竜門の滝



女滝
竜門の滝がめおと滝で、
上流が雄滝で下流が雌滝という意味かは
不明だ。
観光協会のHPや本にも
竜門の滝の下流に
女滝がある、としか書かれていない。


林道から覗き見た女滝。
よーく見ると、右岸に階段らしきものが
あるのだが、そこにたどりつく手段はない。



竜門の滝
林道から見ると落差10メートル以上に見えた。
下流の急流部分も滝として含めたら
かなり大きな滝になると思う。
惜しいかな、林道からだと、
雑木が邪魔をして、よく見えない。



おそらく、この直瀑の部分だけが
竜門の滝というのだろう。
ここに竜が潜んでいたという
伝説があるそうな。



大きさ比較。
赤丸の中に私が立っているんですが。
林道はこの先で途切れている。




我が家お初のヒメギフチョウいました。
他にも蝶はたくさん飛んでいた。

2014/4/27 竜門の滝(10M) 女滝(5M?)山形県白鷹町

4月になると桜を追う我が家。今年は三度目の置賜桜回廊を訪れた。(桜のレポはこちら) 前二回は、長井市の三階の滝に行き、雪解けの爆発的な水量に驚いたものだが、三度目となると、もう少し別の滝を見てみたくなった。
しかし、まだ桜の頃は山中は雪がある。三階の滝でさえ林道に雪が残っていて、徒歩で向かわなければならなかったではないか。
よくよく調べると、白鷹町に竜門の滝という滝があった。なんでも瑞竜院というお寺の奥にある滝というから、そんなに山奥でもないだろう。この滝なら行けるだろう。
県道11号線を走っていると、しっかりと瑞竜院と案内が出ているので、お寺の場所はとても分かりやすかった。
細い道を入って行くと、古刹というよりはうらびれた寂しい感じのお寺が現れた。イラスト看板があったので自動車をおりて見てみると、しっかりと竜門の滝の文字がある。なになに、お寺の向かって左側の道を入って行くとその先にあるとな?
では、その道を行きましょう。
  
寺の入り口のイラスト看板。
これがまた、最初から林道で、とても細い。いつ道が無くなってしまうか分からないくらい不安になる道だ。
両側の杉林の中、左手に小さなお堂があったと思ったら林が開けて、左手の川の先に堰堤が現れた。その先のカーブを曲がったら、あららららら、雪だ。
林道が雪で覆われて、先に進めない。
ただ、イラスト看板の感じからして、滝はそれほど上流ではなさそうだったので、歩いて行けそうだった。
ちょうど昼時で、堰堤のそばはぽかぽかと日差しがあたって気持ちよさそうだったので、そこでお昼にした。
そこらじゅうにフキノトウがあり、そこらじゅうにキクザキイチゲが咲いている。なんとものどかな場所だ。
昼食を食べ終わり、長靴に履き替えて先に進んだ。
思ったとおり、林道を覆っていた雪は一部で、日陰の部分だけに残っているようだった。
  
雪が林道を覆っている。
それにしても、滝はどこ?
いくつか大小の堰堤を過ぎると、最後になんだか重機で砂利を敷き詰めたような河原になってしまった。
この感じ、なんか、先々週も味わったぞ。
山梨県の北精進ケ滝に行くはずが、道路が工事中で、重機が河原を崩しているんだか広げているんだか、とにかく石ころだらけにしていた。
イヤな予感がよぎる。
先々週は結局北精進ケ滝にたどりつけなかった。
しかし、こちらは石ころだらけではあるが、重機はない。雪はあるが、通行止めではない。いや、実質自動車は入れないんだけど。
しばらく歩くと、雪で埋まった日陰で道が二手に分かれていた。一方はさらに上に登る道。一方は川の方へと近づく道。
滝好きは、川の方を選ぶ。
ビンゴ。
水の音が大きく聞こえ、樹木の間にどうやら滝らしい姿も見えた。
見えたが、なんじゃ、こりゃ。
堰堤が最初にあるのだが、その先が岩だの石だのが積み重なって、どう見ても水害の跡である。
よくよく見れば手すりとか、階段とかが斜めになったりひっくり返ったりひしゃげたりしているじゃないか。
これは間違いない。かなり大規模な水害が遊歩道を押し流したのだ。
山形に住んでいない我々にはまったく聞こえてこない水害が数年前にこの地を襲ったのだろう。背筋が寒くなる感じだった。
  
手すりがひしゃげて錆びている。

  
階段とおぼしき建造物。
滝は、岩を伝ってなんとか近くまで行くことはできた。ただ、正面に回ることはできない。やはり雪解け時なので、水量が多く、正面に出るのは危険だった。
滝の本によれば、竜門の滝の下流に女滝というのがあるというので、これが女滝と思われる。
どうやら滝の右岸に階段がとりつけられていて、遊歩道になって、上流の竜門の滝まで行けるようになっていたらしい。
もちろん、今では不可能だ。
しばらくジタバタして、なんとか写真を撮影して、結局林道に戻って上流に行くことにした。
林道は自動車が通れる斜度を保つために大きく迂回しているので、ショートカットで上の段までよじ登る。林道に復帰してみたら、結局林道もどうやら崩落して、たとえ雪がなくても自動車は通れない状態だった。
徒歩でなら歩けるので、そのまま先に進む。
川を左手に進むのだが、かなり上から見下ろす感じになる。
女滝を通り越し、いくらもしないですぐに上流に竜門の滝が見えた。
  
林道を歩いて行く。
大きな滝だ。
落差10メートルと本にも白鷹町のHPにもあったのだが、上から見た限りではもう少しありそうだった。ただ、下の女滝と落差が合体して見えてしまうせいかもしれない。
林道からでもよく見えるのだが、惜しいことに樹木が邪魔をして、マトモな滝写真にならない。
林道は滝のすぐ上を通ってさらに上流まで続いているらしいので、歩いてみることにした。が、先までは行けなかった。
滝のほんのちょっと先でバッツリとなくなっていた。
車止めがあったわけでもないし、自然の岩とかかがあったわけでもない。バッツリと途切れていた。その先に今まで道があったのか、もともと無かったのかさえ分からない。とにかく、なにかものすごい破壊力の水量が押し寄せたことだけは分かった。
なんだか恐ろしいものを見てしまった感じだった。
とにかく、一応竜門の滝は見ることができた。
この状態の滝を見るのも珍しいことなのだと思うしかない。
それでも毎年咲く草花に癒されながら林道をとぼとぼと戻って行った。
  


  青いキクザキイチゲや色の濃いカタクリがたくさん咲いていた。
交通
  竜門の滝  現在は林道が崩落しているので、近づかないほうが無難だ。
今のところの最寄ICは、東北中央自動車道山形中央IC。国道348号で白鷹町に入り、県道11号線でとりあえずフラワー長井線沿いに鮎貝駅をめざそう。鮎貝駅から県道は9号線と分かれるが右に曲がるかんじでそのまま11号線を離れないように進む。すると道は大きくカーブする。
カーブしてからもしばらく進むと、右側に「瑞竜院」があると文字で示す看板がある。
その看板のとおりに細い道を入って行くと、間もなく瑞竜院が現れる。
本文中の絵看板の向かって左側にある林道に入って2キロほど進むと滝なのだが、林道は細いうえに、現在は崩落中だ。そしておそらく、復旧工事が始まるものと思われる。
たぶん、しばらくは近づけないと思う。


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