そのA日塩もみじラインの滝へ2007年滝納めB
尚仁沢湧水周辺の滝
(尚仁沢湧水、赤滝、大滝)
 





尚仁沢湧水
見ればわかると思いますが、
滝ではないです(笑)
でも、滝好きであれば狂喜する風景であることは
間違いありません。



滝でもないのに、大きさ比較。
赤丸の中にダンナがいる。
いたる場所から水が流れ落ちている。



湧水の川。
途中の岩の苔が真冬でも緑色なので、
水温が一定の湧水だと分かる。



その川の湧き出し口がこれ。
どばどばと湧き出しているが、
これより上には水の姿が見えない。



湧水より少し下流の尚仁沢川。
とても綺麗な流れだ。
緑や紅葉の時期は、もっと映えるかも。





赤滝
真ん中に赤い岩盤があり、
これが赤滝の由来か、と分かった。
水量は少ないが、その水が下の岩に当たって
砕ける様子がとても優美だ。



大きさ比較。
赤丸のなかにダンナがいる。
滝の手前にゴロゴロと大岩があって、
テラスを作っている。


滝つぼはない。
下に体積した岩に水がぶつかって、
下流に流れていく。


大岩のテラスの下はちょっとした淵。
この右手には赤い鳥居の神社があり、
祠もあるようだった。





大滝
幽霊が出そうですけど、
日没後の撮影なのでご容赦ください。
肉眼では、滝の白い水流がスクリーンになって、
あたりがほの明るかった。


到着直後の私のカメラの撮影。
滝のすぐ脇に立てる。
画像処理ってすごい。
こんなに明るく写っていませんでした。
2007/12/30  尚仁沢湧水  栃木県塩谷町
           赤滝
 (落差15m) 栃木県矢板市
           大滝
 (落差10m) 栃木県塩谷町
                      
今回、滝納めに栃木を選んだのは、名水百選の尚仁沢湧水の存在が大きい。今まで何度も栃木を訪れているが、この湧き水を味わったことがないのである。
竜王峡から県道63号を西に進めばその先に尚仁沢湧水がある。どこかにお昼を食べるいい場所もあるだろう。
そんな甘い気分で県道63号に入ったら、いきなりものすごく細くなった。
これってば、林道って言わないか?かろうじて舗装はされているものの、時折すれ違いも困難になるくらい細くなり、しかも、峠のような場所になった。登りつめたと思ったら、いきなり農園のような風景が現れ、牧場っぽくなった。
いかん、このままではお昼を食いっぱぐれる。峠を下りはじめ、農園から少し離れた場所に沢を渡る所があり、砂防ダムが見えた。あの縁に腰掛けてごはんにしよう。
外は寒かったが、12月のわりに気温は高く、幸いなことに日光も差してきた。ものすごく透明な沢の水を見ながらバーナーで湯を沸かし、カップラーメンとコンビニおにぎりの昼食を済ませた。
それから少し自動車を走らせて、東荒川ダムに到着。見ると看板にしっかりと尚仁沢湧水とある。その矢印は東荒川ダムのダムサイト公園「尚仁沢はーとらんど」のほうを向いている。カーナビの案内は、まだ先のほうに進めと言っていたのだが、道路の案内にそう書かれている以上そちらのほうが正しいのだと、「尚仁沢はーとらんど」のほうに自動車を入れた。
すると、年末だというのに、ポリタンクをたくさん持った人たちが駐車場から左手に行くのが見えた。やっぱりここで水が汲めるんだ。
その人たちに混ざって水汲み場に行き、我々も尚仁沢湧水を汲む。
  
ダムサイドの水汲み場。
ついでに「尚仁沢はーとらんど」に寄ってお土産などを物色。そこで尚仁沢湧水の映像を流しているテレビがあった。
あれ、尚仁沢湧水って、源泉が他にあるんだ。
他の観光客がお店の人に聞いているのが聞こえてきた。
「湧水は歩いて30分くらいかかりますよ。歩いてしか行けないです」と答えている。
そうなのか、ここはその水を引いている場所にすぎないのか。
となると、例え30分かかっても行かねばなるまい。そのために来たと言っても過言ではないのだ。
おっとその前に地元の野菜と一緒に売っていた格安のみかんを一箱購入。オマケと言って両手のひらにいっぱいのキンカンをくれた。らっきー。
自動車に戻り、県民の森方向に走って少しするとトイレのある駐車場があった。ここから尚仁沢湧水への遊歩道が伸びているのである。
  
   
遊歩道の案内看板。歩いて片道30分ほど。
県道を渡って向かい側にある道に進む。ここから先は自動車は入れないようになっている。少し歩くと水道施設があった。あずまやなどもあり、なんのことはない、ここまで我慢すれば椅子とテーブルつきで昼食がとれたのだ。
もうすでにおなかはいっぱいなので諦めるとして、そこから先が本格的な遊歩道になっていた。いきなり登りである。しかも、ガンガン登る。階段になっているのだが、その一段がどっこらしょと気合を入れないと登れないくらい高いのだ。
  
