んがお工房の桜めぐり
2025年桜追い@
那須町周辺の桜たち
2025年の春は昨年にまして遅かった。 冬は山間部で豪雪になり、4月に入ってもまだまだ積雪のある状態である。 近隣の里山も雪割草などの開花が1週間から2週間例年より遅くなる状態だった。 そんなこんなで、我が家の桜追いも迷走していた。 というのも、ずっと当てにしていたサイトが突然閉鎖されてしまい、古木や一本桜を調べる最初のとりかかりができない状態になってしまったのだ。 あとは自力で県の指定木や市町村のサイトで名木を探すしかない。 そうでなければ、桜好きの人たちのホームページなどをつぶさに拾い、我々が好む桜を探し出すしかない。 いや、それはちょっと大変だぞ。 困り果ててはいたが、我が家から日帰りで行ける範囲はそれほど広くないので、できない作業ではない。 なんとか昨年に引き続き、栃木か茨城の桜を追ってみよう、ということにして、色々と調べてみた。 すると、なんだか那須町周辺にいい桜がありそうだ。 古木が小さい範囲にきゅっとまとまっていてくれるので、我が家から遠い栃木県でも日帰りで巡りやすい。 よし、今年の桜追いのメインは那須町周辺にしよう。 と、いうことで、ルートやら住所やらさんざん調べて準備して、予定していた3月の末の週末にそなえていたはずだった。 だというのに。 寒の戻りがありましたとさ。 これまた強烈な寒の戻りで、関東で雪が降るわ、東京の桜の満開が4月にズレこむわ。 完全に3月の桜追いの目は潰されて、4月に回すことに。 それでも、その週の開花状況を見るだに、ずっと那須町周辺の桜たちは蕾のまま。 金曜土曜となんとか気温が上がり、ま、3分咲きくらいにはなっているんじゃないか、という感じまで進んでくれた。 土曜までずっともっと咲いている場所に行こうかどうしようか迷って、山梨方面の桜まで調べ始めていたのだが。 結局、満開の山梨よりも三分咲きの那須を選んだ。 結果、この日、ネクスコ中日本のETCに不具合が生じ、山梨方面も含んだ高速道路が大渋滞したそうで。 ああ、那須にしておいてよかったよかった。 まあ、我々も東北道で事故があり、ちょっとだけ渋滞にあいましたけどね。 ともかく、雨がちな新潟を脱出し、なんとか天気が持ちそうな栃木入りしたのは、午前10時をかなり回ってからだった。 とりあえず道の駅で情報収集するのが我が家のパターンなので、一番近いとおぼしき道の駅たかねざわ元気あっぷむら行く。 行ってみたら、あれ、閉館中って書いてあるけど。 でも、別に道がふさがれているわけではないので、坂道を登って行くと、あらまあ、小振りのしだれ桜の並木道になっている。 あちこちに桜も満開状態でとにかく綺麗だ。 道の駅で今年初のお花見状態になった。 けど、道の駅のわりにシンとしていて、自動車も数台しかとまっていない。 トイレに入ったあとに建物に行ってみたら、只今経営交代のため閉館中と書いてあって中に入れなかった。 もちろん、物販などもない。 道の駅もなかなか大変らしい。 でも、広い庭のようなスペースもあり、たくさんの桜が咲き乱れていて、ここは静かな穴場なんじゃなかろうか。 道の駅としての立地はちょっとどうかとも思うが、桜の時期はただ桜を目当てに行ってもいいと思う。 地元の方が、犬の散歩やウォーキングなどで利用しているようだった。 宿泊もできたらしい建物。建物に向かう坂道はしだれ桜並木。 綺麗な八重の紅枝垂れ桜。 小高い場所にあるので、裏手からは桜越しに町を見下ろせる。 |
