2019年早春の滝めぐり
象ケ滝、三段の滝




象ケ滝
黒い岩盤に白い水流が美しい。
象の鼻の部分の斜めの流れが
特徴的だ。



近づくとこんな感じ。
なんか、象の顔が見えるみたいだ。



ダンナが左下にいる。
私はダンナを見下ろす岩の上にいる。
ここからだと滝つぼが見える。



上段の壺。
氷が残っている。



中段の壺、というか、
一番下の流れの落ち口にも氷が。
象の目みたいに見える。



で、これがたれ目の象さん。



ちゃんと滝名の看板もあるのよ。




熊倉不動滝
雑木がうっとおしいが、
大きくきれいな滝なのだ。



でも、雑木のせいで見栄えがしないの。



杉のすぐ右側に民家の屋根。
あそこに人は住んでいるのかな。



森林公園に向かう道沿いに
滝名の看板もあるが、
この位置からはあまりよく見えない。
先に進んでカーブを曲がったあたりから
見下ろすといい。




三段の滝
ちょっと緑っぽい。
この滝はきっと緑の中のほうが綺麗だと思う。



こんなふうに林の中にあって、
風景に飲み込まれそうだ。



大きな滝なんだけどね。



ちゃんと滝名の看板もある。
南牧村は滝に一生懸命だ。



かろうじて残っていた氷。



すぐ下流の流れ。

2019/3/2  象ケ滝(30M) 
           三段の滝(50M)  群馬県南牧村

暖冬であった2019年の冬は2月に見切りをつけた。3月に入ったらもう春である。春とあれば、花を見たい。早春の花といえば雪割草なのだが、地元の雪割草ならいつでも見に行ける。もっと、滝とからめたいい花はないものか。
ダンナが色々と探してくれて、群馬に福寿草が咲いている場所があるぞ、ということになった。自生地というわけではなくて、広い植栽地らしいのだが、紅梅なども咲いていて、今が見ごろらしい。
そういえば昨年もちょうど1年前に小中大滝に行く途中に福寿草畑にでくわして、早春の黄色いじゅうたんを見た。
意外に滝めぐりに福寿草は相性がいい。
ダンナが見つけた福寿草の里は下仁田にある。
下仁田方面に行くのであれば、今年の最初に行った神流町や上野村の滝と一緒に回るつもりだった南牧村の滝に行けるんじゃないだろうか。
よし、決定。早春の滝めぐりは、福寿草と南牧村の滝だ。

当日、いつものことながら早起きもせずに、いつもの出勤時くらいに自宅を出発。この日はおにぎりをにぎるつもりが、ものの見事に忘れてしまって、到着したらどこかの道の駅で昼食にするつもりだった。
上信越道下仁田インターを下りて、ナビに虻田という地名を入れる。行けば福寿草の季節だもの看板くらいたっているだろう。
その方向に向かって進んで行くと、やっぱりちゃんと看板が立っていた。
国道254号を長野方向に向かって走り、下仁田の市街を通り抜けて中小坂という交差点で左折する。そこにも看板がある。あとは道なりに進めば見落とすことなく福寿草の里に到着できた。
さすがにシーズンだけあって、いくつかある駐車場は満車。とはいえ、列をなすほどではなく、出ていく自動車も多いので苦労なく駐車することができた。
まず目につくのは、ピンクの花々である。紅梅だ。山の斜面一面ピンクになっている。すごいなぁ。梅の里でもいいんじゃないの。
人の歩いて行くほうについていくと、福寿草の里の入口で、協力金大人300円を支払う。ちょうど催しがあって、豚汁を無料でふるまわれた。あーあ、おにぎりもってきていたら、ここでお昼が終わったのにな。
とてもおいしい豚汁でしたよ。

  

   斜面が全部ピンク。真ん中に福寿草と看板がある。


    
  
この奥が福寿草の里の入口。キノコ汁と言う名目の豚汁。

狭い入口を抜けると、斜面を登るような感じで福寿草の里が始まる。
うわわわわわ。すごい。一面黄色い。
しかも、半端じゃない広さと半端じゃない福寿草の量だ。見上げれば濃いピンクの紅梅が頭上を覆っている。
正直言って、福寿草の里とか言って、ほんの小さな公園に畑みたいに福寿草が植えられているんだろうな、と思っていたら、とんでもなかった。
山の斜面がほぼ全部、上は紅梅下は福寿草である。
300円、惜しくないです。
植栽だろうがなんだろうが、この景色は素晴らしい。これだけのものを管理するのはさぞ大変だろうと思う。頭が下がります。
斜面全部なので、歩いて回るにもけっこうな時間がかかる。ただ急な斜面もないので、お年寄りでも十分に楽しめる感じだ。
あちこちで花にカメラを向けている人がいて、我々も少し歩いては立ち止まり、少し歩いてはしゃがみこんで撮影した。
以下、ダンナと私の撮影した花の写真の羅列です。


    

    

    

