![]() 竜尾の滝 寂地峡入り口の滝で、 我が家の2014年最初の滝である。 一番下流だから尻尾の名前がついたと 思うのだが、いやいや、 美しい段瀑だ。 ![]() 花崗岩を削る水流の模様が なんとも綺麗だ。 ![]() 滝つぼは広い。 ![]() 大きさ比較。 とはいえ、広い滝つぼなので、 滝が小さく見えてしまう。 ![]() 登竜の滝 特徴的なY字の水流。 天に駈け上る竜に見えたのにも 頷ける。 ![]() 最初に見える登竜の滝は こんな感じ。 橋の上から滝つぼごしに見える。 ![]() 遊歩道からの距離はこんなもん。 ![]() 白竜の滝 ネームプレートがなければ、 登竜の滝の上段と思い込むところだった。 岩盤の段々がうろこみたいな 水流を作っている。 ![]() 見落としかけたネームプレート。 もうちょっと積雪があったら、 見えなかったかも。 ![]() 大きさ比較。 ダンナはネームプレートの所に 立っている。 ![]() 落ち口の岩盤に水が跳ねて、 飛び上がっているのがかわいい。 ![]() 名前のついていない小滝も 無数にある。 ![]() 竜門の滝 ネームプレートの場所から見ると、 下流の流れが竜門の滝みたいに見える。 奥の木に隠れがちなのが、 竜門の滝です。 ![]() これがそのアップ。 遊歩道からはこんな感じにしか見えない、 奥ゆかしい滝だ。 ![]() でも、その手前の流れも綺麗なのよね。 ![]() 竜頭の滝 小さく写ってしまったが、 一番最後に現れるこの滝は 本当にスラリと長くて大きい。 ![]() 上の段がさらに奥にある。 ![]() 上の段をアップにしてみた。 岩で水流が分けられて 複雑になっている。 ![]() 遊歩道のほぼ先っちょまで行って 撮影する。 ![]() 滝つぼは深く、広く、透明だ。 ![]() 竜が棲んでいてもおかしくないかも。 ![]() 落ち口のすぐ上の岩盤。 今にも崩れそうな突起がある。 ![]() 手前の木の枝がね〜。 でも、これがこの滝の魅力なのよね。 |
2014/1/1 寂地峡五竜の滝(竜尾の滝 12m、登竜の滝 8m、白竜の滝 10m、竜門の滝 14m、竜頭の滝 25m) 山口県岩国市 長い前置き よもや、正月の一日から滝をめぐることになるとは思ってもいなかった。大みそかはテレビを遅くまで見て、元旦は年賀状が届くまで寝ているんじゃなかったのか。 それがどうだろう、2014年の元旦は朝日が昇る前、午前4時に起床して、5時には自動車に乗り込んでいた。目指すのは、本州の西の果て、山口県である。 なんでこんなことになってしまったのか。 実に単純な理由だ。この年末年始はカレンダーの曜日の妙でなんと8日間の長期休暇になった。年末に一つ入っていた友人との旅行が諸事情によりキャンセルになってしまった。え、丸々8日フリーなの?それはないんじゃないの? そこから先は地図を広げ、行ける滝を模索して、ルート取りを組み立てて、取れる宿を検索して・・・。 しかし、それがなんで新潟から山口までドライブすることになったのか。広げた地図が悪かったのだ。ライトマップルの中国・四国。その地図によれば、高速道路沿いに百選の滝が並んでいるのである。2泊すれば4か所は回れる。どうせ行くなら欲張るべし、となってしまったのである。 ここで賢明なみなさんなら私の誤解に気がつくだろう。私は新潟から山口の距離を頭から除外している。そんなに遠い場所だとは思っていないのである。ちなみに、ダンナは覚悟してました。脳天気なのは私だけですぅ。 今回も例にもれず貧乏旅行のため、高速道路の割引の効く三賀日に行動をする必要があった。そんなこんなで元旦の未明からの出発になったのである。 この冬、新潟は穏やかな年末年始で、それほど積雪のない平野部をひたすら西に向かうことになった。 ちなみに、さすがに正月なので我々も高速道路の渋滞を警戒した。そのため、都市部を通る道は選択せずに、地方地方と道を結ぶことにした。ので、まず敦賀に向かう。 日本海を右にみながら進む北陸道は、ほとんど雪もなく、渋滞もしていない。敦賀でいったん高速道路を下りて、一般道で小浜まで行く。このルートは以前GWに利用して大渋滞にハマってしまったことがあったが、元日では動いている自動車も少なかった。むしろ新潟よりも雪の多い福井県内を通り、首尾よく小浜インターから舞鶴若狭道路に乗る。この道路が北陸道につながってくれれば、我が家の西日本遠征ももうちょっと楽になるはずなんだが。自動車もほとんど止まっていない舞鶴パーキングエリアのあずまやで持参したおにぎりとカップラーメンの昼食。とことん貧乏旅行だ。 