西山辰街道の大桜 市指定天然記念物。 とちぎ名木百選。 樹齢約350年の山桜。 その昔、八幡太郎義家が奥州征伐の際に この場で人馬を休めたさいに 桜の鞭を差したものが根付いた との言い伝えがあり、 「義家桜」とも呼ばれている。 なんとか咲いていてくれた花。 山桜だけあって、 赤い葉っぱが出ている。 幹。 とちぎ名木百選のプレートがある。 幹の真ん中は、 なんだかもう土になっているように見えた。 反対側の幹。 1本の木なのだが、 何本もよじれているように見える。 反対側から撮影。 つまり、三叉路の奥側から撮影。 右端にダンナが立っている。 けっこう大きな木だ。 しかし、生命力は旺盛かも。 切られて穴の開いた枝の その穴の中からさらに新しい枝を出していた。 ただし、この木の枝かどうかは不明。 |
4月6日 思わぬ寄り道のお花見になったが、いよいよここからが我が家の2025年の桜追いの始まりである。 まず向かうのは、西山辰街道の大桜だ。 この桜は県道176号沿いにあるらしいと調べていたので、簡単に見つかると思っていた。 が、見つかりませんでしたね、はい。 県道よりも少しだけ北に入った小路の三叉路にありました。 こいつが宇都宮市街がわから県道を走った場合とても分かりづらい小道で、反対側、つまり那須烏山市街がわから宇都宮市街に向かった場合のほうがずっと分かりやすい入り口だった。 左側に酪農栃木ふれあい牧場の看板のある道があるのだが、それの向かい側の右側の道になる。 宇都宮市街から向かった場合は左側後方に大きく曲がる坂道である。 我々は県道の塀のような場所にあった小さな案内板を見つけて、なんとか行きつくことができた。 宇都宮がわから行く場合は、近くまで行ったら小さな案内看板が右側にあるので、本当に注意して進むといいと思う。 駐車場などはなく、道のちょっと広くなった部分に駐車する感じだ。 さて、大桜。 まだ咲き始めだった。 よく探すと咲いている場所もある、くらいの桜だ。 姿は実に立派で大きい。 小道ではあるが、三叉路の突端に道しるべのように立っている。 桜を挟んで、左右に道。三叉路だ。 近くに小さな祠などもあり、いかにも一本桜の古木然としている。 また、まわりを仕切られてはいるのだが、その足元に花ニラなどが植えられていて、地元の人に愛されている桜なのだと分かる。 足元に薄水色の花。 それがこの花ニラ。 我々が見ている間にバイクが1台、2台とやって来て、写真撮影していた。 ライダーに人気の桜かな。 駐車場などがとくにない桜などにはバイクはうってつけかもな、と思った。 |
将軍桜 市指定天然記念物。 樹齢約250年の山桜。 さくら市と那須烏山市を結ぶ古代東山道は 将軍道と呼ばれていたそうで、 この桜はその名残をとどめているという。 背の高い桜と思いきや、 実は左右に広く枝を広げている。 花。 ヤマザクラらしく、赤い葉っぱが少し見えている。 幹。 道路わきの法面のような斜面から にょっきりと出ている感じだ。 根っこがどうなっているのか、 崩れて倒れてしまわないか、 ちょっと心配な生え方である。 四方に広がる枝。 大きな木なので、細く見えがちな幹だが、 実は太い。 |
続いて向かうのは将軍桜という名前のついた桜である。 今回の桜の中では実はこの将軍桜がメインなんだろうな、と思っていた。 住所もきっちり控えて、たどり着くのは簡単だと思っていた。 たどり着けなかった。 ナビに住所を入れようとしたら、そんな地名は無い、とはねつけられた。 うそ〜ん。 あとあとよく調べてみたら、私は将軍桜はてっきり高根沢町だと思っていたのだが、那須塩原市だった。市町村が違えばそんな住所知りませんと言われても仕方がない。 そんなケアレスミスのおかげで、とにかく近くをウロウロあちこち走り回ってしまった。 最終的には、ダンナがスマホのナビを立ち上げて場所を特定。 ああ、スマホナビ、便利だったらありゃしない。 