2010年夏の滝めぐり@篠沢大滝へ2010年夏の滝めぐりA
(桑の木滝、黄門の滝、三条の滝)
 



桑の木滝
予想以上に綺麗な滝でびっくり。
水の分岐がとても美しい。



大きさ比較。



滝つぼ。
浅いがとても綺麗な水だ。



つい最近落ちたらしい岩。
これが当たったらひとたまりもないなぁ。



なんとも涼しげ。
ってか、水も本当に冷たい。



真横からも見るとができる。



黄門の滝
なんで黄門なのかは不明。
なぜかこの滝は分岐してない。
ストンと落ちている。




大きさ比較。



ちょっとだけ跳ねとんでる。



滝つぼはやや深そう。



落ち口を上流より見る。
意外にも岩盤はなだらかだ。




三条の滝
我々が行けた最後の滝。


上段は水が多い時には三条になるらしい。
あとで調べたら、写真の右側、
つまり左岸に鎖がとりつけられていて、
それをよじ登ってクリアするらしい。
しかし、我々が行った時には鎖はなかった。
どうも土砂崩れで埋もれた可能性がある。




この探勝路にもたくさん花が咲いていた。


イワタバコ。


ソバナ。


ヤマハハコ。


ピンクのツリフネソウ。


ミヤマクワガタご夫妻。
2010/8/15 桑の木滝(10M?)、黄門の滝(10M?)、
           三条の滝(7M?)   山梨県白州町

篠沢大滝を出発して、林道に戻ったのが12時20分。
そこからまたテクテクと林道を下って桑の木沢探勝路の入り口に着いたのが12時45分。
    
林道から探勝路に入ってチョロチョロの小沢を2つほど跨いで5分であずまやのある場所に出た。
あらまあ、立派なあずまやがあるじゃないの。
探勝路の案内看板も設置されている。
看板を見ると、とてもたやすく黒戸噴水滝まで行くことができそうだった。
もちろん、そんなことは無いのだが。
よくよく見れば、看板の終点(黒戸噴水滝)まで1時間という文字を手書きで1時間半から2時間と修正されている。実際に行った人のタイムということだ。
  
人けもないし、立派なあずまやだし、ここにリュックを置いて身を軽くして黒戸噴水滝に行くことにした。
まず、鉄製の橋を渡る。ちょっと古いが頑丈そうな橋だ。すぐ上流の堰堤を階段状になっている道で巻く。
    
しかし、堰堤の上にでたとたんに、いきなり全くどっちに行っていいのか分からない状況に放り出された。
道もなければ目印も無い。川のそばに出て見回してもさっぱり分からない。
そこは今まで色々な滝を見てきた経験のある我々なので、河原を遡ってみる。すると、どうやら土砂崩れか何かがあったらしく、木が倒れて行く手をふさいでいた。なるほど、崩れてしまって道がなくなったのか。
考えてみら、ここで引き返すべきだった。しかし、木の根元のほうまで行ってみたら、踏み跡がむき出しの木の根っこを乗り越えて川の上流がわに行っていた。
なんだ、行けるのか。と、先に進んでしまった。
すると、ちゃんとまた道に復帰することができた。堰堤の前を入り口と同じような橋で渡り、ちゃんと階段状に整備されたとおぼしき道をたどって先に進む。
    

  
ここに至るまでは渡渉は無かったのだが、最初の渡渉があった。これが一番足場の悪い渡渉だったが、長靴だったので多少きゃーきゃー騒いだが渡ることができた。
渡った先に探勝路であることを示す鉄製の階段があったのだが、もうボロボロ。これを見て、しばらく手を加えられていないことが判明。いや、すでに土砂崩れで道がなくなっているあたりで、手は加えられていないのは分かりきっているんだけどね。
    
この先は道らしい道は踏み跡程度になり、石にペイントされた赤い印だけが頼りになった。
道がわからなくなったら、赤いペイントを探す。
とんでもない場所にあって、渡渉するんだ〜、と嘆くことも何度もあった。
    
それでも、入り口から30分ほどで桑の木滝と書かれた看板に出ることができた。
これがこの探勝路最初の滝である。
実はこの滝に出る前に桑の木沢に注ぐ沢の滝である朝日滝というのが見えたのだが、あまりに木の葉っぱが多く、目をこらさなければ分からない程度だったので写真にも撮っていない。
桑の木滝と書かれた看板から川に出る。
  
