2009年桜めぐりの滝A
夜後沢の滝、裏見の滝 



夜後沢の滝
いいお天気だったために、
滝が光輝いていて、
滝の周りが真っ暗に写ってしまった。
ほどばしる水が圧倒的だ。


上の写真はこんなふうにして撮影している。
この季節、水量が多くて、
長靴でもちょっと滝前に行けそうもない。


私のカメラだと滝がぶっとんで写る。
だが、岩盤の感じは撮影できた。
うねって侵食されているのが面白い。


どうも上にもう一段ありそうな雰囲気だ。
とはいえ、下段ほどの落差は無いだろう。


滝つぼ。
おそらく滝つぼは深いと思われる。
水が恐ろしく綺麗で、
透明そのものだった。


とってもよく晴れてましたとさ。
青空の証明をちょぴっとだけ。




裏見の滝
この写真は合成。
下にも段差があるのだが、
これを入れるとフレームに納まらない。


こちらは、武尊神社の前の遊歩道の
立ち入り禁止の看板手前で撮影。
滝が岩盤を離れている様子が
よく分かる。


で、こちらが滝見台からの滝。


滝見台の様子。
滝が一番よく見える場所は
やっぱり滝見台だろう。


右端に奥宮が見える。
昔はあそこまで人が行けた。


この滝の水もとても綺麗だ。
滝見台からでも、
滝つぼの水かとても澄んでいるのが
よくわかった。


岩盤を離れる流身。
昔の遊歩道も滝の裏側まで
つながっていたんだろうか。
行けたとしたら、かなり怖い。


滝の向かって左側には
2条の湧き水の流れが落ちている。


その手前側までは通行止めの手前なので
行くことができた。
綺麗な流れだった。


奥がわの湧き水。
岩盤からいきなり湧いている。
そこにも昔の遊歩道の手すりが見える。
2009/4/29 夜後沢の滝(7M)
          裏見の滝(80M)  群馬県みなかみ町

みどりの日の休日、群馬県片品村のオオヤマザクラ天王桜がほぼ満開になった。それを見に出かけたのだが、桜だけで群馬県を終わらせてしまうのは、もったいない話だ。群馬にはまだ見ていない、素晴らしい滝がたくさんある。
と、いうことで、今回はあまり時間も無いことなので、みなかみ町の裏見の滝に行くことにした。(桜のレポはこちら
実は、照葉峡に行こうかと考えたのだが、さすがに奥利根である。4月29日ではまだ道路が冬季通行止めだった。仕方がないので、手前の滝で諦めた。
諦めた、とはいえ、裏見の滝は素晴らしい滝だと前々から聞いていた。惜しいことに岩盤が崩落する危険があるので、裏には行けないとのことだったが、そうだとしても見てみたい滝ではある。
そんなこんなで、すっかり午後になってしまったが、奥利根へ向かう県道63号に乗った。実は、片品村から坤六峠、照葉峡を通って奈良俣ダムに出るというのが一番近道なのだが、先にも書いたように、ここはまだ通行止め区間だ。仕方が無いので、いったん国道17号まで出てから月夜野を通って水上に入った。
さて、藤原ダム上の道を通り越し、もうそろそろ裏見の滝の入口なんだけど、と思っていたら、沢の上の橋を通り過ぎた。
「お、いい滝」
とダンナが言う。
私は地図を見ていたので見落としてしまった。
「戻る?」
と訊かれたので、「戻る」と答える。
ちょうど橋のたもとに3台ほど自動車がとめられるスペースがあり、すでに2台駐車していた。山菜を採る人たちかもしれない。
見ると橋の手前のバス停に夜後沢橋とある。すると、これが夜後沢か。地図上で場所が特定できる。
ところで、ダンナがいい滝と言った光景は、見事なものだった。
  
夜後沢橋からのながめ。

  新緑が輝いている。
芽吹いたばかりの新緑と水の白が深い緑の苔と重なって陽の光にきらめいている。
群馬という土地では、これは沢であって滝ではないといわれそうだが、滝って言ってもいいのにね、などと写真を撮影した。
で、自動車に戻って、地図を広げて現在位置を特定したところ、これが夜後沢だとしたら、少し上流に大滝、という滝マークがある。あらまあ、滝があるわ。
ふと見ると、右岸に道らしいものもある。地図からしてそれほど遠くは無いようだし、しかも、道もそれほど急では無い。行ってみよう、ということになった。
進んでみると、道と見えたのは、どうやら増水時の沢の底らしかった。大きな岩が重なって一見なだらかに見えるが、けっこう歩きづらい。普通のスニーカーだったのだが、登山靴のほうが歩きやすかったかも、と思った。
10分ほど進むとそのゴロゴロした足元もなだらかになった。
右に夜後沢を見ながら、滝はどこだろうねぇと進んで行く。
それにしても、水が綺麗だ。どれもこれも、みんな滝とカウントしたくなる流れである。
  
