2025年氷瀑を求めてB
仙人の滝 不動滝





仙人の滝
見事なまでの氷の宮殿である。
ってか、シャンデリアか?
現地ではもうちょっと青みがかって見えた。



ちゃんと看板もありますよ。



大きさ比較。
滝の前に立つダンナ。



大きさ比較の2。
赤丸の中にダンナ。



滝壺。
ってか、氷。



氷の造形。



意外とクラゲ型の氷がない。



この二枚貝みたいな形がけっこうある。





不動の滝
不動大橋の上のビューポイントより撮影。
ここからだと上の段がよく見える。
三段というからには、
さらに上があるのだろう。



これは河原湯不動堂のあたりから撮影。
一番下の段しか見えないが、
滝壺から下流の流れがよく見える。



大きさ比較。
というか、ビューポイントはここです。
橋が終わったあたりに不動堂がある。



ビューポイントから見えた一番上。
凍ってますな。



段の部分。
いい感じに凍っている。



滝壺。
凍っては落ちて、氷が山になっている。




2025/2/1  仙人の滝 (落差45m) 群馬県中之条町
           不動の滝 (落差90m) 群馬県長野原町

2025年の冬は気温がそれほど下らずに、滝もあまり凍らないでいた。
それでも、1月に2回氷瀑に行くことができ、意外に順調な滝巡りである。
2月に入り次はどこに行こうかとあれこれ検索してみたが、有名な氷瀑はどこもまだ中途半端な凍り具合だ。
ならば、行ったことのない滝に行きたいと思った。
群馬県中之条町の仙人の滝には、以前ダンナは行ったことがあるのだが、私は未訪のままだった。
中之条町であれば、群馬県の中でも我が家からは近いほうの地域である。
万が一滝が凍っていなくても、痛手もそれほどではない。
と、いうことで、2月1日、午前7時を回ったあたりで自宅を出発。
ここ数日、新潟では雪が降り、高速道路はどんな状況か心配だったが、速度制限は出ていたものの綺麗に除雪されていて走行に心配はなかった。
ただ、谷川岳PAで全車タイヤ確認をした際に除雪車軍団につかまって、多少の時間ロスをしたくらいである。
昨年末、十二ケ岳に登山に行った時と同じルートで月夜野インターで下りて、県道36号を経て国道145号に出る。我が家の特性として、短期間に同じ方向に行く傾向があるのだが、今回もその通りになった。
仙人の滝は、仙人窟という洞窟に向かう道の途中にある。
ダンナの話によれば、それほどアップダウンはなく、ちょっと距離はあるけど体力はいらないコースだ、とのこと。
私としてはそれを真に受けて、ジーンズに簡単なコサッシュだけという恰好で、せいぜい氷瀑だからとピンつきの長靴だけの装備だった。
仙人窟にはスマホのナビに案内してもらう。
行ったことがあるとはいえ、ダンナも案内してくれる人についていっただけなので、今一つしっかりとした記憶はないのである。
この道を曲がって・・・
あれ、前はこのあたりで駐車したはずだ、という場所よりもずっと先まで道は続いている。
それもそうなのである。
ダンナが来た時には国道から曲がったあたりからすでに積雪していて、自動車では登れないくらいになっていたのだ。
我々が行った日は全く積雪がなく、林道を楽々通ることができた。
さて、どこまで行けるのだ?
ずんずん進むと、路肩に1台自動車が止まっていた。
そして、そのすぐそばに「仙人くつ遊歩道入り口」という案内が立っていた。
ここじゃん。
駐車スペースらしい場所はない。
もう少し進んでみると、ゲートがあって開いていた。
ので、さらに進むと何やら綺麗な建物が建っていたが、どうも私有地らしかったのでUターン。
結局さっき自動車がとまっていた場所のわずかなスペースに駐車する。
先客は、只今支度中の我々よりもちょっとだけ先輩のご夫婦らしい2人だ。
「仙人窟ですか」
と、声をかけると、
「そうです。どこでここのことを知りましたか?」
と逆に訊かれてしまった。
ダンナが前にも来たことがあると答える。
先客の二人は軽アイゼンの装着方法などを確認しているらしかったので、長靴だけの我々はさっさと出発した。
ほぼ午前10時の出発。
この時点で、まだ私は散歩くらいで到着するんだと信じている。
以下、写真とともにご覧ください。

    
  遊歩道入り口は左手に行く。この道をまっ直ぐ行くと、たぶん介護施設らしい建物。

    
  遊歩道に入ると杉林。なだらかに登って行く。

    
  途中、ほぼ消えかけた眺望の案内図があるが、ここからは杉林しか見えない。
  しかも、向いている方向もワケがわからない。10時11分。
  そこから2分で仙人窟まで1103メートルの看板。

