んがお工房の桜めぐり
2024年桜追い@
宇都宮周辺の桜たち
2023年の春は足踏みしながらゆっくり近づいて来た。 実は2月の段階では早々に桜は咲く予定だった。 2月だというのに、最高気温が20度になる日があったり、新潟ではほとんど雪が降らなかったり。 こりゃ、とても早く開花した昨年並みの早い開花になるだろう、と思っていた。 ところが、3月になって寒の戻りがあった。 それがまた、長い。 3月はほぼ寒いままだった。 桜の開花予報も出されるごとに先送りの日になった。 東京で昨年より2週間も遅い4月に入ってからの開花である。 開けてみれば、実は遅い春の到来になったわけである。 我が家の桜追いも、メインの遠征を3月末に予定していたのだが、それでは関東でも開花していない状態。 急遽一週間遅らせて、ようやく4月に入ってからの桜追いの開始になった。 さて、今年の桜はどこにするか、実は昨年に決めていた。 昨年は笠間市に行って茨城にもいい桜がたくさんあるのを知って、ならば茨城や栃木はどうだろう、と思っていたのである。 栃木では、日光などもあるが、水戸はどうだろう。 歴史のある町にはよい桜が多いものである。 水戸に行くつもりで、あれやこれやと調べ始めた。 すると、水戸よりも宇都宮周辺のほうが1本桜や古木桜が多い事実に行きついてしまった。 よし、今年は宇都宮に行こう。そうしよう。 みっちり下調べをして、いざ、関東へ。 |
石那田のエドヒガン 市指定天然記念物。 樹齢約550年のエドヒガン。 墓守の桜だ。 宇都宮屈指の桜の巨木だそうです。 花はこんな感じ。 淡い色に見えるが、 全体的にはピンクが濃かった。 幹。 空洞を埋めた跡が痛々しい。 しかし、弱った感じはしなかった。 足元には、天然記念物と書かれた石碑と 説明文がある。 道路を挟んだ反対側から見ると、 また表情が変わるのだが、 電線が邪魔しちゃうのよね。 |
4月6日 午前6時少し過ぎに自宅を出発。 関越道、北関東自動車道、東北道と乗り継いで、まずは日光道へ。 途中、関越道の群馬あたりでは、まだ桜のピンクが全く見られない状態で、関東の桜の開花が遅れているのがよく分かった。 さて、宇都宮周辺はどうだろう。 栃木県に入って、東北道に乗ったあたりから、なんとなく淡いピンクが見え始めた。 あ、あの公園あたりには立派な桜の木が五分咲くらいになっているぞ。 どうやら、今回余裕があったら見てみようと思ったつがの里ファミリーパークにある桜のようだ。 他の桜がまだ咲いていなかったら、あれだけ見て帰ることになるのかしらん。 さて、東北道から宇都宮を通り越して日光道に乗り継いで、篠井インターで下りる。そこから国道119号を日光にむけて走っていく。 今回の桜めぐりで我が家から一番遠い日光街道沿いの桜を見るためである。 日光街道には、有名な杉の並木があるが、桜の名所百選にも選ばれている桜の並木もある。 惜しいかな、桜並木はまだ開花していなくて、蕾も固い状態だった。 ヤマザクラの背の高い木が1500本も並んでいるそうで。 咲いたらさぞ見事な桜のトンネルになるのだろう。 仕方がない。 ここでは1本、古木を拾うつもりだ。 ところが、この日光街道、両側に並木があったり、家が立ち並んだりしていて、見通しがまったく効かない。 桜の木がある位置はだいたい把握して、街道より左側だと分かっていたが、篠井インターからの距離が今一つわからなかった。 さすがにもう、通り過ぎたんじゃないか、と思うあたりで左の家並みが途切れて、遠くの杉の木立の手前にピンクの固まりが見えた。 あ、あれだ。 呼んでくれた。 桜めぐりをしていていつも思うのだが、1本桜や桜の古木は見る人を呼ぶ。 咲いている姿を見て欲しいのだと思う。 遠くに見えるのだが、すぐにまた家並みになって、どうやってあの位置に行けばいいのかさっぱり分からない。 日光街道って不思議なのだが、道だと思う場所はだいたいが民家の入り口で入ってしまったら不法侵入になってしまうのだ。 どこから行くんだ、とゆっくり走っていると、左側にとても小さな看板を発見した。 「エドヒガン」と書かれていて、矢印が左に出ている。 