中国自動車道に入り、ナビの案内する通りにひたすら進んで、吉和インターに到着したのは午後3時半を少し回ったあたりだった。ほぼ全く渋滞には会っていない。 実は、1日目は移動だけを考えていて、滝が見られるとは思っていなかった。というのも、新潟県の日没はより東であるためやや早い。午後4時半にはすっかり暗くなっていて、滝を見るような環境ではないのである。しかし、ほぼ12時間移動したら、日没も遅くなっていた。充分に滝が見られる明るさがあるので、最初の滝を見てしまうことにした。 寂地峡到着 最近の我々はナビに頼りっぱなしでナビの案内する通りに自動車を走らせる。中国道を下りて、国道186号線を南下したあたりまではよかったが、国道434号へとナビが案内したあたりで不安になった。 この道、やたら細い。しかも、雪、多い。凍っている。ほとんど自動車の通りが無いようにさえ見える道を上り、松の木峠を通過後さらに細くなった道を下り、中国道をくぐり、こんなところに集落があるぅ、と驚きながら進むと夕日に照らされて寂地峡300メートルという案内看板が見えた。 ![]() ![]() 5分ほど林道のような道を進むと、広い駐車場と立派なログ調の案内所と書かれた建物があった。驚いたことに、1台自動車が止まっていて、若い夫婦と子供が雪で遊んでいた。元日の風景じゃないみたいだ。 ![]() 日没が迫っているので、早々に仕度をして、歩き出す。とはいえ、どこが入り口かさっぱり分からないので、案内所の横にある案内図をよーく見てからだ。 駐車スペースを左に見て林道を少し歩くとキャンプ場の入り口になる。「車はここまで、人はここから」と書かれている看板があるので、ここが入り口かしらん、と分かったようなもので、雪のために入り口かどうかさっぱり分からない。よく見ると、小さく寂地山、寂地峡、と矢印の道しるべがあるのだが、その矢印の向きがイマイチ斜めになっているし。 とにかく、橋が見えるのでそちらに歩く。 行ってみると、もうそこに竜尾の滝が落ちていた。 ![]() ![]() ![]() 立派な「全国名水百選 寂地川、日本の滝百選 寂地峡五竜の滝」と書かれた石碑もある。 雪で遊歩道が歩けるかどうか不安だったが、橋の上にも足跡があり、長靴の我々なら心配ないようだった。 橋を渡るとすぐ右手に湧水なのか引き水なのか、「長寿延齢草の雫、延齢の水」と書かれた水飲み場があった。名水百選は寂地川だから、この水はその親戚くらいかしらん。 手すりが途切れていたので、そこから河原までおりて、竜尾の滝を正面から見た。逆くの字に曲がった二段の滝がきれいに磨かれた明るい色の岩盤を切り裂いて落ちている。2014年最初の滝は、とても勢いがいい竜の尻尾である。 ![]() ![]() ![]() ![]() 竜尾の滝を左に見下ろしながら遊歩道は登って行く。川は本当に綺麗な水で、底まで見える感じだ。 竜尾の滝の上で橋を渡り、川を右に見るようになるとすぐに次の滝が見える。1本の流れなのだが、岩盤の具合で水流がY字になった見える。登竜の滝だ。大きな滝つぼにするっと落ちて行く感じがすがすがしく見える。 遊歩道を歩いて行くと、その上にすぐまた滝があるのが分かった。登竜の滝が二段の滝かと思えるくらい近い滝なのだが、手すりが途切れていて、その向こう側を見てみると、白竜の滝と看板があった。 雪で覆われているので、足場がよくわからないが、慎重に進んで看板のある場所まで行って白竜の滝を見る。 分岐瀑というほど分岐はしていないのだが、岩盤に当たる水がうろこのように見える。 ![]() ![]() その後川は大岩の間を小さな滝の連続で流れ落ちて行き、遊歩道もそれに沿って大岩を回り込んだり登ったりしていく。幸い積雪はくるぶし程度でそれほど多くないし、足跡もあるので歩きづらくはない。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 見上げると目の前に大きな衝立のような岩があり、岩と岩の間から滝が見えた。遊歩道は衝立を避けてその向こうで橋になっている。橋から覗けばあの滝が見えるのかしらん、と歩いて行くと、橋の向こう側は綺麗な段々の流れになっていて、竜門の滝と看板があった。ん?これはさっきの衝立の向こうの滝じゃないよな。あれはもっと落差があったしな、と、上流側を見ると、これまた岩と岩の向こう側に直瀑が見えた。あ、あれが竜門の滝なのか。よく見えないなぁ。 ![]() 遊歩道はぐんぐん登って行くので、登れば上から見られるポイントがあるのだろうと歩いて行った。 行ったら、右手に曲がって行き止まりで目前に見事なまでの直瀑が落ちていた。竜頭の滝とある。わー、すごいすごい。なんて綺麗な直瀑なんだろう。