んがお工房の桜めぐり


2023年桜追いB
越代の桜、新田の大山桜

2023年の桜追いもいよいよこれで最後である。
例年であれば、ゴールデンウィーク前半くらいまで東北の桜を追うところなのだが、今年はとにかく桜の開花が早い。
2週間くらい早くなってしまっては、4月16日でもう見納めと思っても仕方のないところだ。
最後の桜は、かねてから見てみたいと思っていた遅咲きの桜を選んだ。
越代の桜。
比較的桜の開花が早い福島の浜通りなのだが、この越代の桜に限っては他のどの桜よりも遅い。
福島に行く場合、どうしてもまだ開いていないこの桜以外の桜を見てしまうのである。
だが、今回は近くの山も合わせて、この1本に標準を合わせて古殿町に行ってみることにした。



大作のしだれ桜
樹齢不明のしだれ桜。
工事現場か砂利置き場か、
とにかく作業場っぽい場所に立っている。
が、柵で保護されていて、
周りも緑に保たれているので、
大事にされている感じだ。



咲き残った花があった。
満開の頃はさぞ豊かだろう。

まず、登山から、ということで、古殿町役場近くの林道を自動車で登って、鎌倉岳を目指す。(登山のレポはこちらから)
その林道の途中ですでに散ってしまっている桜の大木をみつけた。
登山の帰り道に立ち寄り、とりあえず姿だけでも、と撮影した。
越代の桜の開花に合わせずに、他の桜の開花に合わせた時にでも、もう一度立ち寄りたい。

  
  枝張りのいい巨樹だ。

  
  ちゃんと名前が記されている。






堀越のしだれ桜

樹齢200年のしだれ桜。
よくこの山間の道でしっかりと生きていると思う。
写真の見た目より巨樹だ。



咲き残っていた花。

こちらも、古殿町役場から越代の桜に向かう途中でみつけた。
なにせ、越代の桜しか頭になかったので、古殿町にあるいくつかの桜の巨樹古木のチェックはしていないのである。
こちらもすでに落花激しい状態だったが、とりあえず姿だけでもおさえるために、自動車を降りてカメラを向けた。
実はナビに案内してもらった道を進んでいたので、どこに立っているのかさっぱり分からない。
あとでGoogleマップで確認したら、ホントーに県道でも村道でもない道で、説明のしようがない。
興味のある方はGoogleマップに載っているので探してみてね。
国道349号線のデイリーヤマザキあたりから県道14号に入り、そこから大久田集落を結ぶ林道沿いである。
越代の桜の時期には越代の桜の名前と矢印がつけられている看板が出ているので、それに沿って進むといい。
桜を見るための駐車スペースなどもないので、路肩に駐車。
山間部なので、日当たりも悪く、桜を見るには時間帯の考慮も必要なようだ。

  
  道の谷がわに斜めになって立っている。
  日陰で咲いていないので暗い感じだが、満開なら山道を明るくしてくれるだろう。







越代の桜
福島県指定天然記念物。
樹齢400年のヤマザクラ。
ほぼ満開。
うそ、たった400年なの?と疑うくらいの
迫力のある巨樹だ。


花。
ヤマザクラではあるが、葉っぱは目立たない。


幹。
この風格ある幹ったら。
花がなくても感動しそうである。


別角度の幹。


観桜台に登って見る。


支柱に支えられた枝が、


道路側にも反対側にも伸びている。


反対側から撮影。
逆光でも綺麗だ。
このあたりの集落の御神木だそうで、
ずっと大切にしてほしいと思う。


堀越の桜をあとに、しばらく林道を走り、県道135号に出る。
それをまたちょっと走ると、いきなりなんだか前方に人と自動車がたくさんある場所が見えた。
それと、左手にとんでもなくでっかいヒンクの塊も見えた。
あれだ〜っ。
越代の桜だ。
すごいすごい。ものすごく大きな桜だぞ。
駐車場は桜の向かい側に大きなものがあり、満開で晴天で週末のこの日でも十分に駐車することができた。
桜のすぐ向かい側では出店なども出ていて、お祭りっぽくなっている。
自動車を下りて桜に近づく。
デカい。
とんでもなくデカい。
そして、美しい。
なんか、こう、涙が出そうだ。
青空と満開のヤマザクラの巨樹。
桜を追って何年にもなるが、これほど感動したのは、三春の滝桜をはじめて見た時くらいだ。
だというのに、駐車場も楽々とめられて、じっくり桜を見ることができる環境って。
もっとこの桜を人に知ってらいたいなぁ。
いや、知られたくないなぁ。
複雑な感情さえもってしまった。