え、道?と思うくらいに細い道があったのだが、もちろん通り過ぎてしまった。 そこからUターンできる場所がまた少ないのだ。 Uターンしてからもあまりに小さな看板だし、反対側からは見えづらいし、見事にまた通りすぎて、また戻る。 ここだ、ここだ、これは道なんだ、と、とても細い道を入っていった。 古い農家の間の細い道を行く。 桜は見えないが進むしかない。 すると、田んぼなかの道に出て、右手に桜が見えた。 いや、しかし、どうやってあそこに行くのだ。 ちょうどそっちに行けそうな細い道の入り口にトラックがとまっていて、入れない状態に。 仕方がないので先に進むと、日光道をくぐってしまった。 いや、こっちじゃない。 またしてもUターンしたら、さっきのトラックがいなくなっていて、その道に入ることができた。 なんとか桜の前に出た。 苦労した。 墓守の桜は、しかし、ちゃんと咲いていてくれた。 今回は桜の開花の読みが難しくて、もしかしたら1本も咲いた花に出会えないのかもしれないと心配していたので、心底ほっとした。 背後に杉の木立を背負っているので、いやでも目立つ桜である。 近寄ると、主幹に手当の跡があり、500年の重みを感じる。 お墓におじぎして、墓地に入り込むと、桜についての立て看板があった。 昭和53年に書かれた説明書きで樹齢約500年とあるので、現在では550年くらいになっているということだ。 我々があちこち歩いて見ていると、一人だけ桜を撮影しにやって来た人がいた。ひとしきり写真を撮ってすぐに行ってしまった。 もうちょっとたくさんの人に見てもらいたいよね。 と、桜に挨拶して、次の桜を目指した。 ちなみに、国道119号からエドヒガンに行くには、右手にこの建物がある場所が目印。小径から国道に出る車内で撮影した。 建物の前にりんごの形で「原坪自治会」と書いてあったと思う。 とても細い道なので、注意が必要だ。 日光街道桜並木。桜の名所百選。 我々が行った時にはまだまだ蕾。 これは、石那田あたりの並木で、もう少し宇都宮寄りには桜のトンネルになる場所もあるらしい。 |
北條家薬師堂の桜 樹齢約400年のシダレザクラ。 1本ではなく、2本の木である。 城山西小学校の孝子桜の兄弟といわれている。 田んぼを囲むように道路があるので、 あちこちから見ることができる。 が、実は、県道から見る姿が一番かなぁ。 ちょっと撮影できなかったんですが。 幹。 こっちがわとあっち側に2本。 意外に細い。 花は大振り。 咲き誇っている。 道の向こうのガードレールにまで しだれかかっている。 |
続いて、宇都宮市街に出る前に、宇都宮市の最高峰という古賀志山の麓に立ち寄る。 ここには名前のついた桜があるのである。 小学校の校庭にあるという孝子桜だ。 これはもう、小学校の名前が分かるので、ナビに案内してもらえる。 すると、だいぶぐる〜っと回る形で目的地に近づいているようだった。 いったん宇都宮インター近くまで戻って、国道293号、県道70号と乗り継ぐ。 日光側から行ったほうが早いんじゃね?と思ったが、ナビに任せちゃったから仕方がない。 ところが、このナビの選択が間違っていなかった。 またもや、呼ばれたのである。 県道から田んぼを挟んだ向こう側にこんもりとしたしだれ桜が濃いピンクをなびかせて我々を呼んでいた。 あれ! もし、予定の桜じゃなくても、あれは見ていかなくちゃいけない桜だ! と、いうことで、すぐさま田んぼ脇の小径に自動車を入れる。 すでに先客がいて、桜前の細い道には駐車できる場所がなさそうだったが、そこは軽自動車の利点を使って隙間に潜り込む。 カメラマンが何人か撮影している。 自動車をおりて、見上げると、降るような桜の花だ。 なんかもう、嬉しくて仕方ない。 桜に近づくと、説明の看板に北條家薬師堂の桜、とあった。 予定していた桜だ。 探すまでもなく呼ばれてしまったワケである。 ナビ、ありがとう。 薬師堂。桜のボリュームのわりに小さくひっそりとしている。 薬師堂のお地蔵さんに桜の花が揺れる。 薬師堂からずっと向こうの高台にも立派なしだれ桜が見えた。 |
