2021年晩秋の群馬
棚下不動滝(雄滝、雌滝)





棚下不動滝
雌滝

まず最初に目に入ってくるのがこの雌滝。
赤城山の溶岩が作ったという規模の大きな断崖を
一直線に落ちる姿が駐車スペース周辺から
見ることができる。


この断崖が紅葉して美しくなるようだ。
ただ、さすがに12月。
すでに紅葉は終わってしまって、枯れた状態。
時期を選ぶと、とてもいい写真が撮れそうだ。



棚下不動滝
雄滝

小さく写ってしまったが、見ごたえのある裏見の滝だ。
水量も多く、この滝の水を滝行で受けるとは
ちょっと信じられない。


こちらは、我々が知るずっと以前の遊歩道では
見ることができなかった角度の雄滝。
紅葉時はさぞ綺麗だろう。


遊歩道終点より撮影。


滝の裏側へと進む。


滝を通り越してさらに先へ。


以前はこちらからの角度しか
滝の全体を見ることができなかった。


落ち口。
落ち口にも赤くなる木がある。
紅葉時は白い岩盤とあいまって、
美しいにちがいない。


裏見の滝の裏側から撮影している
ダンナを撮影。


滝つぼ。
こいつが浅いので、滝行ができるのだろう。


滝つぼの大きさはこんなもん。
直瀑だが、あまり流芯がブレない滝なのか
そんなに広い滝つぼではない。


遊歩道の途中から見た雄滝。
こっちがわの遊歩道を作ってくれて、
本当に感謝だ。

2021/12/4 棚下不動滝 
          雄滝(落差24m) 雌滝(落差40m)  群馬県渋川市
12月に入って、いよいよ新潟の山々は山頂が白くなり、万年登山初心者の私たちではとても登れる状況ではなくなった。
というのに、12月に二人揃っての連休になるのは年末を除いてこの4日5日のみである。
せっかくだから山に登りたいね、でも登れる山がないね。近県はどうだろうね、もちろん山形福島長野の山も山頂は白いだろうね。でも、群馬はどうだろう。
赤城山。
実は、2019年の11月に赤城山の地蔵岳に登っている。
今年は冬が遅いし、きっと雪も積もっていないだろう。寒いことは寒いだろうけど、標高の高い場所まで自動車で行けるから、根性のない私たちでもきっと登れるに違いない。
と、いうことで、赤城山に登ることにした。
2019年に行った時には帰りに不動滝に立ち寄っている。(2019年のレポはこちら)
毎回同じでは芸がないので、今年は棚下不動滝に行ってみることにした。
棚下不動滝には実は何度も行こうとしている。なにせ、前回に行ったのは2004年なのだ。あまりに昔だ。
しかし、途中の道路が災害で通れなくなっているということで、ナビに入れても案内してくれない状態になっていた。
それが最近行けるようになったという。
ならば行こう。
登山も完了して(赤城山登山のレポはこちら)、いつもは拒否するナビに棚下不動滝と入れたら、しっかり案内を開始した。おお、本当に行けるぞ。
あとあと知ったのだが、自動車の通る道路が通れるようになったのは、だいぶ前のことで、最近では遊歩道のほうが崩落して滝に近づけない状態だったとのこと。
どっちみち、長いこと棚下不動滝には行けない状態だったのではあるのだが。
ナビに案内してもらった道で今まで通ったことのない道を走る。こんな道通ったっけ?と首をかしげながら、左に利根川の大きな流れを見つつ走る。
トンネルを通って先を見ると、屏風のような岩肌から滝が一筋落ちているのが見えた。
見えるじゃん、棚下不動滝。
いや、この時点であの滝が雄滝と思っている私だ。すっかりどんな滝だったかも忘れてしまっている。
屏風のような岩肌から落ちているあの滝は雌滝である。
さて、ナビの案内で棚下不動滝の入り口に到着。道の向かい側にある駐車スペースに自動車を入れて、鳥居の前に行く。
鳥居から先に自動車も通れる道が伸びているのを見て、あれ、こんな感じだったっけ?と首をかしげる。とにかくほぼ見事に忘れている。困った人間である。

    
  棚下不動滝の入り口。赤い鳥居は右側のポールの後ろに隠れている。
  ダンナと遠くの断崖の雌滝、そして、小屋のように見える巨大岩の不動様。
  この大きさ比較で断崖の雄大さと、巨大岩の巨大さがわかるかしらん。


