2018年GW
百選の滝スタンプラリーその@2018年GWそのA壇鏡の滝へ

大山滝






大山滝
思った以上に新緑の勢いがすごくて、
滝が隠されてしまうほどだ。
二段の滝の全容が見えるのは、
やはり展望台の位置がいいだろう。



上段。
するっと落ちている直瀑。
中段が崩落したと看板にあったが、
つまり、上段の落差が大きくなったのかしら。



下段。
遠目にも水の透明さが分かる。



落ち口。



中ほどの岩盤。
頑丈そうで、崩落しなそうに見えるけど。
何度も崩れているとあれば、
それほど水の勢いがすごいということか。



こちらは、展望台に行かずに、
ベンチのある広場の端っこから見た滝。
上の段の一部しか見えない。
こんな見え方じゃ、ストレスだわね。





寄り道した吊り橋手前の道の脇にあった小滝。
とっても小さい滝ですよ。
水流は人の腕より細い。



でも、水は透き通っているんだ。
全体に地面が茶色っぽかったので、
写真も茶色っぽく写っている。





鮎返しの滝
上に見えているのは堰堤。
つまり下のほうだけが自然の滝。
もったいないが、これが現在の姿だ。
落差は15メートルとあったが、
実際に見た感じは10メートルもないと思う。



途中で水が跳ねあがっている。



岩盤。
上流の大山滝と同じ岩に見える。



滝つぼ近くの岩盤。
固そうだけどね。


遊歩道ではいろいろな草花を見ることができた。


ギンリョウソウ。



ホウチャクソウ。



シライトソウ。
これは初めて見た花だ。



もひとつ、シライトソウ。
最初、サラシナショウマかと思ったけど、
季節が違うしね。



チゴユリ。
2018/5/3   大山滝(落差43M上段28M下段15M) 鳥取県琴浦町      
前置き

こんな旅、するもんじゃない、と、あとあと後悔することになる旅はめったにない。どんな旅であっても、かならず感動や収穫があり、ちょっと悔やむことがあっても、それを大きく上回るから、結果的にいい旅だったということになる。
しかし、今回ばかりは、私としては二度とこんな旅行したくない、と思ってしまった旅だった。題して、「本州の百選の滝とりこぼしスタンプラリー」である。
昨年、奈良の笹の滝や中の滝を見終えて、本州の百選の滝でまだ見ていない滝は2つになった。隠岐の島の壇鏡の滝と大山滝である。
この2つはセットだろう、と前々から考えていた。今年のGWに2つ見て、本州の百選の滝を終了させよう、と計画たてた。
大山滝と壇鏡の滝のセットというのは悪くないだろう。猫を留守番させて行くので、2泊3日が限度だが、自動車で行けない距離ではない。
問題は壇鏡の滝が離島にあるということ。フェリーで行くしかないので、その運行時間に制約がある。
私としては、隠岐の島で一泊することになると思っていた。
だが、ダンナの編み出した計画は違っていた。
1日目に大山滝を見て、2日目の午前のフェリーで島に行き、午後のフェリーで戻って来る。本州の宿に泊まって、帰りに神戸の布引の滝に立ち寄る。
こうべのぬのびきたき〜?
最初、地図が頭の中で組み立てられなかった。なんで山陰からいきなり関西にぶっ飛ぶのだ。
そういえば、神戸の布引滝は、私だけ見たことのある滝で、ダンナは行っていない。布引滝を見ずして、本州の百選コンプリートにはならないのである。
いや、しかし、いくらなんでも、位置が違いすぎるだろう。
ところが、そんなに違うワケでもないのだ。
新潟県から鳥取県に入るには、実は神戸のごく近くをかすめて中国自動車道に乗るのである。だったら、ちょっとだけ寄り道して滝に行けるじゃないか。
ええーーー。
できれば、私的にはせっかく山陰に行くのだから、出雲大社を見たり、鳥取砂丘を見たり、絵に描いたような観光をしたかった。なので、けっこう反対した。
しかし、毎年この計画を立てる時期には私が実家の母親と姉を桜を見る旅行に連れて行く計画を立てるのに奔走して、まったく自分たちのことを顧みられなくなっている。反対するのも説得力がない。全部任せているのだから、文句は言うまい。
と、いうことで、深く考えもしないで、ダンナ案が通ってしまった。
ダンナの案は完璧だった。
取りこぼした百選の滝のあと3つを2泊3日で回るには最善の策であった。
私の体力のなさを考慮しなけりゃね。
私は相変わらずの予習なしだったが、それでも前日に少しは勉強するつもりだった。大まかにルートを頭に入れて、歩くのにどれだけ時間がかかるとか、雨が降ったらどうしたらいいだとか、考えるつもりだった。
しかし、である。
前日に発熱しましたとさ〜。38度近い熱が出て、出発も危うい状況になってしまった。支度だけして、とにかく就寝。予習もへったくれもない。
ああ、もう、前日からロクでもない予感しかしないじゃないの。