孝子桜 宇都宮市天然記念物。 樹齢400年のしだれ桜。 てっきりたかこ桜なのだと思っていたが、 こうしさくらなのだそうだ。 いわれは以下の通り。 父が危篤状態で、桜が見たいと言われた 親孝行の息子。 しかし、季節は冬。 それでも息子は古賀山の大日如来に 懸命に祈り続けた。 その願いが届き、桜が咲いて、 父はそれを見て往生したという。 親孝行の息子、で、孝子桜である。 花。 つんつんととがった花びらをしている。 華やかな感じだ。 幹。 さすが半世紀近く生きている桜だ。 優美な花の姿に反して、 ゴツゴツとしている。 見上げると四方に張った枝から たくさんの花がしだれ落ちる。 桜と校舎の位置関係はこんな感じ。 こちらは、展望台から見た孝子桜。 丸い。 孝子桜と正門の桜。 さらに向こう側に山並み。 晴れていたら、美しいだろうけど、 雨でした。 |
さて、今度こそ孝子桜である。 小学校はすぐに分かった。 なにせ県道70号にばかデカい看板が立てられているのである。 「樹齢400年の孝子桜と芭蕉句碑のある城山西小学校」 はい。右折します。 小学校は突き当りにあるのだが、その手前の公民館の駐車場が「孝子桜まつり」の駐車場になっていた。 昨今、学校には関係者以外立ち入り禁止になっていることが多いと思うが、桜の期間だけはだれでも校庭に入れるということだ。 ありがたく駐車させてもらって小学校に行く。 イヤでも目立つ県道沿いの看板。 駐車場もわかりやすくなっている。 正門の隣にも立派なしだれ桜があり、あれかしらん、と思ったが、正門を通り過ぎると間違いない見事な桜木が我々を迎えてくれた。 校庭が広いので、片隅にあるように見えるが、いやいや、桜は大きく、存在感はなかなかのものである。 丸くふんわりと咲くその形に合わせて、まるく周りを囲ってある。 どこから見ても形のいい桜だ。 正門の脇にも孝子桜の子孫と言われるしだれ桜がある。 門を通ると、右側奥にピンクのかたまり。 ふと、見ると、校庭の隅から孝子桜展望台に行く道があると矢印が。 おお、展望台ってことは、上から見られるのか。 喜んでそちらに向かう。 歩きやすい階段で、それほど苦労することもなく展望台に着いた。 あ、やっぱり丸い。 ちょうど雨が降り出してしまって、桜を見に来る人が傘をさしていたのだが、まるで孝子桜も傘のように見えた。 展望台への道。 今回の桜めぐりのメインの一つでもあった孝子桜を見終えて、大満足で次に向かう。 次は宇都宮市街の桜である。 県道70号を宇都宮に向かうと、この道は桜の多い道だと分かる。 近づけばそれぞれ立派な桜木たちだが、今回は車窓よりで我慢だ。 わー、立派な桜木の集団だ。 あの一本桜も魅力的だなぁ。 |
慈光寺赤門の桜 栃木市指定天然記念物。 とちぎ名木百選。 樹齢150年のエドヒガンザクラ。 思った以上に巨木である。 が、桜そのものよりも 支柱と石段とセットで 見事な風景になっている。 赤門をくぐるとこの風景。 階段の途中には何本も桜がある。 桜は石段の途中からにょきっと出ている。 支柱と桜の下をくぐって、 石段を登って行く。 花はこんな感じ。 階段を登り切って、 振り返るとこんな風に見える。 慈光寺赤門。 2008年に再建された。 両側の仁王様が迫力だ。 これは石段がわから振り返って。 桜と赤い門がよく似合う。 |
実は、私としては、宇都宮市街の桜については、見なくてもいいかな、と思っていた。 というのも、都市部の桜は見るにあたってどこに行っても混雑している。 まず、駐車するのが困難である。 駐車できても料金がかかる。 さらに、目的の桜まで遠いことも多い。 どこに行っても人だらけで、桜どころではない。 だが、ダンナが行ってみようというので、向かうことにした。 とりあえず、2本の桜を見たいとリストアップしていた。 そのどちらも県庁のそばにあるので、県庁の駐車場にとめればいいじゃないか、というのだ。 ところが。 入れませんでしたとさ、県庁の駐車場。 入り口がわからん。 分かる場所は閉鎖されている。 土曜日だからね。 