2017年氷瀑を求めて②
善五郎の滝、番所大滝、番所小滝、八坂大滝



善五郎の滝
2017年の善五郎さんの冬姿。
意外に凍っている。


引いてみるとこんな感じ。
もっさりと雪が積もっている。
左岸寄りにアイスクライマーがいる。


今年は右岸に面白い芸術ができていた。


アップにするとこんな感じ。
クラゲだらけです。



滝つぼはほぼ雪で覆われていた。
どこからどこまでが水面なのか分からずに
危険な状態だ。



分かりづらいけど、アイスクライマー。
滝上からつるつるっと降りて来た。




番所大滝
なかなかきれいに氷化粧している。
こういう色のドレスみたいだ。



滝つぼ。
ここまで雪で覆われることもあるんだ。
完全に凍ることもあるかも。



氷が重なって、そこに水が落ちて
氷の滝つぼを作っていた。




番所小滝
初めて見ることができた小滝。
番所大滝と一緒の名前にすると、
あまりに小さいだろう、と思ってしまう。



こんなに離れた場所からしか撮影できなかった。
夏場であれば、遊歩道が通れて、
もうちょっと近づけるのかどうかは、
不明だった。




実は滝目的ではなくて、
湧水目的で立ち寄った、
前川渡の滝の下流の流れ。
前川渡の滝には危険なので
行きませんでした。



こーんな感じで湧水くみましたとさ。



八坂大滝
全部収めるのに、画面が斜め。
それでも、滝の流れが垂直に見える。
どれほどこの滝は風に揺られて
あちこち揺れるのだろう。



ほら、この写真でも、
流れが曲がっているのがわかる。



今年のオバケのアップ。
半円形のオバケ。



でも、大きいんだよ。
遊歩道の上にダンナがいるんだけど、
みつけられるかな。
2017/2/4(土)
      
  善五郎の滝(落差22m)
         番所大滝(落差40m) 番所小滝 
        八坂大滝
(落差50m)  長野県

実は、この冬、我々の住む新潟の平野部はかなり暖かかった。もう少しだけ北に行ったりもう少しだけ山間部だったりしただけで、大雪の地域があったにも関わらず、雪国新潟の海岸よりの平野部は暖冬少雪だったのである。
そんなこんなで、我々は日本中が暖冬だったと思い込んでいた。つまり、氷瀑はまったく期待できない年であると決め込んでいたのである。
そんな時でも標高の高い場所の滝ではそこそこ凍ってくれる。新潟から比較的簡単に行ける標高の高い滝となると、単純に思い出すのが乗鞍高原の滝たちなのだ。
と、いうことで、今年の氷瀑は乗鞍に決定。あいかわらず、安易である。
安易、と自らいうだけあって、乗鞍高原に真冬に行くのは、ついに片手の指全部になってしまった。いくら隣の県と言っても、乗鞍、そんなに近くないんですよぉ。新潟に凍る滝がないからなんですよぉ。
ぼやきながら、それでも早起きなんかまったくしないで出発。よく晴れた高速道路を長野目指して走る。

  

  妙高、火打、焼山が見事に青空のもと並んでいる。きれいだなぁ。

寒い中でのおにぎり昼食に挫折した夫婦は途中のファストフードでお昼を済ませて、善五郎の滝の駐車スペースに到着したのは、午後1時少し前。
それにつけても、乗鞍高原に来る時は晴天率高いなぁ。

  

  こちらは乗鞍岳。こっちもきれいだなぁ。

それにつけても、自動車を降りた時から違和感を感じていた。空気が冷たくない。いつもであれば、吸い込んだだけで鼻の奥がヒリヒリするような冷たさがあるはずの時期なのに。青い空から連想するほんわかした空気になっている。ええー、滝、あんまり凍っていないかしらん。
とにかく、支度をして歩き出す。
空気の暖かさからして、雪がゆるくて長靴が埋まるかと思ったが、さすがに乗鞍だし、何人も歩いた跡があったので、まったく埋まることもなく歩くことができた。
積雪はそれほど多いわけではなさそうだ。
急降下で沢まで下るあたりに来ると、ここから川に転落した事故があったと手書きで注意喚起する立札が立っていた。うむ、ここから落ちたらまっさかさまに川だよな~。川まで行くと、遊歩道をそれたスノーシューの跡がいくつかあって、それもまた川にズボッとはまった形で途切れていた。危ないったらありゃしない。自分の身を守る心構えがなければ、道をはずれることをしてはいけない。冷たい水に落ちることを少しは想像しなさい。命を落とします。
我々は死ぬのはイヤだから、ゆるゆると斜面を下って、橋まで到着。積雪はそれほどないと思っていたが、橋の上は雪でいっぱいだった。橋の下の淵も雪で埋まっている。階段を上って見えた善五郎の滝もやや雪を被った姿だった。

