んがお工房の桜めぐり
2023年桜追いA
白河市の桜
(関川寺の結城桜、妙徳寺の源清桜、妙関寺の乙姫桜、福寿六地蔵桜
聯芳寺の桜、楽翁桜、庄司戻しの桜、高荻のしだれ桜
神宮寺の桜、満徳寺の桜、極楽寺のしだれ桜、松雲寺観音紅枝垂れ桜
昌建寺のしだれ桜、成願寺の願い桜・叶え桜、子守桜)
桜追いの@でも書いたが、2023年の春はとにかく早かった。 例年であれば、蕾もまだ固いはずの東北の桜たちも4月に入ってすぐに咲き始めた。 その週の初め、やっと開き加減だった白河市の桜も、金曜あたりには見に行ってもいいくらいに咲いている、との開花状況になった。 そう、福島県白河市である。 なんで白河市かというと、一昨年の桜追いの時に須賀川市を訪問したのであるが、その時に白河市の桜についても調べていた。 とにかく、桜が多い。 しかも、樹齢300年クラスの古木がゴロゴロある。 これはぜひ行ってみなくてはならない場所だ、と思っていた。 そんなわけで、今年の桜追いのメインは白河市と決めていた。 数多い白河市の桜である。事前に順路を入念に下調べしておいた。 しかし、多いぞ。15本近くあるぞ。 1日で回り切れるか? とにもかくにも、午前7時過ぎ、新潟の自宅を出発した。 |
関川寺の結城桜 樹齢200年のしだれ桜。 白河城主結城宗広公の菩提寺である 関川寺にあることから結城桜と呼ばれる。 背の高い桜で、見上げると遠い位置に花がある。 逆光で花が目立たないが、 黒い結城廟の屋根に桜がとてもよく映えていた。 |
4月1日 お隣の県とはいえ、白河市は新潟からはかなり遠い福島県である。 それでも、高速道路が通じているので、気持ち的には楽だ。 最初の桜は、白河市の市役所近くにあるお寺さんの桜たちだ。 なので、ナビに白河市役所を入れ走る。 白河中央スマートインターで下りて、市役所に。市役所の駐車場に入れられるだろうと思っていたが、ロープがはられていて、土曜日には利用できないようだった。 仕方がないのでほど近い駅に向かう。 だれでも駐車できそうな駅前の駐車スペースがガラガラだったのを来る時に確認していたのだ。 交番裏の無料の駐車スペースに入れて歩き出す。 白河駅。きれいなトイレもあって、白河市街の観光に便利。 ありがたいことに、白河の町は、いたるところに現在位置と周辺の地図の入った案内が設置してあり、迷わす歩くことができる。 でも、目指す関川寺まで行くのに、道路がテンテンテンと破線になっているのは、どういうこと? テンテンの場所まで行ってみて分かった。 そこから先は関川寺の門の内側で、自動車は入れないのである。 自動車は入れない関川寺の参道。 両側にたぶん銀杏の巨樹がずらっと並ぶ先に関川寺はあった。 かなり長い参道なのだが、その先にもうピンクの桜が見えた。 境内に入る門がもう一つあり、そこに案内看板が立っていた。 ふむふむ、結城桜は正面に見えるあの立派な桜なんだな。 境内を掃除していた女性に桜を見させてくださいと声をかけて、見上げる。 女性も手を止めて、桜を見上げて、きれいねぇ、と溜息をつきあった。 境内には他にもいろいろと花が咲いていて、春爛漫の気分にさせてくれる。 ふと見ると、右手の本堂の裏にもとても大きくて横に枝を広げた桜木があるのに気がついた。 あれもたぶん古木なんだろうと思うが、入り口の案内には何の説明もなかった。本堂とお墓を守っているような木だった。 本堂裏のしだれ桜。立派でしょ? |
妙徳寺の源清桜 樹齢400年のしだれ桜。 慶長年間に片岡駿河守源清が 妙徳寺を創建した際に 植えられたと言われている。 花は薄ピンク。 満開かな。 |
関川寺から次に行くのは、一本筋の違う道にある妙徳寺だ。 関川寺の案内看板にあった地図で、徒歩でまっすぐ行けるようにテンテンの道がついている。 テンテンということは、車道ではない。 車道ではないが、その道の示す方向は、墓地。 墓のど真ん中を進め、と言っている。 でも、どう見ても一番の近道だし。 地図に書かれているってことは、行っていいってことだし。 と、いうことで、墓地の中を歩きましたとさ。 すると、本当にポンと一本違う筋の道に出た。 Googleマップによると、乙姫桜プロムナードという名称の道である。 この道を歩くだけで、3本の桜に出合える。 でも、自動車1台がギリギリ通れるくらいの細い道なので、徒歩で来て正解だと思った。 まずは妙徳寺の桜だ。 墓地から出て左折すると、ほどなく妙徳寺だ。 あら、法事かしらん。 礼服を着た人たちが桜を見ている私たちを奇妙な目で見ている。 すみません、桜追いです。 妙徳寺の源清桜はすぐに分かった。 この桜も背が高い。 それほど広くない境内に存在感いっぱいに枝を広げている。 ただ、法要があるらしいので、邪魔にならないように、速攻で撮影して、次のお寺に向かった。 本堂の大きさから、この木の大きさを想像してください。 |
