2022年秋
奥志賀渓谷の滝たち




大滝
正直、大滝と言っても
そんなに大きな滝じゃないだろうと思っていただけに、
この美しい姿にびっくりした。
季節のよさもあいまって、
もしかしたら百選を超えて
今年一番の滝になるかもしれない。


滝つぼを含めて、一つの完結した空間になっている。
岩盤には細くはあるが別の水流も落ちている。


別の水流の様子。
どこを見ても紅葉がある。


滝見台の様子。
滝からの距離も分かると思う。
ハシゴの途中から撮影。


落ち口。
左岸上のモミジをどう入れるかが
苦労しどころだ。


途中、大きな岩が張り出していて、
上段の滝つぼを隠している。
それもなんともいえず、
魅力的である。



三段の滝
三段の滝、とあるが、
三段以上あるんじゃないかと思う。
遊歩道から見下ろす形だが、
手前の樹木がふさいで、
上から下まで見通せる場所はない。
でも、その樹木が紅葉していて美しい。


これはたぶん一番上の段。


一番上の段の滝つぼから
二段目に落ちるあたり。
巨岩が流れを遮って変化させている。



ハーモニカの滝
段差はそれほどないのだが、
とにかく川底の色がきれいな滝だ。
茶色の川底から白い流れ落ちが
ハーモニカのように見えるので、
この名前がついたのだろう。
この川底はグリーンタフの一枚岩だそうで、
巡り逢いの滝から三段の滝までずっと続く。
が、一番きれいに見えるのがここだと思う。


で、ここにもモミジがある。


実はこの滝、真横から見ることができる。
滝の幅は、下流がわから見えるより広い。
左岸が大きく遊歩道がわに切れ込んでいるのだ。
固い岩盤が左岸側の流れを
食い止めている感じである。



これ、遊歩道の対岸に見えた流れ落ち。
チョロ滝と言えなくもない。
落ち葉が黒い岩盤にはりついている。



巡り逢いの滝
突っ込みどころの多い名前だ。
出合いの滝なのはいいとして、
滝で巡るの文字はどういう意味かしらん。
誰かと誰かが巡り合ったという伝説でも
あるのかしらん。


写真左上が雑魚川本流。
手前が巡り逢いの滝。


滝名標識よりかなり下流からのほうが
滝自体はきれいに見える。



満水滝
きれいな滝なんだけど。
見事に橋の下。


ちゃーんと自動車が通る。
でも、自動車の大きさに比較すると、
意外に大きな滝だと分かる。




澗満滝
紅葉シーズンの澗満滝にはじめて訪問。
ところどころ赤くなっている葉っぱがある。


引くとこんな感じ。


もっと引いてみる。
空が青くてお日様が出ていたら、
もうちょっと色もきれいだったかも。

2022/10/22  大滝(25M)、三段の滝、ハーモニカの滝、巡り逢いの滝
             澗満滝(107M)

滝好きを自称している割に、意外と身近なよい滝を見落としている。
今回の奥志賀渓谷の滝たちはまさにそういった感じの滝だった。
ダンナがYamapのお仲間さんに奥志賀にハーモニカの滝っていう面白い名前の滝がある、というのを聞いた。
私としては、日帰りで行ける滝については頭の中に入っているつもりだったが、ハーモニカの滝というのははじめて聞いた。
これは、滝好きとしてはいかがなものか。
行かずにおけるワケがないではないか。
と、いうことで、秋のよき日に奥志賀に行ってきましたよ。

さて、我々は奥志賀ということで、信州中野ICで長野道を下りて、志賀高原を目指す。
志賀高原はちょくちょく行っているので、舐めている私たち。午前8時ころに家を出て、うっすらと雪をかぶった火打山と妙高を見ながら走る。

  
妙高、火打を見ながら長野へ。

もうすっかり紅葉の終わった奥志賀のゴンドラリフトを通り越して、さあ、林道に入るぞ。ところが、この林道までの道が意外に遠かった。
細い道で、雑魚川沿いにぐねぐね曲がっている。
時々バイクの人たちが来るので、左に寄って追い越してもらったりするので、なおさら遠く感じる。
あれ、カメラマンがあちこちにいるなぁ。
三脚をしつらえて、川沿いの紅葉を撮影しているらしい。
有名な場所なのかなぁ。色々なナンバーの自動車が路肩の広くなった場所に駐車している。
いい加減うんざりした頃に大滝に向かう林道が現れて、そちらへ右折。
入り口を迷うことはなかった。なにせ、かなりの数の自動車が駐車していたのである。
げげ、この季節、この遊歩道は人気があったんだ。
入り口の広くなっている場所はもちろん満車。5台くらいはとめられそうだったけど。
あとは路肩にあふれ出て、合計15台くらいはあったんじゃなかろうか。
このうんざりするくらいの山奥で、この自動車の数を見るとは思わなかった。

