2010年滝初め@2010年滝初めそのA三段の滝へ
象ケ滝、熊倉不動滝



象ケ滝
冬の象ケ滝である。
最下段のスッと落ちている部分が
象の鼻に見えるから象ケ滝。
なんか、無理やりな気もしないでもない。
が、冬場のほうが
より象らしく見える。


で、これが象ケ滝の象部分。
鼻だけでなく、
目とか耳とか、欲しいものだ。


大きさ比較。
とはいえ、ダンナは滝つぼよりかなり手前にいる。
ダンナの前に川が流れていて、
それを渡って滝つぼのすぐそばに行ける。


落ち口。


滝つぼ。
深くはないが、素晴らしく透明な水だ。


滝つぼからちょっと目を移すと、
つららができていたりする。
厳冬期には、もっと凍るそうだ。




熊倉不動滝
雑木がうっとうしく見えるが、
いい具合に紅葉する木らしい。
が、この木の葉っぱがないおかげで、
上の段がよく見えた。
写真上部の日光の当たっているあたりが
県道108号である。


水量としてはおおい時期ではないはずだか、
この日は三条になって落ちていた。


水が綺麗でしょう。
滝つぼの底まで見えてしまう。


滝の下流にもそこそこの流れ落ちが見える。
とにかく、綺麗なまま水が流れている。


大きさ比較。
すぐそばの民家を一緒に撮影。
上の赤い矢印が県道108号。
落差10メートルとあるが、
上の段も含めると、もう少しありそうに見えた。
2010/1/2 象ケ滝(30M)  群馬県南牧村

2010年もめでたく明けて、日本海側は大荒れの天候の正月となった。県内はどこに行っても暴風と雪に襲われそうだ。
さりとて、正月じゅうずっと家に閉じこもってじっとしていられる我々ではない。
どこかで何かしたい。
さっそく元旦に初売りに出かけて、大渋滞と人出にもまれてうんざりして、翌日もっと気持ちの引き締まる場所に行きたくなった。
天気予報を見ると、県内はまだまだ荒れそうだったが、隣県には晴れマークが出ている。高速道路も1000円だし、ここは正月ということで、隣県に滝初めに行こうではないか。
でも、そんなにガソリン代も使えないので比較的近い群馬県にしよう。
群馬といえば、昨年、いちご会の滝仲間Mr.Kさんが製作に協力したという南牧村の滝ガイドが手元にある。
このガイド、なかなかすぐれもので、滝までの地図や所要時間、滝の写真やデータなどが一目で分かるようになっている。
南牧村なら、高速道路のインターからものすごく遠いわけでもないし、もしかしたら、この大荒れの日本海の寒波の余波で滝のあたりも寒くて凍っているかもしれないじゃないの。
20以上の滝が載っているガイドを手に、その半分は無理としても、3分の1くらいは見てこられるんじゃないかなぁ、と淡い期待を抱いていた。

その期待、行きの高速道路状で文字通り泡と消えた。
我々の住んでいるあたりは新潟県でも比較的海に近いほうの平野部で、元旦現在ではほぼ積雪は無い。せいぜい人の近寄らない日陰とかにクリスマス寒波で積もった雪が残っているくらいである。
が、群馬に向かう関越自動車道は、日本の誇る豪雪地帯魚沼を突っ切る。
小千谷市に入ったあたりから雲は重く垂れ下がり、さわさわと雪が降って来た。湯沢のあたりでは、ホワイトアウトかと思うくらいの雪の量になり、3台先の自動車が霞むくらいになってしまった。
除雪が間に合わずに、圧雪と新雪が入り混じったデコボコの道になり、車線変更するのも命がけになってしまう。
幸いというか不幸というか、大除雪軍団の車両の列は下り線に集中していて、彼らに捕まってノロノロ運転になることはなかったが、路面状態は最悪なまま進まざるを得なかった。
なんとかがんばって関越トンネルをぬけ、南牧村に入り、目的の象ケ滝の入り口に着いたのは午前11時。予定より1時間近く遅れていた。

そんなこんなで、とりあえず、県道103号の奥にある象ケ滝の最寄バス停熊倉まで来てみて、まだ先まで自動車が行けそうなので進んで見た。しかし、かなり細い道になる気配だ。
ちょうど集落のはずれらしく、ゴミステーションあたりに散歩中のおばさんがいたので、滝まで行きたいのだが、この先は自動車で行けるかどうか、と訪ねてみた。
おばさん、即座に「無理だろう」と答えた。集落の中は塩カルが撒かれているから凍っていないが、その先は雪がある上に道が細い。無理をすれば行けないことはないが、やめておいたほうがいいだろう。ゴミステーションの近くに1台とめられるスペースがあって、ここなら邪魔にならないから、ここにとめて歩いて行きなさい、とのこと。熊が出るかもしれないけど、なんて笑ってたけど、今は熊は冬眠中ですってば。
地元の人の意見となれば、従うのが得策だろう。
言われた場所に自動車をとめて、歩き出した。
  
最後の民家。この道の先が象ケ滝。

  
自動車も通れる林道を歩く。
最後の家の奥からは言われたとおり、雪がうっすらと積もっていた。
が、しっかり轍の跡もあって、自動車が入って行った形跡もあった。
この程度なら新潟から来た我々とすれば、注意すれば進める林道ではあった。だが、文句を言うより、歩くことを楽しもう。
道の左手に流れている熊倉川は一見すると白濁した水が流れているようにも見える。だが、それは、川底の石が青白い石であるせいで、水自体はものすごく透明で美しい。時折現れる淵が青く澄みきっている。
と、そこに妙な立て札が。
「奇石人面石」
なんじゃそりゃ〜。立て札の示すままに、川の中ほどを見てみると、おお、ムンクの叫びみたいな顔をした石がある〜。
でも、さかさまなので、ちゃんとした方向から見ようと思って、上流から覗いてみたら、顔に見えなかった。立て札のある場所からしか顔っぽく見えないらしい。
  