妙関寺の乙姫桜 樹齢400年の紅しだれ桜。 妙徳寺の住職が伊達政宗に譲り受けた、 と、伝えられているそうな。 鮮やかな色から、乙姫桜と呼ばれるようになった。 見て、この色鮮やかでみっしり咲いた花たち。 本当に満開で一番いい時だった。 幹。 太くはない。 しかし、ゴツゴツとしたこぶがあり、 古木の風格を感じる |
本日のメイン、という位置づけになる桜が次の桜、乙姫桜である。 名前がいいじゃないの、乙姫。 妙徳寺からさらにちょっとだけ先に進むともう妙関寺の赤い門が見えた。 赤い門の後ろに、濃いピンクの桜も見えた。 遠くからでも、はっきりと桜が分かる。 赤い門に桜のピンク。華やかだ。 2つのお寺で背の高い大きな桜を見たあとでは、ここの乙姫桜はかなり小さく見える。 でも、色がすごい。 どピンクである。 それが赤い門の後ろに優美に腕を広げているのである。 乙姫か。 よくぞ名付けた。 綺麗な着物を着たお姫様が身をくねらせて踊っているように見えるじゃないか。 門をくぐると、ちゃんと木道がつけられていて、桜を保護しているのが分かった。 木道は桜の保護のためだと思う。 ちょうどお寺のお坊さんが出て来られたので、桜を見せてくださいと挨拶。どうぞどうぞと忙しそうに社務所に行ってしまった。 あれ、礼服の一団がやって来たぞ。 このお寺でも法事かな。 いや、さっきのお寺の人たちかな。 桜を見にやって来たらしい。 笑顔で桜を見ているので、お葬式ではなさそうだ。 よい時に親戚が集まった、ということか。 木道を通って桜の枝をくぐるようにお姫様を見上げる。 小さい木ではあるが、存在感は半端ない。 も、これで家に帰ってもいいや、という気分にさえさせてくれた。 |
福寿六地蔵桜 樹齢不明の紅しだれ桜。 月心院さんの門近くに立つ。 福寿というのは、 福寿山月心院というかららしい。 濃いピンクで、八重だ。 八重桜なので、他の桜より少し開花が 遅いようだ。 |
いや、しかし、まだ前半の半分くらいしか回っていない。 これで帰るわけにはいかない。 次は、事前に調べていたものではないのだが、関川寺の墓地から出た正面にあったお寺にあった桜だ。 しっかりと桜のもとに「福寿六地蔵桜」と名前の書かれた札が立てられていては、無視するわけにはいかない。 それほど大きな木ではないが、足元にあるお地蔵さんがいい感じである。 写真がうまい人なら、きっと昔話風の絵にして切り取ってくれるんだろうな、と思う。 写真を撮っていると、あれ、とダンナが言った。 この桜、八重だな。 あ、ホントだ。花びらがふわふわと重なっている。 ピンクが濃いので、てっきり乙姫桜の子孫かと思っていたが、別品種のようだった。 これで徒歩での桜追いは終了。 自動車に戻って、次の桜を探そう。 途中、杉の小路にハマダイコンが咲いているのを見たり、自動車ではスルーするような、駅のホームの向こう側に白河のお城(小峰城)が見えるのを見たりして、駐車場に戻る。 小峰城には、お城の石垣が崩れるので、人柱を立てることになり、偶然通りかかった藩士の娘が犠牲になった、それを悼んで植えられた桜の二代目であるおとめ桜、というのがあるらしいが、今回はパス。 ハマダイコンの紫が春っぽい。 白河駅の向こうの小峰城。 ちょっと離れると、ホームの屋根の上にお城が見える。 |
聯芳寺の桜 これは、墓地がわにある桜である。 樹齢300年のしだれ桜。 お墓の前に立っているので、 どうしても上半分だけの写真になるが、 とても背の高い桜である。 小粒な花はみっちり。 満開だ。 見上げると、傘のようにお墓を守る。 |