スマホに導かれて、将軍桜のもとに。 もうちょっと近くまで行けば道の端々に「将軍桜」と道案内があったのに、 主に高根沢町のほうを探していたものだから、その目印にさえも行き当たらなかったのだ。 将軍桜は那須塩原市です、はい。 山沿いの細い道を走り、さらに山に向かうもっと細い道に入り込んですぐにその桜はあった。 いつもは、桜の開花している時期であれば、そのピンクの姿で遠くからでも人を呼ぶものだ。 それを目印に探し当てることは容易なはずなのだが、この将軍桜は、山に少し入った場所にあり、まわりを他の緑の樹木で囲われていた。 つまり、遠目にはまったくピンクの花が見えないのである。 こりゃ、探し当てられないわ。 桜の正面に小道は続いていて、少しだけ走った所に空地があり、そこに駐車することができた。 すでに1台駐車していて、後からさらにもう1台。 この桜を目当てに来る人がけっこういるのだと分かった。 自動車から降りて、桜を見上げる。 大きい。 奈良平安時代の昔にあった都と東北を結ぶ道の傍らに立っていた山桜の何代目かの桜だそうで、それにしても堂々としている。 小道の脇の斜面から生えている感じの桜だが、大通りではない分、道のあちこちから見ることができる。 ちょうど同じときに桜を見ることになった男性がどちらから来られたんですか、と尋ねてきたので、新潟からだと答えると、新潟は桜はまだですね、と言われた。 そうなんですよ、今年は雪が多くて遅れています。 そんな話をするのはも桜追いの一興である。 駐車スペースから撮影。桜の大きさはこんな感じ。 ちゃんと道案内はあります。 いらぬ苦労をして、ようやく見ることができた将軍桜。 時間はそろそろお昼時である。 次の観音寺の枝垂れ桜に行く前に腹ごしらえしようか。 と、いうことで、こんどこそちゃんとした道の駅に立ち寄ろうということになった。 行ったのは、道の駅喜連川。 荒川という川を渡ってすぐがその道の駅なのだが、そうとは知らずに川沿いにとても形のいい桜があるのを発見。 あの桜は人を呼ぶ桜だね、などと話していたら、そここそが道の駅喜連川だった。 人気の施設らしい。 温泉やキャンプ場もあるらしく、自動車を入れるのも一苦労だった。 とにかく、そこで昼食。 ついでに人を呼ぶ桜も撮影しましたよ。 道の駅喜連川の川沿いの桜 樹齢などは不明。 こじんまりとしているが形と色のよい枝垂れ桜だ。 |
観音寺のしだれ桜 町天然記念物。 樹齢250年のしだれ桜。 花。ちぢれた花びらが愛らしい。 お坊さんの像などが隣にある。 |
那珂川町に入り、観音寺を探す。 これはもう、ちゃんと自動車のナビでたどり着けましたよ。 道路沿いにあるので、桜の大きな木もすぐに目にとまったし。 ちょっと入りづらい見落としがちな入り口から中に入ると、あら、自動車がけっこうとまっている。 そのわりに桜を見る人は少ない。ってか、いない。 先に入っていた自動車から女性が下りてきて、桜を撮影しはじめたので、我々もそれにならう。 自動車を下りると、観音寺の本堂から声が聞こえ、中でなにやら会合があるらしかった。 なるほど、自動車はその参加者のものか。 となると、邪魔にならないようにさっさと撮影してしまわなくては。 桜は、満開ではなくて、三分から五分咲きといった感じで、まだボリュームのある姿ではなかった。 咲き方の足りないしだれ桜はなんだかおばあちゃんに見える。 場所が観音寺というお寺なだけあって、一層華やかさに欠ける姿に見えてしまった。 きっと満開の時はもっとふっくらとしているのだと思う。 観音寺はお寺というよりは、なんだか小さな児童公園みたいな感じだった。 ちょっと小雨ぎみのお天気になってしまったので、子供の姿はなかったのだが、もしかしたらいつもは子供たちが遊んでいるのかもしれない。 近くで見上げるよりも、もう少し離れてみたいと思い、道路を渡ってさらに向かい側の道を歩いて桜を見てみた。 電線が邪魔ではあるが、こちらからの姿のほうが桜がカッコイイ。 観音寺の建物を後ろにして、はるか昔にタイムスリップさせてくれるようだった。 道を渡って撮影。 向かいの道から撮らせていただきました。 |
