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線ケ滝



線ケ滝
滝つぼへの看板から少し下った
滝見台から撮影。
滝つぼの水しぶきが少ない分、
滝つぼまでの距離がものすごく遠くに思える。
まるで吸い込まれるような一直線だ。


こちらは螺旋階段を下った場所から
撮影したもの。
スコーンと落ちているわけではなく、
岩盤を滑っているのがわかる。


こちらは道路のすぐ脇の滝見台からの図。
雑木が前を覆っているので、
冬場でないとうまく見えないかも。


螺旋階段の終点。
滝つぼまでまだありそうだが、
実はあと1メートルも岩を下りれば
滝つぼまで行けてしまう。
細い滝と少ない水しぶきのマジックだ。


この写真のダンナは
実は上の写真の私のすぐ右側くらいにいる。
滝、細いでしょう。


滝つぼから見上げた落ち口。


で、滝つぼ。
意外にも水は濁っていて、
南牧三名瀑の中では
唯一清流っぽさが無かった。


2010/1/2 線ケ滝(30M)  群馬県南牧村

我々の今回の滝めぐりで南牧三名瀑の最後になったのは、県の名勝で天然記念物でもある線ケ滝である。
実は、線ケ滝へ向かう県道203号への分岐点に「蛇ツ剣の滝」というのがあると、「なんもく滝ガイド」にあったので、その滝を探してみたが、竹林の向こう側でどうにも写真に納められる場所が見つけられなかった。
滝自体は肉眼でしっかり見ることができたのだが、写真ではダメ。どこかしら川に下りていく道があったのかもしれないが、それを探していられるほど時間がなかった。
蛇ツ剣の滝を諦めて、剣道203号を線ケ滝に向けて走る。
途中、熊かと思うくらい大きな発信機をつけた犬が道の真ん中に立っていて、ちょっと驚いた。どうやら狩猟の犬らしい。今、このあたりは狩猟のシーズンなんだろうか。
集落に入って、正面に大きなお寺が見えたら、そのお寺の裏側へ回る感じで左折する。道はどんどんと標高を上げて行く。
線ケ滝橋という橋を渡る時に上流方向を見てみたが、滝らしいものはない。もうそろそろかと思ったが、まだ遠いのかなぁ。
もう1回カーブを曲がって、ぐんと上に出たら、線ケ滝の案内看板があった。どうやらここらしいが、駐車スペースが無い。もう少し先まで行ってみたら、荒船山の登山用の駐車スペースが出てきた。うわっ、ここから荒船山まで登るのか。すごいなぁ。
  
ただ今工事中だった荒船山の登山口。
この真冬の午後だというのに、意外にも数台の自動車がやって来て、線ケ滝を見に来ているようだ。
我々はまっすぐに滝つぼへと書かれた看板まで行って、疑いもせずに階段を下った。が、どうも道からすぐに滝が見えるらしく、我々のあとについて来る人はいなかった。
  
線ケ滝の説明看板。大小いくつもあった。

  
滝壷へ、と書かれている案内。

    
  
案内にしたがって、道の下へと下って行く。右は下の滝見台の様子。
3分も下らずに第二の滝見台ともいえる、滝の正面に到着。
おお、本当にまっすぐな線の滝だ。
落差30メートルというが、細い分、とんでもない落差に見える。
まるで高飛び込みの選手が高得点を出した時みたいな水しぶきのない着水で1本の線がすっと丸い滝つぼに吸い込まれていくのが見てとれる。
水しぶきがほとんどないために、滝つぼがほんの小さいものに見えて、ものすごく遠くにあるような錯覚に陥るのだ。
ふと見ると、第二の滝見台からさらに螺旋階段で下に下りて行くことができるようになっていた。覗き込んでみると、本当に滝つぼまで行けるのだ。
写真集やガイドにはそんなことは書いていなかったので、ものすごく得した気分になった。
    
  
螺旋階段はこんな感じ。
ぐるぐると螺旋階段を下って行くと、滝つぼより1段高い岩盤に出た。
滝つぼまではあと1メートルほどだが、ここから先には階段やハシゴはない。ジャンプすれば下りられる高さだったが、登る時に苦労しそうなので、やめておいた。
滝つぼから見ると、線ケ滝は上から見たほどの落差は感じられない。むしろ、まっすぐにスコーンと落ちているように感じられたのに、実はきっちり岩盤を斜めに滑っているのだとわかる。
振り返ると、岩盤が両側から迫り、本当に川の幅くらいしか幅がない。これでは、下流の線ケ滝橋から滝を見ることができないわけである。
  
滝の下流側を振り返ると、岩盤が両側から迫っている。
だれも滝つぼまで来ないので、ゆうゆうと滝を堪能してから、また螺旋階段を登って上まで行った。
道路からの滝も見てみたが、せめて第二の滝見台まで行ってみたほうが線ケ滝の線ケ滝らしさを感じることができるのに。
ものの3分なので、その労を惜しまずに下ってみてほしい。
道路のあずまやからだと、樹木が邪魔をしてよく見えないのである。冬だからなんとか見えるが、葉っぱが出ると怪しいものだ。
ちなみに、トイレの裏からは線ケ滝の上流の沢の様子が見える。

あとは、家に戻るだけだ。
途中、県道93号の途中に村の名勝である「蝉の渓谷」があるので、ちょっとだけ立ち寄る。ここでも滝らしい流れがあって、なかなか楽しめた。
  
蝉の渓谷。橋から上流方向を見てみた。

  
駐車場より橋を見る。川の水はとにかく綺麗。
村の駅オアシスなんもくに立ち寄るつもりだったが、閉館していたためにパス。さらに、芭蕉塚という場所にある湧き水を汲もうと思ったが、水が枯れていてここもパス。ここでは、すれ違い困難な場所で長いものを持った人とすれ違って、「釣りですか」と聞いてしまったら、なんと鉄砲。狩猟だった。そうか〜、冬の南牧は狩猟の土地なのか〜。
ともかく、湧き水は南牧村では不発に終わってしまった。
しかし、滝は三名瀑を堪能できた。
真冬のわりに苦労はさほどなくいい滝を見ることができた。
今年の滝初めはかなり収穫があった。これで今年の滝めぐりを占うことができるとしたら、2010年は収穫の多い年になるかもしれない。
楽しみなことである。

交通
  線ケ滝  一番近いICは、上信越自動車道下仁田IC。インターを下りて、国道254号で下仁田駅方面に進む。道案内にしたがって、県道45号で南牧方面へと左折。県道93号が出てきたらそちらへ進む。
蝉の渓谷などを通り、いくつか道を分けるが県道93号からはずれないように進むが、羽沢バス停のあたりで県道201号に左折する。生涯学習センター(民族資料展示室)の手前を曲がる感じである。
その後道なりに進むが、正面の高台に大きなお寺が見えたら、そのお寺の裏を回る感じで左折する。曲がり角の民家に緑色の看板で道案内が出ているので、見落とさなければ大丈夫だ。
  
あとはそのまま道を進んで行けば線ケ滝まで行ける。
道の無くなる場所まで進めば荒船山の登山口の駐車場に出る。そこから徒歩3分も歩かずに線ケ滝の滝見台に着く。

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