次に向かうのは聯芳寺である。 実は、読み方が分からない。今も分からない。 市のHPの文字をコピペして作っている。 読み方が分からないと困ることが一つある。 ナビに入れられないのだ。 住所もあいまいだし。 とにかく、こっちなんじゃね?という町名をナビに入れ、案内してもらう。 行けば分かると思っていた。 ところが。 我が家のナビには、まだ白河バイパスができていませんでしたとさ。 普通に走って、普通に案内されていない方向に進んでいた。 違う、遠のいている、と気がついて自動車をUターン。 すると、いつの間にか別方向に来た場所が新しくできた白河バイパスなのだと分かった。 あっちに行きたい、旧国道249号の橋が見える。 なんとか旧道に乗り、注意深く辺りに目を凝らしながら進んで行くと、左手に石の門が見えた。 あったよ、読めないけど、「聯芳寺」。だれか読み方教えてくれ。 まず目に入って来たのは、駐車場手前にあるしだれ桜だ。 でも、目的の桜はこれじゃない。 駐車場には若い紅枝垂れなどなんぼんかの桜があって、それだけで十分なくらいに綺麗だ。 さて、このお寺の古木はどこだ? もちろん、すぐに分かる。 本堂に向かって右手のお墓の入り口に立っていた。 見事なまでの墓守桜だ。 この日はそういう日よりなのか、ここでもお墓参りの家族がいた。 斜面になっている墓地から家族が下りて来るなか、しだれ桜を撮影する。 市のサイトによると、聯芳寺にはかつて6本の桜があって、「花は聯芳寺」と言われていたそうな。 本堂前の桜も樹齢200年の古木で、こちらを聯芳寺の桜と紹介しているサイトも多い。でも、まあ、全部聯芳寺の桜であることに間違いはない。 ここでもお墓参りの邪魔をしてはいけないので、サッと撮影して、次を目指すことにした。 まず目に入る本堂前の桜。 で、駐車場にも桜。色々なピンクが美しい。 墓地に立つ桜は、こんな感じでお墓を守っている。 |
楽翁桜 樹齢200年の紅しだれ桜。 白河藩主松平定信が南湖を築造した際に 植えられた桜と言われている。 こちら、参道からの姿。 花は可憐なピンク。 まさに満開。 幹。 意外にも細い。 桜の世界では200歳は若造だ。 桜前のスペースは広くて、 あちこちから桜を見ることができる。 たくさんの人が写真を構えて、 楽しいおじいちゃんを撮影していた。 |
次に向かうのは、迷いようがない南湖公園だ。 たぶん、一番見栄えのする桜だと思っている「楽翁桜」である。 それまでの桜めぐりで、ほとんど人のいない場所を見てきたので、たぶんここでものんびりと桜を見られると思っていた。 が、間違いでした。 白河市民は春を南湖公園で満喫することになっているのだと思う。 案内どおりに入るなり、渋滞していた。 あ、駐車場、あ、満車、仕方がないので先に進むと、やっぱり満車。 マズい。駐車場難民しそうだ。 Uターンして、さっきの駐車場に戻ったら、運よく出る自動車がいて滑り込むことができた。ラッキー。 多少遠いが、お祭りムードの湖畔を歩いて行くので、それほど苦ではない。 それにしても人が多い。 丁度お昼時だったので、お店というお店に人が並んでいる。 我々も公園のあたりでお昼を食べられると思っていたが、これでは諦めざるを得ないようだ。 駐車場から歩いて南湖神社を目指す。 南湖。白河藩主松平定信が身分に関係なく誰でも楽しめる場所として、1801年に築造したのだそうだ。ぐるりと桜が植えられていて、美しい。 ところで、楽翁桜はどこだ? ちゃんと案内がある。 湖から少しだけそれた場所に南湖神社がある。 そこにあるのだ。 人がそぞろ歩いている参道を我々もその波に入り歩く。 石造りの大きな鳥居をくぐると、もう桜は見えた。 すごいぞ。 圧倒的な存在感があるしだれ桜だ。 しかも、ピンクが濃い。 溜息が出るほど綺麗だ。 参道がわにはちゃんと「楽翁桜」と書かれた札が立てられているので、間違いなくこの桜だと分かる。 それにしてもすごい桜だな。 桜を別方向から見られるスペースもあるので、そちらに回り、こっちからの姿のほうがもっとすごいと感嘆した。 何人ものカメラマンが桜を撮影している。 前にすすんで彼らをさえぎるのか゛悪いくらいだ。 でも、しっかり花を撮影。 次々と写真撮影する人がやって来て、常に賑やかだった。 楽翁の立つ南湖神社の入り口。 楽翁桜まつりだそうです。鳥居の向こうに楽翁桜様がいる。 これが南湖神社。桜のほうが人が多いぞ。 公園内を駐車場に戻りながら、なんとか食事ができないかと探してみたが、飲食店はほぼ満員。 仕方がない、次の桜に向かいがてら、何かしらを食べられればいいか、と出発することに決めた。 |