    
  ずーっと奥まで自動車が路肩駐車。入り口には注意喚起の看板と立派な大瀧の文字。。

11時10分、支度をして出発。
すぐにT字に突き当たった。
右に行くと奥志賀渓谷遊歩道、左に行くと大滝、と小さな看板が出ている。
まずは大滝に行こう。
左に進むと、つづら折りに下って行く。
なるほど、あたりは見事な紅葉だ。このあたりは今日この日が紅葉の一番いい時だったのかもしれない。
写真家さんたちは、そのいい時を見逃さないのだろう。
下りつくと小さな沢になり、鉄製の橋がかけられていた。
それを渡ると、ゆるゆると登る。
登りきると、あとはほぼ平坦な道のりになった。

    
  歩いてすぐの案内板。左に行くと大滝。道はつづら折りに下る。

    
  鉄製の橋を渡り、遊歩道を歩く。

    
  紅葉まっさかりでしたよ。

  
  滑滝って言ってもいい感じの川の流れが見下ろせる。

途中、川を見下ろせるスポットがあり、この先が大滝になるだろう川の流れは、滑滝と行っていいくらいの流れで、赤いもみじがとてもよく似合っている。
やや歩いて、小さな看板が大滝は右に行けと示すのでそちらに行ったら、あらまあ、ハシゴがかけられている感じの急降下だ。

    
  大滝への案内にしたがって右に曲がると、階段からハシゴになる。

ハシゴの途中からもう大滝が見えている。
予想したより、はるかに大きな滝だった。11時32分大滝到着。
すでに三脚を立てている先客が一人いたのだが、けっこう広めの滝見スペースで、困ることなく撮影できた。
でも、先客はここがいいですよ、と譲ってくれたりして。ありがとうございます。
水の豊かな空間で、大滝の右岸がわの岩盤からは何本かの水の流れがあった。
紅葉と、青い滝つぼと、滝の白さと黒い岩盤から落ちる水と。
完結した空間が出来上がっているな、と感じた。

さて、来た道を戻る。
途中、けっこう軽装の人たちが滝を見にやって来ていた。
ドライブがてら滝を見に来るのかしらん。かなり山奥なんだけど。
分岐まで戻って、今度は奥志賀渓谷遊歩道のほうへと歩きだす。11時59分。
丁度我々よりちょっとだけお兄さんお姉さんのご一行と一緒になった。
おや、なにやら手に手にお弁当みたいなのを持っているけど。
最初に出現した三本滝で写真撮影もほぼ一緒。三本滝の先でちょっとした広い場所があったので、そこで我々はお昼にしようかと思っていたら、そのご一行がここでお昼にしよう、と荷物を置き始めた。
あらまあ、先を越されたわ。まさに紅葉狩りに来られたのね。
と、いうことで、我々はさらに先でお昼にいい場所を探すことになってしまった。

    
  続いては、奥志賀渓谷の遊歩道へ。

    
  こちらも色とりどりの紅葉が素晴らしい。色が溢れかえっている。

    
  みんな見に来たいワケだ。三段の滝の前のちょっとしたスペースで紅葉狩りする人たちもいた。

    
  遊歩道は緩やかにアップダウンしたり、時折沢を渡ったりする。

ゆるやかなアップダウンのある道を紅葉を撮影しながら歩き前方に川がガクンと段差になっている場所になった。奇妙な色をしている。
滝っちゃあ滝だしな。と、思っていたら看板が。ハーモニカの滝だった。12時24分。
これがハーモニカの滝か〜。よく命名したなぁ。ホントにハーモニカっぽく見える。
流れ落ちるる前の部分の川底が茶色がかった色をしているので、ことさら紅葉時にきれいに見える。
ちょうどハーモニカの滝のそばも広くなっていて、だれかが無理やり設置したみたいな簡単なベンチもあった。
さっきの場所よりずっとお昼にちょうどいい場所を確保してここでランチ休憩にした。

    
  ハーモニカの滝まえのスペース。お昼にちょうどよい。

  サルオガセかな、うす緑のもやもやしたものが木にあった。

目的のハーモニカの滝を見られたので、ここで引き返すかどうか迷ったが、あまりにも山奥である。たぶん、よっぽどのことがないと再訪はしないだろう、という判断でこの先にある滝も見ることにした。12時55分。
それほど歩かずに野猿のように見える昔の水道施設らしいものが出現。13時09分。
対岸の黒い岸壁にも小さな滝が落ちているね、と歩いて行くと、左手に流れる雑魚川に右側から別の川が流れ込んでいるのが遠くに見えた。
これもまた段差になっている。
滝っちゃあ、滝だね。
燃えるような赤い紅葉のある滝で、そばまで行ってみたら、巡り逢いの滝と書かれていた。13時17分。
巡り逢いって、何と何が?
確かに出合いの滝ではあるが、巡っちゃいないだろー、と突っ込みを入れつつ、先に進む。