    
  すぐに退避スペースのような場所。
  ここまでなら軽トラでも来られそうな道だったが、この先はほぼ登山道になる。
  仙人窟まで1100メートルの案内。
  10時16分 杉林からブナの林に変化する。
  道が落ち葉で覆われている。とんでもない急斜面の道になる。
  おいおい、散歩じゃなかったのか。なんだこの坂道。

    
  10時20分 ベンチ。 ダンナが座っている。
  すぐそばに灰皿が設置されていて、そこに山火事注意と書かれているのだが。
  そもそもこのカッサカサの落ち葉の真ん中でタバコはダメでしょ〜。
  10時22分 あずまや。 なんか、田舎のバス停みたいなあずまやだ。

    
  あずまやの先も信じられない急斜面の落ち葉の道になる。
  途中、仙人窟までの距離が書かれているはずなのだが、読めない。
  あ、ベンチ。10時27分。ここにも山火事注意の灰皿。

    
  道は再び杉林になる。
  このあたりは霜柱が落ち葉の下に隠れていて、グズグズとしていて歩きづらい。
  時々倒木なんかもあったりして。

    
  10時39分、またベンチと灰皿。
  そしてすぐに仙人の滝への分岐になった。
  まっすぐに行くと仙人窟になる。
  我々はまず仙人の滝に向かうことにした。
  ので、右折。

    
  右折するといきなり景色が白くなった。
  北斜面ということか。
  左手が落ち込んだ斜面をジグザグに下って行く道だ。
  厳冬期の氷結している時などは滑り落ちるのが怖いかもしれない。
  我々はピン付きの長靴なので、比較的安全に下ることができた。

    
  谷の底のほうに凍った滝が見える。どんどん近づいて来る。
  10時46分 滝前に到着。

滝は思っていた以上に凍っていてくれた。
流れいている部分もあることはあるのだが、積雪がない分、氷の透明な感じが全体的に見えて、とても綺麗だった。
なにせ、知識が全くないままここに来た私は、これほど大きな滝とは思っていなかったので、感激も一塩だ。
だれもいない滝前で、あちこち動きながら滝を撮影する。
しかし、大きな滝の全容を撮影できる場所がなかなかなかった。
なんか、木が多いのだ。
どうしても木に邪魔されて見通せない感じである。
この斜面のどこかの対岸に滝見台でもないかなぁ、などと思ってしまった。
それほどに見事な氷の宮殿だ。
来れてよかったなぁ。

さて、実は仙人窟という洞窟には氷筍ができるという。
下調べの段階では、まだ今年は氷筍はできていないらしい。
それでも確認のため行ってみることにした。
滝への分岐まで戻り、今度は仙人窟へと進む。

    
  11時ちょうど。仙人窟への道は再びやや暗い杉林に突入する。
  すごい大岩がゴロっと落ちている。

    
  その岩を回り込むと、小川を跨ぐ。
  この小川は仙人の滝へと通じている。
  このあたりにはピョンピョンした霜柱が多かった。

    
  また大岩の脇を歩く。その左手に仙人の滝の落ち口が見える。

    
  仙人窟への距離看板と、また眺望の看板。11時05分。
  この位置からの眺望がたぶん正解なんだろうなぁ。
  どれが赤城山かよく分からなかったが、どうやら昨年末に登った十二ケ岳も見えるらしい。