 
  夜後沢はどこを切り取っても滝に見えてしまう。

  滝好きにはたまらない散歩道だ。
沢を撮影したり、蝶を撮影したりして、歩いて行くと、やがて道が途切れて、沢は大きく左に曲がって見えなくなった。どうもそっちに行くと滝があるらしい。水音がすごい。
よくよく探すと、細い踏み跡があった。
  
  
  最後は赤い矢印の方向に登って行く。ちょっと注意が必要。
最後の最後でちょっと危ない感じで滝前に出る。危ないと言ってもロープが必要なほどではなく、よそ見してたら沢に落ちるぞ、といった程度である。
しかも、滝前とはいえ、滝のまん前に出られるわけではない。
ちょっと身を乗り出して左がわを覗き込む感じに構えないと滝全体を見ることができない。
それにしても、雪解けの水を集めたのか、ものすごい勢いで落ちていた。これが大滝であるのには間違いなかった。なにせ、この先には道はない(笑)。 後で家で確認しなくちゃならないとは思っていたが、これが大滝で決定、と思った。
思いがけずいい滝といい沢に出会えて、ちょっと嬉しい気分になった。
ちなみに、ここでは大滝はこの滝であると確信しているが、あとで滝好きさんたちからご指摘をいただき、大滝はさらに上流にある落差20メートル以上の滝であることがわかった。大滝は、気軽に行ける滝ではなさそうである。
    
   
イチゲやハシリドコロも咲いていた。
自動車に戻って、今度こそ裏見の滝をめざす。
夜後沢橋から少し走ると、公衆トイレがあったので、そこでストップ。すると、同じく休憩していたらしい男性が地図看板を見ていた。腕章に河川管理とかかれていたので、裏見の滝への道の状況を訪ねたら、雪解けが進んでいるので、どうだろうか、との答え。どうもあまり詳しくはないらしい。とりあえずお礼を言って、先を急ぐ。
入り口が分かりづらいんじゃないかと思っていた裏見の滝だが、ものすごくよく分かる矢印看板が出ていた。武尊トンネルを出てすぐの道に入る。
そういえば、2008年の滝初めと称して無謀にもこの裏見の滝に行こうとしたことを思い出した。この道にもちゃんと来ている。あの時は、この先の集落までしか除雪していなくて、すごすごと戻ったのだ。
今回はさすがに4月も末なので、雪はもう無い。
集落は、ダムサイドの道からすぐの場所にあり、裏見の滝までは、それからさらに高度を上げる坂道のカーブが続いていた。よくもまあ、雪のある時に行けるだろうと思ったものである。知らないとは恐ろしい。
しばらく走ると、左手に駐車場があった。裏見の滝駐車場とある。まったく自動車が無い。右手にもスペースがあり、そこには1台自動車があった。
駐車場の端に案内図があり、遊歩道の入り口が右側にあるようなことを書いてあるので、とりあえず歩きだす。
  
駐車場にあった案内図。
歩いてすぐに武尊神社に着いてしまった。
あれ、この向かいがわにある遊歩道は通行禁止と書かれていた遊歩道じゃあるまいか。するってえと、滝見台に向かう遊歩道はどこにあったんだ?
武尊神社には登山の人が下山して帰り仕度をしていたが、遊歩道の入り口が見つけられずにウロウロしているのもなんだしなぁ。
  
武尊神社。小さな神社だった。
武尊神社の向かいがわにある遊歩道の入口にはとりあえずガードレールと同じくらいの高さで棒が渡されていて、入っちゃいけませんよ〜という感じをかもしだしているのだが、立ち入り禁止とか通行止めとかの文字はない。
登山者の目が多少気になったものの、棒をくぐって突入した。
  
