ふうけつ滝 朝日を浴びてものすごく目立っていた。 かなり高い位置から落ちているが、 見える範囲から下はすぐに 沢状になっているので、 落差はよくわからない。 山を入れるとこんな感じ。 撮影した場所と県道。 左の川は高田川。 ど真ん中の白い筋がふうけつ滝だ。 桑ノ木の滝 なんとも神々しい姿である。 分岐瀑の鏡のような滝だ。 地元の青年が知らなかったなんて、 もったいない話である。 午前の光を背後に受けて、 実にきれいだ。 新緑のアクセントで横顔も素晴らしい。 大きさ比較。 とはいえ、小さく写ってしまった。 滝つぼは意外に広いのだ。 光る落ち口。 まっすぐで平ら。 計算されたような分岐部分。 滝を含む空間はこんな感じ。 繊細な表情の滝とは裏腹に 岩盤はごついし、大岩もごろごろしている。 |
2012/4/29 ふうけつ滝(落差?M) 桑ノ木の滝(落差21M) 和歌山県新宮市 那智山をあとにして、次に向かうのは桑ノ木の滝である。 那智川を横に見ながら県道を海に向かって下って行くと、かなり驚いた。というのも、昨夜は暗くなってからこの道を上って行ったので全くわからなかったのだが、那智川の氾濫の跡がいたる所にあるのである。 何かしらの建物があったらしい場所ががれきや木の屑がたまる更地になっていたり、かろうじて建物が残っていても、水がすべてをさらったように窓も扉ももちろん中身もない状態だったり。 昨年2011年9月の台風以前はもう少しにぎわっていた観光道路だったかもしれないのだが、今はほとんど何もない道だった。 すごいことが起きていたんだなぁ、と思いながら国道42号線に出て、新宮市に向かって北上する。国道168号からはとてもきれいな流れを見せる熊野川を右にみながら進んだ。 国道168号線はところどころで道路工事が行われていて、交互通行だった。川のすぐそばを走る道のあちこちに水没の跡がある。 右手に見えている熊野川はとても広い川で、とにかく青い水がきれいな川なのに、こんな場所まで水が上がったのか、と驚かされた。 実は、桑ノ木の滝について言えば迷うことはまず無いと思っていた。県道230号沿いに案内看板もあるというし、ナビにもちゃんと入っている。 ところが、迷った。 いや、正確には迷ってはいないのだが、場所がわからなかった。ナビがここだここだという場所に案内がないのである。 ナビが案内した場所は高田自然プールという何やらこの地域出身のオリンピック選手をたたえる広場だった。 広い駐車場はあるものの、あとは何もない。 ナビのことだから、直線距離で近い場所を案内したのかも、と、もう少し自動車を走らせることにした。 すると、向かって行く前方の山の中腹から見事な滝が落ちていた。あ、あった。あれだろう。って、違うだろう。どう見てもあの滝はきれいに分岐する桑ノ木の滝とは違う。 とりあえず滝のすぐそばまで行ってみると、手書きで「ふうけつ滝」と立札が立ててあった。 車窓からはこんなふうに見えた。手書きの滝名の立札もある。 ただ、近くに行くと沢筋が見えるものの、滝そのものはまったく見えなくなってしまう。滝が流れ着く沢にはなにやらたくさん水槽のようなものがあって、全部にふたがされていて、鍵までかけられていた。水槽からは水があふれていて、水の必要なものが中に入っているようなのだが。 ふうけつ滝がよく見える場所まで戻って、少し遠望にはなるが写真に収める。 それにしても、桑ノ木の滝の場所がわからない。 そういえば、高田自然プールに自動車が止まっていて、人がいた。そこまで戻って訊くしか手がないだろう。 戻ってみると、自動車の持ち主は河原まで下りていて釣りをしていた。免許取りたてくらいの若者たちで、滝のことを訊いてもまったく知らなかった。新潟から来たと言うと「うそっ」とびっくりしていた うーむ、八方塞がり。仕方がない、もうちょっと先まで行ってみて、ダメなら諦めよう。台風の水害で川を渡る方法がなくなったのかもしれないし。 桑ノ木の滝も楽しみにしていた滝なので諦めきれないで自動車を進める。と、ふうけつ滝の水槽のところに水槽の様子を見に来ているらしい男性がいた。 桑ノ木の滝について尋ねると、もう少し先まで行くと自動車の通れない橋があるから、そこを渡って歩いて行くのだと教えてくれた。 案内看板はあるのかと尋ねたら、それは水に流されてしまった、とのこと。自動車はかつて民家があったが流された場所が更地になっているので、そこにとめればいいとのことだった。 ああ、こんな所でも台風の被害が。すぐ横に流れている高田川の水は本当に澄んでいる。信じられない気持ちである。 ついでに水槽は何のためなのか尋ねてみたら、おとり鮎の稚魚を飼っているのだそうだ。どうりで鍵がかけられているわけである。 男性に教えられたとおりに先に進んで行くと、しっかりと橋はあった。これが流されていたらアウトだったなぁ。 