奇石、人面石。自動車で通ったら通り過ぎるかも。

  
で、これが人面石。うーむ・・・。
自動車をおいた場所から15分ほど歩くと、5号橋という小さな橋があって、それを渡った場所に自動車はここまで、との立て札があった。1台ほど駐車できるスペースがある。道は少し歩くと確かに自動車は無理な幅になり、すぐに右手の杉林の中に木のハシゴのような道がとりつけられている場所になった。象ケ滝はそちらに行くようにと立て札が立てられている。
これがうっすら雪が積もっていて、けっこう怖いハシゴ状の道だ。
  
ここが自動車で来れる最後。

  
林道の脇にそれて遊歩道を行く。

  
遊歩道の入り口は、こんな感じの木のハシゴみたいな道。

3分も林の中を進まないうちに、土石流でもあったのかと思うくらい石がゴロゴロ、木がバタバタと倒れている場所になった。雪のせいで道がよく分からなかったが、どうやらごく最近滝に行った人がいるらしく、足跡がついている。ダンナは、戻って来る向きの足跡がないから、今滝にいるんじゃないか、と言っている。
その足跡を追って、川の右岸を歩く。
  
河原が開ける。

  
と、前方に滝が見える。
すぐに前方に滝が見え、岩のむこうからひょっこり老人が現れた。
木の枝を利用した杖をついている、けっこう高齢のおじいさんだ。
こんにちわ、と挨拶すると、どこから来たのかと訊ねてきた。
おじいさんの話によると、つい先日までもっと凍っていたが、ここ数日で氷が溶けたとのこと。でも、今日は少し凍ってきているとも言っていた。もっと厳冬になると、滝を氷が覆うくらいになるらしい。
雪は例年より少ないとのことだった。
おじいさんは、毎日滝に通って、滝の前の岩に小石を積んで戻るのだそうだ。
  
こんな感じで積んであります。
最初見た時、何かの信仰かと思ったが、じいちゃんの楽しみだったか。
新潟は雪がすごかっただの、その雪が流れて群馬に少し来ているのだのという話を少ししてから、おじいさんは、他には線ケ滝というのがあるよと教えてくれた。
そっちにも行くのだと答えた。
おじいさんは戻って行き、我々は白く化粧した象ケ滝を撮影した。
なんだか、岩盤が雪で白いせいで、象ケ滝の象たる部分がますます象みたいに見えている。
それにしても、30メートルの上から多様に変化して落ちている様は、想像以上に綺麗だった。
予定が押しているので、それほど長居せずに戻ることにした。
もしかしたらおじいさんに追いついちゃうかもね、なんて言っていたが、さすがに毎日通っている人だ、ついに影さえ見えなかった。
次は三段の滝に向かう予定なのだが、その前になんもく村自然公園に向かう林道の入り口に滝があるのをガイドで確認していた。
自動車をとめたゴミステーションからすぐに林道の入り口だ。目印は熊倉バス停。象ケ滝がわから向かった場合、右折すると林道になるが、すぐに熊倉不動滝の看板があったので、路肩に駐車。川のほうを覗き込んだ。
あれ、滝はどこ?川は見えるけど、滝は上流、つまり、県道がわにある。見ると、林道はぐーっとカーブを描いて県道と対峙する場所もある。そっちまで進んだほうが滝が正面になる。もう一度自動車に乗って、林道の先に進んだ。と言っても、ちょっとカーブの先まで行くだけだが。
  
県道から林道の入り口を見た図。赤い矢印の先あたりから滝を見ることができる。もう少し先に路肩が広くなっている場所があって、駐車できる。
少し雑木があって見えづらいのだが、県道の下に流れ落ちる綺麗な滝が見えた。おお、あまり期待していなかったが、なかなかどうして立派な滝じゃないか。
それに、水の綺麗なこと。象ケ滝も素晴らしく透き通った水だったが、その下流である熊倉不動滝も滝つぼの底まで見えそうなほど透明だ。
惜しいことに、見下ろす角度からしか見えない。
滝のすぐ横に民家があるので、そこの敷地を横切れば滝の直下にも行けそうなのだが、さすがにそれは憚られた。
林道から見下ろすだけの滝で我慢して先に進もう。

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交通
  象ケ滝  一番近いICは、上信越自動車道下仁田IC。インターを下りて、国道254号で下仁田駅方面に進む。道案内にしたがって、県道45号で南牧方面へと左折。県道93号が出てきたらそちらへ進む。
蝉の渓谷などを通り、いくつか道を分けるが県道93号からはずれないように進むが、最後に勧能バス停で県道93号から離れて県道108号に入る。
県道108号に入ってしまえば、あとは道が終わるまで進めばよい。
ただし、冬場は最後の民家あたり(右欄一番上の写真)か熊倉バス停あたりに駐車するのが無難。
最後の民家から5号橋までは徒歩で15分ほどである。
雪や凍結がなければ、さらに自動車で進めて、5号橋のたもとに1台か2台駐車できる。
そこから遊歩道を5分ほど歩くと象ケ滝である。
  熊倉不動滝  熊倉バス停のすぐそばになんもく村自然公園に向かう大上林道に入ってすぐ見ることができる。鑑瀑ポイントは右欄を見てください。

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