2009年氷瀑を求めて@2009年氷瀑を求めてA不動滝へ
横谷渓谷の滝たち
(乙女滝、霧降の滝、王滝、おしどり隠しの滝)
 



乙女滝
見事に凍っていない。
これほど凍っていないとは思わなかった。


岩に打ち付けられる部分だけ、
申し訳程度に氷になっている。


今回は下の水路橋の所まで行ってみた。
落差30Mというのは、
下の渓流部分も含めての落差だと思うが、
ちょうど日陰になったせいもあって、
そこまで滝には見えなかった。


下から落ち口付近をズーム。
岩の感じが切れ込みに見える。



霧降の滝
凍っていないと、いよいよ赤い。
だいたいにおいて、この渋川の岩盤は赤い。
水も温泉が混じりこんでいて、
お世辞にも清流とは言えない。



屏風岩の氷瀑
一部崩れ落ちていたが、
積雪が無かった分、氷らしく見えた。


大きさ比較。
赤丸のなかにダンナがいる。


上流のほうは、ナメた感じの流れになっている。
その脇も凍りがはり付いている。


上流方向から屏風岩の氷瀑を振り返る。



王滝
ほとんど全く凍っていなかった。
その上、今回は完全に逆光の時間帯で、
撮影するのも一苦労だった。
2月10日前後の午後1時頃は、
王滝は逆光になりますぞ。


大きさ比較。
赤丸の中にダンナがいる。
上段だけで20メートルはないと
落差40メートルは無理と思うが、
そんな感じはないなぁ。


上のダンナの位置から撮影した図。
上段の横顔。


こちらは、遊歩道の突き当たりを
登ったあたりから撮影。


王滝の対岸の岩盤には
かなり立派な氷瀑ができていた。



おしどり隠しの滝
猟師に追われたおしどりが
この滝に隠れて逃げおおせたというのが
名まえの由来だそうだ。
カラフルな感じがおしどりっぽい。
一番手前の滝つぼは、
水が濁っているのでこんな色というのでなく、
人が立つと頭が沈むくらい(推測)の
水深があるため。


大きさ比較。
想像以上にスケールの大きな段瀑だ。


氷のオブジェと滝。
大自然の作った造形美と、
人間が水を撒いて作った造形美の
アンバランスがなんともおかしい。


てっぺんからヒョンヒョンと水を噴き上げている。
この水の量が氷のオブジェを作る
適量なのかもしれない。。
2009/2/7 乙女滝(30M)。霧降の滝(4M)、王滝(40M)、おしどり隠しの滝(全長50M)  長野県茅野市

2008年から2009年にかけての冬は、新潟では暖かいという印象は無いが、少雪だった。ときおりとても寒くなるので、暖冬というイメージはなかった。
だが、氷瀑を見に行こうとあちこちの情報を収集してみると、なんと有名どころの氷瀑がほとんど綺麗には凍っていないという。
ここ数年雪が少なく暖冬ではあったが、これほど氷瀑に期待できない年は今までになかった。
それでも2月になると凍った滝が見たくなる。
天気予報を調べ上げ、できるだけ氷点下の続く地方に行けば少しは凍っているかもしれない、という希望をもって出かけることにした。
調べた結果、山形に向かうよりも、群馬に向かうよりも、長野に向かったほうが寒いとわかった。長野に行くことは決まったが、どの滝にするのかが問題だった。
北相木村の大禅の滝は昨年行ったし。乗鞍の滝たちも昨年行ったし。
自動車で気楽に行ける氷瀑は数が限られている。昨年行っていない長野の氷瀑というと、あとは横谷渓谷の滝たちだろう。
ちょうど氷燈祭りというのが白樺湖で開催されている。氷のオブジェが色々な色の明かりに照らし出されている写真は魅力的だった。
よし、今年は蓼科方面に決定である。

そんなこんなで2月7日土曜日、家を出たのは午前7時過ぎだった。
蓼科は少し遠いが、あまり急いで行っても氷燈祭りの明かりが綺麗じゃない時間に行くことになってしまうので、やや遅く出たのである。
ここですでに我々は勘違いをしている。
氷燈祭りの会場は実は屋内で、常に薄暗く設定されているので、暗くならなくても充分に綺麗なのである。てっきり屋外だと思い込んでいたので、夕暮れ時に白樺湖に着くように計画を立てたのだ。
通勤割引と休日割引をめいっぱい利用して、諏訪に到着。途中、湧き水で水を調達して、午前11時には王滝を見下ろす横谷観音に着いた。
少し早めだが、ここで昼食にする。
ここにはあずまやがあるし、水も手水が出っぱなしになっている。お昼をとるのには絶好の場所なのである。
  
