2008年夏の福島A幕滝へ2008年夏の福島
白糸の滝 





白糸の滝
谷の対岸の岩壁から
ストーンと落ちている直瀑。
落差60メートルなのだが、
岩壁と山の風景があまりに大きすぎて、
滝がちっぽけに見えてしまう。



谷の様子。
たぶん、この位置が滝に一番近いと思う。
滝の正面あたりには木々があって、
滝を見ることができないのだ。



落ち口。
実は数段になって落ちているのがわかる。
岩盤をえぐるほどの水の流れだ。



水の落下点。
滝つぼは無い。



上の写真よりやや登山口に近い場所から撮影。
こっちのほうが定番の位置かも。



滝と撮影場所の距離感はこんなもん。
かなり遠い。



この位置からだと落ち口の段が見えない。
そればかりか、ケーブルが滝の前を
見事に横切っている。
岩盤の地層がケーブルの角度と同じなので
目立たないのだが、滝前の線は隠せない。

2008/9/14 白糸の滝 (落差60m)  福島県猪苗代町
幕滝で土砂降りの雨に当たりながらカップラーメンをすすって、いったい我々は何故昨日に引き続き福島くんだりまで来ているのか、すっかりわけがわからなくなっていた。
お日様が見たいんじゃなかったのか。
青空に滝という夏らしい風景を見たいんじゃなかったのか。
それを求めてやって来て、なんでまた雨に当たってしまっているのか。
さすがにこのまま新潟に戻るのはムカつく。
なにせ、磐梯吾妻スカイラインの入り口から山を下っていくにつれ、空はまた青くなってきたのである。
どこか、この近くに滝はないものだろうか。
できれば、まだ見たことのない滝がいいんだけど。
そんなこんなで探したのが、安達太良山の登山道から見えるという白糸の滝だった。
幕滝からは、国道115号を南下して、我々の帰路である磐梯高原ICまでの道のりの途中から行くことができる。
場所がよく分からなかったが、地図で沼尻スキー場が登山口の麓にあることがわかった。ナビに入れて案内してもらう。
そのスキー場までは実に快適に進んだ。
問題はスキー場から先だった。
道が極端に狭くなり、しかも、雨で洗われてデコボコなうえに溝があちこちにできている。そうだというのに、滝を見に行ったのか自動車が上から戻って来たりする。すれ違いのしづらい場所で出会ったらアウトである。
概ね、スキー場の中、作業道かしらん、と思うくらいの道らしくない道を先行車の後についていく。
この先行車がトロい。ムチャクチャトロい。
いくらこんな道でもその速度はないだろう〜っ、というくらい遅いスピードで2台連なって進んでいる。
ふと、その自動車から乗っている人が顔を出した。あらまあ、外国の人だ。
せめて、道の広くなっている場所でゆずってくれてもよさそうなものだが、どうやら2台とも同じ仲間らしく、そうそう簡単に譲れないようだった。
結局、超低速でとんでもない悪路を登って行き、ようやく広い駐車場に着いた。思った以上に広い。楽に50台はとめられそうな駐車場である。そこに20台以上の自動車がとまっていた。
我々がカメラなどを取り出していると、先行車からゾロゾロと人が下りて来た。子供も含めて7、8人の外国の人である。あら、英語じゃない言葉でしゃべっている。
どうやら滝を見に来たらしいけど、どうしてまた家族でこんな辺鄙な場所の滝なんか。
さておき、我々は彼らが来る前に滝を見てしまおうと、出発しようとした。
が、困った。
登山道の入り口が2箇所あるのである。
手持ちの資料にはどっちの入り口から行くのか書いていない。
一方は駐車場からすぐ見えるけっこう広い登山道。もう一方は谷よりの立ち入り禁止的なゲートのついた登山道。
入り口に小さな地図が貼ってあったのだが、さっぱりわからない。
ちょうど谷がわの入り口でその地図を見ていたところ、戻って来た登山者がいたので、「白糸の滝はこの道ですか」と訊いてみた。
「滝なら道から見えますよ」
と、教えてくれた。
そうか、この道なのか。
と、いうことで、我々は谷よりの登山道を歩き出した。
  