水道施設らしいダム。

    
  
遊歩道の始まり。
    
  
ガンガン登らされて、平らな場所に出る。
ようやく平らな場所に出たかと思ったら、今度は登った分だけ階段で下る。今度の階段はスチール製の階段だが、帰りのことを考えると気が遠くなるくらい下る。下りきってつり橋で沢を渡る。覗き込んだ沢はものすごく綺麗だった。
    
  
急な下り階段とつり橋。
あとは、沢を左に見ながらゆるやかな遊歩道を歩いて行くことになる。
苔むした岩があちこちにある、とても気持ちのいい道だ。
隣の尚仁沢はなんともいえず美しく、「奥入瀬よりもずっと綺麗だね」と話ながら歩いた。(もっとも、我々は台風で濁流と化した奥入瀬しか知らない)

    
  
なだらかな遊歩道。木道が出現する。
やがて、遊歩道が木道になり、そこから湧水群に突入した。
もう至る場所が湧水である。
どこを見ても湧き水の流れだ。
斜面を湧き水が流れ落ちて来るので、滝のようにさえ見える。
現に、湧水が束になって尚仁沢に流れ落ちる部分は立派な滝になっていた。(沢を渡らないと見えないので、撮影できていません)
なんだ、湧水か、と、あなどらず、近くの滝を見に行った際にはぜひ尚仁沢湧水源流まで足を伸ばしてほしい。
とても美しい、感動的な空間だ。
と、いうことで、滝ではないにもかかわらず、長々とレポいたしました。あしからず。

ここで1時間を費やしてしまい、短い冬の日はもう西に傾いてきてしまった。あとは赤滝と大滝が予定にある。
尚仁沢湧水の先に栃木県の県民の森があり、そこの林道沿いに赤滝があるので、まず赤滝から行くことにした。駐車スペースからすぐだというから、楽勝だ。
ところが、県民の森が広かった。我々は尚仁沢湧水がわから行ったので、赤滝のある林道からは一番遠い入り口から入ったのである。
やっと赤滝林道に来た、と思ったら、あらまあ、大変なことになっていた。
林道という標識はあるものの、林道が工事中だった。これから舗装される予定なのか、平らにならされた道はあるものの通行止めになっている。
だが、カーナビに入れた赤滝の緯度経度は、あと600メートルと示している。600メートルか。歩けない距離ではないな。
この辺りが我々のバカというかアホというか。もう日は西に傾いているのに、歩き初めてしまった。
  
右の道が県道。左の道が工事中の赤滝林道。
意外と600メートルは遠かった。10分強歩いただろうか。年末のために工事の行われていない工事現場はシンとしていたが、道はぐちょぐちょだった。そのぐちょぐちょの道がいよいよボコボコになったあたりに、左手に流れる沢に滝らしい落ち口が見えた。
あれがそうかな。
だが、前方はとんでもないことになっているぞ。
  
工事中の道路。
法面さえもこれからコンクリートで固めようという、まさに工事の真っ最中の状況の場所にしがみつくように「赤滝」と看板があった。これがなかったら見落としていたかもしれない。
よおく目をこらして見ると、その看板の先はどうも遊歩道っぽくなっているらしい。工事が始まって以来だれも通っていないので落ち葉が積もり放題積もっているが、間違いなく人工の階段らしき段差がある。それを見つけてしまったからには行かざるを得ないだろう。
工事現場のブルーシートとロープを乗り越えて、落ち葉の積もった遊歩道に突入した。
  
赤滝に下る道。
とはいえ、すでに沢は見えているし、それほど困難な道のりではなかった。1分と歩かずに赤滝前に行くことができた。
予想よりもはるかに綺麗な滝だ。
滝のすぐ下に大きな岩が並んだテラスがあり、ダンナはそちらがわから撮影。
私はそのテラスの下がわの河原に下りてしばらく滝を堪能した。

