2015年氷瀑を求めて
南、北相木村の滝(箱淵の滝、大禅の滝、小禅の滝
立岩の滝、犬ころの滝、おみかの滝)




箱瀬の滝
滝は、以前と変わらずに落ちている。


でも、引いてみると、ご覧のありさま。
滝前の崖が崩れてしまっている。
川をせき止めなかったのが、むしろ奇跡かも。




大禅
ほぼ9割凍ってました。
例年になく暖かかったんですが、
さすが信州です。



手前から見上げた時、
上の氷が落ちてきて
バラバラっと砕けた。
写真に写っているけど、見えるかな〜。



真横から。


ちょっと近づいて。


さらにアップにするとこんな感じ。
ほら、もうちょっとで落ち口まで
凍りそうでしょ?
この後、落ち口からの氷が
落ちてしまいました。



氷のくらげのアップ。


晴れていると、綺麗だわ〜。


クラゲもたくさん。



小禅
氷というより、雪の塊みたい。


氷の下の流れが見えるので、
なんとか滝と分かるくらい。



ちょっと下流から撮影したほうが
氷瀑らしいかも。




犬ころの滝
いや〜、凍っていませんでしたね〜。
まあ、2013年よりは滝全体に光が当たっているので、
まだマシな写真なんですが。


凍っていない上に雪が積もっていて、
なんだかもっさりしていました。


でも、青空は一級品。



立岩の滝(上段)
意外に氷柱がたくさん見られました。


立岩の滝(下段)
左岸がわの氷が螺旋階段みたいで
なかなか綺麗。


雪もいいアクセント。


滝つぼの氷は、切りそろえられたおかっぱ頭みたい。



おみかの滝
これはトンネルの窓から見えた滝。
どれが滝でどれが氷やら。



こっちはたぶん、滝見台からのもの。
見た目はカッチリ凍って見える。



でも、けっこう激しく流れているのよ。
2015/2/21   箱瀬の滝(10M)、大禅(30M)、小禅、
           立岩の滝(15M)、犬ころの滝(10M)、
           おみかの滝(24M)                                    長野県北相木村、南相木村

2015年の冬は新潟では二極化していた。山間部では大雪、平野部では無雪。2014年の12月にどかっと雪が降って以来、我々の住む平野部ではほとんど雪が降らず、厳寒であるはずの2月もそれほど気温が低くならなかった。
そんなわけでどうにも氷瀑を見に行く雰囲気にならず、ついにこの機会を逃したら今年は氷瀑に行かないことになっちゃうぞ、という日になってしまった。
ところが、あまり冬っぽくない新潟の平野部なので、どこの氷瀑がいい具合に凍っているのか、ちっともイメージがわかない。
行くとしたら、山形か群馬か長野か。いや、山形は今年は大雪らしい。直前の天気予報で北関東も雪っぽくなっている。だとしたら長野か。
長野の氷瀑でハズレがないとしたら、そりゃもう北相木村の大禅でしょう。
今年唯一の氷瀑めぐりでハズしてしまったら目も当てられない。ここは、鉄板で行こうではないか。
そんなこんなで、2013年に行ったコースをほぼたどることになった。

当日、実はかなり暖かかった。
北相木村でさえ、気温が10度近くになっていた。
豪雪地帯の妙高のとんでもない雪の壁の高速道路を経て、北相木村に入る時には、大禅でも崩れているんじゃないかと思うくらい、ぴかぴかのいいお天気で暖かかった。
途中の滝には寄らずにまっすぐに大禅に行くつもりだったが、箱瀬の滝は橋のすぐ下なので、ちょっと覗いてみることにした。
あれ、橋の手前の林道に厳重に入れないようにしてあるなぁ、と思いつつ、橋を渡って見てみると、うわわわわわ、とんでもないことになっている。
あの広い滝つぼの半分以上が土砂で埋め尽くされていた。
ちょうど滝の向かい側にあたる林道の上のほうが大規模に崩落して、滝つぼを埋めた感じだ。もうちょっとで川が全部埋まって、滝も姿を消していたんじゃないか、というくらいすごい規模である。もちろん、林道は形もなくなっていて、だらんと垂れ下がったガードレールがかろうじて林道があったと教えている。
滝はそのまま落ちているのだが、この滝の楽しみの一つでもあった、滝壺に浮かぶ蓮の葉っぱ状の氷、「鍋蓋」はこうなってしまったらもう見ることはできないだろう。
橋からたもとに戻ってよく見ると、箱瀬の滝の看板の下に「平成26年3月8日におきた土砂崩れ」であることや、「鍋蓋」ができにくくなったという説明がされてあった。
おそらくあの土砂は撤去しないだろうなぁ。自然のなせることとはいえ、山も川も滝もずっと同じ姿を保っているわけではない現実を見せつけられた気分だ。
  
