが連なっているクラゲ。



親子滝
今年も車用より撮影。
今年は後続車が迫っていて、
かなりのスピードでの撮影だった。
凍っているわね〜。



八坂大滝
八坂大滝がここまで成長しているのは、
実はかなり久々に見る。
今年はまだまだ高くなりそうな気配だ。


滝そのものの水流はこんなもん
なんですけどね。


受け止めるタコ入道が立派なのよ。


白いタコ入道。


水流を受け止めて成長する。
ピンピンと水がハネている。


タコ入道の大きさ比較。
ダンナが左側にいるのがわかるかな。


神社がわから見下ろすと
こんな感じ。


2022/1/9  番所大滝(40M) 
           善五郎の滝(22M)  長野県松本市
           八坂大滝(50M)   長野県大町市

2022年もめでたく明けて、滝初めの袋田の滝も厳冬になる前のお正月にもかかわらず、けっこうな氷瀑具合を見せてくれた。
今年は氷点下になる日が多い。
となると、いつもの氷瀑もガチっと凍っているかもしれない。
と、いうことで、定番の乗鞍高原の滝たちを見に行ってきた。
ただ、新型コロナウィルスの変異株、オミクロンが少しずつ感染者数を押し上げている現状だ。
外食はしないで、人のいない場所でおにぎりを食べること。
トイレもしっかり感染予防をできる場所。
手洗い除菌は忘れずに、を合言葉にしての出発である。
連休の一日、とりたてて早起きもせず、いつもの出社時間に家を出る。
ここ数日は冬型も多少緩んでいて、道路に積雪もなく、ストレスなく高速道路を走って行ける。
いや、ホントに高速道路上に雪がない。
ん?雪が無いわけじゃないぞ。
県境の妙高高原あたりは、両脇にガッツリ雪の山があるのは当たり前として、長野に入って、長野市内の景色が白かった。
いつもであれば、長野に入ると積雪はない。
実はこのお休みになる少し前に東京でも積雪する寒波があった。
東京で積雪したのだが、新潟はよく晴れていた。
その1月にしてはちょっとおかしな寒波のせいで、いつもは積雪していない場所での積雪があったらしい。
となると、乗鞍はどうなんだろう。
予想したより、実は積雪は無かった。途中の道の駅「風穴の里」までは道路は乾いていて、なんの危険もなかった。
ほぼストレス無く、するっと番所大滝の駐車場に着いてしまった。
番所大滝の駐車場も綺麗に除雪されていて、雪が多い印象はない。
1台駐車していて、先客がいるようだった。
手早く身支度して、いつもの通り滝前のあずまやで昼食を取ろうと食料を背負う。
いつもの通りに遊歩道に入ろうとするとあれ、ロープが張られている。
遊歩道の案内図に「干満淵遊歩道、番所大滝遊歩道、冬期閉鎖中」と貼り紙がされていた。
えええええーーーー。
今までそんなことは一度もなかったのに。
いきなり今年から冬期は遊歩道閉鎖するってか〜っ。
ここでお昼食べる気満々だった我々は、何かもっとはっきりした理由が無いかとぐるぐる見回した。
冬期であることだけが理由だとしたら、今までの冬、閉鎖されていなかったのはどういうワケだ。
今年はそれほど積雪もなく、手すりに手袋が張り付くほどの凍結もしていない。
むしろ安全なほうじゃないか。
ジタバタしているうちに先客の男性が遊歩道を上がって来た。
「滝まで行けましたか」と聞いたところ、「全然楽勝ですよ」という答えが戻って来た。
楽勝って・・・
とにかく、遊歩道が崩れているわけでもないらしいので、行ってしまうことにした。
あくまで自己責任です。初めての人、雪や氷の道に慣れていない人は真似しないでね。

  
冬期閉鎖中と書かれている案内看板。

さっきの男性ではないが、楽勝で滝見台に到着。
雪こそ多少積もってはいるが、あずまやのテーブルが凍り付いているわけでもなかった。
ただ、番所大滝は思っていた以上に凍っていた。
氷が厚い。特に右岸下の氷が青々としっかりとした形になっている。
それから、滝つぼもかなり凍っている。いつもより水の見えている部分が少ない気がする。
どうせだれも来ないだろうから、楽々とテーブルにバーナーを広げて、お昼にすることにした。
ただ、寒いのでゆっくりと食べてもいられない。
身を切るような氷点下ではないが、やっぱり雪のチラつく冬なのだ。
さっくりと昼食を終えて、来た道を戻る。
さあ、次は善五郎の滝だ。