    
  遊歩道の途中には車道に出られるという分岐がある。右は東京電力清水小屋。

    
  巡り逢いの滝の標識。この下が滝だが、実はここからはよく見えない。

ちょっとだけ坂を登り、登った分下って行くと、吊り橋になった。
ここで終点、と思っていたら、吊り橋に向かう道から右に分ける感じで看板が出ていた
満水滝、100メートル。
滝か。100メートルじゃ行かないわけにはいかないなぁ。
まず吊り橋を見て、とりあえず渡ってみて、それから戻って満水滝を目指す。13時25分。

    
  吊り橋へは遊歩道は下り坂である。

    
  吊り橋も紅葉の中。

さすがに満水滝まで行く人はあまりいないらしく、両側の草がけっこう邪魔な感じだったが、100メートルはそれほど遠い距離ではなく、すぐに滝が見えた。
滝と、橋も見えた。
あらら。道路のすぐ下の滝じゃないの。
あれ、たぶん、我々が来る時に通った橋だわよ。
自動車の中ではさすがに下に滝が落ちているとは分からなかったけど。
それでも、けっこうきれいな水流の滝なので、橋を気にせず撮影。13時28分。

    
  満水滝への案内。あまり行く人はいないみたいだ。

ダンナは車道に出て戻ったほうが楽なんじゃないか、と言ったが、どうも雨が降り出してきてしまった。
雨を避けるには樹木の下のほうがいいに決まっている。
樹木が多いのは遊歩道のほうだろう。
と、いうことで、来た道をそのまま戻る。
しかし、途中であまりにも粒の大きい雨になってしまったので、持参していた傘を差して歩いた。
アップダウンの激しくない遊歩道なので傘をさしても大丈夫。

    
  大きい赤い葉っぱ。小さい赤い葉っぱ。

    
  結局傘をさして、三段の滝前などを通りすぎて戻った。

午後2時過ぎに駐車スペースに到着。
雨でもまだ雨具を着て歩き出す人たちもいるようだった。

志賀高原に来たなら、かならず立ち寄る滝は、もちろん澗満滝である。
紅葉シーズンなので、いつもよりかなりたくさんの自動車が駐車スペースに止まっていた。
あとで知ったのだが、NEXCO東日本の冊子ハイウェイウォーカーに紅葉真っ盛りの澗満滝の写真が載っていて、こりゃ混雑するワケだと思った。
で、今回の澗満滝。
いつもは紅葉の時期からズレて見ていたのだが、今回は今までで一番紅葉していたかな。
晴れていたら、もうちょっと色がきれいだったかな。
でも、いつ見ても雄大な滝だよな。
ここでオマケみたいにきれいな見えたのは、霧か霞の中にある中野市街。
これも坂を下って行って初めて分かったのだが、霧でも霞でもなく、煙でした。たぶん畑か田んぼで何やらをあちこちで燃やしていたのだと思う。市街がけぶるほど。野焼き、禁止されてないんですかね。
そんなこんなで、秋、大満喫、滝、大満足の一日を終えることができた。

  
  たふん妙高方面の山並みと、うっすらとけぶっている中野市街。
  
  
交通
奥志賀渓谷  信州中野ICを下りて、案内に従って志賀高原を目指す。
片道100円也のトンネル「志賀中野有料道路」を通り、国道292号を進みループ橋などを通り、高度を上げる。
途中、澗満滝の鑑瀑台などを通り過ぎ、志賀高原山の家などがある蓮池のあたりで、県道471号へと左折する。目印は、志賀高原プリンスホテルである。
プリンスホテルを通り過ぎ、さらに奥志賀高原ゴンドラ乗り場も通り越す。
道は細くなり、県道502号になる。雑魚川を右に左に見ながらどんどんと山奥に進む。
道が雑魚川を少し離れて、満水滝の落ちる橋を渡り、大きくUターンするかと思うくらいのカーブの先端に右に折れる林道がある。
この林道を少し走ると、右側に駐車スペースがある。
本文中の看板のある場所なので、すぐに分かる。
大滝へはゆっくり歩いて20分ほど、奥志賀渓谷の一番奥の吊り橋までは大滝への分岐まで戻った地点から撮影しながらゆっくり歩いて1時間ほど。
急な坂道はほぼ無いが、細い遊歩道なので、足回りはきっちりしたほうがよい。
また、注意喚起の案内にもあったが、野生動物の多い場所である。熊や猿には気をつけるように。
実際、この翌週、また行くことになったダンナは猿の群れに遭遇している。


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