昨年、一昨年と新型コロナウィルスのために、県外には出られない状況が続いた。 一生をかけて百選の滝を制覇するつもりの我々にとって、2年もの間身動きとれない状況になっているというのは、とてつもなく辛い。 なにせ、残された時間が少ない。 山間の滝に行くには自動車を運転できる年齢でなければならないし、何より年々体力が無くなってきている。 残された百選の滝は、四国と九州、沖縄を含む離島だけなのだ。 そのコロナも今年に入って新しい変異株が流行して、爆発的な感染者数になったのだが、重症化は抑えられているために、少しずつ行動制限が緩やかになってきた。 もう県外に出てもだれも咎めたりしないし、県外からの観光客を厭う雰囲気もなくなった。 政府もこのゴールデンウィークには、行動制限をかけていない。 各自で感染予防をしっかり行えば、遠出の旅行も可能である。 しかも。 今年のGWは曜日の並びがよろしくて、お休みの少ない私の会社でさえ7連休なのだ。なんと年末年始よりも長いお休みになる。 では、滝遠征に出掛けましょうか。 最初、ほぼ未踏である九州の滝を予定していた。しかし、九州はどうしても飛行機で行く必要がある。 飛行機、GWは高いのよ。 猫を留守番させる都合上、我々が家を空けられるのは2泊3日が限度である。 ならば、航空運賃の高いGWでない3連休もしくは1日会社を休む形の週末で九州を片づけるのがよいだろう。 すると、今回は、自動車で行けるギリギリ一番長距離である四国の滝にしよう。 そう決定して、あとのプランはダンナが立ててくれた。春先、私は桜めぐりのプランで頭がいっぱいになるからだ。 で、蓋を開けたら、山から始まる四国になりましたとさ。 うそ〜ん。 1日目は移動日である。 4月30日。 とりたてて早朝出発でもなく、いつもの出勤時間よりやや早いかなといった時間に自宅を出る。 長い道のりである。 北陸自動車道、舞鶴若狭道、山陽道、等々色々な高速道路を乗り継いで瀬戸大橋に出た。 新潟からなら淡路島を通って四国入りするのが一番近いルートになるのだが、この道は大都市を突っ切るルートだ。 しかも、前回の四国遠征の時に、淡路島が関西圏の人々のリゾートアイランドであるために大渋滞することを身をもって味わっている。 あの渋滞にはハマりたくない。 と、いうことで、ちょっと遠回りに見えても、結果的には早いだろうということで、瀬戸大橋を通るルートを選択したのだ。と、ダンナの弁。 確かにコロナの影響を差し引いても、まったく渋滞はなかった。 ただし、我が家の自動車についているナビが古いせいで、開通している新しい高速道路もまだ地図に載っていない状態。つまり、そこを案内してくれないのだ。仕方が無いので助手席地図ナビであーだこーだと指示する必要があり、瀬戸大橋に出るまではちっとも気が休まらなかった。 16時15分頃に瀬戸大橋に乗り、人間ってば、とんでもないものを作り出すなぁと感動しながら次々と橋を渡る。 自動車なので5分ほどで橋を渡り切り、四国に上陸した。 この先は記憶に薄いのだが、たぶん善通寺インターで高速道路を下りて、国道32号線を南下、まだ私は行ったことのない金比羅さんをスルーして国道192号線に出て、本日の宿のある三好市に入ったのだと思う。 なぜ三好市のに宿を取ったかと言えば、これが滝ではなくて、山に登る都合だった。 滝を調べて行くうちに、ダンナがみつけてしまったのだ。リフトを使えば1時間かからずに登れてしまうお手軽日本百名山「剣山」。 すぐ近くに行くなら、登ってみたいじゃありませんか。 往復2時間。寄り道としても、おつりがくるくらいの収穫があるはずだ。 ただ、さすが百名山、ごく近くの宿はすでに満室。なんとか確保できたお手頃宿が「料理旅館勇楼」さんだった。 宿に到着したのは、午後5時半頃。長い道のりだった。 とにかく、これにて4月30日は終了である。あとはもう、寝るしかない。いよいよ明日から滝めぐりだぞ。 瀬戸大橋。次々とんでもない造形が連続する。島だ、島だ、ドックだ、煙だ、火事かと思ったら火力発電所だ。 かなり楽しめた。 「勇楼」さん。老ご夫婦で営まれている、いわゆる民宿。ほぼ学生合宿所。 でも、宿泊料のわりには料理は美味しかったです。つるぎ町の半田そうめんなども食べさせてもらいましたよ。 5月1日。 宿の方に朝食をお弁当にしてもらって、午前7時前に宿を出発。剣山を目指す。 ナビに案内してもらったら、なんと、うちのわがままナビは、絶対にその道じゃないだろう、という剣山に向かう国道438号と川を挟んで並行する道を案内した。