    
  眺望の看板からすぐに急降下の道になる。
  ほぼハシゴの階段を下って行く。
  下りきるとすぐに仙人窟だ。

    
  これ、仙人窟ね。11時08分。
  想像どおり氷筍はまったくなかった。
  右は中から表側を見た図。

  
  仙人窟という看板もある。つららっぽい氷はあったけどね。

仙人窟には先客のご夫妻が来ていて、記念写真などを撮影していた。
彼らは先にこっちのほうに来て、あとから滝に向かうらしい。
ずっと奥まで行ってみたけど、氷筍はなかった、と言っていた。
確かに洞窟の奥のほうに矢印などがついていて、見える範囲よりずっと先まで行けそうだったのだが、立って歩ける穴ではなかったし、明かりももっていなかったので行かない。
一説には新潟県まで通じている穴だとかいうから、不用意に入ったら危ないだろう。
滝までの分岐に戻ると、先客のご夫妻が軽アイゼンを装着中だった。
うむ、そのほうが安心安全だ。
それでは、と挨拶して、我々は戻る。
お腹もすいたので、どこかでお昼を食べよう。
ダンナが以前来た時には道の駅八ッ場でご飯にしたのだ、と言うので、そちらに向かう。
私としてはここに来る途中に四万温泉が近いと分かったので、四万温泉の滝に立ち寄って帰ろうと提案していた。八ッ場って、そっちの方角なのかしらん。
ナビに案内してもらって道を進む。
暮坂峠を通って、旧大子駅を通って・・・ん?ん、ん、ん?
とんでもなくぐるーっと回って山の反対側に来た感じだ。
こりゃ、四万温泉からはかなり離れてしまったぞ。
仕方がない。なにせ我々には群馬県の地図は頭の中にない。
道の駅でダムカレーなどを食べて、さあこれからどうしよう。
四万温泉の案はナシ。
道の駅の案内で地図を見てみたら、おや、近くに滝があるじゃないの。
ここなら行けるんじゃないの?
と、見つけたのが不動の滝である。
案内地図では不動大橋のすぐそばにあるらしい。
たぷん、そんなに立派な滝じゃないだろうけど、ま、近いし、という感じで行ってみた。
不動大橋を渡ると、右手に河原湯不動堂という祠があり、そのそばに頑張れば3台くらい駐車できるスペースがある。
この日はまったく自動車が止まっていなかったので、楽々駐車。
そこから覗いてみると、あったあった、滝があった。
末広がりに落ちている滝がなんと凍っていた。
ラッキー、氷瀑じゃんっ。
もうちょっとよく見えないかと橋を戻る感じで歩いて行くと、ご丁寧に「不動の滝ビューポイント、ここです」という案内があった。
見てみると、さっき見えたのは一番下の段で、もっと上のほうから流れ落ちている滝だと分かった。
おお、すごいぞ。
高い位置から二段になって落ちる滝が凍り付いている。
あとで調べたら正確には三段の滝で、なんと落差90mもあるという。
まったく期待していなかっただけに、これは驚きの大収穫だった。
四万温泉の滝に行くよりずっといいもの見れた気がする。
ほくほくの気分になれた。
さあ、新潟の雪と道路が心配だ。
予定より多少早いが家に帰るか。
今回は散歩だと思ってたのに結構な登山だったが、晴れた青空と予定外の拾い物でお得な気分の滝巡りになった。

    
 
 河原湯不動堂。八ッ場ダム建設にあたり、この位置に移設されたそうです。
  右は子守の松。枝にミツバツツジが宿っているので子守の松とか。
  冬場なので、ミツバツツジがわかりづらいわね。


  
  ご丁寧なビューポイントの案内。確かに一番よく見えた。

  
  
このずっと下流が八ッ場ダム。

なんと、不動の滝に訪れたのは今回が初めてではないことが判明した。
2005年にまだ八ッ場ダムができる前の河原湯温泉に来ていて、ダムに沈んでしまった足湯などに立ち寄っている。
あまりの変化にさっぱり分からなかった。
当時のレポはこちらから。


 交通
仙人の滝 我々は新潟からだったので、最寄りインターは関越自動車道月夜野IC。
本文にもあるように、県道35号を経て国道145号に出て、中之条町を目指す。
国道145号は中之条町で国道353号と交差する。ここは右折で国道353号に入り、とれあえず四万温泉を目指す。
145号のまま進んでしまうと別方向に行くので注意。
ずっとまっすぐ行くと四万温泉なのだが、途中で左に県道55号が分かれる。ここで県道のほうに行く。
次に目指すのは沢渡温泉である。
沢渡温泉を通り過ぎ、さらに県道55号を進む。
ここからは注意深く右側を見ていて欲しい。
天然木に屋根がついたような「美ら寿」と書かれた看板がある。
この看板がある林道へと右折する。
あとは林道が途切れるまで進むと介護施設らしい建物に突き当たる。
そのちょっと手前の左側に「仙人つく遊歩道入り口」という看板が立っている。
看板のそばの路肩がやや広くなっているので、そこに駐車できるが、舗装されていない場所なので、安全を確認してから駐車するように。
滝までは、とんでもない急斜面の道を我々の足で約45分。
仙人窟までは分岐より約10分。
雪がない時は、遊歩道は登山の装備がよいと思う。
また滝に下る道は、凍結時にそなえて、滑り止めは必需である。
なお、群馬県には他にも仙人窟があるので、中之条町の仙人窟であることを確認してナビに入れよう。


不動の滝
  これはもう、ナビに道の駅八ッ場ダムと入れてください。
上の仙人の滝の案内の中之条町で国道145号と国道353号の交差で国道353号に進むように書いたが、こちらは国道145号のほうに進む。
道の駅吾妻峡を通り越してさらに先である。
で、その道の駅から見える大きな橋が不動大橋。
それを渡って右側に不動堂があり、そこから見える。
ビューポイントは不動大橋の上。

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