2011年夏の福島
大滝、長滝 





大滝
これが前回見ずに終わった滝の全容。
遊歩道の大滝という道標がある位置から撮影。
午後になると、だんだんと影になるようだ。
それにしても、沢を遡行して滝に近づくよりも
ずっと大きく綺麗に見える。
大滝を見るには、この位置に来なければ
来た意味が無い。


上の写真の撮影位置から滝は、
だいたいこんな感じです。
ちょっとズレると、もう最下段が見えない。


最上段。
美しい分岐瀑だ。


見上げる。
岩盤の色と凹凸が見事。



さらに見上げる。
秋の青空が見事。



左岸がわにまわって撮影。
水はけっこう斜めにすべり落ちる。



滝つぼ。
そんなには深くないようだ。



中段。
こちらの滝つぼは深い。
虹が出ていたんだけど、分からないなぁ。



道標の位置から見下ろした最下段。
途中で大きく水がハネていて、
水しぶきであたりが白っぽく見えた。





長滝
相変わらず滝っぽく見えない写真ですみません。
今回はさらに夏草がひどくて、
草の隙間から覗いている感じだった。



ススキの向こうに見る長滝。
長月にススキと長滝。
ま、風情はあるかも。
2011/9/18 大滝(落差50m)  長滝(渓流瀑)  
                            福島県喜多方市
2008年の同じ季節に、実はこの2つの滝には訪問している。
しかし、遊歩道の途中から沢を遡行してしまって、左のような三段の滝の姿を見ないままに帰ってしまった。(2008年のレポはこちら
せっかくの三段の美しい滝だというのに、滝のほぼ直下から見上げる場所から見たために、二段目が見えず、落差50メートルを実感しないまま終わってしまった。
家に帰ってからその事実に気がついて、愕然として、いつかリベンジをしたいと思っていたのだ。
そのリベンジの時が来た。
台風が秋雨前線を刺激して日本中が雨予報のなか、どういうワケかこの日新潟周辺は晴れマークが出ていた。山沿いは天候が不安定だろうが、滝に行くくらいなら青空が期待できるだろう。
世の中三連休だし、そのなか日でもあるこの日はせっかくなので遠出しようではないか。そんなこんなで、遺恨のある大滝に向かうことにしたのだった。
とりたてて早起きするでもなく、いつもの平日並みの出発時間で家を出て、目的の御沢キャンプ場に着いたのが午前10時半。
  
登山者の車なのか、今日も20台近く駐車していた。
仕度をして1度来たことのある遊歩道を歩き出した。
この日は、夏の最後の高温をひきずっている日で、出発時点ですでに30度を超えていたと思う。とにかく暑かった。
最初の杉林に入ったところで、どわっと蚊がたかってきた。ものすごい数だ。慌てて虫除けをつけるが、それでもまとわり着いてくる。前に来た時は雨が降っていたので、こんなに虫が多い場所という印象がなかったのだ。
立ち止まると虫がひどいので、足早に歩く。10分ほどで飯豊山の登山道との分岐。さらに5分ほどで堰堤。
堰堤から先は夏草が繁茂していて、遊歩道は雑草の中の踏み跡みたいになってしまっていた。あまり人が歩いた形跡が無い。草を掻き分けるようにして進むと5分ほどで渡渉点。
  
丸木3本を束ねた橋。
前回、渡れなくて苦労した場所だが、今回は丸太で橋が渡されていた。丸太橋は苦手だが、川の中をじゃぶじゃぶ渡るよりずっといい。へっぴり腰で渡る。
そこから先はけっこうキツい登りで、暑さと虫に悩まされながらひいひい登る。丸太橋から15分ほどで第二の渡渉点。
  
ダンナの向こう側にアルミ板の橋。
あらここもアルミ板の橋がちゃんと渡されていた。アルミ板なので体重をかけると微妙にたわむのだが、橋がないよりずっといい。ここもへっぴり腰で渡る。ちなみにダンナは橋を使わなくても楽々渡渉できた。
橋の対岸をロープでよじ登って、遊歩道は続いている。
アルミ橋から15分ほどで巨大な岩に木が根を張って伸びている「大滝一服岩」。もっとも、このネーミングはいたずら書きみたいに岩に書かれている文字のものなので、正式名称ではないかもしれないけど。
暑さでヘロヘロになりながら、我々も一服。
  
大滝一服岩。と、書かれているんだけど、見えないなぁ。
前にも歩いた道なのに、渡渉から長滝までこんなに長かったっけ?と思うくらい長かった。
一服岩から7分ほどで長滝。
夏草が伸びていて、滝の姿がよく見えない。草がひどくない時なら、なんとか滝下まで行くルートがみつかるものかしらん、などと思ってもみたが、この季節では危険この上ない。仕方なしに、上から見る滝で我慢して先に進んだ。
  
草の向こうに走る長滝。
長滝から10分ほどで川に出て、大きな一枚岩の上を歩く。
ここからは川の中の岩の上を歩いて5分ほどで沢と分かれて上に登る場所になる。今回は赤いペンキでいちいち矢印の印がついていて、イヤでも遊歩道に導かれるようになっていた。
ただし、ゴロゴロころがる岩に書かれたペンキの印なので、移動したり消えたりする可能性は無いではない。前に来た時に今回ほど目だっていたら、ちゃんと遊歩道の先まで行ったんだけどな。
  