と喜んで写真を撮影。 だが、待て、これはあの竜門の滝ではない。 ちょっと戻って手すりから覗き込むようにすると岩盤の向こう側に白い水流が見えるのだが、竜門の滝全体は見通せない。なんとまあ、奥ゆかしい滝だこと。 竜頭の滝は、手前に樹木の緑がかぶさるのだが、その緑と滝つぼの緑が実に美しくマッチして、滝というものが水流だけで構成されていないのだと実感させられる。 それに、あの落ち口の上の岩ったら。 今にも落ちそうな造形でいったい何百年あのままなんだろう。あれが落ちてしまったら、五竜の滝たちも姿が変わるかなぁ。 帰路は反則 さて、この遊歩道、実は一方通行である。 つまり、滝を下流から見ながら登るこのコースは登り専用で、下るのは別ルートになっている。と、案内看板にあった。 案内看板によると、この登りのコースはBコースで330メートル。下りは2パターンあって、Aコースは730メートルの比較的なだらかなコース。Cコースは480メートルのちょっと厳しいコースらしい。 ただ、この積雪のある環境で、人など来ない状況で、一方通行は意味がないでしょう〜。と、いうことで、反則だが来た道を戻ることにした。 けっこう急な登りだったので、下りは怖いものがあったが、手すりなどがきちんとしているので、安全に歩くことができた。 ![]() 帰り道、あの竜門の滝を見ることができた岩と岩の狭まっている場所を見上げてみると、とても古い昔の遊歩道跡らしいものが岩にくくりつけられていて、あの場所だったら竜門の滝が見通せたのかもなぁと思ったが、行きつける場所でもなかったのであきらめた。あとで本を見てみたら、少しだけ遊歩道を下りて谷に出れは見通せる場所もあったそうなのだが、あの積雪では足場も分からないしね。竜門の滝は奥ゆかしい滝であるということで納得しよう。 夕食難民 さて、年頭に縁起のいい天へと登る竜たちを無事に見終えて、今年はきっといい年になると確信したのだが、元日はそう簡単に終わらなかった。 宿は確保してあるのだが、素泊まりなのだ。つまり、今日の晩ごはんと明日の朝ごはんを調達しなくてはならない。 で、ナビに近所のコンビニを検索させた。これがマズかった。 夕食にもありつきたいのだが、元日なのでファミレスくらいしか開いていないだろう。ファミレスがある場所はある程度開けていないといけない。ところが、来るときに下りた吉和インターから五竜の滝までにはほとんど商業地域がなかったのである。 で、ナビの示した一番近いコンビニが吉和インターとは逆方向だった。そっちには数軒コンビニがある。ということは、商業地域だろう。 ああ、本当にこれがマズかった。 ナビが示した距離は直線距離だったのだ。つまり、山も峠もなにもかも無視して、定規でまっすぐ引いた距離である。ちゃんとした道を通るととんでもない距離になるのである。 そうと気がついたのは、吉和インターからも泊まる宿のある三段峡からも遠く離れた場所だった。しくしく。ふと気がつくと、ナビが示したコンビニは広島県。戻るよりも先に進んで山陽自動車道に行っちまったほうが近い場所だった。いや、そこまでホントーにコンビニもファミレスもない場所だったんだけどね。 仕方がないので、コンビニでまさかの時のためにカップラーメンを買って、朝ごはんも買って、とにかく一番近い高速道路のインターに向かう。山陽自動車道の廿日市インターで、そこはまあ、賑やかな場所でファミレスもありましたとさ。よかった、元日のディナーがカップラーメンにならなくて。 お腹を満たして、高速道路に乗って、宿の最寄インターである中国道戸河内インターを下りると、インター近くにコンビニありましたとさ〜。ナビのばかぁ〜。 三段峡入り口の民宿のような温泉宿にたどり着き、ほぼへたり込むようにお風呂に入って就寝。ああ、長い元日だったこと。 2014年滝初め 中国地方滝めぐりそのA 常清滝へ |
交通 寄りインターは、中国自動車道吉和IC。国道186号に出て山口方面に進む。やや進むと、国道434号を右に分けるので、そちらに入る。そこから先は峠道である。登りをしばらく走ると松の木峠であるという案内があり、そこから下り。道は細くなるので注意が必要だ。途中、高速道路をくぐり、集落に入ってややすると、右側に大きく寂地峡と書いた道しるべが立っている。かなりデカいので、絶対に見落とさないと思う。 そこを曲がって、林道をしばらく走ると、左手にログハウスがあり、前に大きな駐車スペースがある。 正月に行ったので、ログハウスは閉まっていたが、仮設のトイレはちゃんと利用できた。 積雪あり、一方通行の遊歩道を竜頭の滝からそのままUターンという反則ありの我々の所要時間は、約50分だった。 |