  
土砂崩れの図。写真のほぼ中央を真横に林道が走っていたはず。

  
  橋のたもとにあった貼り紙。

気をとりなおして、大禅に向かう。
駐車場にたどり着いたのは、午前11時少し回ったあたり。あら、バスまでいるじゃないの。滝前はちょっと混雑しているかしらん。
  
  雪も凍結もほとんどナシ。

2013年は雪はまったくなかったが、今年は多少の雪がある。スパイク長靴に履き替えて出発した。
とはいえ、ものすごくツルツルに固まったこの遊歩道の状態を知っている我々にとってみれば、この状態はむしろ緩んだ状態である。大禅に向かうには楽なほうだ。ところが、親子連れらしい団体が一歩も動けない状態で手すりにすがりついているのを見た。それもいい思い出かもしれないけど、怪我しないようにね。
少し登ると、もう大禅の大きな白い姿が見えた。
  
  大禅の白い姿が見えた。おっきいなぁ。

滝前にはたくさん三脚が並んでいる。バスの団体さんかしらね。
大禅は思ったよりも凍っていた。
よく晴れていて、日光をさんさんと浴びていたので、まぶしいくらいである。
右岸がわから登るほうに団体さんの一部が行っていて、さらに上まで登って行っているようだったが、そっちにはなんにもないですよ〜。凍っていて、危ないですよ〜。
団体さんは写真を撮影したくて来ているらしくて、左岸がわの滝見台がわからも大禅に近づいて撮影していた。
ただ、やはり気温が高く緩んでいるのが分かる日だったので、危険ではある。現に落ち口に張り付いていた氷が我々の目の前で落ちて砕けた。大きな氷片ではなかったので、事故にはならなかったが、よくよく見極めて撮影しないと怪我をする。自己責任ではあるが、事故が起こった時には自分以外の人に大きな迷惑をかけることになるのは、認識して行動したほうがいいだろう。
  
  左岸の滝見台から見下ろしたギャラリー。

写真をじっくり撮影したい団体さんより先に我々は小禅に向かうことにした。下から見上げてみると、2013年よりずっと凍っているように見える。
前日に積雪があったのか、氷というよりは、雪の塊が岩に貼りついているみたいに見える。滝って言われないとわかんないくらいだ。
小禅の楽しみは、実は氷瀑というよりは、その反対側の洞窟にある氷筍だ。今回もにょきにょき生えていて笑わせてくれた。なんか、いつもの年より多いし。
あとからやって来た人が滝とは反対側にカメラを向けている我々に何ですか、と尋ねてきたので、氷筍です、と教えてあげた。目標物だけではなくて、ぐるっと周りを見てみると、意外と楽しいものを発見できたりするものなのだ。
  