庄司戻しの桜 樹齢不明の山桜。 白河市天然記念物。 庄司というのは、役職名で、 源義経の頃の庄司が息子兄弟を 義経の戦に参戦させる際に お前たちが立派に戦えばこの杖が 根付くだろう、と桜の杖を差した。 義経を守って兄弟が討ち死にし、 その後杖は桜となって咲き続けた。 (現地看板の説明の意訳) 天保年間に野火で消失しても 次々と芽が出て花を咲かせる、というので、 少なくとも樹齢は200年と思う。 全く咲いていないわけではなかった。 ふわっとした可憐な花をつける。 |
次の桜は、庄司戻しの桜だ。 この桜は前もってたぶん咲いていないだろう、という予想はついていた。 だが、白河市の桜マップにも載っているし、一応挨拶くらいはしておかなくちゃ、と思って立ち寄ることにしたのだ。 南湖公園から白河の関方面に向かって自動車を走らす。 国道を走っていれば、ラーメン屋くらいはあったはずなのだが、すぐに県道に逸れてしまって、飲食店らしきものは見当たらなかった。 昼食難民だ。 庄司戻しの桜は白河の関の手前にある。 あれだな、というのは、自動車の中からでもすぐに分かった。 白河の関に向かって走った場合、右手に立っている。 が、咲いていなかった。 想定内である。 それにしても、ホントに道端に立っているだけの桜で、見るための駐車スペースすらない。 多少路肩が広くなっている場所に自動車をとめて、撮影することにした。 義経の頃の木ではない。けっこう細身の幹だ。 「霊櫻之碑」という石碑が後ろにあり、立派な説明看板もあった。 とにかく、源義経の昔からの桜、ということである。 代は変わっても歴史的な桜というのには間違いない。 ただ、咲いていない。 暖かい方向にはチラホラと開花しているものもあるのが救いだ。 路肩に駐車していることもあって、さっさと撮影して自動車に戻る。 さて、どうする。 観光地らしき白河の関まで行けば、お昼にありつけるかもしれない。 でも、わざわざ反対方向に行くことになる。 その時間のロスは選びたくなかった。 ので、次の桜の住所をナビに入れる。 次の桜は国道沿いにあるというから、きっとどこかで食べられるさ。 途中、大きな工場らしい敷地のそばの見事な桜並木をくぐりながら次の桜へ急いだ。 坂道の桜並木。 |
高荻のしだれ桜 樹齢350年のしだれ桜。 威風堂々とはこのことか。 桜の周りの土地は芝地のようになった 広い空間になっている。 そのため、十分に桜全体の姿を堪能できる。 枝ぶりといい、立地といい、 これぞ一本桜。 幹は太い。 樹勢が旺盛なイキイキとした木だ。 満開でしたね。 青空にみっしりと花が咲いている。 |
次に目指すのは、高荻のしだれ桜だ。 住所くらいしか分からないので、とりあえずナビに入れる。 この桜は、国道289号線から見える、というので、桜が呼んでくれるのを期待していた。 で、国道なので、お昼を食べられるお店はないものか、とも期待していた。 あ、ラーメン屋。 と思った瞬間に右手の高台に桜の巨樹を発見した。 国道289号を進むと、右手の高台に大きなピンクの木が見えた。 あれに間違いないだろう。 桜を見つけたからには、桜のほうに行かなくちゃ。 しかし、あの高台にはどう行くんだ? ちょうど近くにコンビニがあったので、そこの駐車場に自動車を入れて、高台に行く道がないか探ることに。 見た感じはどこにもなかった。 あとでよくよくGoogleマップを調べてみたら、コンビニを通り越してもう少し先に行けば、高台に入る小路があったらしい。 現に桜のもとにも広めの空地があって、駐車していた自動車もあったのだ。 しかし、我々は見つけられなかった。 ので、コンビニに自動車を置かせてもらって、徒歩で桜に向かった。 いや、斜面をよじ登ったワケではないですよ。 農耕に使うらしい、自動車の通らない細い道がついていたのである。 なんか、民家に通じる道みたいだし、農耕者というワケじゃないし。 かなり罪悪感のある行動である。 が、桜が目の前にあるんだもん。行かなくちゃ。 畑の真ん中のあぜ道っぽい道を進んで、桜に近づいた。 すみません。畑のあぜ道を歩いて桜に向かう。 おお。なんて立派な桜だろう。 高台にあるものだから、背景は青い空だけになる。 