2025年氷瀑を求めてA
棚下不動滝、赤城の小滝の氷瀑





赤城の小滝氷瀑
かなり上の段まで崩れずにいてくれている。
ただ、小滝の本流部分は完全に現れていた。


谷に下りる尾根から見えた小滝氷瀑。


左岸がわから撮影。
氷瀑というより氷壁。


黒い部分が小滝の本流。
水流もだいぶ目だっていた。


右岸から谷の上を見上げる。


水流の脇にはかわいいクラゲたち。


フリルみたいな氷の芸術。






棚下不動滝(雄滝)
今年一発目の百選の滝。
なんだか水がふわっとしている。



下から見上げると、かなり広がって落ちている。


青空だったんだけどね。
ほぼ日陰です。


裏見のあたりの社は、
綺麗に飾られていた。


滝壺。


裏見。
手すりにちょっとだけツララがあった。


裏から見た図。


滝壺の岩もちょっとだけ白く凍っている。


滝壺まで行ける。



棚下不動滝(雌滝)
ほぼ水が無かった。
この図を初見の人は滝と思わないだろうなぁ。



雄滝への遊歩道から見た雌滝。
シミのような滝が分かるかな?
 
2025/1/12  棚下不動滝 雄滝(24M) 雌滝(40M) 群馬県渋川市
           赤城の小滝の氷瀑 群馬県前橋市

2025年の滝初めは長野県の乗鞍高原に行って凍れる善五郎の滝を訪問した。
翌週は三連休ということもあってもう少し歩く場所を予定していたのだが、今一つ私の体調がよくなかった。
長い時間や大変なアップダウンのある場所の歩行は避けたい。
でも、冬ならではの風景は見たい。
と、いうことで、そんなに歩かなくても氷瀑を見ることができる赤城に行くことにした。
赤城の小滝。
ここには一昨年に来たことがある。
さすがに標高の高い場所にある滝で、カチコチに凍っている沼の上を歩いて行くことができる。
つまり、平坦な道、というイメージしか私の脳内には残っていない。
あそこなら、スノーシューでなくても行けるし、そんなに大変な道のりではないし、行けると思うよ。
と、ものすごく安直に赤城に行くことに決めてしまった。
体調がやや回復した日曜日、午前7時過ぎに自宅を出発。
数日前に降った雪が残る新潟ではあったが、週末は暖かい日になって、道路状況は良好だ。

さすがに赤城山も大沼の近くになると道路が凍結していて多少怖かったが、新しい冬タイヤだったので、少しは安全だ。
途中で慣れないチェーンを巻くのに苦労している自動車などを見かけながら、それでもゆっくり進む。
午前10時過ぎには小沼の駐車場に到着した。
意外にも小沼の駐車場は一昨年よりも自動車の数は少なかった。
関東に低気圧が近づいていて、雪の予報が出ていたからかもしれない。
赤城の空も薄曇りで、真っ青な青空というわけにはいかない状態だ。
余裕で駐車して、支度をする。
さて、小沼だ。
この小沼を渡って赤城の小滝に行く。
昨年よりも上を歩いている人が少なくて、なんだかちょっと怖い。
もしかして、凍っていないんじゃないの、と思ってしまう。
事実、歩いて行くと、バリバリっといや〜な音がした。
ここここ、怖いよぉ。
いや、割れないんだけどさ。
どうも、厚い氷の上にちょっとだけ浮いて薄い氷が張っている感じの状況だったらしく、そんな場所に立つとバリバリっと音がする。
分かったとしても、やっぱりバリっと音がするだけで心臓がぎゅっとなるくらい怖い。
アイスバブルを撮影したり、雪の上の風紋を撮影したり、こわごわ歩きながら、渡り切った。
一昨年にとったルートと同じく小さな鳥居の場所で上陸し、林道に出る。