谷寄りの登山道にはゲートがある。

  
温泉源付近には致死量の有毒ガスが発生していて大変危険だ、と案内がある。外国人にはわからないだろうなぁ。

  
最初は広い道だ。
駐車場から5分で展望台があるのだと写真集にあったので、5分もあるけば見えるはず。
実際には3分で滝が見えた。
まず、どうも資材を運ぶらしいケーブルの小屋みたいなものの脇を通り、赤土の露出した崖にはりついたような登山道を歩く。
もう前方に白糸の滝の落ちる岩壁が見えている。
温泉を引いているらしい、硫黄臭い管のそばまで行くと、遠い崖に白糸の滝が見えた。
  
作業小屋のそばにあるケーブル。とても簡単な作りのものだ。

  
青空でしたとさ。

  
もう白糸の滝が前方に見える。

  
帰りに撮影。温泉を引いているらしい管。
おお、滝だ滝だ、と写真撮影する。
しかし、滝見の展望台があるはずである。もうちょっと進むことにする。
すると、さっきの場所よりももう少し滝に近づいた、ところに来た。滝だ、滝だと撮影する。でも、ここも崖にへばりついた登山道である。ちっとも滝見の展望台っぽくない。
崖にへばりついた道なので、先の様子もよくわかる。この先はどんどんと崖を登って、温泉の掘削する井戸みたいなやぐらが見えている場所に出るらしい。あれが展望台か?いや、あそこに行くには5分じゃすまないだろう。しかも、角度的に滝が見えるような場所じゃなさそうだし。
滝を見るには今いる位置が一番よさそうだ。
なんだ、展望台なんか無いじゃないの。
ちょうど後ろから外国人ご一行も来てしまったので、我々は戻ることにした。
駐車場に戻って、やはり気になったので、もう一方の登山口を見てみることにした。だが、その登山口は山の木立の中に入っていってしまって、展望台があるかどうかよくわからない。
もし登って滝が見えなかったら損だし。もう充分滝は撮影したし。
ということで、それ以上登らないことにした。
  
こちらが展望台がある入り口。
あとは、気をつけて悪路を下るだけである。なんとかすれ違いも困らずに戻ることができた。あの外国人ご一行は、帰りも超低速で戻るんだろうなぁ。
ところで、家に戻ってよくよく調べたら、やっぱり展望台は広いほうの登山口から行くとあるらしい。
そこからだと、やや上からの視点で滝が見られるので、上流の2段になったあたりがよく見えるらしい。
ただし、滝前を資材運搬ようのケーブルが横切ってしまうアングルしか無いらしい。もしそれがイヤなら谷がわの登山道を進むと、角度によってはケーブルが横切らない場所から見ることができる。
滝を見終えて、新潟に戻る。なんだか、2日間福島の滝を見たが、雨だったんだか晴れだったんだか、さっぱりわけがわからなくなっている。
ただ、唯一、蝶はいなかったなぁ。今年は、我々は蝶には見放されているらしい。
交通
  白糸の滝  最寄ICは磐越自動車道猪苗代磐梯高原IC。国道115号に出てひたすら北上。母成グリーンラインの入り口で右折。右折してすぐくらいに沼尻温泉への道があるので左に曲がる。この道はちょっと見落としがちなので、案内版を注意して見ているように。
あとは道なりに進んで行けば沼尻温泉になる。
日帰り入浴ができるらしく、スキーのシーズンでなくても、自動車がたくさん駐車している。
沼尻温泉の建物の角を左折する感じで林道、というかスキー場の作業道へと入って行く。
この道はものすごい悪路なので、運転に自信の無い人、車高の低い自動車はやめたほうがよい。
九十九折で標高を上げていき、終点が安達太良山沼尻登山口の駐車場である。
滝見の展望台は向かって右側、登る感じの広い登山口である船明神山ルートの登山口のほうにあるらしい。
我々は向かって左側、谷寄りにある胎内岩ルートの登山口から行ったので、特定された展望台は無かったが、滝を右から左に見ることができた。
ただし、遠望であることは変わらない。
滝を見るだけなら、スニーカーでも大丈夫。
駐車スペースから5分とかからずに滝が見える。

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