ぐるぐると県庁の周りを走っていると、あ、ここの桜を見たいのだ、というお寺さんを発見した。 そこには、何やら警備員みたいな人が立っていて、すぐそばの小径は、八幡山公園の入り口なのだが、満車のマーク。 そして、道路の脇に八幡山公園臨時駐車場、という矢印が出ていた。 あ、公園があるのか。 臨時駐車場って、どこだか分からないが、そっちに駐車できるだろう。 と、案内に沿って走って行く。 ぐるーーっと走りましたよ。 県道10号競輪場通りまで出て、競輪場の駐車場に入れられましたよ。 どこなんだ、ここ。 八幡山公園は桜まつりが開催されているらしく、とにかくたくさんの人が公園に歩いて行っていた。 我々もそのあとについて、公園に入る。 いや、入るって、この公園デカくてさ。 競輪場の前に出たはいいけど、どう行けばいいのかさっぱり分からない。 とりあえず公園らしい入り口から登って、とりあえずトイレに入って。 それから道を組み立てねば。 この公園のすぐそばにも赤門の桜というのがあって、その桜も見る桜の1本だ。 県庁の通りのはずだから、県庁に出ればなんとかなるだろう。 けど、ここ、ホントーにどこよ? 仕方ないのでスマホのナビさまにお願いした。 いい時代である。公園内なのに、あっちに行け、こっちに行けと案内してくれた。 吊り橋に出たときにはびっくりしたけどね。 アドベンチャーUというほうに入ってしまった。 ということで、吊り橋を渡る。 吊り橋の向こう側に宇都宮タワー。 吊り橋の下には桜が見える。 吊り橋を渡ると桜祭りの屋台がたくさん。 見上げれば、宇都宮タワー。 とりあえず、公園を抜け、私の頭の中の地図では公園と県庁の間にあるはずの慈光寺を探すことに。 ここでもスマホの地図さまに助けられましたよ。 重ね重ね、いい時代である。 慈光寺、すぐに見つかった。 赤門というキーワードが県庁の前の通りにしっかり掲げられていた。 赤門は空襲で焼かれてしまったが、2008年に復興された赤門が堂々とそびえている。 両側に仁王様が睨みを聞かせている。 それをくぐって行くと、真ん中にお地蔵さんらしき石像を赤い柵で囲った場所があり、その向こうに石段が見えた。 そして、桜である。 わ、なんだか、とんでもない。 とんでもない形で桜が咲いている。 石段の左側に桜の木はあるのだが、大きく傾いて石段の上に覆いかぶさっている。 それを支える支柱が何本も、これまた階段にかぶさっている。 つまり、桜と支柱のアーチになっているのである。 桜、というよりは、桜と石段と支柱とが織りなす造形美を見ているようだ。 圧倒されつつ石段を登る。 意外にも小さな慈光寺に挨拶して、また石段を下る。 石段の立派さのわりにお寺はこじんまり。 桜と支柱のアーチをくぐる。 すごいなぁ、県庁のそばにこんなすごい桜があるのか。 ここに来るまでさんざん迷ったが、来てよかった。 ここから徒歩で県庁を通り越して、自動車の中でみつけた祥雲寺に行く。 ほお、ここが栃木県庁か、と見上げ、角にある若いしだれ桜の木々たちに足を止め。 思った以上に楽しく歩けた。 栃木県庁。 角には濃いピンクのしだれ桜の並木。 ちゃんと祥雲寺まで600メートルと案内もある。 |
祥雲寺のしだれ桜 県指定天然記念物。 樹齢350年のしだれ桜。 たくさんの支柱に支えられて、 しかし見事に花をつけている。 花はこんな感じ。 散り始めだった。 幹。 ゴツゴツして生きて来た歳月を感じさせる。 幹の裏側。 空洞を埋められている。 主幹の切られた部分。 バッツリ切られてもほかの部分は元気。 |