おお、これは綺麗な滝だ。思っていたよりもずっと立派な滝が美しく分岐しながら落ちていた。
そもそも、この桑の木沢は水がとても綺麗で、さらに冷たい。
沢沿いを歩いている時は涼しいのだが、沢を少しでも離れると、カメラとメガネのレンズが曇るくらいなのだ。
その綺麗な水が綺麗な模様を描いて落ちている。
飛沫もとても気持ちよかった。
しかし、先があるのだ。
滝前からもとの道に戻り、滝のすぐ横を登る。鉄製の橋が滝の落ち口の脇に渡されているのだが、定員6名の文字には「嘘だろ〜」と突っ込みを入れたくなるくらい朽ちていた。
  
その橋からほんの少しで桑の木湧水だ。
対岸である右岸から湧き水が流れ出ていて、桑の木沢に注いでいる。冷たい沢の水なのだが、さらに湧き水が冷たいのか、もやがかかっていて、そこだけ違う種類の水なのだとはっきりと分かった。
近寄れればすくって飲みたいところだったが、惜しいかな、対岸で、沢の水量も多い場所だった。
  
綺麗な湧き水。
そこからすぐに黄門の滝なのだが、道は右岸に渡れ、と言う。ところがどう見ても渡れそうもない場所に赤い印があるのである。
右岸の我々の上流に黄門の滝が見えていて、そのまま滝前に行けそうだったので、とりあえず滝を撮影するために右岸から上流に行った。
黄門の滝は、岩盤は板状に刻まれているのだが、ストンと落ちる二条の滝に見える。
これも思っていたよりも落差のある立派な滝だった。
よく見ると、滝のすぐ前から右岸に渡れる場所がある。さっきの印の場所よりもずっと安全に見えるけど、と渡って見ると、げげ、印の先は土砂崩れでふさがっている状態だった。印を頼りにがんばって右岸に行っても崩れて先に進めない状況だったわけだ。
とにかく、その崩れた場所を迂回してしまって、さらに上流に進めてしまった。
黄門の滝、と書かれた看板が鉄製の階段の手すりについていた。
    
そこから先も赤い印を頼りに進んで行き、二段の滝の前に来た。あとで調べたら三条の滝という滝なのだが、ここで踏み跡が消えてしまった。
いや、よく見たらどうも左岸がわの土砂状の岩盤に跡といえば跡なんじゃないか、というものがある。
この滝を越えるには、この跡をたどって行くしか手がない。
  
左欄の三条の滝の写真と比べてみて〜。危ないでしょぉぉ。
それにしても、ゆるい。
足を置くとずるずるっと地面が崩れてしまいそうなほどゆるいのである。
一面にツリフネソウが咲いているが、それにつかまったって何の手がかりにもならない。ちょっと踏み外せば、滝の上段の滝つぼに落下する。
高さとしては5メートルないと思うが、滝つぼ落下は冗談じゃない。
ジタバタしていたら私のスポーツドリンクがサイドバックから落ちた。にぶいゴツゴツっという音がして、ペットボトルが滝つぼ近くの草むらに落ちて行った。
急にぞわっと恐怖に襲われた。
もう行けない。
数メートル先に行っているダンナにダメだこれ以上は行けないとギブ宣言。ダンナも同意して戻ることにした。
戻ることにしたと言っても、極端にゆるいズルズルとした岩盤を戻ることさえ難しい。慎重の上にも慎重に1歩1歩足場を確かめながら、半ばズリ落ちながらやっとのことで滝下まで戻った。
しかし、途中まで行って、滝の上にもはっきりと赤い印がつけられているのを見つけた。と、いうことは、探勝路はこの滝を通過して滝上まで伸びているのである。
滝下まで行って、他に滝をクリアするルートは無いものかとよくよく観察した。
滝の左右は切り立った崖のようなもので、少し手前から高巻く、というのはものすごく無理がある。さりとて、我々がチャレンジした左岸の岩壁は何かしらのてがかりが予めつけられてでもいない限り、とても通過できる地盤ではない。
もしかしたら、シャワークライムで滝を直登?三条の滝の名まえのとおり、水が多いと三条の水流になりそうだが、真ん中の1条は見たところ水がない。そこをよじ登れば行けそうだが、その手前に下段がある。それに真ん中にたどり着くには滝つぼを渡る必要があり、確実に長靴が水没する。濡れずにこの滝をクリアするのは無理だ。
さんざん検証して、我々のレベルでは無理であると判断した。
この時点でこの滝が黒戸噴水滝のすぐ手前にあるくの字滝ではないことはわかっていた。この滝をクリアしてもまだまだ先がある。この先、この滝レベルのものが出現したら、怪我をするかカメラを水没するか、とにかくよくない結果になるだろう。
潮時だった。
滝のそばにひっそりと咲いているシラヒゲソウやピンクのツリフネソウを撮影して、戻ることにした。
帰り道のほうが赤い印が分かりづらく、多少渡渉点を迷ったりもしたが、行きとほぼ同じ時間をかけてあずまやに到着。14時50分になっていた。
ちょっと一休みして、林道に復帰。テクテクと林道を歩いて本格的なゲートの所まで戻ってきたら、あれ、自動車がここまで入っている。3台ほどつるんでこのあたりで遊んでいるらしい。
橋のたもとの侵入止めを動かしたのかしらん。それとも関係者かしらん。それにしてはただ遊んでいるだけみたいだし。
などと思いつつ、通過して、篠沢橋のまで来てくたら、おやおや、車止めの前に自動車が駐車して林道をふさぐ形になっているではないか。明らかにナンバーの地域が違うから別グループの自動車である。
    