  にょろにょろ氷筍たち。

  
  奥にもいっぱいにょろにょろしていた。 

これから南相木村にも行くつもりなので、すぐに駐車場に戻った。

さて、もうお昼を過ぎているのだが、氷瀑めぐりの難点は、昼食をとる場所がないことだ。バーナーでお湯を沸かすつもりなので、屋外でなければならないが、真冬ともなると、ベンチも凍りついている。それどころか、実はうまい具合に休めるスペースが北相木や南相木にはないのである。やっぱり、観光客のみなさんの通る場所でカップラーメンすすれないしね〜。
どこでお昼にしようかと、とりあえず自動車を南相木村に向けて走って行く。いや、本当にない。公園さえない。いよいよ大鰭トンネルになってしまった。と、ちょうどトンネルの手前に駐車スペースのような場所があった。積雪があったが、ちゃんと除雪されていて、ちょっと見、道路から内側はよく見えない感じになっている。ベンチはなかったが、石碑があって、そこに腰かけてご飯を食べられそうだった。
よく晴れていたので、さほど寒くもない。
それにつけても、毎年冬の滝めぐりについてはお昼を食べる場所に困る。なにかいい方法はないもんだろうか。
ちなみに、帰り道に南相木村の不戦の像のあたりにあずまやがあるのを発見した。積雪によるが、あそこでならお昼が食べられそうである。

そんなこんなで、大鰭トンネルをぬけて南相木村に入った。
今回は上流から、ということで、まず犬ころの滝を目指す。
温泉施設の駐車場に自動車を入れて、歩き始めてすぐに分かった。2013年より凍っていない。水音が激しいのだ。
氷瀑というよりは、下のほうに雪が積もっちゃった滝、程度でしかない。
2013年は1月でど真ん中に影がついてしまって無残な写真になったが、今年は2月。同じような午後1時という時間帯だが、見事に滝全体に日光が当たっている。いるが、凍っていない。せっかく青空なのになぁ。ちょっと残念だ。
続いては、立岩の滝。
今回、初めて気がついたのだが、立岩の滝の立岩って、地名というよりちゃんとそういう岩がそばにあった。こりゃあ、立岩だ、という岩がデンと滝の上にそびえていた。前の時は、まったく気がつかなかったなぁ。
  
  見上げると、たぶんこいつが「立岩」だろう岩がある。

  
  本年の遊歩道の様子。

立岩の滝は、2013年より多少凍っていたような気がする。
上段はなんだか流木や雑木などがあって雑然とした感じだったが、下段の左岸がわにある細い流れにまとわりつくように凍っている氷が素晴らしかった。段々になって凍っていて、その上にもっさり雪がかぶさっている。この時期の岩盤は緑がなくて茶色だけで寂しいのだが、それを覆って、飾り付けているようだ。氷瀑に雪は邪魔だと思っていたが、こんなふうになると、雪もいいものである。
今回の滝めぐりの最後は、おみかの滝だ。
南相木川を下流に向かって自動車を進めていくと、諏訪神社のすぐ向かい側の役場のような場所に見覚えのあるバスがとまっていた。あれ、大禅の滝の駐車場にとまっていたバスじゃなかろうか。
アマチュアカメラマンさんたちを乗せたバスがこちらにも来ているということか。でも、あのバスでは、おみかの滝まで行くのは大変じゃないかなぁ。
そう思いながら、我々は県道からほぼUターンみたいな左折で集落に下って行く細い道に入る。道案内に従って、とにかく細い道を進んで行く。前回行ったことがあるので、迷わずにたどり着くことができた。
前に来た時は積雪はなかったものの、道路が凍りついていて、一番奥の橋のそばまで自動車で行くのは怖かったが、今回は積雪のため入ることができなかった。手前のやや広い場所に駐車して歩き出す。
1台同じ場所に止めていた自動車の持ち主らしい人が戻ってくるのにすれ違ったが、なんと釣り竿を持っていた。こんな真冬に何が釣れるのかしらん。
  