  
遊歩道の積雪はこんなもん。

  
あずまやの屋根の積雪も少ない。


  
あずまやの角から滝を撮影。

番所大滝が思っていた以上に凍っていたので、善五郎の滝も期待できる。
スキー場を超えたあたりから、道に多少雪が見えるようになったが、それでも例年よりはずっと運転しやすい道を走り、遊歩道の入り口に到着。
おやおや、かなりの数の自動車が駐車しているぞ。
なんとか1台あったスペースに自動車を入れる。
どうも、無料で駐車できるここに自動車をとめて、雪遊びしている家族もいるらしい。

  
本日は晴れているのに乗鞍岳が見えなかった。

歩き始めると、あら、ちょっとした団体が前を行く。スノーシューハイクの団体さんらしい。
慣れないスノーシューで坂道でジタバタしている団体さんを追い越させてもらった。
踏み跡が固まった道になっている場合は、長靴のほうが歩きやすいかもね。
こちらの遊歩道も思っていたよりは積雪が少なく、滝の少し前に渡る橋の欄干も見えている状態。
ただ、この橋から見る池のような場所がもっさりと雪が積もっていて、水さえ見えなかった。
下は凍っているのかしら。

  
青空がきれいだ。

  
橋の積雪も少ない感じ。

  
でも右側の池のような川が雪で水面が見えない。

  
橋の右手のマカロンみたいな積雪のすぐ横にウサギの足跡が。

階段を上って、滝の見える場所に出ると、わぁ、ものすごくたくさん人がいるぞ。
自動車の量からして、滝を訪れている人がたくさんいるのは予想できたが、それにしても多い。
アイスクライミングの人たちが少なくとも10人以上いる。
カラフルな色のザイルが何本か滝の上から下に張られていて、滝にとりついている人の姿も見えた。
まずそっちの色とりどりの人たちに目が行ってしまったが、滝だ。
凍っているなぁ。
1月の半ばでここまで凍っているのも久しぶりなのかもしれない。
右岸よりのいつもはドウドウと水が落ちていて、奈落のような滝つぼの穴が氷に穿たれている部分も、まったく穴がなく、それどころかこんもりと青い氷の山ができていた。
かろうじて水の流れは見えるが、これから先寒波が続けばいずれ見える部分も氷におおわれてしまうだろう。
いつもであれば怖くて近寄れない右岸寄りにもまったく恐れずに行くことができる。
氷に少し雪が積もっていて、なんだかもっさりとして見えるが、氷の作るクラゲたちもたくさんいた。
スノーシューハイクの人たちも到着してなんだか賑やかになった滝前。
さんざん写真撮影をさせてもらって、戻ることにした。

  
あれ、なんだか黄色いものが木にあるぞ。

  
どうやらヤドリギの実らしい。青と白以外の色彩だ。

駐車スペースに戻ってみると、道路状態がよかったせいか、かなり時間が早く滝を見終えることができた。
ので、立ち寄るつもりはなかったが、八坂大滝に行ってみることに。
あのタコ入道の滝も、しばらく凍った姿を見ていないのだ。
乗鞍高原から2時間弱、遠いような近いような、長野県の大きさを実感するような距離で八坂大滝の駐車スペースに着く。が、駐車スペースは雪に埋もれていて駐車できない。
仕方なく滝の遊歩道がある旧道の入り口に邪魔にならないように駐車した。
あ、遊歩道、以前のまんま「通行止め」の立て看板がある。でも遊歩道にうっすら積もった雪には踏み跡もついている。
とりあえず、旧道の橋まで歩いて行き、遠くに見える滝がどんな具合か確認した。
お、凍っているぞ。
滝の下のほうにけっこう大きなタコ入道が形成されている。
これなら近くに行ってもいいだろう。

  
説明不足な通行止めの看板。

  
旧道から見える滝とタコ入道。遠望だが、滝の落差がよくわかる。

通行止めの意味がわからないので行ってしまいました、の体で、雪の遊歩道を進む。
ん?こんなにこの斜面って、巨大な岩があったっけ?
木にひっかかってなんとか斜面を落ちないですんでいるようなトラックほどもある大きさの岩などを見ながら進む。落石とか岩盤崩落とか、そういう危険があるなら入り口にそう書いてあると思うけど。