  
  積雪は少な目。

  
  川への滑落があったという注意喚起の看板。

  
  橋は雪で埋まっている。

  
  分かりづらいけと、橋より上流を見てみるとこんな感じ。

沢に到着する前くらいから声がしていたので、今年もがんばっているかな、と思っていたが、やっぱりアイスクライマーが氷の滝にとりついていた。
滝の写真を撮影したい人にはアイスクライマーたちはちょっといただけない存在かもしれないが、私は彼らの行動は否定しない。それぞれがそれぞれの楽しみを自分の責任でもって行うことは悪いことではない。アイスクライマーがくっついている滝も滝の姿だと思うとなんだかチャームポイントにさえ思えてくる。
いつもながらすごいなぁと感心しながら彼らと彼らのくっついている滝を眺めた。
今年の善五郎の滝の凍り具合は、実は思っていたよりもかなりしっかりしていた。なにせ暖冬だと信じているもんだから、どれくらい凍っているのか心配だったのだ。
それがいつもの年なら奈落の底のようにぽっかりと空いている滝つぼの一部も見えない。全開で出しっぱなしの水道の蛇口のような凍っていない部分もかなり少な目で見えづらい。滝つぼはほぼ埋まっている感じだ。ただ、雪で覆われているので、はっきりしたところはよく分からないのだが。
アイスクライマーたちの邪魔になるのも申し訳ないので、一通り写真に納めたら来た道を戻る。
次に向かうのは、番所大滝だ。
番所大滝の駐車場に到着してみて、あらびっくり。雪がものすごく少ない。この駐車場は駐車スペースを除雪するのに、奥のほうに雪をためるために、遊歩道に行くまでに雪の小山を登らないといけないくらい雪がある。ところが、今年はそれが全くないのだ。雪、多かったんだか少なかったんだか、さっぱりわからない。しかし、歩きやすいことには変わりないので、とりあえず出発。
突き当りのフェンスに沿って右に曲がると番所大滝である。左に曲がると番所小滝になるのだが、過去何度か来ているが常に通れなくなっていた。
ところが、今年は案内板に番所小滝まで行けるような表記になっていた。行ける。じゃあ、行こう。
まずはとにかく大滝にご挨拶。右に曲がって滝見台に向かって下って行く。
毎度のことながら、この下り階段は怖い。つるっつるに凍っている上に角度が急だ。しかし、いつもなら金属製の手すりに摑まるとあまりの寒さに手袋がくっついてしまうくらいなのだが、今年はそういうことがない。やっぱりいつもより暖かいのだ。
それでも足場が悪いことには変わりないので、慎重に下り、滝見台に到着。いつもは凍りついている滝見台の中も今日は氷も雪もない。

  
  それほど寒くない遊歩道を下る。

  
  滝見台から滝を覗く。てすりに手袋がはりつくこともない。

番所大滝は、思っていたよりも凍っていた。というより、善五郎の滝のように凍りつくわけではない滝なので、この暖かさでこれだけ氷があったら立派というくらい凍っていた。滝つぼも今まで見た中では一番氷で覆われていた。
この暖かさでここまで凍っていたら、もしかしたら番所大滝でも完全に凍りつくこともあるかもしれない、と思わせられる。
見る場所が限られているので、滝見台の中だけでうろうろと撮影し、あとは来た道を戻る。登るほうが下るほうよりは気持ち的に怖くないが、体力的には息が切れる。
駐車スペースから突き当たったフェンスのところまで戻り、さて、今日は番所小滝まで行けるぞ。
新しく補修したらしい遊歩道のやたら太い手すりにつかまりながら下って行く。

  
  遊歩道の案内看板から左がわ下ると番所小滝。

  
  遊歩道の手すりはホントに太すぎる。摑まれないくらい太い。

ほどなく、右手に滝見台とおぼしきスペースが見えた。右手って、そっちは下流に向いているから、小滝ではなかろうに。
行ってみると、「番所大滝 これより先は危険ですので、立ち入らないでください」と書いてあった。つまり、番所大滝の落ち口なのである。そりゃ、危険だ。