さて、に県庁から600メートル歩いて、祥雲寺に到着した。 警備員さんが入り口にいたのは、八幡山公園に行きたい自動車とお寺に行きたい自動車を区別するためのようで、公園に行かない自動車なら駐車場はあるらしかった。 まあ、楽しく歩けたので、ここに最初から駐車しとけばよかった、などとは思わないでおこう。 入り口から入って、案内の通りに旧参道を歩く。 とても静かな参道だ。 本堂に向かう道と分かれたシダレ桜に向かう道。 すると、すぐにしだれ桜のもとに出た。 本堂にご挨拶しないで、そのまま桜に行ける道だったらしい。 なので、あとから考えたら、祥雲寺の本堂を全く見ていない。 お寺さん的にはまず本堂に案内したほうがよかったんじゃなかろうか。 さておき、桜は足元に一面の花びらを敷き詰めた散り始めの姿だった。 桜を支える支柱の周りを花びらが埋めている。 県指定の天然記念物だけある風格のある桜だ。 ただ、主幹が見事にばっつりと切られていて、切られる以前の姿はもっとすごかったのかな、と思うともったいないばかりだ。 この主幹が切られたのは、1948年に本堂の火災で消失したからだそうで、その後枯れた部分を切って養生したら近年また見事に咲くようになったそうだ。 ひとしきり桜を見たら、お腹がすいた。 ちょうど正午である。 ここから徒歩で競輪場の駐車場に行くまでに、ごはんが食べられる場所があるかしらん。 ちょうど住宅街の中にラーメンという看板を発見。 そこに入って、ラーメンとギョーザをいただきましたよ。 美味でした。 自動車に戻って、次に向かう桜を検索する。 うーむ、住所で出ないなぁ。 とりあえず、次の桜の近くにある道の駅に行こう。 と、いうことで、道の駅にしかたに向かうことにした。 ここでとりあえずトイレ休憩して、ナビで周辺を探す。 近くまで来たので、なんとかヒットすることができた。 道の駅にしかたには、もうこいのぼりが泳いでいた。 |
西方のしだれ桜 (中新井家のしだれ桜) 樹齢550年のシダレザクラ。 とちぎ名木百選。 民家、黒い塀、門、菜の花、全部合わせて 一つの絵のようになっている。 その菜の花と桜。 花はみっちりとついている。 とても豊かだ。 横から見た図。 こっち側は塀が黒くないので、 ちょっと無粋かな。 中新井家のそばの神社の桜 樹齢不明のしだれ桜。 石の祠だけの神社で、 何神社なのかも不明。 花。 中新井家の桜よりちょっと花は少ない。 小さな鳥居としだれ桜の枝。 向こう側に中新井家の黒塀が見える。 立ち姿が縦長なので、 ちょっと幽遠に見える。 |
次の桜は、一般民家の桜だ。 なので、一番近くの実相寺というお寺が目印になる。 道の駅にしかたでナビの地図でお寺をみつけ、そのまま案内してもらう。 これが本当に細い道で、ナビでなければたどり着けなかったと思う。 道案内としては、県道293号を東北自動車道をくぐってなお山に向かって走ると突き当りが実相寺、ということに地図上ではなっている。 実際にナビがその道を案内したのかどうかはよく分からない。 桜はすぐに分かった。 なにせ、実相寺からその民家までは田んぼしかないのだ。 民家の前にこんもりと桜の小山がある感じである。 見落とすわけがない。 最初、民家前に自動車が止められると思って近づいたが、道が細すぎて無理。 仕方ないので、実相寺に戻って、実相寺の駐車場に駐車させてもらった。 ただ、実相寺から歩いたほうが、田んぼごしの桜が見えて、これが実にいい。それほど距離があるわけではないので、交通の邪魔になるくらいなら、実相寺にお世話になったほうがいいと思う。 実相寺への道。正面が実相寺。写真の右の田んぼの向こうが民家。 実相寺のお庭も綺麗でしたよ。 民家には桜を撮影している先客がいた。 本気モードで三脚をしつらえて、あちこちから桜を狙っている。 邪魔になるのはお互い様なので、やや控え目に桜を撮影した。 ところで、遠目でみて分かっていたのだが、この民家のそばに神社があって、そこにもしだれ桜が立っている。 これもまた、風情があっていい。 ちょっと高い場所に小さな神社があり、しだれ桜はその祠を覆うように咲いていた。 そこから民家を見下ろすこともできて、春を浴びるように堪能できる。 いい場所だなぁ。 なんだか、日本の原風景ってこんな感じなのかな、と思った。 民家と神社の位置。右が民家、左が神社。 さあ、あとは、この日のもう一つのメインである樹齢800年の桜のもとに行くのだ。 下野市にある「親鸞お手植えの桜」である。 かなりの老木で、主幹はすでに枯れているというが、まだ咲いているはずの800年の生命を感じに行きたい。 桜は「蓮華寺」というお寺にあるという。 お寺が分かればもう大丈夫。確実に見られると思っていた。 