大山滝へ
さて、当日。
幸い熱は引き、なんとか大丈夫な様子だった。
5月3日は移動日である。ほぼ高速道路をひた走る。
助手席でおとなしくしているだけだから、多少だるくても大丈夫だろう。
まだ薄暗い午前5時半頃家を出発。日本海側を走る北陸自動車道はほぼ渋滞知らず。舞鶴若狭自動車道が敦賀とつながったので、大阪の混雑を避けて中国自動車道に乗れる。交通網が整備されるのはとてもありがたい。
ただ、我が家の自動車のナビはやや古くなっていて、まだ舞鶴若狭道路が中途半端な開通しかしていない時のものだ。ナビまかせというわけにはいかなかったが、それでも、順調に中国自動車道に乗れた。
ところで、大山滝というので、私はてっきり大山の日本海側、つまり、大山寺などがあるほうに滝があるものと信じ込んでいた。しかし、よくよく地図を見てみれば、むしろ岡山県に近いがわの裾野ほうに滝はあるのだ。
つまり、2014年1月に中国地方の滝をいくつか回ったのだが、この時に一緒にしてしまったほうが効率がよい滝かもしれなかった。雪を考慮しなけりゃね。
そんなこんなで、なんと降りたインターは蒜山である。岡山県じゃん〜。そこからナビの案内どおりに大山に近づき、途中迷いかけながら目標場所であるキャンプ場に向かう。途中の道で超巨大な岩の屏風みたいな山を見て、あれが大山か、と驚いた。私が記憶している日本海側からの大山は優美な山容の山だったはずだ。
しかし、山の中に入って、意外なほどに自動車をすすめなくてはならなかった。地図を見ると、米子自動車道がわから大山滝に近づくと、県道45号は一度大山滝を通り越してかなり進んでから地蔵峠で大山滝に続く林道に出て、また進んだ分戻る形で滝に近づくようになるらしい。我々は軽自動車で行っていて、ガソリンの残量に不安があった。燃費のいい自動車ではあるが、山中でガス欠という事態が頭をよぎる。
とにもかくにも、午後3時45分、一向平キャンプ場に到着。40分ほどで滝まで行けるというが、山中のこと、日没との競争になりそうだった。
手早く支度をして出発。もうこの時点では前夜の熱のことなんか忘れるくらい元気である。
いや、まて、どっちに行けばいいんだ。
管理棟の前に地図があって、行く方向を確認。やや進むと、あれ、「この先大山滝展望台は老朽化に伴い改修工事中です。ご利用できません」という看板があった。
なんですと〜っ。
ここまで来て滝が見られないのか?
いや、展望台がダメでも別の場所から見られるんじゃないのか?
とにかく、ことここに至っては、滝の見える場所まで行かないわけにはいかない。
改修するったって、ゴールデンウィークには間に合わすくらいがんばってよ〜っと文句を言いつつ、歩き出す。

  
一向平キャンプ場管理棟。

    
  
管理棟の前の坂道を登って行くと、展望台改修中の看板。

しばらくは自動車も通れそうな砂利道だったが、すぐに遊歩道になり、さらに細い階段で急降下する場所になった。
下る、下る、下る。10分強も下り続けて、ようやく先に吊橋が見えてきた。あれが大山滝吊り橋だ。全長45メートルだそうだ。
    
  
道は、最初緩やかだが、
    
  
とにかく下る。

    
  
下って下って下った先に吊橋が見える。

    
  