一枚岩の上を歩く。

  
   
青い矢印に大滝の上段が見える。遊歩道は赤い矢印のように登る。
沢から離れると、なんと、ものすごい急登りになった。
ロープが垂れ下がっているのだが、ほぼ岩登りに近い。
滝の最上段の滝つぼの高さまでよじのぼる。登山やある程度の沢の経験のある人なら大丈夫な登りだが、子供や経験の無い人はちょっと注意する必要がある。
    
   
ほぼ岩登りの遊歩道。でも、ちゃんと道標があるんだもんなぁ。
ロープで登って、滝に向かって水平に遊歩道が続いている。
大滝の全容が最もよく見える場所にちゃんと「大滝」と道標があった。
うーむ、ここまで頑張らせる遊歩道なんだな。遊ぶ歩道と書いて遊歩道なのに、けっこう過酷な道じゃありませんか。
遊歩道はまだ続いていて、最上段の滝つぼまで行けるようになっていた。
もちろんそこまで行って、滝前で昼食にした。
  
上段の滝つぼまで行ける。

  
上段の前から下を見下ろす。
どうせだれも来ないと確信していたので、汗になった上着やタオルなんかを平らな岩に広げて乾かして、のびのびと休憩する。
滝前は滝のしぶきやマイナスイオンでとても涼しかった。幸いなことに虫もほとんどいなかった。
さて、大滝は、こんなに素晴らしい滝だったんだなぁと思えるくらいの綺麗な滝だった。
最上段をゆっくり堪能できたのだが、その分岐の仕方が美しい。鋭角に削られた岩をするりと水が落ちていき、また岩にぶつかってははじけていく。
昼食の最中も何度も滝を見上げては、綺麗だね〜とため息をついた。
帰りは高度を下げるに従って気温も上がり閉口したが、幸い虫の数が減っていて、襲撃されることはなかった。
午後2時半少し前に駐車場に到着。汗まみれの滝行きだった。

2008年よりもかなり工事が進んでいて、道も綺麗になったが、まだまだ工事中の一ノ戸川沿いの道。2008年の時もそこで湧き水を汲んだのだが、今回はきっちりと看板が立てられていた。「アッタ坂の清水」という湧き水だそうだ。今回も飯豊のお土産はこの湧き水になった。
  
アッタ坂の清水は癖の無い水。


      
遊歩道を彩る花々
    

    

    

    
交通
  大滝(飯豊山川入り登山口)  最寄ICは磐越自動車道会津坂下IC。インターを下りたら、国道49号線を少し会津坂下市街に向かって走り、左折で県道43号に入る。北上し、山都駅前を通り、国道459号に合流。国道を喜多方市街方面に走って行き、相川温泉の手前あたりで県道385号線へと左折する。ここからは一ノ戸川を左に見ながら進む。
民家を離れ、左側に日帰り温泉施設の「いいでのゆ」を通り過ぎると、道は極端に細くなる。
この先は、道路工事をしている。おそらくかなり長い間続けられ、飯豊山に向かう環境を整えているのだと思われる。これから先もずっと工事は続くのではなかろうか。
平日などは通行止めの時間帯があると思うので、充分に下調べしてから行くほうがよい。
あとは道は1本なので迷わないはずなのだが、途中、川入の民宿が並んでいる場所で、いったいどれが道でどれが民宿の庭に入る私道なのか分からなくなる場所がある。
まず、川入の民宿場に入る前に、工事中の道路を左に曲がる。この曲がる場所に道の路面に飯豊山と大きく書かれているので、そちらがわに曲がるのはたぶん間違えないと思う。
我々の時は、真っ直ぐ行くのは工事中でバリケードがあったので進めなかった。いやおうなく左折したら、ややこしい民宿場だった。
とにかく、これが道なんじゃないか、というものすごく細い家と家の間の道を通り抜けると正面に川が出てくる。
この川を右手に見ながら進むことになるが、果たして道があるんだろうか、というくらい細い。
だが、それが道なのだ。
橋を渡り、ちゃんと進んで行くと道らしくなるので心配はない。
ただし、すれ違いは難しい。
ここからしばらく走ると、御沢キャンプ場の広い駐車場になる。
そこに駐車。
大滝遊歩道は、飯豊山への登山口と同じ方向に進み、少し歩いた分岐で飯豊山の登山道と分かれて左側に進む。
大きな渡渉は2箇所。秋の水の少ない季節で長靴と飛び石でやっと渡れるくらいだ。今回は橋が渡されていて、渡渉には苦労しなかった。
しかし、橋が流されるような増水時期、もしくは、大雨で増水が見込まれる時は行くのをひかえたほうがよい。
小さな渡渉はたくさんある。
案内板で分岐点から少し行った堰堤から大滝までは1時間半、とあった。我々も雨天で花などの撮影もしていないので、1時間半で行っている。
一枚岩の渡渉点を渡った先に赤いペンキで矢印があり、そこから川を離れて上に登るのが遊歩道である。
渡渉があるので、長靴は必携。さらに、若干ではあるがロープもあるので、手袋はあったほうがいいだろう。


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