寺子の桜 樹齢約350年のエドヒガンザクラ。 栃木名木百選。 三分から五分咲きくらい。 坂の下のほうから撮影する姿が一番いい。 花。 けっこう大振りな花だった。 入り口(説明看板側)のほうの幹。 二股に分かれている。 反対側の幹。 苔がついて、植物が生えている。 墓地から入ってすぐの姿。 看板と木道の入り口。 木道の出口。 分かりづらい写真ですみません。 最後に日光が当たって、 にこやかに見送ってくれた。 |
続いて向かうのは、寺子の桜だ。 新潟に戻るために高速道路のインターに向かわなければならず、その道すがらにぜひ見ておきたい桜があるとしたら、この寺子の桜だった。 栃木の名木百選なのである。 ただ、あまり見栄えする木ではない、というのは予め調べていて分かっていた。ただ、存在を見ておきたいのである。 寺子というのは地名で、ナビの案内するまま走っていたら、寺子という交差点で案内終了されてしまった。 見ると、交差点の一角に寺子の一里塚という小さな公園のような場所があり、そこに駐車できるようだったが、桜の姿が無い。 ちょっとだけ自動車を走らせて、桜のピンクを探そうとしたら、すぐに案内看板があった。 寺子の桜の駐車スペースがあるらしい。 案内看板に従って坂を登るような細い道を行くとすぐに駐車スペースになった。 あらまあ、こりゃ墓参りの人のスペースなんじゃないのか。 というのも、すぐ目の前に墓が並んでいるのである。 しかし、桜もあった。 墓の向こう側、こちらがわが少し高いので、坂の下になるくらいの場所にいかにも樹齢の高い桜の木が見えた。 あれだ。 自動車を下りて、申し訳ないと思いつ墓の間を歩いて行く。 この桜も大きな道からは見えない桜だなぁ。 高台から見下ろす感じで桜が目に入る。 桜にたどり着くと、意外にもかなりきちんと保護された桜だった。 周りを木道で囲われていて、根を守っている。 ただし、その木道、ちょっと古くて怖いくらいだった。 木道に乗ってぐるりと桜を見て回れる。 古い木というのはとてもよく分かる。 木道のおかげで、心置きなく観察できる。 さらに出口から坂の下のほうまで行ってみると、こちらから見上げるほうが桜がずっと立派に見えることが分かった。 どうも主幹が折れてしまって、かなり小さくなってしまった様子だ。 今も支柱で横に伸びた枝を支えているが、折れる前はずっと大きな木だったにちがいない。 墓守としてここに立ち、現在は土地の人に守られている。 桜の下まで下りてみて、どうやらさっきの寺子交差点のそばにあった寺子の一里塚からも徒歩でここまで来れるらしいというのが分かった。 そっちからなら桜の下のほうから行けるので、墓の間を通らなくてもすむ。 駐車も楽だと思うので、オススメです。 意外と時間がかからなかったので、まだ帰路に着くには余裕がある。 ということで、桜が固まってある那須町の伊王野地区に行くことに。 そこにも道の駅があるので、立ち寄って情報収集をすることにした。 綺麗で楽しい道の駅だったわよ。 道を組み立てながら、道の駅の水車の向こう側に大きな桜の木を発見。 でも、あれは目指す桜じゃないだろうな。 まだ開花して間もないようで、私を呼ぶ声もちょっと小さいし。 今回は見送って、目指す桜のもとに行くことにしよう。 お蕎麦屋の裏に大きな木製の水車があった。 こいのぼりならぬ、鮎のぼりだそうだ。 |