  
  鳥居のそばにあった案内看板。しかし、これは、遊歩道が新しくなる前のものだ。
  遊歩道が滝の右岸につけられている図になっている。これも変えてね。


鳥居の手前のスペースに巨大な不動明王の石造があった。これは確実に見たことがない。何かしらん、これは。不思議に思いながら、坂道を登って行く。
戻って来てから説明を読んだが、この巨大な岩は、東日本大震災の時に落ちて来た岩で、それを彫って祈念の像にしたとのこと。
これ、ホントーにデカいんですよ。かなりびっくりだ。

  
  ちょっとした小屋くらいの大きさのある巨大岩の不動様。

    
  意外とキツい登り坂。黄色い花が咲いていた。

坂道を登り、カーブを曲がると、前方にトイレと鳥居が見えた。
不動尊の社が見えてきたが、道はその前を通って橋を渡っている。
そして、橋の先から遊歩道が伸びていて、雄滝が落ちているのも見えた。

    
  トイレと、その奥に不動尊。

  
  不動尊を通り過ぎて、小さな橋を渡るとすぐに遊歩道になる。
  もう滝が見えている。


あれ、確か棚下不動滝ってば、滝の右岸に遊歩道があったんじゃなかったっけか。
そんなどうでもいいことは覚えている。
遊歩道は階段が整備されていたかと思ったら、すぐに泥っぽい道になり、かなり前に倒れたらしい倒木を跨いだりしなくてはならなくなった。
滝が見えているので心配はないが、意外にワイルドな道である。

    
  整備された道だが。

  
  いつ倒れたのか、倒木などが道の途中に。

すぐに滝前に着き、裏見の滝である雄滝の裏側に行けるような作りになっていた。
しかし、落石の心配があるので、ここから先には行かないように、と看板があった。
ちゃんと棚下不動滝遊歩道、終点、という立札も立てられている。
ふむ、そうかそうか。
でも、行くわよ。走って迅速に見るわよ。
と、いうことで、いけない大人は裏側に回り、そして、滝の右岸まで通り抜ける。
右岸にはまだ残っている紅葉が赤く染まっていた。
そして、見事なまでに崩落している以前の遊歩道の残骸もあった。
おお、こんなふうに崩れてしまったら、そりゃ滝まで行けるようになるのは時間がかかっただろう。
新しく対岸に遊歩道を作ってくれたことに感謝したい。
私が駆け戻ったあとにダンナが滝の裏側に行く。
その間に別の観光客が来てしまって、いけない大人がいるもんだから、やっぱりいけない大人になっていた。すいません。自己責任ですからね。

    
  不動尊の裏側にある古い遊歩道は通行禁止になっていた。

遊歩道を戻って、不動尊に立ち寄ってみて、その奥から伸びているはずの昔の遊歩道を見てみた。
しっかりとロープが渡されていて、立ち入り禁止になっている。
ただ、見える範囲では崩落の箇所までは見えずに、階段は綺麗に残っていた。
駐車スペースに戻ると、午後4時少し前。もう薄暗くなる頃だ。
赤城山にも登って、棚下不動滝も見て。百名山と百選の滝を堪能した有意義な冬の一日になった。

  
  まだ赤いもみじが残っていた。

交通
  棚下不動滝  最寄ICは関越自動車道赤城IC。ICを出たら国道17号線方面へと左折する。いくつか交差点を通るが、「西原」という交差点で右折。県道255号に入る。県道255号は集落の中を通る細い道だ。やがて左に利根川やJR上越線を見ながら崖沿いのような道を走るようになる。時々すれ違い困難な細い箇所もあるので注意が必要である。だいぶ走ったな、というあたりで右側に大きな看板があり、棚下不動滝になる。小さめの赤い鳥居と、巨大な岩の不動様が目印だ。
その向かい側に専用の駐車スペースがある。
雌滝は駐車スペースからもよく見える。
雄滝は、鳥居の先にのびる自動車も通れる舗装道路を登って行き、トイレ、不動尊の先にある遊歩道を登って行く。
遊歩道は整備されてはいるが、ところどころ泥っぽい場所もあるので、きちんとした足回りがいいだろう。
滝前までは、駐車スペースからゆっくり歩いて15分くらいである。


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