その空の青に薄ピンクのふっくらとした枝をゆらして、堂々と立っている。 別段墓守桜というわけではなく、なぜこの高台にこの桜が立っているのか、何かしらの説明があると思って、桜の前に立てられている古い説明書きを読んでみたら、あらまあ、この土地の説明しか書かれていなかった。 かろうじて桜が350年から400年の樹齢があると書かれている。 まあ、とにかく、この土地をずっと見下ろして来た桜なのだ。 少し離れた場所に市の観光協会の「高荻のしだれ桜」と書かれた結構大きめの看板が設置されていたので、桜見学は大歓迎のようだった。 市の観光協会もイチオシらしい。 この高台の広場にはヤマザクラの小さな木があったりする。 ひととおり桜を見終えたあと、国道に下るのに、来た時に使った畑のまんなかの道はやめておいて、眼下に見える桜の脇を通って民家のそばに下りる道を選択。こっちのほうが罪悪感がない。 コンビニでコーヒーを買って、駐車させてもらった御礼に代えて、さ、お昼お昼。 桜めぐりはまだ国道289号を先に進むのだが、この先がどうなっているか分からないので、さっきみつけたラーメン店に入って、やっとお昼にありついた。 白河ラーメンのお店で、隣にヤギなんかがいて、なかなかおいしかったです。 |
神宮寺のさくら このお寺には樹齢400年の桜がある。 てっきりこの木と思って撮影したが、 どうやら違っていたらしい。 紹介されていたサイトにも 倒壊しそうだと紹介されていたので、 もしかしたら、無くなっていたのかもしれない。 若い木のほうは、とても形もよく、 豊かに花を咲かせていた。 お椀型に咲くしだれ桜は、 下に入って見上げる楽しみがある。 これ、上から見た神宮寺なんですけどね。 若い木がこれ。 若い木の右にもう一本あるけど、 それも若そうだった。 さらにその右側の木の隣に 幹だけの桜があったけど、 樹齢400年はもしかしたら それだったかも。 |
白河市の東下野出島地区に3本の桜の古木があるというので、そちらに自動車を走らせた。 一番端っこにあるはずの石原の桜、というのを探して県道75号沿いの石原地区をウロウロしたが、結局見つけることができなかった。 この桜、我々を呼んではくれなかった。 市の指定天然記念物である樹齢300年の桜だというから、見てみたかったのに。 やむなく、次の桜に目的を変える。 次は検索しやすい。神宮寺というお寺の桜なのだ。 しっかりナビが案内してくれて、迷わず到着。 いや、待て。なんだろう、あの鳥居の周りの樹木の伐採された荒涼とした感じは。なんか、火事場の跡みたいな、奇妙な風景だぞ。 そして、樹木が伐採されてあらわになったものすごく目立つものがある。 狛犬らしい。 本殿の前に、とにかくデカい狛犬の像があった。 気になる。 だが、目的はあれじゃない。 狛犬のある鹿島神社のすぐ前にある神宮寺なのだ。 桜はすぐに分かった。 というか、その桜だと思い込んでいた。 だって、立派な桜なんだもの。 しかし、あとあと調べたら、我々が神宮寺の桜だと思い込んでいたのは、若い木で、樹齢400年の桜ではないらしい。 鹿島神社に行ってから神宮寺に向かったので、実は上のほうから見下ろしている。 他にそれらしい桜は無かったんだよなぁ。 唯一、若い桜と少し離れた隣にもう少し若い桜があり、さらにその奥に幹の一部だけになってわずかな枝に桜を咲かせている木があった。 もしかしたら、それだったのかも。 痛恨である。 でも、幹の一部だけになってしまっていたら、見ていてちょっとさみしい気分になったかもしれない。 さて、気になっていた鹿島神社の狛犬である。 写真ではよくわからなかもしれないが、これがホントにデカイのである。 遠目で、異彩を放っていた。 近づいてみると、なにやら文字が彫られている。 明治36年9月19日奉納。 調べてみると、東北のミケランジェロと呼ばれる石工 小松寅吉の最高傑作だそうだ。 桜もそうだけど、最高傑作は、人を惹きつけるなぁ。 桜は見逃してしまったけど、その代わりにいいものを見させてもらった。 神殿の中の彫刻も市の指定文化財になる見事なものらしいが、覗き込んでみたけど、見えなかった。 鹿島神社は神宮寺のすぐそばにある。 鳥居をくぐって高い場所にある本殿へ。 右の狛犬。 左の狛犬。うーむ、よく見る狛犬と全然違う。 興味のある方は、福島県南部の狛犬をカードにしたサイトがあるので、見てみたらいいです。(こちら) |