  
あ、ゲートの前にクルマが。右写真、篠沢橋のたもとの林道入り口にもクルマが。
どうやらゲート前の3台は簡単に動かせる車止めを動かして林道の奥まで入って行き、車止めの前の自動車は車止めがあるということは自動車は進入できないのだから、とそこに自動車を止めたらしかった。完全にどっちもルール違反です。
どーするんだろうね〜、奥の3台は閉じ込められるかもね〜と思いつつ我々は自動車に戻り、「一般の方もご自由にお使いください」と書かれている仮設トイレを借りに300メートル先の工事現場に行った。戻って来て、ざっと着替えて、出発したら、派手なクラクションの音が。
あら、やっぱり閉じ込められた3台が林道入り口をふさいでいる自動車に困ってクラクションを鳴らしている。
我々を呼び止めて、この自動車の運転手を知らないか、と聞いてきたが、知るもんか。
その後どうなったか分からないが、我々はさっさとその場を後にした。
懸命な滝好きのみなさんは、駐車スペースが少ない場合は、間違ってもゲートの正面やゲートがあっても林道をふさぐような形で駐車してはいけない。
なぜなら、林業関係者や工事関係者の車両は通るのである。万が一緊急事態があった場合も林道は通行される。その入り口をふさぐのはもってのほかだ。
山奥だから何をやってもいいということは絶対に無い。
自分の身とともに、他の自然を愛する人や自然にかかわる人たちのことを考えた行動をとって欲しいと思う。
さて、我々はごく近くまで行ったのに北精進ケ滝にも寄らずに、尾白川の名水も汲まずに、小淵沢の大滝神社の名水を汲んで新潟に帰りましたとさ。
なんやかやいって、けっこう冒険もして、素晴らしい滝も見れて、いい一日を過ごすことができた。
でも、やっぱり見たかったな〜、黒戸噴水滝。
交通
  桑の木沢探勝路  入り口までは、篠沢大滝のページを参考にしてください。
まず、注意しなければならないのは、探勝路とあり看板や案内まである場所にもかかわらず、大変に危険な場所であるということ。
間違っても子供だけとか一人だけで行くようなことはしてはならない道だ。
はっきり言って、探勝路という案内も看板も、入り口の橋さえも撤去すべきであると私は思っている。
全くのただの沢であるならば、そこに入り込んで事故にあっても自己責任なのだが、整備されている道と勘違いさせられるような案内やメンテナンスの行われていない橋などが残されている以上、入り込んでしまう人がいても責めるわけにはいかない。
土砂崩れなどがある自然相手の道は、探勝路として作ったのであれば確実に整備して、また、入り口に危険を伴うことを警告する案内も設置すべきである。
それができないのであれば、ただの沢に戻したほうがよい。
この探勝路をこのまま放置している白州市の責任は重いと思う。
さて、それを心に留め置いた上で、案内看板から30分で桑の木滝、そこから5分で黄門の滝、さらに10分弱で三条の滝である。
その間、けっこうな水量の沢を幾度と無く渡渉するが、概ね飛び石で渡ることができる。我々が行った時は、長靴がもぐるほどの水量も無かった。
滝好きであれば、ある程度の勘で行動できると思うが、路は土砂崩れで行き止まりになっていたり、渡渉箇所が分かりづらかったりする。
おそらく、とても崩れやすい場所の沢なので、十二分に注意して探勝して欲しい。
なお、我々が行った時は、三条の滝より上に行く方法はものすごく危険なチャレンジ以外ないように見えた。
滝好きでもそれなりの装備と経験を持った人以外黄門の滝あたりで引き返したほうがよさそうだ。

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