ナビにもしっかりあるお寺だし、よもや見ることができないとは予想していなかった。 が、ついに見つけられなかった。 蓮華寺はとてもよくわかる場所にあったので、迷わず到着。 境内は整備されていて、しんと静まり返っている。 なんだか、だれも寄せ付けない感じのお寺だ。 それに、桜の姿が全くない。 ない。 桜がない。 どこを見ても桜は無い。 これは・・・ 樹齢800年の桜というのはかなりの老木だし、私が見た資料もずいぶんと昔のものだし。 もしかして、枯死してしまったんじゃなかろうか。 お寺の案内にも桜の文字は一つもなかったし。 きっとそうなんだな、と納得してしまった。 だが、あとで調べたら、私の完全なリサーチミスが発覚した。 「親鸞お手植えの桜」は、蓮華寺の境内にあるのではなく、蓮華寺の裏手の畑の中にあるのだ。 資料にもしっかり書かれているのに、思い込みで境内だけを探してしまった。 大失態である。 栃木は遠いので、そうそう行ける場所ではない。 800年の生命を見る機会はなかなかないだろう。 かなり落ち込む結果になってしまった。 下野市に行く途中の川にもこいのぼりが泳いでいた。 |
太山寺 岩しだれ桜 樹齢360年のしだれ桜。 とちぎ名木百選。 三代将軍家道の側室で 四代将軍家綱の生母「お楽の方」が この寺で養生中に 植えたという言い伝えがある。 岩しだれ桜という名前については、 諸説あるらしい。 岩盤地層の上に立っているから、 とか、岩に当たって跳ね飛ぶ滝の水に 姿が似ているからだとか。 幹。 ねじれ方が見事。 苔もまたきれいに見える。 何本もの支柱に支えられている。 花。 やや白っぽいかな。 |
親鸞お手植えの桜を見られなかったので、かなり落胆している。 この時点で、すでに午後4時近くになっていて、この後、栃木市内の「つがのの里桜」(行きの高速道路上で見た桜だ)などを拾って帰るつもりではあったが、新潟までの帰路を考えると割愛せざるを得なかった。 しかし、最後に1つだけ、桜の名所百選の大平山の麓にあるお寺にあるという岩しだれ桜は見たいと思っていた。 名所百選のそばなので、ちょっと躊躇したが、メインが見られなかった傷のまま新潟に帰るのもくやしい。 予想どおり、桜の時期なので交通規制がひかれていた。大平山に登る自動車が一方通行になっている。 いや、その少し先に太山寺があるのだが。 よくよく見ると、山に登らない自動車は通っていいらしく、細い道を先に進む。 ほどなく、太山寺に到着。 大きなお寺で、道沿いに駐車場があったが、お寺に向かう道を自動車で少し登るとすぐ近くの駐車場にも行けるようだ。 我々はよくわからないので、手近な駐車場にとめて、坂を徒歩で登った。 上品な山門があり、その前にさらに上品な大きな生け花などがある。 華やかな感じのするお寺だ。 綺麗にされた門。生け花は常にあるようだ。 門をくぐるとすぐに桜の姿は目に入ってきた。 おお、なんて綺麗な姿をしたしだれ桜だろう。 まるでここに立っているのが当たり前の強力な自信みたいなものを発している桜である。 つまり、お寺よりも自分が主人公であると主張している。 すごいやつだなぁ。 ぐるりと柵を囲われているが、周りを歩いてみて回ることができる。 あちこちからその姿を堪能できた。 その中で、お寺の本堂の屋根の角になにやら石像が。 シーサーみたいな、狛犬みたいなやつが逆立ちして、咲き誇る桜を眺めているようである。 なんだかユーモラスで目が釘付けになってしまった。 こいつが狛犬。かわいい。 本堂の屋根と桜。狛犬は張り出した手前の屋根の角にいる。 ハナダイコンなども咲いていた。 大平山神社の鳥居。県道を跨いで立っている。自動車でくぐる。 さあ、これで今回の桜めぐりは終了だ。 咲いているのかいないのか、ドキドキしながら行った栃木ではあったが、結果、たくさんの桜に出会うことができた。 親鸞お手植えの桜は残念だったけど、今後はしっかり勉強して桜めぐりをしなくちゃならないということを教わった。 あとは、3時間以上かけて新潟まで戻らなくちゃ。 まだまだ見たい桜はあるけど、またいつかまでとっておこう。 |