方向は合っているのは、ナビの地図画面からも分かる。いずれ国道に出る道を案内するだろう、と、そのまま進んだら、観光名所なのか「二層卯田建」の街並みだった。これを見せたかったんか、ナビ。いや〜、それはないだろ〜。 自動車から撮影したので分かりづらいと思うが、二層卯建の街並みです。 結局橋があるのはここしかない、という場所で無理やり国道に復帰。あとは1本で剣山の登山口まで行くだけである。 しかし、この1本がとんでもなかった。国道ではあるが、我々の感覚で言えば、完全に林道である。 ただひたすらうねうねと曲がりくねりながら標高を上げて、剣山の登山口である見ノ越を目指す。 だいぶ高い標高まで来たぞ。まだまだ先なのかしらん、と思ったところで、前方にちょっとした建物の一群が見えた。 見ノ越だ。 迷うこともなく、リフトの駐車場に入る。混雑しているかと思ったが、午前8時を少し回った時間ではまだまだ駐車スペースには余裕があった。 トイレに入ったり、途中のコンビニで買うつもりだった登山中の飲み物などを調達したりで、リフトに乗り込んだのは午前8時半頃だった。 |
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8時30分 百名山の登山リフトというので、もうちょっと乗り心地がいいと思っていたが、ガチガチの固い椅子の一人乗りのリフトだった。 予想以上に寒くて、予想以上に長いことガチガチの椅子に乗り続ける。 15分弱で西島駅に到着。 実はこのあたりで宿で作ってもらったお弁当を食べるつもりだったが、西島駅の近くにはベンチもなく、広々としたスペースもない。 仕方がない、いい場所まで朝食はお預けだ。 8時48分 登山開始。 |
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さすがに四国でも標高が高いので、木々はまだ芽吹いていない。 階段が整然と続いていて、まるで公園みたいだと思いながら登る。 右手の山々の頂上に、たぶん頂上ヒュッテだろう建物が見える。 うむ、あそこまで登るんだな。 |
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9時ちょうど。 前方に風が斜めになったような松が出現。 なになに、「刀かけの松」とな。 斜めの松ではなくて、横たわっている枯れ木がそれらしい。 戦に敗れた平家と安徳天皇が源氏の滅亡を祈願するために剣山に宝剣を納めに行く際に、宝剣を持った従者に天皇がこの松に刀をかけて休みなさいと声をかけた、という伝説があるそうな。 松のそばにはベンチがあり、道が3つに分かれている。 一方は山頂へ。一方は修験場へ。さらに一方は大剣神社へ。 |
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ベンチがあいていたので、そこで朝食にすることにした。 民宿の御主人てづからの心づくしのおにぎりとおかず。 写真に撮るの忘れて食べちゃったわよ。失敗〜。 同じ場所には「枝折神社」と書かれた祠もあった。 |
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9時13分。 刀掛けの松を出発。 実は四国ということで、新潟とは違う花が見られると期待していた。 ところが、まだ5月になったばかりの標高千メートル超えの場所では、花らしい花は咲いていなかった。 エンゴサクとネコノメソウがちょこっと。 右はよく見つけたなぁ、という感じのオウレン。バイカオウレンかしら。 ロックガーデン的な結構な岩場を登る場所もあり、岩が苔むしている。 |
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9時24分。 山頂まで400メートルの表示。 9時28分。 大剣神社への分岐。 |
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鳥居が見えた。いよいよ山頂も近い。9時31分。 鳥居をくぐって階段をのぼって行く。 |
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鳥居の先は、剣山本宮宝蔵石神社。 神社の前に神職の方が登山者一人ひとりにおはようございますと挨拶していた。 まっすぐ進むと、山頂ヒュッテになる。 山頂へは、鳥居とヒュッテの間の道に進むのだが、分からずにヒュッテ前まで歩いて行くと、展望板があった。 9時32分。 |