長いけど、安定した大山滝吊り橋。

ところで遊歩道は橋を通るがわと、川の上流がわに分かれていた。橋を渡らずに川の上流に行くとどうなっているのか気になったので、ちょっと歩いてみた。
途中、山から滑り落ちるほんのちっちゃな滝状の沢があったが、道はそのままストンと川に落ちてしまっていた。
大山滝吊り橋の説明看板に、昔は川を丸太橋で渡っていて、その橋が流されて大変危険だったと書かれていたが、もしかしたら、ここから渡っていたのかもしれない。

    
  
吊り橋手前の道はそのまま川に水没していた。

  
やっと吊り橋を渡る。

とりあえず納得いったので、大山滝吊り橋を渡る。これが吊り橋のわりに下が見えるワケでもないし、それほど揺れるワケでもないので、私でも怖がらずに渡ることができた。
この吊り橋で下って来る人に出会った。入口の展望台に行けないという看板が気になっていたので、「滝は見えましたか」と聞いてみたところ、「茂みの影から覗くみたいに見えます」との答え。ええーーーー。そんなもん?
でも、見えるのだ。見えればいい。我々の滝めぐりのスタンスは見ることに意義があるのである。
橋を渡るとすぐに登りで、それほどせずに鮎返しの滝への分岐になる。鮎返しの滝は後回しにして、先を急ぐことにした。
実は、大山滝に行くまでの遊歩道は、それほど大変な道ではないと勝手に思っていた。滝を見る道なのだから、それなりに歩くことは歩くだろうが、そんなに苦労はしないだろうと。
大変でした。ほぼ完全な登山と思ったほうがいい。
足回りも登山靴であったほうがきっと楽だと思う。ストックなんかあったほうが安全だと思う。と、いうくらいの道のりでしたとさ。
とにかく吊り橋まで下った分、登る。さらにそれ以上に登る。
緩急はあるが、20分登り続けることになる。

  
  
鮎返しの滝へは右側へ下って行くが、あとまわし。

    
  
ひたすら登る。16時25分、旦那小屋跡。

  
滝っぽい沢もある。

    
  1
6時35分、木地屋敷跡。まだまだ登る。

    
  
木道の部分もある。お地蔵さんもいらっしゃる。

20分登って、もう薄暗い感じになってきたあたりで、やや広いベンチなどがある場所に出た。説明看板があり「大山滝」とある。
なになに、昔は三段の滝だったが、室戸台風で中段が崩落して、現在の二段になった。後日琴浦町のHPで見てみたら、2011年の台風でも崩落しているらしい。滝といえども、いつまでも変わらないものではない。
さて、問題は滝が見えるかどうかだ。
あ、展望台発見。広場からちょっとだけ下った場所に四角い木のステージみたいなのがある。その下る道の入口に「この先展望台立ち入り禁止。展望台工事中につき入れません」と書かれていて、トラロープが張られている。
はい。行きませんよ、展望台には。
展望台には登りませんともさ。
幸い、将来を担う子供らも自己責任を負いきれないお年寄りもあたりには人っこ一人いないので、トラロープを跨ぎ、下って行く。もちろん展望台には登らずに、展望台の下がわから滝を見ることにした。
おお、よく見える。これが大山滝か。
はるか遠望ではあるが、水の清冽さが伝わってくる。午後も遅い時間だったので、滝そのものが日陰になってしまって、ちょっと暗い感じになったのが惜しいが、新緑の勢いを切り裂いて力強く落ちている。
昔、大山信仰の修験者がこの滝で修業したらしいが、なにがしかの力を与えてくれそうな水の青さだ。
滝下まで行って滝を見上げてみたい気もしたが、大山滝全体を見るには、やはりこの場所が一番のようだ。
さあ、日没も近い。まだ鮎返しの滝を見なくちゃならないし。そこそこで引き上げよう。
ところで、吊り橋で会った人は。藪越しに見えたと言っていたけど、どこから見たんだろう。ベンチのある場所まで行って、滝が見える場所がないか探してみた。
音を頼りに覗き込んでみると、ああ、本当に木の梢の向こう側になんとか上段が見える場所があった。30分以上かけて下ったり登ったりしてたどり着いた滝がこんな見え方しかしなかったら、ストレスだわ〜。
一刻も早い展望台の改修をお願いします。

    
  
昔は三段だったという説明看板。奥にはベンチもある。

    
  