塗り直されて、すっかり綺麗になった横谷観音。

  
横谷観音からの眺望。王滝の部分だけ丸く明るくしてみました。遠くに中央アルプスが見える。

 
  雪で頂きが白いので、高い山がどこにあるかよくわかる。大パノラマだ。
そこまでの道のりが2006年に来たときに比べて全く雪が無かったので、少し心配だったが、展望台から見下ろした王滝は全く凍っていなかった。赤茶色い岩盤がよく見えて、白い水とのコントラストがまるでレッサーパンダみたいだなぁと思ったりして。
展望はとてもよく、遠く御岳山や北アルプスもよく見えた。
腹も満たされたので、横谷温泉まで自動車で再び国道299号線を下って行く。
2006年に来た時には、乙女滝の入り口あたりにはたくさん人がいて、横谷温泉の駐車場にもたくさん自動車が止まっていたが、今年はそれほどでもなかった。やっぱり凍っていないんだ。
下って行く道も全く雪ひとつない。落ち葉がカサカサしている。
  
遊歩道への階段。秋の風景みたいだ。
すぐに乙女滝になるのだが、滝音がざーざー聞こえていて、氷の気配さえなかった。
うーむ、乙女滝って、流れている時はこんな滝なのか。
冬の日差しをキラキラと受けて、飛び出した水が、途中から渓流状になって渋川に向かって駆け下りている。
氷瀑を期待したのだが、これはこれで仕方がないか、といった感じだった。
仕方が無いついでに、積雪があるとちょっと危険かもしれない乙女滝の下までの道に行ってみることにした。上から見ると鑑瀑台のように見える場所があるのである。
急な登山道といった感じの道を5分も下らずに、水路橋のたもとに出た。が、その水路橋は堰の管理用のもので遊歩道ではない、通行禁止とあった。
橋のたもとから上を見上げると、雑木が邪魔だったが、渓流状の滝の下の部分を経て、けっこう高い位置に落ち口が見えた。
  
水路橋のたもとから乙女滝を狙う。
橋から渋川を見てみると、そこにも氷のカーテンができている。規模は小さいが、乙女滝が凍っていないので、こっちで氷瀑を見た気になってもいいかも。
  
対岸の氷柱。

  
大きさはだいたい人の背くらい。

遊歩道に戻って、今度は温泉裏の霧降の滝をめざす。
今回乙女滝から霧降の滝まで遊歩道を歩いて気がついたのだが、横谷温泉のお風呂が見えちゃうのね、この遊歩道。あれ、源泉かなぁ、といういい色の露天風呂から湯気がもうもうと出ているのがよく見えた。
霧降の滝に着く。おやまあ、この滝ってば、本当に赤かったのね。それにしても、どうしてここだけ名まえが立派についたのか。乙女滝から歩くと、これよりもずっと立派な落差がある場所がたくさんあるのだ。霧降の滝の上流、王滝に行くまでにもこの滝の数倍の落差の場所が山ほどある。旅館に一番近いからなのかどうなのか、ちょっと疑問。
霧降の滝から旅館までの自動車も入れそうな道の脇は、おそらく人工で水を撒いて作ったのだろう氷瀑がある。木々までもが氷に飲み込まれているので、ちょっと可哀想になるのだが、水が多い分、いかにも凍っています、という感じになっている。
歩いて屏風岩の氷瀑を見に行く元気の無い人は、ここで充分だろう。
    

  恐らく人工とおぼしき氷瀑。木まで氷にうまっている。
10分ほど雪の上を歩いて行くと、屏風岩の氷瀑に着く。
一部氷が岩盤からはげて崩れ落ちている部分があったが、概ね綺麗に凍っていた。2006年に比べると、積雪のため白くなっていない分むしろ氷らしさがある気がした。
前回はここから来た道を分岐まで戻って、大きな遊歩道を王滝に向かって歩いたが、今回はそのまま渋川に沿って踏み跡があったので踏み跡をたどって行った。すると、一枚岩のあたりに出て遊歩道と合流。そこから数分で王滝の下への道と王滝展望台への道の分岐になった。
展望台への道は広いままで、雪上車か何かでならしたような感じだったが、王滝下までの道は本当に踏み跡程度になってしまった。
そういえば、2006年の時には、犬の足跡さえ逆戻りしていた橋があったのだった。今回はしっかり踏み跡があり、それほど怖くなく渡ることができた。
    
  
遊歩道にかかる2つの橋。前回よりも通りやすかった。
あの時は獣だけが通った道だっだか、今年は物好きがいたらしい。その分、かなり歩きやすかった。
が、途中、踏み跡だけの道を氷の塊が覆っている部分があった。右側の岩盤にはりついていた氷が崩落したらしい。雪崩のように岩盤の茶色が流れ落ちていて、人ほどもある氷の塊がゴロゴロ落ちている。これに当たったら死ぬだろうなぁ。
ビクビクしながらその氷を踏んで先に進む。
  
