2017年夏、白山市の滝めぐり@ホワイトロードの滝たち2017年夏、白山市の滝めぐりそのA

綿ケ滝





綿ケ滝
落差30メートル。
手取川支流の駿馬川がそのまま落下。
あたかも綿をちぎって放下するに似ているので
綿ケ滝と名がついたと看板にあったが、
ちぎった綿じゃないだろ〜。



直近の岩から滝までの距離感は
こんなもんです。



手取川がエメラルドグリーンだった。



こんな感じで川にドバドバ落ちる。
滝つぼは川そのもの。



こちら、展望台からの滝。
大きさが分かる。



上の写真と大差ないけど、
河原の岩場に人がいるのも
写っているのよ。



綿ケ滝の対岸の流れ落ち。



これも。
あちこちにあった。
この場所じゃなければ立派な名のある滝に
なれたのになぁ。



綿ケ滝の下流はこんな感じ。



アップにしてみると、
左側から川の流れこみが。
人がたくさんいるのがわかるかな。
2017/8/13   綿ケ滝(落差32m)  石川県白山市      
ホワイトロードを岐阜県がわから石川県がわへと通り抜け、新潟に戻る途中で拾える手取川沿いの滝を見るつもりで自動車を走らせる。
2つの滝は確実に見るつもりだった。
一つは手取川渓谷の綿ケ滝。もう一つは、板尾の不動滝。どちらも落差30メートル以上ある見ごたえのありそうな滝である。
ただ、行くつもりでありながら、まともな資料も持たずに来てしまっている。
あるのは、大雑把な地図が申し訳程度についている滝の本だけである。でも、まあ、行けるだろう。
幸いなことに、綿ケ滝はナビに入っていた。
色々笑わせてくれるルートを案内する我が家のナビではあるが、ナビの性質上、どんなにおかしなルートを通しても目的地には着く。(もとい、我が家のナビに関していえば、目的地に着くのではなく、目的地の近くに着くのだが)とりあえずナビを信用して、自動車を走らせた。
ところが、ホワイトロードの中宮料金所から国道157号に出て、手取川沿いに走る道に入ったあたりはとても見事な田園地帯。
どう見ても平らな田んぼが広がるばかりで、ちっとも滝の気配がしない。というか、山らしくもない。渓谷なんて感じでは全くない。
ナビが目的地に近づきましたと言い、案内を終了した場所はちゃんと「綿ケ滝いこいの森」になっている。
広い駐車場に自動車を入れ、ちっとも滝の気配のしない場所を見回すと、キャンプ場の案内看板があった。
看板が言うには、左に行けば綿ケ滝展望台「綿ケ滝を遠望できます」。右に行けば綿ケ滝「手取渓谷におりて間近に滝を見学できます。階段約120段あり」。
ちゃんとあるんだ、滝。どういうふうに落ちているんだろう、どう見てもこの田園風景に30メートルの落差の滝が落ちる場所は無いみたいなんだけど。
というより、まず、手取川が見えない。川のあるらしい方向は雑草ぼうぼう。水音さえ聞こえない。
とりあえず、遠望から行きますか。
左側に進む。
左側は自動車も通れる舗装された道だ。展望台がある感じでは全くない。

  
  キャンプ場入口にある案内図とトイレ。

    
  展望台に行く道。滝の気配ゼロ。展望台もこんな感じで滝臭ゼロ。。

しかし、ほんの3分歩くだけで右手に展望台が現れた。雑草に埋もれた感じである。ここから滝が見えるの〜?
見えた。
わわわわわわ。
ホントーに落差30メートルあるわよ。しかも、大迫力でどわどわ落ちている。
ここに来て、田園地帯に落差30メートルの滝があるからくりが分かった。田んぼのある位置から川が30メートル以上下を断崖を作って流れているのである。
田んぼと同じレベルで広大な河川敷を作ってゆったり流れる川を見慣れた私にはかなり衝撃的だった。
それにしても、綿ケ滝、迫力がある。
どうどうと音を立ててエメラルドグリーンの手取川に落ちて行っている。
この水音がなんで聞こえなかったのかな。川と道路の間にはほんのちょっとの緑しかないのにな。
遠くから見ただけでもすごい迫力なので、すぐにでも近くに行ってみたくなった。
駐車場まで戻りさっきの看板の示すように右側へと進む。そちらはキャンプ場になっている。途中で川に下る階段に続く道にそれる形だ。