入ってはいかんと言うトラロープと改修中の展望台。

来た道を戻る。すでに午後4時半をおおきく回っている。
にもかかわらず、驚くべきことに子供連れが何組か登って来てすれ違った。中には明らかに生後間もない子供をだっこして登って来る人もいた。登山道だからさ、ちょっと心配になった。きっと入口のキャンプ場でキャンプしている人たちだろうけどね。
吊橋手前の鮎返しの滝の分岐に着いたのは午後5時を過ぎてから。鮎返しの滝に行く人はほとんどないようで、道は草ぼうぼう。明らかに獣臭のする、大山滝への道とは趣の違う感じになっていた。
しかし、5分も下ればすぐに滝だ。
最初堰堤が見えて、あらららら、滝、崩れて堰堤になっちゃった?と思ったが、堰堤のすぐ下が自然の滝になっていた。
川のすぐそばまで下るのだが、河原はなく、岩を切り裂いた岩盤になっている。ちょっと張り出した場所から滝を見ることができるが、そこに看板が。
「滝つぼへの上り下りは岩が滑りやすくて危険ですから注意しましょう」
うーむ、この書き方だと、滝つぼまでは行っていいってことか。いや、行きたくないなぁ。
滝は勢いよく流れていて、途中で水が跳ねている。
滝つぼはやや深い感じだが、ここで落っこちてしまったら、水の勢いで下流に簡単に流されてしまうだろう。さすがに滝つぼに下るルートを探すのもやめておいた。

    
  
鮎返しの滝への道はほぼ藪。

    
  
すぐに川に出る。滝つぼに行くには注意しろという看板。

2つの滝を見終えて、あとは大山吊り橋を渡り、長い登り階段を登ってキャンプ場に戻る。
午後5時50分。キャンプ場に到着。
さあ、今宵の宿は、米子市だ。
その前に一つ問題がある。ガソリン。とにかく、スタンドのありそうなルートで米子市に向かおう。来た道を戻らずに、地蔵峠を県道44号てせ北上して日本海を目指そう。ハズれました。この道、県道上にはスタンド、ありませんでした。
よくよく調べれば集落内にあったとは思うのだが、なにせ県外者。こうなったら山陰道に乗って、さっさと米子に近づこうと賭けに出た。が、途中でランプが点滅するに至り、山陰道を下り、国道9号に出たら、なんとかガソリンスタンドに出会うことができた。カードのある会社じゃなかったけど、安心したかったのでそこに入って給油。ああ、ハラハラした。
本日のビジネスホテルに到着し、空腹だったのでホテルのすぐそばの焼肉屋で乾杯。それから自動車で5分ほどの偕生温泉の日帰り温泉「OUランド」であったまって、この日を終えた。
あんなに晴れていたのに、お風呂に入ってる間に雨がとんでもなく降ってきた。明日のお天気はどうかなぁ。明日は隠岐の島なんだよなぁ。

           2018年GW百選の滝スタンプラリーそのA壇鏡の滝へ

 交通
最寄ICはたぶん米子自動車道、蒜山もしくは江府IC。あるいは、山陰道琴浦東IC。どちらからも県道45号を利用して一向平キャンプ場を目指す。
キャンプ場で駐車。そこからは徒歩で最初ガッツリ下り、大山滝吊り橋を渡った後は、ガッツリ登る。ほぼ登山と思って間違いない。HPには片道30分のハイキングと書いてあったが、我々の足で草花を撮影しつつではあるが50分かかった。(吊橋手前で寄り道した分は差し引いている) 30分で行けるのは、とんでもない健脚だと思う。
遊歩道は整備されていて、迷うことはないが、できれば登山の足回りがよいだろう。サンダルでは無理。

この日行った日帰り温泉「おーゆランド」は入館料は400円と格安だが、シャンプーやせっけんなどはまったく無く、ドライヤーも有料。いっそ見事に割り切りができていて、気持ちがいいくらいだ。お風呂も広くて種類も多く、洗い場も数が多くて全くストレスがない。かなりの人が利用していたが、混雑している感じはほとんどなかった。お風呂の他にものんびりできる場所もある。ホテルも併設されているようで、ここに泊まれば簡単だったね〜と思った。

琴浦町観光協会

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