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   「飛竜」賀老の滝 



「飛竜」賀老の滝
なぜ「飛竜」の文字が頭につくのか、
色々調べてみたが不明。
とにかく、案内版にはかならず「飛竜」が
つけられていた。
なお、「飛龍」と書かれているものもあったが、
林道から滝に下りる地点にあった看板に
書かれてあった「飛竜」のほうで紹介する。


上の写真とこれは川まで下りて撮影したもの。
滝がほぼ全部見える。



こちらは、展望台より撮影。
滝の下が隠れるうえに、木が邪魔。



展望台の踏み跡から上流側に登って撮影。
手前の斜面一面に花が咲いていて
なかなか綺麗だった。



咲いているのは、これ。
恐らく、オニシモツケ。
小花が密集していてかわいい。



大きさ比較。
というより、滝との距離感はこんなもの。
まだ上流に行けそうだったが、
ここでやめておいた。



で、上の写真でダンナが狙っているのは
この花です。



川から見ると、こんなスケールで滝がある。
大自然を感じる。



上の段もよく見える。
下段に比べて幅が狭いので、
激しい流れに見える。



天候と時間の贈り物、虹。
7月15日の午前7時30分でこの位置に出る。



でも、展望台からなので、
滝の下半分が見えない。
河原からでも虹の見える時間帯が
あると思う。

2007/7/15   「飛竜」賀老の滝(落差70m)
         
翌朝は、かなり早く起きた。というのも、北海道ったら、夜明けが早いのだ。
前日の夜、午後8時を回ったというのにまだ西の空が明るいのを見て、北海道は夕暮れが遅い、と思ったのだが、それだけではなくて夜自体が短かった。
なんと午前3時台にはぼんやりと明るくなって来たのである。
「ちはせ川温泉旅館」は、体のいい海の家状態の建物なので、窓は曇りガラスだけでカーテンも障子もない。ダイレクトに外の明るさがわかる。
私は午前5時前にはのそのそ起き出して、5時になるのを待ってお風呂に入った。
予定では7時くらいに出発のはずだったが、6時にはすっかり出かける用意ができてしまった。
前もって早くに出ると伝えると、朝食は7時からなので、食べられないのであればおにぎりを用意します、と言ってくれていた。受け取ると、朝食分だけではなくて、お昼の分まである。しっかり1人に2パックずつ。ちょっとしたおかずもついている。実にありがたい。
朝の分のおにぎりを部屋で食べて、朝食の仕度で忙しい宿の人たちに挨拶をして本当に6時過ぎには宿を出てしまった。

すでに千走川をかなり遡った場所にちはせ川温泉旅館はあるので、それほど走らずに賀老の滝に行きつけるはずである。
林道ではあるが、それほどアップダウンやカーブのない、これぞ北海道の林道という道を走る。両側は原生林だ。熊だの鹿だの狐だのが出て来ないかなぁと思ったが、出て来てくれなかった。いや、熊が出たら出たで怖いんだけど。
途中工事中で激しい段差がある場所があったり、小さな分岐があったりもしたが、しっかりと案内版があるので迷うことはなかった。
そんな道を15分ほど走って行くと、広い駐車場が左右にある場所に出た。賀老の滝Pとデカイ看板があり、左側には賀老の滝への矢印もあった。綺麗なトイレもあり、ここで泊まったらしい自動車が何台かあった。キャンプができる場所でもあるので、テントを張っている人もいた。すでに滝に行って来たらしい人たちもいる。
仕度をして、矢印のさす方向へ歩き出した。
 
賀老高原駐車場。左側にトイレがある。

   
  
どこまでもまっすぐな林道。熊が出るかもしれない。
舗装された真っ直ぐな道が続いているのだが、自動車止めがあって自動車は入ることが出来ない。どうやら原生林の保護のためらしいが、入り口の大きな駐車場に至るまでだって原生林のど真ん中を自動車で走らせられたのだから、この先の数分を徒歩にしてなにかしらの意味があるのかしらん、とも思ってしまう。
それにして真っ直ぐな道で、このままなだらかな林道のまま滝についてくれればダンナの足にも優しいなぁと思っていた。
が、そうは優しくなかった。
10分ほど歩いて行くと、右側に小さな広場がある場所に出た。以前はここまで自動車が入れて、ここが駐車場だったらしい。
左側に賀老の滝、展望台まで670メートルと案内の看板があり、右側には滝の説明板とログハウス風の建物がある。ここから先は矢印の示す遊歩道へと入って行く。
 