武家屋敷のしだれ桜 樹齢約400年のしだれ桜。 どこをどう切り取っても電線が入る。 惜しいなぁ。 花。 枝垂れ桜のピンクが可憐。 商店街から坂を登る途中にある。 この先に歴史探訪館がある。 |
道の駅で念入りに道順を決めたわりに、実はその起点になる道の駅の場所を勘違いしていて、右往左往することになってしまった。 ま、仕方ない。 まず向かったのは、武家屋敷のしだれ桜。 お恥ずかしいことなのだが、私は桜しか頭にない。 行ってみて、あれ、この伊王野という地区はなんか歴史的な町なのかな、と思うくらいだ。 予め調べておけば、国の有形文化財があったり、国の指定名勝があったりと、せっかく行ったのだからなぜ立ち寄らないのだ、といわれてしまう状況になってしまう。 今回もそんな感じです。 武家屋敷のしだれ桜は、那須歴史探訪館のそばにある、ということだけ分かっていたので、そこの駐車場に自動車を入れればいいんだ、と思っていた。 まず、その武家屋敷に行くのに、芦野宿という古い町並みの小道に入った。 で、ちゃんと町営駐車場があった。 歴史探訪館まで行く必要はなかった。 どうも、ここは歴史好きが来る観光地らしい、というのが分かったが、なにぶん私は日本の歴史は本当に無知である。 歴史探訪館に立ち寄ろうという気持ちにさえならない。 とにかく駐車場に自動車を入れて、武家屋敷に行ってみたら、あらまあ、まだしだれ桜は咲いていなかった。 うーむ、一分咲きにもなっていない感じである。 しかも、電線がしっかり桜の枝の下を横切っているし。 武家屋敷の塀の向こう側なので、幹の感じもよく分からない。 ただ、巨大な木で、しかも、蕾もたっぷりつけているから、満開になったらさぞ見事だろう、と予想できた。 武家屋敷は門だけ、といった感じだった。 この古い門と桜の古木は相性がいいのだろうのに、どうやっても電線が入る。ああ、無粋。でも仕方ない。 桜もお武家さんも、こんな景観になるとは予想しなかっただろうなぁ。 電線は無いものとして見てください。門と桜。 |
専称寺のしだれ桜 樹齢約200年のしだれ桜。 那須の名木。 まだほんの1分咲きにもなっていなかった。 背の高い桜で、枝ぶりも立派。 満開になれば、さぞ見ごたえがあるだろう。 お寺の山門と。 花。 やっと咲いているのをみつける感じ。 こんなです。 見上げてみる。 まだ開花には遠い感じさえする。 満開が見たいものだ。 |
町営駐車場に戻って、ハタと気がつく。 あれ、次に行きたい場所って、実はさっきの道の駅の近くじゃないの。 ということは、巡る順番を間違ったわ。 失態だ。 ま、小さな地区なので、それほどの時間のロスはない。 そして、次の桜もお寺の桜なので、迷わないはずだ。 住所も分かるし。 ナビに案内してもらって行くと伊王野小学校前という交差点で、あらら、こんな細い道を進むの?という道になってしまった。 でも、ちゃんと道の端っこに専称寺→という道案内もあった。 用水沿いのほっそい道を行くと、住宅が途切れ、右手にお寺、その門の傍らに大きな桜の木があった。 お寺の向かいにはお墓参りのためのものか広い空地があり、そこに駐車可能だった。 自動車を下りて、げっと思う。 その空地のずっと向こう側に巨大な水車が見える。 道の駅じゃん〜っ。 ということは、そうだ、道の駅から見えたあの大きな桜の木こそ、桜めぐりの1本だったのである。 まだ1分ほどしか咲いていないので、呼ぶ声が小さかったのだ。 もっと開いていてくれれば、迷うことなく引き寄せられただろうのに。 ともかく、桜だ。 この桜もお墓のすぐそばにあり、全体を撮影しようとすると必ずお墓が写ってしまう。 