  
  右手にちょっとした張り出しスペース。

  
  そこに「番所大滝」これより先は危険なので立ち入るなという看板。

  
  よーく見るとはるか下にさっきまでいた番所大滝の滝見台。

しかし、雑木が前をふさいでいて、肝心の川の流れがさっぱり見えない。落差40メートルある落ち口の高度感などさっぱり感じられない。もうちょっと見えるようにしないと、この滝見台の意味はない。真冬の葉っぱのない時期でもこれなんだからなぁ。
よくよく見ると、さっきまでいた番所大滝の滝見台の屋根が見えた。実は下から見上げて、滝の上流に人工物らしき直線をみつけてあれはなんだろうね、と言っていたのだが、きっとこの上流の滝見台の床板だったのだろう。
どっちみち、滝を落ち口から見てもちっとも滝を感じられないので、さっさと番所小滝をめざす。
すぐに夢見橋という橋で川を渡り、そこからあまり歩かずに番所小滝の前になった。

  
  夢見橋。ちょっとだけ積雪あり。

前、といっても、川辺から滝を覗く感じである。
そもそも小さな滝だし、さらに川の段差などが続いているので、あまり滝前に来たという感じもない。
岩々にもっこりと雪が積もっているので、なおさら滝の存在感を薄めているのかもしれない。
あまりに滝に近づけないので、もしかしたら橋の上から上流を見たら、滝を正面から見られるかも、と思って見てみたのだが、やっぱりよく見えるポイントはなかった。
だが、何度も番所大滝に来ていながらずっと見ることができなかった小滝を見られたというだけで、なんとなく満足だった。
駐車スペースに戻って、いつもながら暖房入りで快適なトイレを使わせてもらって、とりあえず乗鞍の滝は終了。
あとは、帰りがてら、いつもの八坂大滝にご挨拶だ。

ところが、今年は、いつもの道が工事中で、ナビが曲がれという道を曲がれずにずんずん進んだらワケのわからない行き方になってしまった。こんな場所通ったっけ~?という道を通って、どういうワケか国道19号側から八坂大滝のある旧八坂村に入った。いつもは反対側から行くんだけどなぁ。でも、着いたからいいや。
そんなこんなですでに午後5時前になってしまって、日没も間近だ。あわてて支度して、八坂大滝への道にとりつく。今年の氷のオバケはどうだろうか。旧道の橋の上から見た感じでは、そんなに出来上がっていないみたいだったが。
あららららら。
近づいてみて、思わず声が出た。今年のオバケ、半分しか出来上がってない。
うまくすると円柱状にうず高く凍るのだが、今年は水の落ちた部分の後ろ側半分だけが凍っていて、半円状になっている。
この滝の氷がちょっと汚い色なのは毎度のことなのだが、今年は形もイマイチ。イマイチではあるが、毎年毎年、よくもまあ同じような凍り方をしないもんだと感心する。
右に左にゆれる細い水流を眺めながら、来年も面白い形を見せてねと思った。

さて、もう日没だ。これから新潟まで帰らなくてはならない。今年の氷瀑はたぶんこれで見納めだな。また来年ね、と、どろどろのオバケに手を振った。
交通
善五郎の滝  長野自動車道松本ICをおりて、国道158号線で上高地方面に進む。スイカの名産地波田町を通り過ぎると、道の駅「風穴の里」があるので、そこで情報収集をするとよい。
途中、トンネルとトンネルの間で左折して乗鞍高原に向かう道に入る。県道84号である。乗鞍高原、と必ず道案内があるので、見落とさないようにすれば間違わない。
国道158号線がわから行くと、最初に番所大滝に出る。JAなどがある建物が立ち並んだ場所であるが、看板があるのですぐにわかる。一応有料駐車場になっているが、管理人などはいない。トイレはとても綺麗で、暖房が入っているので、冬場はありがたい。ぜひ利用したい。県道84号をさらに進み、いくつかのカーブを曲がったあたりに右側に善五郎の滝の駐車スペースがある。ここから行くと滝前に出られる。もう少し進んで、すずらん橋の手前左がわにもかなり広い駐車スペースがある。ここのすずらん橋がわからも善五郎の滝に行ける。こちらからはかなり高い位置にある滝見台に先に行くことができる。
冬場は休暇村までしか除雪されていない。

八坂大滝  一番近いICは、長野自動車道の麻績ICである。ここから国道403号を明科方面に進み、坂北村に入る少し手前で県道55号へと右折する。分かりづらいかもしれないが、403号を走っていて上信越道をくぐってしまったら行きすぎである。。
国道19号を変則的に横切り旧八坂村に入る。すると大滝洞門というスノーシェッドがある。これをくぐるとすぐに新大滝橋という橋と弘法橋という橋が連続て出てくる。右側には駐車スペースらしい広場がある。ここからでも滝は遠望できる。
滝に近づくには、弘法橋を渡ってすぐ右側の細い道を入る。突き当たりは行き止まりで、使われていない橋のあたりに滝についての説明看板がある。
そこからかなり手前に県道を背にして左側の山に登る道がある。足跡があるので、見つけられると思う。登りだが5分もすると崖下に氷のオバケが出現する。

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