  今年は雪が多いなぁ。

  
  トンネルをくぐる。

  
  トンネルの窓から滝が見える。

  
  トンネルの壁にはでっかりツララが。

橋の上から見てみると、凍ったおみかの滝が見えた。
トンネルに入って、途中の覗き窓からも滝を見る。あれ〜、おみかの滝ってば、こんなだったっけ、というくらい、凍った上にもっさり雪が積もっていて、太って見えた。
あ、滝見台に人がいる。おや、ここに来るまでに釣り人にすれ違ったが、彼のもののほかに自動車は無かったはずだが。
よくよく見ると、トンネルがわでなく、はるか上の諏訪神社までつながる遊歩道にも人がいる。おおおお、もしや、あのバスのカメラマンたちか。諏訪神社から徒歩で下って来たってか〜。
ナイスファイトと言いたいところだが、実はその遊歩道、結構危険らしかった。
と、いうのも、ちょうど私たちが滝見台に着いた時に撮影を終えたお年寄りのカメラマンがてっきり我々も上から下ってきたのだと思い込んで「少し離れて歩かないと危ないよ」と上を指さした。かなり上のほうの遊歩道を歩いて登っている人が見えたのだが、その足元が崩れているように見えた。つまり、上からの落石、もしくは転落した場合の巻き添えを考えて離れて歩けということなのだ。うわ、それ、ものすごく危険。まして、この季節だと積雪や凍結もあるだろうし。
いやいやいや、私たちはトンネルから来ましたと答えた。
上から下ってきたカメラマンたちは、おみかの滝が覗き見えるトンネルの途中の窓の存在を知っているのかなぁ。どうも気がついていないみたいだなぁ。
危険を顧みず、体力を使って遊歩道を登って行く人たちを見て、なんだか気の毒に思えてしまった。
ところで、おみかの滝はちょうど日陰になってしまって、どこからどこまでが滝でどこからどこまでが積雪なのかよくわからない状態だった。が、思ったよりも凍っていたので、とりあえず氷瀑を見た気分になれた。
これにて、本年の氷瀑めぐりは終了である。
箱瀬の滝の滝前の崖が崩落していたのはちょっとびっくりしたが、大禅はハズレていなくて、十分に見ごたえがあった。よく晴れた冬の一日を満喫できた。
交通
新潟から行くと、一番近いICは、上信越自動車道の佐久IC。ICをおりて右折して国道141号バイパスに出る。あとは清里方面に向かってしばらく走る。国道299号線の交差点を過ぎて、もう少し走ると、小海駅に向かう馬流という信号になる。ここで左の橋を渡って、県道2号に入る。トンネルをぬけて、道なりに進んで行く。しばらく走ると北相木村に入る。そこで県道124号北相木村方面に進む。124号をしばらく進むと、箱瀬の滝がある橋などを通る。
その橋を渡り、少しすると(三滝何キロという看板が随所にある)、右手にでっかい看板で三滝と書かれた矢印がある。ところが看板に見合わず左折する道は細い。細いうえに民家と民家の真ん中にあるので、道であるかどうか分からなくなったりする。とにかくこの看板のすぐそばの道に入るのである。
この道は林道で、すれ違いに困難な箇所のある道をしばらく走る。 しばらく走ると50台ほど駐車できる広い駐車スペースに出る。トイレあり。
この駐車スペースから徒歩で10分も登らずに大禅に出る。小禅は、この遊歩道の途中から行くことができる。登るが分岐からはすぐである。
北相木村から南相木村へは、大鰭トンネルを通って行くのが一番わかりやすい。案内があるので、迷うことはない。
以下の道案内は下流から説明しているが、大鰭トンネルから南相木村に入ると、おみかの滝よりちょっと上流になるので注意するように。
南相木村に入って一番手前にあるのがおみかの滝であるが、この滝の入り口はたぶんわかりづらい。祝平の集落のバス停の真ん前にある小路に右折で入る形である。そこに入ってしまえばあとは案内がある。小路を見落とした場合は、南相木小学校の向かいあたりにある諏訪神社におみかの滝の言われの書いた看板と案内図があるので、それをじっくり見よう。
滝までは階段とトンネルがあるが、冬季は凍結しているので注意。
さらに南相木川をさかのぼる形で県道2号を走るとほどなく立岩の滝の看板がある。看板を通り越して少しすると路肩が広くなっているのでそこに駐車して遊歩道で滝前に。5分も下らないで滝だ。
さらに県道2号を進み、南相木ダム方向に行くと、温泉施設滝見の湯がある。大きな建物なので見落とさない。この第二駐車場のすぐそばに犬ころの滝へ下る遊歩道がある。ここも冬季は凍結するので注意。滝は道路からでも楽々見下ろせる。もちろん、温泉施設からでも見えるらしい。

リンク 南相木村滝めぐりのページ

2013年滝初め 北相木村の滝(箱瀬の滝、三滝、雪瀬の滝)へ


んがお工房の日本百名滝めぐり  滝レポートトップ  掲示板