再びブルーシートをよじ登り、林道に復帰。駐車した林道の入り口に戻ったのは、もう4時少し前。ほぼ夕暮れ時である。
これから大滝は厳しいかもしれない。
だが、大滝も自動車からすぐだというし、とにかく行ってみることにした。
ところが、大滝への道をカーナビに案内させたら、とんでもない方向だと言い始めた。どうもまた尚仁沢湧水付近まで戻ってその先に行かせるらしい。だとしたら、矢板市街まで出て大きな道沿いに行ったほうが早いのではないか。そう判断してカーナビを無視することにした。それが裏目に出て、少し迷い、ようやく東古屋湖に着く。
もう薄暗くなっている。
東古屋湖は釣りが盛んなのか、釣り人がいて、たくさん自動車が止まっていた。だが、大滝に行く林道が見つからない。
あら、もう東古屋湖が終わっちゃったわ、というあたりで、やっと林道が出現。しっかり入り口に大滝という看板と矢印があった。
林道に突入。ああ、両側がうっそうとした木で夕暮れというよりは闇っぽくなってきているではないか。こんなんで大滝が見えるのか。
幸い、林道のすみっこに大滝まで○メートルといった案内があったので、この道が間違いではないことは分かった。
だが、夕暮れに走るにはちょっと怖いなあという感じの未舗装の道で、しかもあちこちに水溜りや水流で削れた溝みたいなのがあり、車高の高い自動車でないと危ない道でもあった。ゆっくり走ったのでさらに時間をロス。
左側に青い看板にでっかく大滝と書かれているのを発見した時には、午後5時一歩手前。
転げ落ちるように大滝への階段を下りた。
階段はそれほど長くなく、薄暗くでも充分に歩ける。
それに、ほら、大滝が白いスクリーンになって、ぼんやりと明るく見えるではないか。
もう触れることさえできるくらい近くに大滝が落ちている。
だが、それは横側からで、正面から見るには、中洲になっている場所に川を渡っていかなくてはならない。
飛び石で行くのはたやすい水量ではあるのだが、いかんせん、薄暗かった。とにかく渡渉が大の苦手の私は、この薄暗い状況で石を飛んで中州に行くのは無理だった。
ダンナはすいすいと中州に行ってしまったが、私は手前で諦める。
と、ダンナが向こう側から、メモリーが無いっと叫んできた。おいおい、メモリーカードは自動車の中だし、もしメモリーカードが手元にあっても私は届けられないってば。
仕方がないので、ダンナが不必要な写真を削除し始めるが、薄暗くてどれが不必要なのかもよくわからなかった状況らしい。
かろうじて撮影できる状態になった時にはもうすっかり宵闇に包まれていた。
と、いうことで、左の写真の青白い姿は、日没後の大滝である。
感動もへったくれもない。闇の中の滝はある意味不気味なのだ。
そそくさと林道に戻り、そそくさとデコボコした道を東古屋湖まで向かった。
とりあえず、今日の予定は終了だ。
なんとまあ、てんこ盛りの滝納めになったのだろう。
あとは、矢板市街に戻り、温泉に入って、通勤割引のきく時間に東北自動車道に飛び乗った。(温泉のレポはこちら
で、その電光表示板に磐越道磐梯熱海から先チェーン規制とあったのに驚いたが、本当に磐梯熱海あたりから猛吹雪になった。
雪が牙をむいて襲ってくる状態で、真面目に窓の向こう側が真っ白になっている。朝はあれほど茶色い世界だったのが、真っ白け。年末大寒気団が来るというのは本当だった。
雪国在住でもお目にかかれないくらいの猛吹雪でのろのろと高速道路を走り、ようやく家にたどり着いたのは午後10時を回ったあたり。
いや、本当にご苦労様の滝納めになってしまった。
交通
  尚仁沢湧水  実は、通常向かうであろうコースの反対側から行ったので、ちゃんとした説明ができない。
パンフレットを見ると、東北自動車道矢板ICで下りて、県道30号を北上し、国道461号を左折、塩谷町役場付近で県道63号へ右折して、東荒川ダムを目指すらしい。
すぐに尚仁沢湧水の遊歩道へ行ってもいいが、まず東荒川ダムのそばにある尚仁沢はーとらんどに立ち寄って、情報を入手することをオススメする。
塩谷町方面から行くと、はーとらんどより湧水源流の遊歩道の入り口は手前にある。

  赤滝  栃木県民の森の中にある。HPはこちら。ただし、HPに滝の情報はない。アクセスは県民の森のHPに詳しい。赤滝に向かうには矢板がわからの入り口が一番近い。東北自動車道矢板ICから県道30号を北上。国道461号を通り越してさらに北上。県道56号が分岐したらそちらに乗って、八方ケ原方面進む。
県民の森入り口から入り、すぐに湯沢橋というたもとの欄干部分にカモシカなどの絵のついた橋を渡る。渡ったらすぐに左側に赤滝林道が分岐している。この林道に入る。自動車ならたぶん5分とかからない場所の沢がわに小さく赤滝という看板があるので、そこから沢に下りる。
ただし、林道はただ今工事中で、その工事がいつまでかかるかわからない。

  大滝  県道63号までは尚仁沢湧水と同じ。63号をしばらく北上して、県道273号が分岐するので、そちらへと左折する。やがてダム湖である東古屋湖が見えてくる。湖を左手に見ながらどんどん進み、やがて湖を通り越し、小さな集落になる。この集落を超えるとすぐに右手に未舗装の林道がある。大きな橋の手前というのが目印だ。入り口にごく小さく大滝と看板があるので見落とさないように。
この林道に入って10数分走ると右手に青い看板に白い文字で大滝とある。ここから河原に下りるとすぐに大滝。徒歩1分かからない。
ただし、林道は細く荒れているので、車高の高い自動車のほうが無難である。

2007年滝納めその@塩原の滝
2007年滝納めそのA日塩もみじラインの滝

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