満徳寺のさくら 市指定天然記念物。 樹齢300年のしだれ桜。 市の教育委員会の説明看板によると、 中は空洞になっていて、 そこには不老長寿の青大将が 住みついているとか。 その空洞になっている幹の足元には、 仏像が座っていた。 ゴツゴツした幹で、 空洞部分はちゃんと 樹勢回復の措置がされていてた。 花は、けっこう大振り。 |
次に向かうのも、県道75号沿いにある満徳寺である。 こっちも県道沿いにある、というから、みつけられないワケがないだろう、と思っていた。 ところが、県道沿いではなかった。 いや、正確には県道沿いと言ってもいいのかもしれないが、県道からは全く見えない場所にあるお寺だった。 でも、ちゃんと大きな看板が立っていて、入り口の道を示してくれている。 ありがたい。 白河市街に向かって走った場合、サイゼリア福島工場の案内があるあたりから本当に注意深く左側を見ていると案内してくれる看板がある。 その道に入り込み、これしか行けないだろう、という道に進むと、右手にお寺はあった。 あったけど、その前に大きなトラックが、なんとお寺前の雑木林の樹木を伐採していて、それを積み込む作業をしていた。 怖っ。 作業している人が我々の自動車に気がついてくれるのを待ってから、ギリギリ通れる感じで通り抜け、お寺の駐車場に自動車を入れた。 このお寺さんの桜はすぐに分かった。 境内に続く参道の左側になんとも優美なしだれ桜が立っていた。 立っていた、というより、ポーズをとっていた、と表現したほうがいいくらいの桜である。 ピンクのしだれ桜がなだらかな坂の上に立っているのだが、長い枝を坂の下のほうまで延ばして、「わたし、綺麗でしょ」と言ってポーズをとっているように見えるのだ。 市の教育委員会の説明看板がそばにあって、こいつの幹の空洞には青大将が棲みついているという伝説があるらしいが、そりゃないな、と思った。 姿からして、この桜木はお嬢様である。 そのお嬢様が腹の中に蛇を住まわせているワケがない。 美人画を見せてもらったような、とても気持ちのいい桜だった。 弘法大師生誕250年のカラフルなのぼりが立っている満徳寺。 坂の上から坂の下に腕を伸ばすお嬢様。 |
極楽寺のしだれ桜 樹齢250年のしだれ桜。 一段高いお寺の境内から 下の集落を見下ろしている。 花はこんな感じ。 みっちり豊かに咲いている。 溢れんばかりの春だ。 見上げると、うねった幹が年月を感じさせる。 極楽寺の桜 樹齢不明、種類不明。 でも、なぜか市のホームページの 桜マップではこれを紹介している。 絵になるもんなぁ。 お地蔵さん。 これがかなりデカい。 お地蔵さんのわきに階段がある。 |
満徳寺から県道75号、県道11号を利用して白川市街に向かって戻る。 次の目的地は極楽寺である。 ちゃんとした住所がわかっていたので、完全にナビに案内してもらって、極楽寺に到着。 だが、細い農道のような道の先にあるお寺さんには駐車スペースが見当たらない。 幸いなことに近くに公民館があり、そこには広い駐車スペースがあった。 ただ、新潟ナンバーなもんで、不信車扱いされても困る。できるだけ邪魔にならない場所に自動車をとめさせてもらう。 この田んぼ一枚はさんだ公民館の駐車場から見える極楽寺の桜がとてもよかった。 実物大の人間よりも一回りくらい大きい、赤い帽子をかぶったお地蔵さんが鎮座していて、その上をふんわりとピンクの桜が覆っていた。 まあまあ、なんてことでしょう。と、思わず笑顔になる。 まるで日本昔話の世界ではないか。 高まった場所に別の桜も咲いていて、ホントにほっこりする風景だ。 近づいて、写真撮影。 この風景をずっと残したいと思う。 しかし、実はこれが目的の桜ではない。 極楽寺の古木の桜は、しだれ桜なのである。 お地蔵さんのわきに境内に上がる階段があるので、あがって行く。 本堂の真横に出た感じで、桜を探すと、その本堂を通り越したさらに先にピンクの塊が見えた。 あれだ、あれだ、と喜んで近づいて行ったら、犬がいまして。 ものすごい警戒モードでわたしを見ている。 あ、こりゃ近づいたら騒がれるな。 別に犯罪をしているワケではないのだが、ワンワン騒がれてもあまり気持ちのいいものではない。 ふと見ると、本堂の真ん前に階段があって、下に降りられる。 