  道路をそれて綿ケ滝へ行く道へ。

  舗装道路をもうちょっと進んでこのポストの脇からも階段に行ける。。

  歩道を歩くと階段が見える。

  とても急な下り階段を慎重に進む。

階段はかなり急だった。
垂直な崖になんとか階段を設置しようと色々と変形した石の組み合わせになっているので、下を見ないで下るのはとても危ない。
しかも、じめっとしている。
途中から綿ケ滝の真横を見ることができるのだが、じめっと暗い階段から滝の真っ白い流芯がまぶしいくらいである。

  途中からぶっ飛ぶ白さの綿ケ滝が見える。

河原、というか手取川の水面レベルの岩場に降り立つ。
なんだか、すごい空間だぞ。
綿ケ滝は迫力のある滝で、一番目を引く滝ではあるが、対岸の岸壁からも何本も滝を落ちている。
さらに下流には別の川の流れこみも見える。
そりゃじめっとした感じにもなる。これだけあちこちから滝が流れ落ち、手取川もとうとうと流れているのだ。
滝好き、狂喜乱舞。
わあすごい、わあすごい、と言いながら岩の上を歩いて綿ケ滝に近づいた。
階段から岩の上に降りてすぐ右側に行くと綿ケ滝の直近に行ける。が、そこも岩の上。私の靴はどういうワケかやたら滑って、ほかの見学者がするする歩ける場所もよたよた行かなくてはならない事態になってしまった。
よたよた状態では滝の一番近くに立つのは大変である。滑って手取川に落ちたらニュースになってしまう。でも、迫力の滝が間近に見たくてへっぴり腰で近づく。
本当にすごいや。川の流れがそのまますぽんと空中に投げ出されて、円柱状に30メートル落下しているイメージである。
滝って、意外と水量が無いものが多いのだ。ちょっとの水量でも岩盤を散らばって滑って落ちて行くとけっこうな迫力の滝になってしまう。その手品みたいな手法を一切使わなくて、直球で迫力が出てしまっている。
綿ケ滝を見てから、落ち着いて周辺の岩盤を見てみると、本当にもうそこらじゅうから水流が落ちていた。その源は川なのやら沢なのやらそれとも伏流水なのやら、さっぱり分からない。とにかく、岩盤ほとんど水。
緑もわっさわさ。この緑が水の音を吸い込んで、田んぼからは気配さえ感じさせていないのだろう。
下流を見てみると、左岸からもう一本かなりの川が流れ込んでいるらしい。落差はないが、段差になって幅の広い水流が見える。
が、ちょうどこが見学者の遊び場になっているようで、たくさんの人がいた。
行ってみたいな、という気持ちもあったが、なにせ靴が滑る。あっちまで行くのは危険だった。
この先、板尾の不動滝にも行くつもりだったので、この場はここで撤収。急な階段を上って駐車場に戻った。

さて、板尾の不動滝。こっちはマイナーでナビにはもちろん入っていない。しかし、地名では検索できる。大雑把な目標である手取川第三ダムというのもわかる。手持ちの地図でをあてにして、とにかく出発した。
と、途中で黄門橋を渡るあたりに名水百選の文字を発見。
あら、こんなところに名水があるわ。あわよくば汲んで行こうかしらと、自動車を止めた。
いわく、弘法池。おお、こんなところにも弘法様。国道360号沿いにある3台くらい駐車できるスペースから道を渡って民家の脇を通って小路を進むとその池はある。すぐ近くにも3台くらいとめられるスペースがあるが、国道の看板のほうが目立つのでそこに駐車している自動車はなかった。
池といっても、むしろ井戸があふれている、と言ったほうがいいくらいの場所で、弘法さまの像が見守っている。水を汲むのは、そこからひいているらしい蛇口が1つあるがすでに人が使っていたし、観光客も多かったので、われわれは遠慮した。飲んでみたら、本当に無味無臭のまっさらな水だった