  
  氷崩落箇所。ダンナの足元のグレーに見えるのが氷。右の写真は通り過ぎたあと振り返って撮影。赤い矢印が遊歩道で、上から斜めに走っている茶色いのが崩落の跡。
午後1時少し前に、王滝に到着した。
だが、なんてこと。ちょうど王滝の真上、落ち口の本当に向こう側に太陽がある。モロ逆光だ。
上段を撮影しても、下におりて下段を含めて撮影しても、どうしても太陽が入ってしまう。これは困った。あちこち移動して、なんとか太陽の入らない場所を探した。
上から見てわかっていたことではあるが、見事に流れている。それはそれで綺麗で複雑な流れを持つ滝だと分かったんだけど、やっぱり残念。
撮影を終了して、来た道を戻る。
横谷温泉まで来ると、霧降の滝近くの人工の氷瀑を見物に来た人たちが10人ほどいた。
彼らの後ろについて駐車場に戻ると、みんな一緒のバスに乗り込んで行った。
他にも関西ナンバーの大型バスが到着して、カメラを担いだ人たちを下ろしていた。残念、今年は凍っていませんよ。
今度はおしどり隠しの滝まで行く。
王滝の展望台のほうから夏場で25分歩くとおしどり隠しの滝に着くというが、今回は渋川の反対側にある明治温泉まで自動車で行くことにした。そのすぐそばにおしどり隠しの滝があるので、ほとんど歩かないですむ。
国道299号線を少し下って、左折で湯みち街道に入り、奥蓼科温泉方面へと進む。
下った分、また登って行く感じなので、意外に遠い。どれくらい先なのかなぁと思っていると、先行していたバスが止まった。なんでこんな場所で止まるのかしらん、と思っていると、あら、まあ、駐車スペースのような場所に普通に当たり前のごとくカモシカが突っ立っているじゃありませんか。
  
剥製かと思うくらい普通にそこにいた。
バスは乗客にカモシカを見せているのかと思ったら、そうではなくて、ここから先、明治温泉に行くにはバスではちょっと無理な道になるので、ここで駐車して乗客を下ろしているらしかった。
我々は自家用車なので、林道のような細い道でも入って行ける。ただし、道は凍結している上に崖っぽいので、もし対向車が来たら怖かったかも。何十メートルでもないんだけどね。
細い道の突き当たりに明治温泉の建物があり、その隣に思った以上に規模が大きなおしどり隠しの滝があった。
写真集などでおしどり隠しの滝はよく見ていたのだが、もっと小さなものだと思っていたので感動した。
ついでに、おしどり隠しの滝の下流がわに氷のオブジェもあった。シュッシュッと吹き出る噴水みたいなものをあちこちで噴出させて凍らせているらしい。
あからさまに人工なのだが、それでも太陽の光で青く光っている氷は綺麗だった。
急な鉄製の階段を下って河原まで行くと、左手に氷のオブジェ、右手におしどり隠しの滝になる。
  
  
正面が明治温泉の建物。ちょっと下る。
    
  
右側に急な階段があり下りて行く。右が階段の上から見た氷のオブジェ。
    
  
人の背よりもかなり高いくらいの大きさで、にょきにょきいくつもある。
我々が滝や氷を撮影していると、バスから来たらしい団体さんが階段を下りて来た。交代する感じで我々は撮影をきりあげて、自動車に戻った。
ここで今日の予定が終了するのであれば、明治温泉なり別の奥蓼科温泉で入浴してもよかったのだが、このあと白樺湖に行って氷燈祭りを見るつもりなのでそのまま湯みち街道を下って行った。
         2009年氷瀑を求めてA 不動滝へ

  2006年2月の横谷渓谷の滝たちのレポはこちら
交通
  横谷渓谷  一番近いICは、中央自動車道の諏訪IC。インターを出てすぐ右折。国道20号のバイパスに乗る。次のインターというよりむしろ大きなY字交差点といった場所で国道152号方面へと左がわに進む道を選ぶ。すぐに左折。国道152号に乗る。手持ちの地図では、トンネルが有料になっていたが、我々が通った時には無料になっていた。そのまま蓼科方面に向かって直進する。やがて道は国道299号と合流する。
途中、ビーナスラインに向かう道などが分けるが、とにかく国道299号からはずれないように、蓼科、麦草峠方面へと向かって進めばよい。
かなり進んだあたりで横谷渓谷という大きな看板が出て来るので、入り口で迷うことはない。
国道から右折すると随所に乙女滝の案内がある。その通りに進むと、やや路肩が広い場所があってそこから徒歩で下るとすぐに乙女滝である。
自動車はその入り口に路駐してもいいと思うが、もう少し先の横谷温泉旅館の駐車場に駐車してもとがめられないと思う。
ちなみに、横谷温泉旅館を右に見ながら旅館の前を通り過ぎ、自動車で行ける場所まで行くと、霧降の滝である。(ただし、マイカーは駐車場まででやめたほうがよい)
我々がとったルートは、横谷渓谷遊歩道で、入り口の案内看板には王滝まで45分とあった。雪が少ない2009年で1度行ったことのある我々の足で1時間だった。
おしどり隠しの滝は、王滝の上流で、遊歩道を歩くと夏場で25分で行けると案内にあったが、我々は本文の通り、自動車で299号を下り、奥蓼科温泉に向かう湯みち街道に入って登って行き、明治温泉まで行って、徒歩3分もないくらいで滝まで行った。


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