赤い矢印から先が遊歩道。熊に注意の看板あり。

 
遊歩道の入り口にあった説明板。
遊歩道は、ある程度整備された登山道といった面持ちの道だ。ただ、渓谷へ行くには下るわけで、帰りが思いやられる。
アジサイやクルマユリなどが咲いている道をのんびりと下って行く。ダンナの今の足の状態では下りのほうが大変なので慎重にならざるを得ない。
 
遊歩道はだいたいこんな感じで下る。
最初、川はかなり下のほうに流れているように見えるが、次第に水の音が近づいて来る。いくつかのつづれ折を曲がった所で、重低音の水音が聞こえるようになってきた。
ゆっくりとしたペースで15分ほど下ったあたりに柵が施してある場所があり、そこからついに賀老の滝が覗き見ることができた。
 
柵のはるか向こうに滝が覗ける。
うわぁ、大きい。まるで水のスクリーンだ。
ここからもう一下りして、川辺に行く。
道は川の少し手前で右に折れる展望台への道と川に向かっている道に分かれるが、まず先に展望台に行った。
展望台と言っても、それほど綺麗に滝が望める場所ではない。
あまりに右に寄りすぎていて、手前の岩盤が滝の下半分を隠してしまっている。しかも、木が繁っていて視界をさえぎるし。
ふと見ると、その展望台の先に無理やり行ったらしい踏み跡があった。土砂が崩れて木が倒れこんでいる場所を乗り越えて、とりあえず展望台の手前にある木の向こう側に出られるらしい。
ダンナはちょっと不安があるのでやめさせといて、私はそっちにチャレンジした。土砂崩れの跡でどうにも不安定な感じがしたが、展望台よりはよく見える。それに、なんとまあ、綺麗な虹まで見えるじゃないか。
数枚写真を撮って、ダンナの場所に戻ると、ダンナは柵を乗り越えて滝を撮影中だった。こらこら、だれもいないからいいものの、イケナイなぁって、自分はもっとすごいことをしているというのに。
どっちみち、展望台からだと滝の全体が見えないので、川の方に下りてみることにした。釣り人が一人川の中央の岩に座って釣りをしていた。
河原から滝までは意外と遠い。だが、展望台よりは滝全体が見渡せた。
大きな岩を伝って上流まで行けば滝にかなりの所まで近づけそうだったのだが、今回はやめておいた。
まだ旅程の先があるので、ここで滑って濡れたり怪我をしたりするわけにはいかないのである。
それに、川のレベルまで下がってしまうと、虹が見えなくなってしまっていた。
滝の全体もそりゃあ素晴らしいが、ここはやっぱり時間と天候の贈り物である虹をしっかりキャッチしたい。
さっきより日差しが強くなったのを確かめて、もう一度展望台のほうまで上った。それほどの高さの差はないのだが、ここまで来るときっちりと虹が見える。
またしばらく撮影して、名残惜しいがいつまでもその場にいるわけにもいかないので戻ることにした。
行きに下ったということは、帰りは登りというわけで。だが、思ったよりも登りは辛くない。行きに撮りそこなった花などを撮影しながら登るうちに林道にたどりつき、あとはだらだら歩くだけでよかった。
   

   
  
遊歩道を彩る花々。ちょうどアジサイのシーズンだった。
途中何組かの人たちが滝を目指していくのにすれ違った。まだ午前8時前である。なんとなくもうお昼くらいの気がしてならないけど。
駐車場に戻るあたりで、なんだか遠くからカミナリの音が聞こえてきた。
本州にいるらしい台風の余波の雲なのか、黒い雲が見えている。
まさか、降りはしないだろうなぁ。少し心配になった。
駐車場で次なる滝、インクラの滝をカーナビに設定する。ここからはかなり遠い。それでもまだ8時だし。昼には着けるだろう。
雨にならないことを祈りつつ、賀老の滝の駐車場を後にした。
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交通
  「飛竜」賀老の滝  最寄ICは道央自動車道長万部IC。国道5号、県道9号を乗り継いで北上する形で噴火湾から日本海側に出る。あとは国道229号で島牧村に入り、道の駅「よってけ、島牧」近くの道で海とは反対側に入って行く。案内看板があるので迷わない。島牧村のHPによると、国道から駐車場までは自動車で約20分。細い林道だが快適に走れる。
自動車で行けるのは、賀老高原駐車場までで、ここから約10分林道を歩き、さらに20分遊歩道で下って行く。
遊歩道は概ね整備されているが、途中に岩っぽい場所もあるので、軽装では行かないほうがいい。

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