2008年春の富山
岩室の滝 





岩室の滝
落差24メートルが
見事なまでに直線に落ちている。
滝に向かって右側に大きな横穴があるが、
滝のしぶきなどで開けられたもので、
この穴から岩室の滝と呼ばれる、
と、説明板にあった。


実は大きさ比較なんですが。
写真右側やや下寄りに
階段の手すりがあるのが分かるだろうか。
その先端に青いジャケットのダンナがいる。



で、これが上のダンナの位置から撮った
滝つぼの写真。
最大近づくと、手前の岩盤が邪魔して
かえって滝が見えない。



こちらは、あずまや方向から撮影した滝つぼ。
あの直瀑を受け止めているわりに
それほど深くないように見えた。





五千僧の滝
立山の水の一部だけあって、
綺麗な水、と言いたいのだが、
道路わきということもあり、
ゴミがあったりしたのが残念。



大きさ比較。
というか滝までの距離はこんなもん。
この手すりの下をくぐり、
道路の下を通り、
水は黒部川に注ぐ。



落ち口。
もしかしたら角度を変えて
もう何段かあるかもしれない。
岩盤には、ショウジョウバカマが
咲いていた。



滝つぼ。
滝というよりは沢という感じなので、
滝つぼは浅い。

2008/4/12 岩室の滝 (落差24m)  富山県立山町
          五千僧の滝 (落差?m)  富山県宇奈月町

4月に入ると、滝の虫よりも桜の虫のほうが我々の中でうるさく鳴きはじめる。この日は、関東の桜は終わってしまって、さりとて東北の桜はまだつぼみという、桜めぐりには妙な感じの狭間の週末だった。
天気予報も全国的にイマひとつの予報で、桜をメインに考えるとどこに行っていいのやらさっぱりわからない状況だ。そんな中、比較的天候がよくて、桜が満開の地域があった。富山県である。
我々が日帰りで行けて、天気がよくて、桜があって・・・。この条件を満たしてしまったので、富山行きは決定した。
ところが、一本桜がめぐるほどの数が無いのである。よし、そうとなれば、滝とセットにいたしましょう。ついでに百選の名水も汲んでみましょう。
あっという間に日帰りではかなりハードな行程が組まれてしまった。
まず、富山に行ったら挨拶しなくちゃならないのが称名滝である。だが、この季節、雪が多くて近寄れない。
というの、分かっていた。
そう、分かっていたんだけど、一応行ってみた。
もしかして、駐車場くらいまで行けたら、雪があっても雪の上を泳いででもお姿を拝見しなくちゃなるまい、と思っていたのである。
しかし、その思いもむなしく、立山道路の料金所まででその先はゲートが閉まっていた。道路は除雪されているようだったが、歩いて行くにはまだ3キロもある場所だ。さすがにこの先の予定が詰まっていたので、そこに自動車をおいて歩いてまで称名滝に挨拶する選択はできなかった。
むなしく自動車をUターンさせ、万病に効くという名水百選の湧き水「穴の谷の霊泉」に向かう。(レポートはこちら
この時点ですでに午前11時になっている。
次はどこに行く?よし、滝だ。ということで、岩室の滝に向かった。
なにせ、下調べをよくしていないものだから、実は「穴の谷の霊泉」に行く前にこっちに寄ったほうが道順としてはよかったのに、あっちに行ったりこっちに行ったりという無駄な真似をしている。
そもそも、新潟から富山に入るまでに、お天気がいい予報だったはずなのに、一部土砂降りになったりして、最初からいや〜な出だしのドライブだったのだ。
それでも、富山に入って雨はなんとか小降りになってくれたが、期待していた青空は無い。晴れるっていうから富山にしたのに。
ともあれ、岩室の滝に到着した。
春もまだ浅いこの日に、滝を訪れる人は全くない。
自動車で滝の入り口に近づく時に桜が見えたのだが、歩き始めると桜の姿は幹だけになってしまった。花と遊歩道の間に杉があって、桜を隠している。ちょっと残念。
最初、広くてなだらかだった遊歩道は、ちょっと下ると川を右手に見ながら歩くようになる。河原に出て、それほど歩かずに岩壁が狭まり、川を渡る橋が見えるようになる。橋を渡って河の左岸に出ると岩壁に張り付くように遊歩道が続いていて、さらに先にもう一つ橋が見えた。
その橋の下にさらさらと水が落下している。
あらまあ、綺麗。
あれが岩室の滝でないのは分かる。岩室の滝はストンとした直瀑という知識はある。すると、あれは支流の滝か。
  
