2018年GW
百選の滝スタンプラリーそのB

布引の滝





布引の滝(雌滝)
めんだき、と読むそうだ。
滝つぼというよりも、
堰堤でせき止められた池に
するんと落ちる姿が美しい。
ただ、けっこう遠い。


堰堤の水流もかなりきれいだ。
で、こうやって見ると、
雌滝が緑で隠されてしまう。
ああ、ストレス。
滝を見るなら、緑の薄い時期がいいかも。



布引の滝(雄滝)
おんだき、と読むよね、めんだきに対して。
この滝が主瀑なので、一番目立つ。
以前、私だけ友人と一緒に来たことがあり、
岩盤のメタリックな色が印象に残っていたが、
緑の濃い時期はその岩盤にも
緑が出現するのね。



これ、高いほうの滝見台から見た図。
滝つぼとレベルが同じになる。
中間で水が大きくはねているのが分かる。


落ち口。
意外ときゅっと狭まった水流だ。


跳ねている部分。


これ、遊歩道をちょっと上がって撮影。
かなり大きな滝つぼだと分かる。
落差43メートルに納得。



夫婦滝
どうしても見下ろす形になってしまう。
2条の流れなので夫婦滝なんだろうな。



夫婦滝には滝つぼらしいものはなく、
そのまま川になって、
滝見台の橋の下を流れていく。


2018/5/5   布引の滝(雄滝落差43M) 兵庫県神戸市      
神戸へ

玉造温泉で一泊した我々、旅の最終日はほぼ新潟への移動日である。
しかし、日本海沿岸を新潟に向かって進む高速道路は今のところないため、米子道で岡山県に入り、中国自動車道に乗って兵庫県の吉川Jctから舞鶴若狭道で若狭湾に出て、北陸道に乗る、というコースになる。
つまり、兵庫県を通るのだ。帰りがけの駄賃でんがお家の本州の百選の滝の最後の滝となる布引の滝に立ち寄れてしまうのである。
とりあえず、ホテルのおいしいバイキングの朝食をたらふく食べて、もちろん朝風呂にも入って、昨日の悪夢のような船旅を払しょくし、せっかくだからと玉造温泉の温泉街を自動車で通り過ぎてから出発。
吉川Jctから布引の滝のある新神戸駅までは、高速道路過疎地である新潟県民には絶対に理解できないわけのわからない網目のような自動車専用道路があり、完全にナビにまかせることになった。
あっちに行け、こっちに行けとナビに言われるままに進み、しまいにトンネルに入って、すぽんと出た先がもう新神戸駅だった。
ところが、である。新神戸駅から布引の滝とナビに入れたら、住宅街に連れて行かれて、だんだんと細い道になり、しまいに「ここから先はハーブ園には行けません」との案内。えーと、そこに行きたいワケじゃないんだけど。
布引の滝は新神戸駅から歩いていける場所なので、新神戸駅に戻って駅の駐車場に駐車したほうが早い、と、狭い住宅街を逆戻り。ここにきてナビに裏切られた。
しかし、5月5日の新神戸駅付近を甘くみてました。
まず、新神戸駅の駐車場は長蛇の列。これに並ぶ気にはなれない。商業施設の駐車場があるはずだと駅を背に走ってみた。が、まず商業施設がどこか分からない。
結構たくさん時間貸しの小さな駐車場はある。しかし、どれもこれも満車。だいぶ新神戸駅から遠くなったな〜と思ったら、小さな駅。王子公園駅、え、動物園? 5月5日の動物園にふらっと来て簡単に駐車できるわけがないだろう〜。
またすごすごと新神戸駅に戻る。途中、ガソリンも怪しくなってきたので、ガソリンスタンドに入り、駐車できる場所はないかと尋ねたら、時間貸しの駐車場があちこちにある、という答え。それは知っているんだけどなぁ。
あてどもなく、とにかく新神戸駅方面に進んだら、あ、駐車場のマーク!
こうなったら多少高くてもいいから、空いていたら即入ろう。高層ビルの駐車場らしく、ぐるっと裏にまわる形に案内が出ていて、それでも待たずに入ることができた。周辺の駐車場に比べたら30分で100円くらい高かったかもしれないけど、かまいません。これから新潟に帰る身としては、時間のほうが大事です。

  
新神戸駅近くの水路。噴水が出てきます。

ほぼ新神戸駅の真ん前の駐車場から歩いて布引の滝をめざす。
駅に案内があり、高架になっている線路をくぐってしまうと、もう別世界だった。さっきまで自動車だらけ、ビルだらけの空間だったのが、あれ、焼肉の臭いがするぞ。
新幹線駅の線路の下には川が流れていて、その河原でなんとバーベキューを楽しんでいる家族が何組かいるのが、道から見下ろすことができた。あっという間にアウトドアフィールドになってしまっている。