  
  右手に駐車場。左に越代の桜。

  
  こんな風に道路わきの斜面に立っている。

  
  向かいの広場はお祭り。

  
  森の巨樹たち100選のプレート。

  
  目立たないが、観桜台も作られている。

  
  これは、桜の手前にあった花桃。のどか。


絵葉書写真、どうぞ。
駐車場の芝桜やスイセンと撮影もできますえ。

  


  





新田の大山桜
樹齢不明のヤマザクラ。
いわき市保存樹木。
その大きさから、
100年200年の木ではないと思う。


赤い葉っぱとともに花が咲く。
なので、全体的に赤味が強く見える。


幹。
山間なので、たぶん積雪もある場所だろう。
それを耐え忍んで枝を支える
ごっつい幹である。


反対側から撮影。
駐車スペース側から見ると、こんな感じ。


こちらは、ちょっと離れた田んぼわきから。
写真右端に人が立っていて、
桜の木の大きさが分かると思う。

次に開花情報がイマイチ分からないが、同じヤマザクラということで多分今が見頃だろうと思われる新田の大山桜に向かう。
このヤマザクラに関しては、実はGoogleマップをぼーっと見ていて、越代の桜のちょっと北に大山桜があるのを偶然発見した。
いつもであれば、桜のサイトや市町村のサイトから桜を探すのだが、新田の大山桜について言えば、地図を眺めている段階から、桜自ら私を呼んだと言えなくもない。
呼ばれたからには行かなくちゃ。
開花情報のない桜なので、咲いているかどうか賭けではあったが、賭けに勝った。
ナビに住所を入れて、越代の桜を通り過ぎる形で県道135号を走り、しばらく走ると、左折せよ、という。
ものすごく細い道で、ホントーにこの道でいいのかと疑いながら走った。が、実は、越代の桜の駐車場から同時に出た他県ナンバーの自動車が先導してくれている形だった。あれは間違いなく桜追いだな。先導車もその細い道に左折した。
曲がりきわに新田の大山桜と書かれた看板があったような気もする。よく見ないと見落としがちな案内ということだ。
ホントーに細い道はさらにうねうねと細い道になり、心配になるあたりで、前方に桜の巨樹が現れた。
うわー、これもデカいぞ。
山桜独特のソメイヨシノより濃いピンクの花が青空に映えている。
まず、それに間違いなかった。
が、一番目につく巨樹の他にも、斜面に何本もヤマザクラがあった。
どれもこれも、1本でどこかに立っていたら、確実に1本桜のランキングの上位にいきそうな桜である。
それが同じ斜面に並んでいる。
とんでもない光景だ。
福島、スゲー。

  
  左の端っこが新田の大山桜。でも、他にもたくさん桜がある。

たぶん私有地をこの季節だけ駐車スペースに貸してくれているんだろう土地に自動車を入れる。
そんな場所なので、なんだかぬかるんでいるが、それは仕方がない。
意外にも5、6台の自動車が止まっていて、すでに三脚を立ててじっくり桜を狙っているカメラマンもいた。
満開の山桜が何本も立っている斜面のさらに奥には、小さな集落があり、その集落にも山桜が立っている。
山桜の里だなぁ。
我々を含めた桜追いの狂喜を除けば、実にのどかな場所である。

  
  このクラスが同じ斜面に並んでいるのだ。

道路のすぐそばに立っているので、あちこち歩いて桜を撮影し、さあ、これにて本年の桜追いは終了である。
自動車に戻って、ナビに自宅に戻る、と入れたら、あれ?来た道とは反対側を示したぞ。ちょっとだけ来た方向に戻ったが、すぐに反対側に曲がれ、と言った。
信じてその方向に進んだら、意外にあっさりとまた県道135号に出てしまった。ここにはちゃん目立つ看板で大山桜の案内がされている。
つまり、県道135号から新田の大山桜に行くには2か所侵入ルートがある、ということだ。
どちらかと言えば、国道49号から入っていく入り口のほうが林道のアプローチが短い。
ナビはその後我々を国道49号に案内して、さらに磐越自動車道いわき三和インターまで誘導した。
あとは高速道で自宅まで戻ればよい。
自宅に戻ってみたら、なんだかどんよりとした空模様。
朝の荒天からずっとそんなお天気だったのかもね。
太平洋側に行ってよかったね。
と、今年の桜追いのラストの大成功を喜んだ。




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