本来立ち入り禁止の遊歩道。
遊歩道は別に荒れた感じもなく、何故入ってはいけないのかさっぱり分からない。少し道を下ると分岐する場所があった。そこに小さな地図看板が立っている。
  
分岐にあった案内図。
なになに、右に行くと駐車場と滝見台、まっすぐ行くと滝の手前、小川を渡って行くと滝の上を通って武尊神社の奥宮に行ける、と。
とりたててここにも通行禁止とは書いていないので、まっすぐに進む。
しかし、いよいよ滝が見えて、滝のそばに行く場所で大きく通行禁止の看板が見えた。
  
ここから先は行ってはなりません。
確かに、その先はいかにも危ない感じがした。何せ道が見えない。滝も半分しか見えないが、我々は禁を冒すつもりは毛頭無い。せいいっぱい通行禁止の手前で身を乗り出して滝を見た。
途中の分岐まで戻り、今度は奥宮のほうまで行ってみよう、ということになった。そちらがわからならもう少し滝に近づけるかもしれない。
小川を跨ぎ、途中にあった湧き水などを撮影しつつ、坂を登って行くと、おおーーー、ものすごい数の鎖のゲート。
  
長寿の泉、と書かれていた。

  
宝来の岩窟前。幾重にも鎖で通せんぼ。
文字で通行止めとは書かれていないが、少なくとも5重以上の鎖が道を封鎖していた。このはっきりとした意思表示を無視するわけにはいかない。
別に人目があるわけではないのだが、われわれのサイトは危険を承知してまで滝を見に行くサイトではない。滝見台で見られればそれでいいのである。あっさりと引き返した。
またしても分岐に戻り、今度は滝見台のほうに向かった。
あら、いやだ、滝見台までの遊歩道と合流する場所にこっちがわには行ってはいけません、と看板が出ている。すみません、反対方向にはそういう看板は無かったんです。棒は横に渡されてたけど。
  
我々が来た方向を振り返って撮影。
いままでの遊歩道とはうってかわって滝見台まではかなり広い道がつけられていた。
記念写真にちょうどよさそうな場所も設定されていたりして。
なるほど、こちらの滝見台から見る滝のほうがずっと立派である。そりゃあ裏見の滝だから裏側に行ってみたいのは仕方のないこととはいえ、滝全体がよく見える場所が一番いいではないか。
  
記念撮影スポット。後ろの木が邪魔かも。
滝見台から見ると、どういう感じで武尊神社の奥宮があるのかわかった。これは、怖い。昔はあの場所まで行けたのか、と、ちょっと羨ましくなる。
今後の危険のないような整備が望まれるところだが、GWで滝に来る人がこんなに少ない状況では整備はされないだろうなぁ。
帰り際に1組の見学者とすれ違っただけで、他に滝に行く人は無かった。
今度はちゃんと通行止めではないルートで道路まで出ると、なんと滝見台への道は我々がとめた駐車場と道を挟んだ反対側の駐車場の片隅にあった。ちょうど1台自動車が止まっていた場所の影になっていたらしい。
それにしたって、分かりづらい。これじゃあ、我々みたいに武尊神社まで行っちゃう人もいるんじゃないかしら。立ち入り禁止に入っちゃう人もいるんじゃないかしら。ちょっとだけ心配になった。
交通
  夜後沢の滝  最寄インターは、関越自動車道水上IC。国道291号線を北上し湯檜曽駅近くで県道63号に入る。あとは道なりに藤原ダムに向かって進み、ダムを通り越してダム湖の脇を進む。道の途中にあるバス停に注意していると、「夜後沢橋」というバス停があり、そのすぐそばに橋がある。その橋がかかっているのが夜後沢。
滝へは、沢を右手に見ながら大岩に注意しながら歩き、10分ほどで着く。ただし、最後に少し細い場所があったりので、しっかりした足回りと軍手などがあったほうが無難。

  裏見の滝  夜後沢を通り越し、武尊トンネルを通り抜けるとすぐに右に分ける道がある。道の入り口に大きく裏見の滝と書かれているので、まず見落とさない。そこで右折して、集落を通り越し、曲がりくねった道を登って行くと絶対に見落とさない大きな駐車スペースがある。
そこに駐車して、右側の駐車スペースの一角にある滝見台への道から下って行く。滝見台まではサンダル履きでも行ける道である。
ちなみに、武尊神社の前から滝のごくそばまで行ける遊歩道は現在通行止めである。



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