  
新幹線下の河原。バーベキューする人たちがたくさん。

駅からすぐに砂子橋というレンガ造りの橋になる。国の登録有形文化財だそうだ。
そこからもうすでに雌滝下の堰堤の簾のような流れが涼やかに見える。
思った以上に緑が濃くて、雌滝が緑の向こう側になってしまって、ちっとも目立っていない。でも、その目立っていない感じがいかにも女性っぽい。

  
砂子橋。

  
橋を渡ると遊歩道になる。

  
記憶があいまいなんだけど、橋から雌滝が見えたと思う。右側のレンガの建物も文化財だったはず。

雌滝から遊歩道を歩いて5分ほどで、左手に流れている川沿いに「鼓ケ瀧」という石碑があった。覗き込んでみるが、滝らしい感じはちっともない。岩盤が切り立っていて、流れる水の早さも鋭かったので、滝はあるのだろうが、遊歩道からは本当に見えなかった。せめて、写真だけでも石碑にくっつけておいてくれたらよかったのにね。

  
遊歩道はほぼ登り。

  
鼓ケ滝の石碑。

  
そこから身を乗り出して見てみる人。

  
こんな急流が見えただけ。

鼓ケ滝から2分も歩かないうちにもう雄滝の展望台に到着だ。
雄滝の前は広い滝見広場のようになっていて、ここには本当にたくさんの人がいた。
ちょっと気温の高い日だったので、滝前の広場は涼むのにちょうどよい。
アウトドアフィールドでもあるので、たくさんの観光客にまじっておにぎりを取り出してランチをしている人もいる。
広場は到着した場所とその奥にちょっと高くなった場所とがある。
雄滝を間近に見るには高いほうの場所がよいが、雄滝のすぐ下流にある夫婦滝を見るには低いほうからでないとダメだ。
おおかたの人たちは雄滝ばかり見て、夫婦滝は雄滝のおまけみたいな感じになっている。確かに、普通これは別々の滝とカウントしないだろう、と思ったりもした。
遊歩道はまだ上に続いている。新神戸駅の近くから出ているロープウェイの行きつく先のハーブ園まで続いているらしく、これまたたくさんの人がどんどんと上に向かって歩いていた。人気のあるハイキングコースといったところか。
一通り滝を見終えて、我々は戻ることにした。
砂子橋のすぐそばに、このハイキングコースと分岐して北野偉人館へ抜ける道もあると看板にあったけど、ああ、頭の中で地図が組み立てられない。まあ、隠岐の島から新潟への帰り道に新神戸に立ち寄るくらいわけのわからないことをやっているんだから、新神戸から北野異人館街は歩いて行けるんだろうと納得した。
かなり遅くなったが、新神戸駅に戻って駅の中にある洋食屋でランチしてから自動車に戻る。これから長い帰路である。

甘く見てましたよ、GW
新神戸から我々は舞鶴若狭道を経由して北陸道に出る。つまり、ほとんど渋滞していない道を進む。
距離は長いが、大都市の渋滞を含む移動よりはストレスがない。
が、甘く見てましたよ、GW。
お昼が遅かったので、夕食も遅い時間を想定していたら、立ち寄るサービスエリアもパーキングも、飲食できる場所はすべて満席。しまいに最後の望みにしていた新潟県内に入った名立谷浜サービスエリアなどは売り切れになっていた。
ここに至って夕食難民になってしまった。
空腹で怒りっぽくなっている。疲れているし。それに、海にまつわる場所に行ったのに海のものを食べていないし。
えーい、上越でいったん高速道路を下りよう。高速道路上はもう食糧はない。と、いうことで、上越市の地魚のある回転すしで夕食にしましたとさ。あーあ、結局地元めし。でも、美味だったけどね。
午後10時過ぎ、家に戻ると猫どもがびゃーびゃー鳴いて出迎えてくれて、信じられないくらい荒らされた2階の寝室を掃除して就寝したのは翌日の日付になってからでしたとさ。ああ疲れた。
発熱で始まり、船酔いで山場を迎え、空腹で締めくくられた今回の旅。
なんか、滝を思い出すより先に船酔いを思い出すことになってしまった。
ホントーに滝の印象がない。いかん。こんな旅、するもんじゃない。
今回の目的はただ滝めぐりというスタンプ帳のスタンプを押すだけだった。
本州の百選の滝については、全部スタンプは押し終えたので、もうこんな訪問の仕方はしないで済むだろう。本末転倒の旅はもうやめよう。
これからは、じっくりと滝を楽しみたいものである。
 
 交通
山陽新幹線新神戸駅から徒歩で行ける。と、いうか、それ以外ない。駐車場は駅の駐車場、もしくは最寄の商業施設の駐車場を利用。行楽シーズンでなければたぶんとめられると思う。
滝自体や布引公園の駐車場は無い。
駅出口からすでにしっかり布引の滝と案内があるので、まず迷わない。
5分ほどで砂子橋。ここからもう雌滝が見える。
雌滝から10分も歩かずに雄滝である。
遊歩道はしっかりしているので、サンダルでも大丈夫だが、けっこう登る。

2018年GW百選の滝スタンプラリーその@大山の滝
2018年GW百選の滝スタンプラリーそのA壇鏡の滝


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