更地になっていると教えてくれた橋のたもとには、新しい小屋のようなものが建っていたが、人はいなくて、自動車を止めるに十分なスペースもあった。 桑ノ木橋の様子。手前が駐車した空地。 仕度をして、桑ノ木橋を渡る。橋は下が覗けるような隙間のある橋で、橋げたにたくさんの木の枝やら根っこやらがひっかかっているのが見えた。つまり、橋の位置まで水が上がっていたのだ。いや、民家が流されたってことは、橋の上を水が通過したのだ。 対岸にはたくさんお墓があるのだが、きっと被害に遭ったんだろうなぁ。 木の枝などがからまる橋。 案内看板。 橋を渡ると桑ノ木の滝という看板があり、簡単な地図が描かれてあった。徒歩15分、とある。看板に「遊歩道は山腹崩落の恐れがあるあるため、通行できません」と貼り紙がしてあった。 とはいえ、ここで諦めたら新潟からわざわざ来た意味がないではないか。とにかく行ける場所まで行ってみようと歩きだした。 お墓の横を通り過ぎると杉林になる。街灯などもあって、何の危険もなさそうな道である。3分も歩くと、右手に神社が見えた。相賀八幡神社とある。土台の一部が流されたのか、建物が斜めになっていて、立ち入り禁止の札が貼ってあった。 杉の林を進むと、「相賀八幡神社」がある。振り返る形で鳥居が見える。 神社を通り過ぎると、道が分岐していた。左に行くと吊り橋があるが、通行止めの看板が出ている。まっすぐに行く道もある。 立札がたてられていて、この先歩行困難な箇所があるので、関係者以外立ち入り禁止と書いてあった。 それに、吊り橋の方向に矢印で「桑ノ木の滝経由○○峠」(峠名が写ってませんでした)と書いてあるが。 そういえば入り口の簡単な地図にも橋を渡って滝に行くように書いてあった。しかし、橋は通行止め。行こうと思えば行けない状態ではないとは思うが。 道の分岐点。立ち入り禁止の看板と橋の前の通行止めゲート。 まっすぐ進んでも川と並行している道らしい。まっすぐに行ってみよう。 まっすぐ方向の道は杉林をぬけてすぐに山道になったが、時折崩れかかった場所もあるものの、ロープなどが渡されていて、通行するには支障のない道だった。 道はけっこう整備されていた。 帰り道に撮影。崩れていてもロープが渡されている。 10分も登りかげんで歩いて行くと、見落としてしまいそうなほど苔むした案内が左手下に転がっていた。うわ〜、不気味。 壊れて落ちた滝名の看板。小さいです。 この下が滝というのは明白なのだが、下れるのか。 下れた。 一応、ちゃんとした道はあった。 ただし、ほとんど利用する人もいない状態で、荒れ放題。滝の周辺特有の湿った感じの土なので、滑るのが怖くてかなり慎重に下って行く。5分ほど下ると、滝の横顔を見ながら滝前に出ることができた。 滝に向かって下る。 うわぁ。なんて綺麗な滝なんだろう。 午前中の光が滝の上から差し込んで、神々しくさえ見える。滝の周りを新緑が彩って、こんなに綺麗な風景を見ちゃっていいんだろうか、という気分になってしまった。これは斜めになった八幡様の神様だけが見られる風景なんじゃなかろうか。 そのわりにさんざんあちこちから撮影して、滝を堪能した。 ふと見ると対岸、つまり滝の右岸がわにも滝名が書かれているだろう看板らしいものが見えた。 もし川が渡れたなら、帰りは対岸のルートで帰ってもいいと思って下流のほうなどを見てみたが、渡れるような場所はなかった。諦めて来た通りの道を戻る。 高田川まで戻り、橋を渡ると、我々の自動車の隣に自動車が止まっていて、初老のご夫妻が準備中だった。県外ナンバーだ。 滝まで行けますかと尋ねられたので、通行止めになっているけど、滝の左岸がわの道を進んで行けた、と答えた。もし気軽なかっこうだったら止めたが、しっかり登山の足回りだったので覚悟を感じられた。 気をつけて、とあいさつをして、我々は次の滝へと向かった。 そのC布引の滝へ |
交通 ふうけつ滝 新宮市橋本交差点で国道168号に入り、三重県に向かって北上する。しばらく走ると県道230号が左に分けるので、そちらに向かって左折。左手に高田川を見ながらしばらく走る。 すると、写真のような「高田自然プール」と書かれた看板のある広場が左手に現れる。ここから前方の山の中腹を注意してみていると、白い水の流れを発見できるだろう。安全そうな路肩に駐車して見ること。 桑ノ木の滝 ふうけつ滝よりさらに先に進む。高田川を注意して見ていると、自動車の通れない橋が渡されている。これが桑ノ木橋。我々が行った時には橋のたもとに更地があって、駐車することができた。 本文でも触れたが、水害の影響で遊歩道は通行禁止である。もし行く場合は完全に自己責任になる。滝の左岸からの遊歩道の様子は右欄のとおり。足回りをしっかりして行くべし。 滝の右岸、案内看板のコースは行っていないのでどうなっているかよくわからない。 とにかく、地盤は緩んでいるので、十分に注意して行くこと。 滝までは徒歩15分程度だ。 |