  
  晴れる予報だったけど、薄曇りの赤城。小沼到着。

  
  アイスバブル。雪が多くて、見える場所が少なかった。

  
  アイスバブルのアップ。

  
  シュカブラ。雪が風によって文様をつけられている。

  
  沼を渡って、遊歩道へ。

  
  枯れ木にキノコがみしっとついていた。

長七郎山への分岐から林の中に突入。しっかりとした踏み跡がついている。
すぐに男性とすれ違った。
実はこの道でよかったのか、少し不安だったので、ダンナが「凍ってましたか?」と尋ねた。
「凍っていますが、水も流れてました。ただ、たくさん人がいて、30人くらいいました」との答え。
よし、この道で合っている。
ってか、30人もあの滝前にいるのか。
一昨年よりも駐車している自動車が少なかったので、静かに氷瀑を見られるんじゃないかと思っていたけど。
とにかく、先に進む。
と、次々に人とすれ違った。
スノーシューをはいている人もけっこう見かける。
しかし、林の中ってこんなに下ったっけか?
というくらい、けっこうな角度で下って行く。
これは、帰り道はものすごい登りになるのか?
そんな記憶、無いぞ。
相変わらず、辛い記憶はすぐに忘れる私だ。
と、分岐で立ち止まっている人が「氷瀑はどっちですか」と尋ねてきた。
もはや谷沿いまで来ていたので、谷がわに進む道しか選択肢はないのだが、それでもたくさん踏み跡があると迷ってしまうのだ。初めてなら仕方がない。
「たぶん、こっちです」
と、実はやや忘れかけている我々も他人事ではない。
でも、示した方向からたくさん人が戻って来るので間違いないだろう。
さくさく進む。
あ、氷瀑が見えるぞ。
今までたくさん人にすれ違ったから、30人いるという滝前の人数はだいぶ減っているように見えた。

  
  林が途切れた場所から見える小滝氷瀑。

いよいよ尾根に沿って谷に下る場所まで出た。
一昨年は急降下する道しかなかったように思ったが、女坂とも言える多少迂回するちょっとだけ緩やかな道ができていた。
ありがたくそれを利用させてもらって、下って行く。

  
  実は「小滝」という滝名の看板が尾根道に入った場所にあった。

さあ、小滝の前に出た。
10人に満たないくらいの人が氷瀑を見上げている。
うーむ、確かに完全に凍り付いてはいないけど、かなり高い部分まで氷がしっかりとついている。
氷の厚さとしては2023年に行った時よりもないかもしれないが、崩れ落ちている部分は少ない。
(2023年のレポはこちら)
滝前をあちこち歩いてあらゆる角度から滝を堪能した。

  
  今年はキティの雪ダルマがありましたよ。

本当は滝前でお昼を食べるつもりでいたが、今一ついい場所がなく、小沼のほとりのベンチで食べることにして戻る。
ああ、思った通り、帰りは登りが辛い。
谷から這いあがり、林の中に入っても地味に登る。
どうしてアップダウンが少ない道だなんて記憶していたのかなぁ。沼の氷のイメージしか無くなっていたのかなぁ。
真冬だというのに、じっとりと汗をかきながらようやっと小沼のほとりに来た。
が、目当てにしていたベンチには先客が。みんな同じことを考えるんだなぁ。
仕方がないので沼を渡り始める。
来る時よりもたくさんの人が沼の上にいた。
いよいよ沼を渡り切るあたりで、沼のほとりで休んでいたらしい人が支度をして立ち去るのを見てとり、ベンチがあるだろうとそちにら行ってみた。
行ってみたら、ほぼ雪に埋まったベンチ。
ま、何もないよりマシなのでそこでカップラーメンとおにぎりのお昼にした。

  
  帰り道。

  
  ようやく青空が見えて来た。

  
  雪上ランチ。

群馬県でも比較的新潟から近い赤城なので、思ったよりも早く駐車場に戻ることができた。
ならば、一昨年同様、帰りには棚下不動滝に立ち寄って行きましょう。
赤城と棚下不動滝は同じ赤城インターチェンジを利用する位置関係なのだ。
午後2時前には棚下不動滝の駐車場まで来た。
が、あれ?なんだかいつもと様子が違うぞ。
いつもこの駐車場には自動車が1台か2台しかないのに、4、5台とまっている。
ギリギリとまではいかないが、我々の駐車するスペースはあるものの、そんなに人気のある滝でもなかろうに。
と、自動車の中から、何か白装束に見えるものを着ている人が出てきた。
わっ、滝行か。
そうか、今日は何かの神事の日だったのか。
でも、せっかく来たから神事の邪魔しないように帰るワケにはいかない。
道を渡った巨石の不動様の近くの駐車スペースにはマイクロバスがとまっていて、そこにも何人も人がいるようだった。
神事が始まる前にさっさと見てしまうか。
いや、滝行が見られるかもしれないぞ。
なーんて思いながら滝に向かって歩き出す。
滝の下流の神社までくると、20人近い人がいて、神社に向かってなにやら祈っているようだった。
ホントに滝行だ。
邪魔しないようにそそくさと遊歩道を登って行く。
と、あれれ、何やら滝から声が聞こえるぞ。
先行隊がすでに滝行をはじめているのか?
いや〜。
滝のすぐそばまで行くと、どうやら若い男の子数名が滝で遊んでいるらしかった。
うん、あれは遊んでいるのだ。
しっかり水着姿ではあるが、気力と根性だけで滝に当たりに行っている。
そして、獣みたいに大声を出している。
さてさて、下には信者らしい人もいるんだけどな。