この階段から下りて、下の道からしだれ桜に近づけそうだった。 犬、回避。 下の道はお地蔵さんのあった道からつながっている道で、高い本堂の位置に立っている桜の下を通って坂道になって桜のもとに行っている。 つまり、自動車で極楽寺本堂に行ける道である。 しだれ桜のほうも背の高い桜で、坂の上から枝をたらしている姿はなんだか守護神のように見える。 きっとこの集落をずっと見守ってきたのだろう。 しだれ桜の下には若い桜の木があり、足元に菜の花が咲いていて、これもまた昔話の趣だ。 若い桜を古木がそっと上から守っているような、そんな風にも見えた。 下の若い木と菜の花。 その若い木を奥の老木が見守っている。 道はこんな感じ。立像の脇に本堂に向かう急な階段がある。左上にしだれ桜が見える。 |
松雲寺観音紅枝垂桜 樹齢300年の紅枝垂れ桜。 本堂の前にこんもりとした姿で立っている。 とにかく花が豊かで、 見目麗しい。 花は比較的大振りで、 みっしりと咲く。 |
すでに時刻は3時を回り、春の日差しは大きく西に傾き始めていた。 まだ回りたい桜はあるのだ。 時間が足りない。 次に向かうのは、県道を北に進めば突き当たる舟田地区にある松雲寺というお寺にあるしだれ桜だ。 ナビに入力する時間を惜しんで、さっき舟田地区の入り口の看板を見たから、と自動車を走らせたら、方向違いに進んでちょっと時間をロス。 なんのこたない、ホントにそんなに距離が離れていない場所に松雲寺はあった。 なにせ、県道11号からもう大きなピンクの塊が見えているのである。 今回はこの県道方向に戻らずに先に進んだために撮影できなかったのだが、松雲寺のしだれ桜を見るには、県道11号くらいの遠距離から見たほうがいいと思う。 遠望が似合う桜である。 近づく。 さすがに目立つ桜だけあって、桜目当ての自動車が数台駐車スペースに止まっていた。 我々もそこに滑り込み、下車。 すぐそばの桜を見上げる。 これは見事だ。 何と言ってもボリュウムがすごい。 下から見上げる感じになるので、背景が青い空になる。 これもまた、いい。 居合わせた桜見学の人たちもしきりに綺麗だ綺麗だと連発していた。 門から階段でややあがって桜になる。 そこまでの斜面には芝桜が咲くはずだが、今年はまだ咲いていなかった。 本堂と桜。 |
昌建寺のしだれ桜 泉埼村指定天然記念物。 樹齢230年のしだれ桜。 桜の名所と知られているお寺なので、 お花見の人も多い。 ライトアップもされるらしい。 花は、こんな感じ。 これ以上にない満開。 幹。 お寺が大きいので細身に見えるが、 実はかなり太くて大きな木である。 |
ここから先は帰り道の矢吹インターに乗るまでに拾える桜たちである。 ので、正確には白川市の桜ではない。 泉崎村にはいくつか立派な桜の木があるのだが、さすがにもう午後4時近くになって、日没も近いので、拾えるのは村の指定天然記念物の2本だけだと思っていた。 しっかりと住所がわかっているので、ナビに案内してもらい、またしても県道75号に復帰。 この県道ったら、桜の名木が多いなぁ。 桜の名所だけあって、お寺の前の駐車スペースには何台もの自動車が駐車していた。 けっこう広いお寺のようで、長い塀が道とお寺を仕切っている。 桜は、その塀の上からイヤでも目立つピンク色を揺らしていた。 昌建寺は大きなお寺だ。 境内にはしだれ桜の他にも種類の違う桜があったり、こぶしらしい白い花があったり、綺麗なお庭のお寺である。 桜の周りには木道がぐるりとつけられていて、桜を保護していた。 なんだか子供が浮かれて走り回っている。 桜は子供も狂喜させる。 子供がありがとうございます、なんてダンナに言っているから、どうしたのかと訊いたら、こっちからが綺麗に見えると教えてあげたのだそうだ。 そうしたら、本当にきれいだったらしく、とても喜んでいたとか。 桜、すごいな。 令和の子供たちにも届くよな、その美しさは。 ぐるりと木道がつけられている。 子供が感激したのは、この方向かな。 これはちょっと目を引いた桜。 昌立寺から県道75号を隔てた向こう側の丘の上、病院の裏くらいに咲く桜。 真っ白な桜でたぶん1本ではないだろうが夕暮れにとても綺麗に見えた。 昌建寺の桜を見に行った際には、ちょっと遠くも見てみてね。 |