橋の下に水流が見えますか。
橋のたもとまで行って初めて岩室の滝が見えた。
ついさっきまでの遊歩道の開けた感じからは想像できないくらい、幽玄だ。
スッと落ちる姿は潔いのだが、一部を張り出した岩盤が覆っていて、直線の全てが見えるわけではないのである。
苔とかシダとかが生えた岩盤も滝の周辺の独特の雰囲気を演出している。
橋を渡ると、滝に向かって左側の岩盤に沿って、滝に近づく階段がある。滝の水流に触れるわけではないが、一番滝に近寄れる場所だ。
そこから橋を渡った先を振り返ると、あずまやと、橋の下から見えた支流の滝の流れの元が見えた。
  
これはこれで絵になるあずまやと支流の滝。
なんで、しかし、あそこにあずまやを立てたかなぁ。あの場所から滝がクリアに見えるわけではないのだが。
しかも、行ってみたところ、支流の流れの水がびしゃびしゃと中に入って、ぜったいに寛げるスペースではない。
それにしても、春のこの滝は山野草の宝庫だ。
特にアズマシロカネソウは本当にたくさんあった。とてもかわいらしい花が岩盤に直接生えていて、なんだか楽しい気分になった。
  
ポコポコした花がかわいいアズマシロカネソウ。

  
岩盤にはりつくようにたくさん咲いている。

  
エンレイソウも滝を見ている。
他にも、エンレイソウやミヤマカタバミ、イチゲ、スミレの仲間とどこを見ても花がたくさんだ。
春に滝を見に来る人は少ないかもしれないが、ちょっともったいない気がした。

さて、続いて、お昼を食べるためにまた上市あたりをウロウロしてしまい、時間を浪費して、慌てて桜を探しに宇奈月温泉方面に。(桜のレポはこちら
温泉に入るつもりがまだ冬季閉鎖中でいきなり予定変更を余儀なくされて、途方に暮れる。
しかし、宇奈月温泉には琴音の滝という滝がある。富山の滝をめぐっていらっしゃる滝仲間のしんこさんのサイト(Deep Breath )で2006年に遊歩道が崩落して通行止めになっているとレポされていた。2年もたっていれば、もしかしたら行けるかもしれない。
いや、2年くらいじゃどうにもなっていなかった。結局遊歩道へは入れなかった。
草木の繁っていない今なら、滝の位置からして、黒部川の対岸から沢の出合いを見つけられればそこから上流を覗き込んだら滝が見えるんじゃなかろうか、などと浅はかな想像をしてホテルの横の階段を利用して黒部川の河原まで下りてみた。
この階段がなんと108段もある階段で、下るのはいいが、登るのがヘロヘロになるくらいのものだったのだが。
結果的には、沢の出合いは分かったものの、滝なんか見えたもんじゃなかった。
仕方がなく、宇奈月温泉を後にした。
ただ、宇奈月トンネルの手前にあるお手軽滝だけはちゃんと見てきた。
五千僧の滝という。
この滝、しんこさんのレポを見なければ絶対気がつかなかっただろう滝である。なんたって、トンネルの本当に横にある。しかも覗かないとわからない程度に奥まっている。
  
宇奈月トンネルの温泉がわ入り口から見た図。滝は赤い矢印の先にある。知らなきゃ通り過ぎる。
トンネルができる前はかなり立派な滝だったのかもしれない。
滝は道の下を通って、黒部川に流れ込んでいた。
とりあえず、本日の滝の予定は終了である。本当はまま子滝というのが上市町にあったはずなのだが、順番がとっちらかってしまって行けずじまいだった。
この後、さらに桜を探してウロウロして、温泉を探してウロウロして春の一日をウロウロしっぱなしになってしまった。
せっかく富山に行ったのだから、もうちょっと計画的にしていればもっとたくさんの滝が見られたかもしれない。
まあ、隣県だから、また行くぞ、富山。
そう思いつつ、富山を後にした。
それにしても、いっこも晴れなかったなぁ。
交通
  岩室の滝  最寄ICは北陸自動車道立山IC。すすす、すみません、ぐるぐる回った上にナビまかせで行ったために、道順が説明できません〜。(←おいおい)

  五千僧の滝  最寄ICは北陸自動車道黒部IC。県道14号を経て県道13号に入り宇奈月温泉を目指す。宇奈月温泉の少し手前に宇奈月トンネルがあり、そのトンネルの温泉がわ、右欄の写真の赤い矢印の位置に滝はある。


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