  
雪と笹に覆われる場所もあるが、踏み跡ははっきりとある。

  
木にひっかかっている巨岩。

滝前の崖につけられた遊歩道の木の橋のたもとまで来て、ようやく通行止めの理由が書かれた貼り紙があった。
「この先の遊歩道は床板が一部腐食しているため通行できません!!」
おお、ビックリマークが2つもついている。
つまり、木の橋が腐っているから通れない、というワケだ。
ならば、木の橋を使わずに、手前から滝前に行こう。
実はそのルートは何度も使っていて、滝前、タコ入道前に行っているので、別に木の橋を通れなくても困らないのである。
岩が雪で隠れていて、ちょっと下り辛かったが、それほど苦労せずに巨大な白くて丸い氷の塊の前に立つ。
久しぶりだなぁ、こいつに会うのは。
あいかわらず、タコだなぁ。
せっかく来たので、反対斜面をよじ登って、神社まで行く。
それから、せっかく来たので、腐食具合を確かめるために橋のほうにも行ってみた。
腐ってないじゃん。
むしろ、橋のすぐそばに巨大な岩が落ちていることのほうが怖かった。
こっちを理由にしたほうがずっと正当な理由になると思う。
見上げてみれば、八坂大滝の落ちる岩盤はいつ巨岩が剥がれ落ちて来てもおかしくない崖なのだ。
となると、そもそもこの崖に近づけるようにしたことのほうが罪な気がする。
そそくさと崖前を離れた。

  
ちっちゃいツララと氷筍ができていた。

  
おお、遊歩道のすぐ脇にも落石がある。

今年はどれほど成長するのかしら。楽しみではあるけど、安全に遠望ですませたほうがいいのかもしれない。
八坂大滝も実は高速道路から遠い場所にあるので、細い県道55号で一山超えて麻績インターから長野道に乗る必要がある。
帰り道、長い道中だが、雪がそれほどひどくなく、道路状況がいいので安心だ。
珍しく気苦労なく氷瀑を見ることができた冬の一日だった。

交通
善五郎の滝  長野自動車道松本ICをおりて、国道158号線で上高地方面に進む。スイカの名産地波田町を通り過ぎると、道の駅「風穴の里」があるので、そこで情報収集をするとよい。
途中、トンネルとトンネルの間で左折して乗鞍高原に向かう道に入る。県道84号である。乗鞍高原、と必ず道案内があるので、見落とさないようにすれば間違わない。
国道158号線がわから行くと、最初に番所大滝に出る。JAなどがある建物が立ち並んだ場所であるが、看板があるのですぐにわかる。一応有料駐車場になっているが、管理人などはいない。トイレはとても綺麗で、暖房が入っているので、冬場はありがたい。ぜひ利用したい。県道84号をさらに進み、いくつかのカーブを曲がったあたりに右側に善五郎の滝の駐車スペースがある。ここから行くと滝前に出られる。もう少し進んで、すずらん橋の手前左がわにもかなり広い駐車スペースがある。ここのすずらん橋がわからも善五郎の滝に行ける。こちらからはかなり高い位置にある滝見台に行くことができる。
冬場は休暇村までしか除雪されていない。

八坂大滝 一番近いICは、長野自動車道の麻績ICである。ここから国道403号を明科方面に進み、坂北村に入る少し手前で県道55号へと右折する。分かりづらいかもしれないが、403号を走っていて、上信越道をくぐってしまつたら行き過ぎである。
国道19号を少しだけ明科方面に進み、犀川を渡る手前で県道55号へと右折して旧八坂村に入る。すると大滝洞門というスノーショッドがある。これをくぐるとすぐに芯大滝橋という橋と弘法橋という橋が連続で出てくる。右側には駐車スペースらしい広場がある。ここからでも滝は遠望できる。自動車はこの駐車スペースにとめよう。
滝に近づくには、弘法橋を渡ってすぐ右側の細い道を入る。突き当りは行き止まりで、使われていない橋のあたりに滝に着いての説明看板がある。
そこからかなり手前に県道を背にして左側の山に登る道がある。足跡があるので、みつけられると思う。登りだが、5分もすると崖下に氷のオバケが出現する。
ただし、現在は遊歩道は通行止め。崖下に木の道がつけられているが、これが腐食して壊れかけているそうだ。また、崖から巨大な岩などが落ちてきている形跡もあったので、近寄るにあたっては、必ず自己責任で複数人で行くこと。事故があっても、等サイトは責任は負えない。


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