  
  滝の裏に行く。
  滝に打たれている若者たちの画像はあえて乗せませんです。


仕方がないので、我々は観光客として滝を撮影しつつ、彼らに近づき、下のほうでたくさん人が滝に打たれる準備をしていたよ、と教えてあげた。
わかったのかわからないのか、彼らは我々が滝を去る間にもさらに滝に打たれていた。
まあ、単独ではなく打たれているので、落石でもあった時には連絡する人もいるだろうが、遊びで滝行はやめといたほうがいいと思う。
命に関わる大事故になる可能性もあるからね。
それでも、いいなぁ若いって、と、ちょっとした羨ましさを感じながら遊歩道を下って行く。
と、神社で祈っていた一行が登って来た。
よく見ると白装束ではなくて、何か柔道着みたいなものを着ている。
一番最後にいた女性が道を譲っていた我々に挨拶してくれたので、「何かのクラブですか」と訊いてみた。
すると、「ツアーなんです。毎日やっているんですよ」との答え。
ツアーか〜いっ。
確かに神社にお祈りしたり、色々な対策や許可はとられているとは思うが、若者と大差ないじゃないか。
女性は上に人がいたかと訊いてきたので、若者が遊んでます、と答えた。
そうですか、大声が下まで聞こえてきました。と言っていた。
ううううむ、何だろうな、何というかな。
滝と触れ合うのは喜ばしいことなんだが。
滝は誰のものでも、扱い方にルールも無いのだが。
ちょっとだけしっくりいかない今日の棚下不動滝だった。

交通
赤城山 小滝 最寄りインターは関越自動車道赤城IC。
我々はナビの案内する通りに、からっ風街道と呼ばれる道を走り、県道4号に出て赤城山山頂方向に向かった。県道4号は大沼にぶつかるので、右折。県道70号に乗る。しばらく大沼沿いに走り、赤城山スキー場、覚満淵の入り口、ビジターセンターなどを通り過ぎ、少しすると右斜め後ろに曲がる小沼への道になる。
この先を登ると、右側に小沼の駐車場がある。
駐車場は広いが、冬季でも満車の可能性が高い。
さらに、冬季なので、ここのトイレは使えない。
ビジターセンターに立ち寄ってすませておいたほうがよい。
小滝は本文で案内したとおり、小沼を右周りに歩いて、長七郎山に登るコースへと入る。
途中、長七郎山は左に曲がる案内標識があるが、そこを直進。踏み跡なりにしばらく(私の足で10分ほど)歩いて行くと、右下を見通せる場所があり、そこから見える。
滝前に行くにはそこからちょっとだけ歩き、下る道がある。
ただ、降雪時などは踏み跡が見えなくなったりするので、初めて行く人はだれかに案内してもらったほうが無難だ。
スノーシューではなくて、長靴でもまったく問題は無かった。

棚下不動滝 同じく最寄りインターは関越自動車道赤城IC。
県255号で行くのが一番近いが、ちょっと込み入るので注意が必要。
インターから国道17号線方向に下って、セブンイレブンのある角を右に曲がると県道255号だ。住宅街を走ったり駅前までの道が分かれていたりして、すこしごちゃごちゃしているが、利根川が見えれば大丈夫。
あとは右は崖、左は利根川の細い道を進み、トンネルを通り抜けたらすぐ左手に駐車スペースがある。
滝へは、鳥居がわから坂を登り5分ほどで神社とトイレ。登山道的な道を5分ほど登って滝前である。スニーカー程度でも十分だ。

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