さすがにそれはお墓に申し訳ない。 できるだけお墓が写らないように門の前やら門の中やらウロウロしながら撮影した。 このあとは伊王野小学校の桜を見てこの日の桜めぐりは終了しようと思っていた。 さっきの交差点が伊王野小学校前交差点なので、小学校はすぐそばのはず。 で、自動車に戻って、ナビに入れようとしたら、無い。 伊王野小学校という項目が無いのである。 うそーーー。 ダンナがスマホで検索してみる。 と、なんと、伊王野小学校はすでに閉校している、とのこと。 いや、だって、それだとしても、跡地とかあるはずだし。 とにかく、自動車でウロウロしてみることにした。 |
伊王野小学校の しだれ桜 樹齢約300年の枝垂れ桜。 那須の名木。 広い学校の跡地にポツンと立つ。 見目の麗しい盆栽のような桜だ。 花。 日当たりがよく開花も早いらしい。 みっしりと咲いていた。 幹。 ホントに樹齢300年かしらん、と思うくらい 細い幹である。 盆栽っぽく見える所以だ。 これ、遠景で後ろの桜の巨木と重ねてみた。 |
桜めぐりはいつだってそうだ。 小学校なんて、探すには難しいことのない場所のはずじゃないか。 だから詳しく調べないでいると、いつも大変な目に合う。 今回もそのパターンだ。 とにかく小学校前の交差点がヒントになるはずだ。 そこまで戻って、右見て、左見て。 ああああ、あったよ。 左がわのずーっと奥の突き当り。 どう見ても校門じゃないか。 そっちに自動車を進める。 校門だ、校門だ。フェンスで入れないようにはなっているが、校門に間違いない。 その校門の手前にこれまた町営駐車場まであった。 小さなスペースではあるが、公衆トイレまである。 そこに自動車をとめさせてもらい、校門の薄れてしまった文字を読む。 伊王野小学校、と読める。 もうほとんど文字は見えない。 さて、桜。 おお、広々とした跡地のずっと向こう側に盆栽みたいな桜があるぞ。 きっとあれに違いない。 校門とその奥の小さなピンクが桜の木。 さて、どうしよう。 フェンスは乗り越えられないものではなく、どちらかと言えば簡単に跨げる程度のものだ。 中に入って近寄って撮影していいものかどうか。 立ち入り禁止にはなっていないようだが。 と、見ると、地元の人らしい女性が向こう側から犬をつれて敷地内を歩いていた。 おや、犬の散歩、オッケーですか。 つまり、入っていいってことですか。 まるで許可を得たような気分になってフェンスを跨いだ。 女性も犬と桜の写真を撮ったりしていた。 綺麗ですね、などと挨拶をする。 あたりを見回すと、桜の木もいくつかあり、その中でも巨木があった。 これは咲いたら見事だろうな、という巨木だが、特に名木というプレートがついているわけではない。 かなり大きな桜の木。ヤマザクラかしらね。 さらに裏手にはお寺があり、そこの庭にも形のいい枝垂れ桜がこんもりと咲いていた。 裏のお寺のしだれ桜。桜の右の道が城跡への道。。 どうやらそのお寺の横から伊王野城跡まで行けるらしく、案内看板も立っていた。 小学校の桜からすぐに道に出る場所があり、こちらには人が入れないようなフェンスはなかったので、どうやら立ち入り禁止ではないようだ。 向かい側には伊王野体育センターなどがあり、こちらにも駐車できそうだった。 最後の最後で、廃校になった小学校の跡地に立つ桜を見たのだが、実はこの桜が今回の桜めぐりで一番のフォトジェニックだった。 広い敷地で太陽をいっぱいに浴びて、小さな子供がのびのびと遊んでいるように見える。 学校があったころには、子供たちに愛された桜なのだろう。 桜だけが残されて、その記憶を持ったまま花をほころばせている。 悲しいのか嬉しいのか、ちょっと分からない気分になった。 |