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瀬戸内海や小豆島、淡路島まで見えるらしいが、この日は真っ白で何も見えなかった。 |
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ヒュッテと神社の間の狭い階段をのぼって行く。 と、ものすごく開けた場所に出た。 山頂の一角である。 |
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まっすぐに木道を進むと真新しいエコトイレがある。 右に曲がり加減でさらに木道を進んで行く。 |
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途中に昭和36年の登山大会記念ケルンや二度見展望所へ行くという道が分かれていたりする。。 この道もリフトに通じているが、少し大回りなので、今回はパス。 |
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9時39分。 山頂到着。 真ん中に小さな土俵みたいなものがあり、それが三角点。 一緒に記念写真も撮りづらいなぁ。 |
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三角点をぐるっと木道が囲っていて、一番遠いがわが「ジロウギュウ」と呼ばれる峰への道。 笹が揺れていて、見事な稜線だ。 三角点の近くにはちゃんと銘碑もある。「剣山山頂」と書かれている。 |
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宿のお母さんに特産という「はっさく」の皮をむいたのを持たせてもらっていたので、山頂広場の一角のテラスみたいな場所に陣取って食べた。 思ったよりも寒くなく、ジロウギュウのなだらかな緑が美しかった。 9時57分。下山開始。 神社の裏手に岩があるのを見ながら、木道を下りヒュッテに出て、階段を下って鳥居をくぐる。 |
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9時59分。 来た道と大剣神社への道の分岐。 下山は大剣神社経由で西島駅に向かう。 |
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10時08分。 笹ばかりだった風景の前方に何やら不思議な岩が出現する。巨大な角みたいだ。 | |
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その角のほうに下って行くと、神社になった。 10時11分。 大剣神社到着。 パンフレットによると、あの角のような巨岩は、「お塔石」というらしい。 神社の背後にそびえたち、こちらから見るとニワトリのトサカみたいに見える。 ここから刀掛けの松方向と日本名水百選の御神水に行く方向、そして西島駅に行く方向に道が分かれている。 名水百選には心惹かれたが、時間もあるので、まっすぐ西島駅を目指す。 |
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それまで笹だらけだった風景が岩と苔の斜面をへつって歩く道に変わった。 苔の中に白い小さな花をみつけた。 シロバナネコノメソウだそうだ。 |
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10時25分。 小さな鳥居をくぐり、少し歩くとまた鳥居。こちらの鳥居が西島駅の近くの鳥居だ。 10時31分。 リフト西島駅到着。 |
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すぐに下りのリフトに乗る。 登りの時は感じなかったが、このリフト、意外に急勾配だ。 下りのほうが怖かった。 リフトからオオカメノキみたいな花を眺めつつ、見ノ越に戻る。 トイレに行ったりして、次の目的地をナビに入れて出発したのは、午前11時少し前。 午前中に百名山登ってしまったぞ。 順調だぞ、四国の旅。 と、思っていたのは、ここまでだった。 この後、四国の国道の恐ろしさを体感することになりましたとさ。 |