んがお工房の桜めぐり
2009年群馬の桜めぐりB
2009年4月29日(祝) 2009年桜めぐりもいよいよ終盤である。 すでに本州でも北のほうである弘前の桜も満開になってしまって、近場ではソメイヨシノは葉桜になってしまっている。 ところが、ここ数日寒い。真冬かと思われるほどの気温で、弘前の桜も雪をかぶったとニュースで言っていた。 これは、ある意味ありがたかった。標高の高い場所の桜が、開花してしばらく見ごろを保ってくれているだろう。 では、GWに突入したこの日はどこの桜を見に行こう。 かねてから見たかった桜の一つ、群馬県片品村の天王桜がほぼ満開らしい。 もう一つ、福島県の越代の桜も満開だという。 どちらがいいだろう。 越代の桜は、どうもこの日が祭りの宵宮で人出が多そうである。それに、数日前から満開なので、そろそろ散り始めているかも。 ならば、これから満開を迎える天王桜のほうがいいだろう。 ということで、本年3度目の群馬行きとなった。 |
天王桜 片品村天然記念物。 樹齢300年以上のオオヤマザクラ。 上の写真は、入り口から反対側から撮影。 こちらは、入り口側から見た図。 こちらがわが北がわなのか、 こっちがわのほうが蕾が多かった。 ヤマザクラなので、赤い葉っぱも出ている。 なんとも、優雅な感じがする。 幹は、太い部分はそれほど長くないが、 ねじれて、絡み合っているように見える。 根元の祠は、そば処天王庵のご主人のご先祖が 1818年に祀ったのだと、 入り口の看板に書いてあった。 その祠を花が覆う。 |
天王桜の場所はおおむね把握していたのだが、国道120号平川の交差点にすでに看板が出ていた。 どうやら、近くの「花咲の湯」という温泉施設が力を入れているらしい。(「花咲の湯」のHPが開花情報のブログなどを載せている) 県道に入り、その「花咲の湯」を通り越し、南小学校を通り過ぎると、右側に小さな花壇のような場所があり、そこが天王桜の曲がり角。きっちり看板も出ているので、見落とすことはないだろう。 さて、曲がって少し走ると、右手に小さな駐車場がある。ここは満車。 前を行く自動車がさらに先に進むので、我々もあとに続く。 先にもまた小さな駐車場があるが、ここも満車。 左に曲がって、右側に公民館みたいなスペースがあるが、もちろん満車。げ、どうすんの、自動車。 さらに先に進むと、一番はずれに下の写真のような駐車場があり、やっと駐車できた。ここまでの道が狭くて、すれ違いが困難だ。桜見物の人も多いので、ちょっと混雑すると危険かもしれない。 ここで、自動車を降りると、女性2人組みに「桜を見に来られたんですか、その桜ってどこですか」と聞かれてしまった。 え、この場でそれ訊くか?いや、よく分からないけど、人があっちに歩いて行くからあっちじゃないでしょうか。 人の行く方向に進めば正解である。 実は、この駐車場から林の向こう側にすでに桜のピンク色が見えていたりするのだが。 人の流れに沿って行くと、細い道の向こう側に見事なまでの桜が立っていた。 これは、すごいぞ。 綺麗な濃いピンク色のこんもりとした桜が堂々と立っている。まるで扇か団扇を広げたような均整の取れた姿だ。 ふと気がつくと、なんと一定の距離を保って、かなりの数のカメラマンが桜を取り巻いている。もう、ぐるりと全部カメラマンの輪ができていると言ってよい。 桜のすぐ根元は柵があって近づけないのだが、その柵までは行っていい。が、カメラマンの注視の中、桜に近づくのはなかなか勇気がいる。 だがしかし、駐車場が満車だったように、カメラマンではない桜見物の人たちもどっさりいるので、勇気どころか視線を気にしない人だってたくさんいるのだ。 その人たちに混ざって我々もグっと近づいて桜を見上げた。 四方に見事に枝を広げているが、その幹は複雑だ。さまざまに絡み合っているように見える。 足元に小さな祠があるが、背後には桜の持ち主のものなのか、お墓もあった。この桜もまた、墓守の桜だったのだ。 桜の全景を見るには、やはりカメラマンの輪に混ざるのがいい。そこまで後退して、カメラを構えると、わがままなことに、桜に近づく人が煩わしく思えてしまう。うーむ、人間って自分本位。 並んだカメラマンたちが、あ、また人が入る。今がチャンス誰もいない。などとつぶやきながらシャッターを押している。 さすがにこの人出で桜を撮影して人が入らない図を撮影するのは至難の技である。どうりで、輪がなかなか崩れないわけだ。じっとその瞬間をみんな待っているのだ。そういう意味では、マナーのよいカメラマンたちだと思う。 お団子やコンニャクなどを売っているテントも出ていて、夏に開園するユリ園の無料券なども配っていたりして、ここだけ本当ににぎやかだった。 |