成願寺の願い桜 右が願い桜。 泉埼村指定天然記念物 足元に樹齢600年と書かれた杭が 立っている。 幹。 そんなに太くもなく、 600年たっているようなゴツゴツ感もない。 花はこんな感じ。 見上げると高い位置に 花柄の傘が広がる。 成願寺の叶え桜 どう見ても後付けの名前だ。 願い桜の扱いに対して、こちらは 樹齢も種類も分からない。 高い位置の花なので、 とても遠い所に咲いている。 でも、勢いのある咲き方だ。 |
予定では、次の桜が最後になる。 成願寺は、住所もしっかり分かっていたので、完全にナビに任せて進んだ。 が、入り口となる小路が行き止まり。民家の敷地になっていて、入り込んだらUターンできそうにない感じになっていた。 とりあえず、突き当りにお寺の存在は確認できたので、小路の入り口を通り過ぎて、民家が途切れる場所まで行く。 と、田んぼの奥にお寺と桜の木が見えた。 道なりに田んぼに沿うように進んで行くと、お寺の横手に出て、そこにちゃんと駐車スペースもあった。自動車で行くとちょっとややこしい感じだ。 田んぼを隔てて桜のこんもりとしたピンクが見える。 ここでもお墓お参りする人がいて、この4月の初めの日曜日には、お墓参りや法事が多い日なのかと実感する。 さあ、桜だ。 これがまあ、駐車スペースにもしっかりと「願い桜、叶え桜」と書かれたのぼりが立っていて、見て欲しい気持ち満々なのがよくわかる。 その割になぜ願い桜というのか、なぜ叶え桜というのか、という説明が全くなされていないのが、ちょっと不親切だ。 見て欲しい気満々ののぼり。 桜の木はどちらもとても背の高い木で、駐車スペースから見て右側の願い桜は鐘楼の上に優美に枝を揺らしている。 かたや、叶え桜は枝垂桜ではない分、野太い感じがするが、主幹と大きな枝が切られていて、見栄えのしない姿になっていた。 それでも、高い位置に花を咲かせ、花の勢いだけでいえば、願い桜よりもありそうな感じだった。 願い叶えたまえ。二つの桜が並ぶ。 状況的にはこんな感じ。駐車スペースから見ると鐘楼の向こうに願い桜がある。 |
子守さくら 樹齢不明しだれ桜。 ちゃんと説明看板が設置されていた。 看板の設置者、太田川の久保木さんの父上が 愛宕様の入り口にあった桜の古木が 朽ち果てるのを惜しみ、 苦労して根ばいを作って植えたのが 1930年頃、というので、 樹齢は100年くらいになる。 花はこんな感じ。 可憐だ。 鳥居や民家から大きさを想像してください。 この腕を広げて、 子供たちを守ってきたのだね。 |
やれやれ、やっと終わった。白川市の桜を見た倒したぞ、と、ナビに自宅を入れて、成願寺を出発した。 矢吹インターに向かって細い太田川集落の道を走っていたら、あれ、正面にやたら大きなピンク色があるぞ。 間違いなく桜だぞ。 こりゃ立派だぞ。 この桜は私たちを呼んだ。 いつもであれば桜ばかり見てもう帰宅する時間になったら、多少の桜はスルーしてしまう。 ところが、この桜は見過ごしてはいけない感じがした。 おや、道の奥にピンクの塊が。 なんか、だいぶデカい塊だぞ。 桜はどうも愛宕神社にあるらしかった。 愛宕神社はとても細い道の突き当りにあり、どう見ても駐車スペースはない。 ちょうど、細い道の入り口にある道に空き屋とおぼしき家があり、その家の前には広々とした空地があった。 空地に侵入するワケにはいかないが、空地よりに路肩駐車しても通行には支障ない。 そこに駐車させてもらって、愛宕神社に行った。 鳥居をくぐって、数段高い敷地内に桜の木だけあった。 愛宕神社の本殿はさらに上のほうにあるらしかった。 桜だけすっくと立っているのが、なにか潔い感じがした。 桜の前に説明の看板があり、しっかりとしたいわれが書かれていた。 市中の桜というのは、実はいつ誰が植えたのか、といったいわれがはっきりと分かっている桜が多い。 この桜もその1本だ。 それにしても、よくぞ見事に育った。 そして、植えた人の思いを汲んで、よくぞ見事に花を咲かせた。 きっとこの広場で集落の子供たちが遊んでいたのであろう。それを見守って来たのだろう。 一世紀の昔から、そして、これからもずっと。 最後の最後によい桜を見ることができた。 気持ちがほっこりとした。 さあ、今度こそ新潟に帰ろう。 ちょっと長い道のりだけど、それを押して来ただけのことはある、大満足の白川市の桜たちだった。 |