  
  弘法様の見守る弘法池。柵の中が池だ。

  見学者も多い。

  青い屋根の下が水汲み場。

あとで調べたら、井戸に見えたのは甌穴であり、全国的にも珍しい甌穴の湧水であるとのこと。名前の由来は「旅の僧侶がおばあさんに水をくださいと言ったらおばあさんはこころよく受けてくれたが、なかなか水を汲みに行ったまま戻らない。かなり待ったら戻ってきておいしい水を飲ませてくれた。どこまで行ったのかと聞いたら手取川まで汲みに行ったという。手取川はとんでもない断崖の川でそこまで汲みに行ってくれたのを感動した僧侶が錫杖でついたら、冷たい水が湧き出てきた。あれはきっと空海さまだったのだろう」というもの。突っ込みどころの多いお話だが、便利な空海の錫杖のおかげで我々は全国的に湧水や温泉の恩恵を受けられる。

寄り道はそこまで。国道157号に復帰して、手取川第三ダム方向へ県道181号にそれる。あとは地名を頼りに左手を流れる川を渡る橋を見つけ、林道に入り、さらに進めば板尾の不動滝にたどり着けるはずだ。
はずっだった。
ところが、この林道、細いのよ。しかも、何にも道案内ないのよ。かなり進んだと思うのだが、まったくそれらしい感じにならない。確実にこの場所で大丈夫という確信もない。入る道を間違っていたとしたら、遭難しかねない。
途中で、河川関係の地図らしきものを発見したので、ダンナが確認すると自動車を降りた。が、しかし。
自動車を止めたとたんに、わわわわわわわっと小さいつぶが自動車にバチバチ当たって来たのだ。メジロアブである。
ダンナが見ても全然分からないと言って戻って来たそのドアの開閉だけで、何匹も入って来た。きゃーーーーーっ。やめてーーーーっ。
ジタバタしながらアブを追い出し、もう完全に戦闘意欲を失ってしまった。
戻ろう。
板尾の不動滝、もういいや。
もしたどり着いたところで、メジロアブだらけだったら見学どころじゃないし。しゅんとなってしまった。
あとあとよく調べたら、その道で間違いなかったらしい。もうちょっと走っていればきっとたどり着けたのだろう。で、滝前でメジロアブに泣いていたのだと思う。どっちがよかったのか、ちょっと分からない。

仕方なく来た道を戻り、あとは最寄りの高速道路のインターを目指すだけである。途中、道の駅しらやまさんというのがあり、そこで何か情報がないかと立ち寄ってみたが、白山手取川ジオパークの事細かな説明があり、板尾不動滝の写真まであったにもかかわらず、位置の説明はなかった。だめじゃん〜っ。行きたいと思った人が行けるようにするのが道の駅の役目じゃん〜。
まあ、そこでジオパークであることを学習できて、本日はその山と雪のエリアのホワイトロード沿いの滝と川と峡谷のエリアの綿ケ滝を見たのだと確認することができましたとさ。(白山手取川ジオパークのサイトはこちら

ちょっと残念だったけど、我が家にしてはがんばった滝めぐりだと思う。実は翌日月山に登るつもりだからね。無理はできないね。(ちなみに、翌日の月山のレポはこちら
白山ICから北陸道に乗り、家に着いたのは午後8時ころ。お疲れ様でした。

 交通
綿ケ滝 最寄ICは北陸自動車道白山IC。インターを出て、国道157号を南下。白山市内を通り抜け、道の駅しらやまさんを通り越し、さらに南下。白山さんろくテーマパークという公園を右手に見つつ通り過ぎ、もう少し南下すると「下吉野」という交差点で国道360号が右に分かれる。そちらに入るとすぐに「黄門橋」。このあたりに「弘法池」がある。綿ケ滝は、黄門橋を渡って「釡清水」交差点を左に曲がって県道178号を進む。しばらく田園地帯を走って行くと左側に「手取渓谷、綿ケ滝いこいの森」であるという案内があるので、そちらに曲がるとすぐに駐車スペースになる。
遠望する展望台は徒歩3分でサンダルでも行けるが、すぐ近くまで行くには滑らない足回りが必要。急な階段を下りて行く。しかし10分弱程度で滝前に行ける。

弘法池 上記「黄門橋」をそのまま直進するとすぐに下のような案内がある。案内のすぐ左手が駐車スペース。そこから国道を渡って民家の脇を通ってすぐに弘法池。
池のすぐそばにも下の写真のような駐車スペースがある。
  

  

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