さて、駐車場に行くまではそれほど歩かないのだが、ちょうど駐車場の向かいくらいの場所にザゼンソウの群生地、と書かれた場所があった。 正確には、群生というよりはけっこうたくさんザゼンソウが咲いているので整備しました、といった感じの場所だ。 ほとんど誰もそちらには行っていなかったが、我々はちょっとそこを歩いてみた。 コンクリートブロックを木道のように配したちょっとした公園だ。 だが、本当にあちこちにザゼンソウがあるのである。 え、ザゼンソウって、こんなにもこもこ出現するの?と思うくらいにちょっとカサカサした場所に頭を出している。 ついでにおいしい湧き水なんかもあって、きっと水が綺麗な場所なのだ、とわかった。 湧き水のそばにはワサビも白い花を咲かせていた。 桜を見に来る人はこっちにも足をむけたらいいのになぁ。ザゼンソウなんて、見たことある人少ないだろうになぁ。 ちなみに、本当の群生地は、天王桜の駐車場よりもさらに置くまで進むとあるらしい。 今回は次の予定もあるのでそちらには行かなかった。 |
オキノ桜 推定樹齢100年のオオヤマザクラ。 天王桜ほどの威厳はないが、 オオヤマザクラ独特のこんもりと広がる 丸い樹形をしている。 いきなり根元からあちこちに分かれている。 咲くと、天王桜よりも濃いピンクになるそうだ。 ちなみに、個人の所有の桜で、 旅館を経営していたオキノさんが植えたとか なんとか。 |
天王桜の売店でこのあたりのお花めぐりマップというのをもらって、次なるオキノ桜を目指した。 ここから県道に戻り、もう少し山のほうに進んですぐの場所にあるはずだ。 注意深く進んだのでみつけられたが、このオキノ桜のほうには看板は出ていなかった。ただ、県道沿いの右側に私設の駐車場らしきものがあり、オキノ桜駐車場と書かれてあった。民家前の空き地みたいな駐車場である。 ここに駐車して、歩きはじめて、あらららら、と声が出た。 なんと、桜、まだ咲いていないのである。 いくらなんでも、天王桜とそんなに開花時期はズレていないだろう、と思っていただけにちょっとショックだ。 のどかな農地の道を歩いてオキノ桜に近づく。 神社らしい建物があり、その手前に咲いたらすごいだろうなぁというくらいの花芽をつけた桜の木があった。 が、まず目が行ったのは、その手前の水路だ。用水路なのだが、水がものすごく綺麗だ。しかも、雪解け時のためか水がたくさん流れすぎてボコボコいっている。さらに、オキノ桜の前まで来ると、その水をバケツにためて、缶ジュースが入れてあった。なんと1本100円の無人売店。ホントに誰もいないので、そのままお金をいれずに持って行かれても文句言えないじゃないの。 心底のどかな場所である。 あと一週間もすれば満開になるだろう。 その時は、みなさん、ちゃんと100円払ってジュース買ってね。 なんとか咲いていた1輪を撮影。 |
仲次郎桜 推定樹齢100年のヤマザクラ。 地主さんの立てた説明看板には、 昔、今で言う獣医であった 仲次郎さんが植えて花を楽しんだ、 と書いてあった。 見上げると、覆うばかりの枝である。 枝は苔が生えていて、 グレーに見える。 他の2本の桜と違って、 かなり背が高い桜である。 |
実は、来る時に「花咲の湯」を通り越してすぐに「仲次郎桜」と書かれた案内看板が出ているのに気がついていた。 先に天王桜に行くことにして、そこでもらったお花めぐりのチラシで仲次郎桜の場所を確認。 帰りがけに立ち寄った。 さすがにオキノ桜よりも標高が低いし、きっとこっちは咲いているに違いない。と思ったのだが、ハズれた。 危うく通り越してしまいそうだった。 県道から入って大きく道が右にカーブしているのだが、そのカーブしたすぐの左側に木が立っている。そこに看板があった。 もしや、と思ってみてみると「仲次郎桜」とある。 これかい〜っ。 ちっとも咲いていないじゃないの。 よく見ると、まだ蕾がやっと膨らんだ状態だ。 ヤマザクラの一種だと思われるのだが、ちっちゃい葉っぱとちっちゃい蕾が背の高い木から張り出した枝に無数についている。 木の大きさからすると花芽は少し少ない気もしたが、やっぱり咲いたらすごいんだろうなぁ。 でも、咲くまでにもうしばらく時間がかかりそうだなぁ。 この地区には3つの大きな桜があるのに、同時に咲くことはなさそうだ。ちょっと残念。 やっとみつけた蕾。やや白いようだ。 |
最後に「花咲の湯」の裏手にある300匹の鯉のぼりを見て行くことにした。 県道沿いの看板には200匹とかかれてあったが、「花咲の湯」のブログには300匹と書かれていたので、きっと300匹なのだろう。 これがまあ、圧倒的な数なのだ。網沢川の上にワイヤーを張って、そこに何匹もの鯉のぼりをつるしてある。 いや〜、数あるってすごいわ。ただそれだけで圧巻だ。 桜が天王桜だけしか咲いていなかったので、これでちょっと救われた感じだった。 あとは、道の駅「白沢」でお昼を食べて、せっかく群馬に来たんだからと、奥利根の滝を見て家に戻った。(滝のレポはこちら) |