さんざん花を堪能して、時刻は正午を回っていたが、とりあえず豚汁を食べたので空腹というわけではない。
このドライブのもう一つの目的である南牧村の滝たちのもとに向かおう。
国道254号を下仁田方向に戻り、下仁田交差点から県道45号に入る。ややして、道の駅オアシスなんもくがあったので、ここでお昼を食べなければくいっばぐれると思い立ち寄る。簡単にラーメンでお腹を満たし、2010年にこちらに来た時にもお世話になった滝めぐりガイドの最新版を入手。これ、滝好きにはホントにありがたいです。
あとはひたすら県道で南牧村を突っ切り、最奥の象ケ滝を目指した。
さて、実は2度目の南牧村なのだが、9年もたっていたらほぼ忘れている。前に来た時はもう少し積雪があって、最後の集落のごみステーションのあたりに自動車をとめて徒歩で滝に向かった。と、いうことも忘れている。
最後の集落から先、ものすごく細い林道になり、すぐそばに川が流れ、絶対にすれ違えない未舗装の道になって、象ケ滝ってこんな場所だったか〜?と不安になった。そりゃそうだ、歩いて向かったのだもの、自動車で怖い思いなどしていないから記憶にない。
それでもなんとか車止めまで行きつくことができた。
かろうじて2台ほど駐車できるスペースがあり、この先も林道は続いているが進入できないようになっている。
自動車を下り、歩き始める。
5分もたたないうちに小さな堰堤のような橋を渡り、右手の林の中に入るように案内看板があった。
え、こっちに行くの?
えー、何度も書きますが、前に来たことはすっかり忘れてます。
林の中に続いている木製の橋のような道はすっかり崩れていて、だいぶ人の手が入れられていない様子だった。
なんとか落ちないで通り、それからポンと河原に放り出される。
このあたりでうっすらと思い出す。そういえば、こんな感じだったっけ、象ケ滝。
上流に向かって歩いて行くと、突き当りに滝が姿を現した。
もちろん、3月に入っているので、雪も氷もほとんどない。
黒い岩肌に落ちるこの滝を見るのは初めてで、雪の中の滝よりもこっちのほうがきれいだな、と思った。
滝前に少し高くなった岩があるので、私はそこによじ登り滝を見てみた。
一段目と二段目の壺あたりに氷が残っているのが見える。象ケ滝というから、一番下の象っぽい流ればかり目が行くが、全体そろって見るほうが美しいな。

    
  
車止めには象ケ滝と案内看板がある。川沿いの道を歩く。

    
  
林の中に行けとの案内。道、壊れてますけど。

  
河原に放り出されるの図。

さて、次の滝だ。
次は道すがら見ることができる熊倉不動滝だ。
この滝は意外と印象的でよく覚えていた。なぜならすぐ隣に民家があるから。あの民家はずっと滝の音を聞きながら暮らしているのだ。
かなり落差がある滝なのに、隣に民家があるばっかりに滝っぽく取り扱われていないのがちょっとかわいそうだ。
と、言いながら、我々も自動車から下りてちょっとだけ覗き込んで写真を数枚撮影して終了。見下ろす形だからよくないのかしらね。
滝つぼになる川まで下りられれば、少しは印象が違うのかもしれない。

実はこの次は線ケ滝に行くつもりだった。線ケ滝は駐車スペースからほぼ歩かずに行ける。が、どういうワケか滝めぐりガイドの表紙になっている三段の滝につい行くことにしてしまった。
出来心である。
ちゃんとガイドにも徒歩30分とあるのに、なんとなく見てみたくなってしまったのだ。
熊倉不動滝からそれほど自動車を走らせずに三段の滝の遊歩道の入口に着く。
ここでもう一度書くが、我々は以前来た時のことをほぼ100%忘れている。
駐車スペースのトイレの脇に「グラウンドを通り、その先の居合沢に沿って登ってください」と書いてあるのを見て、あれ、なーんか前に見たことがあるような気がするぞ、とぼんやりと思い出す。
トイレが冬季のため使えないのを確認。
案内の通りグラウンドを通ってこれを登るのか、というはしご状の階段を登ると三段の滝まで920メートルと書かれた案内があった。
木道が続いているが、傾いたりしていて、ちょっと危険な香りがする。

    
 
 川の対岸にあるトイレと駐車スペース。その奥のグラウンドの脇を歩く。

  
このはしご状の階段を登る。

  
  
遊歩道は木の道で整備されているが、ちょっと壊れている場所もある。

それにしても、全然覚えていない。
たぶん、来ていないんだろう、三段の滝。(来てます。ちゃんとこの遊歩道歩いてます)
居合沢を右に左に橋で渡り、遊歩道は続いている。
時々きれいな滝状の流れになる居合沢をみながら進んだり、確実にあの向こうには落差のある滝があるはずという高巻を強いられたりする。
暖かい日だったが、さすがに沢沿いで日陰のなかを進むので冷えてきた。

    
  
橋はとにかくたくさん渡る。沢の流れは綺麗だ。

  
滝っぽい流れ落ちもある。

と、岩の上を滑るような滝といってもおかしくない流れの横に鉄のはしご出現。あれ、登るんだ。
えーと、こんなに印象的なはしごなのに、やっぱり忘れてます。すみません。
はしごを登ると鉄製の橋があり、それを渡ると三段の滝が現れた。

    
  
鉄製のはしごを登る。その脇はもう滝と言ってもいい流れ。

  
鉄製の橋を渡ればもう三段の滝が見える。

ほう、大きな滝だ。
こんなに立派な滝、どうして印象になかったんだろう。
今写真を見て思うのだが、実は特徴がない滝なのだ。
山に飲み込まれそうな沢滝で、冬のこの時期はたぶん水量が少なく、なおのこと水流の印象がない。
この滝は雨後とか水量の多い、そして緑のある時期のほうがいいんだろうな、と感じた。
さて、すっかり前に来ていることを忘れて三段の滝を目にした私。体が冷えてすっかり意気消沈してしまっていた。
岩が滑って、上に登ろうにも登れないし。早くあったかい場所に行きたいし。
とりあえず、写真を撮影し、さあ、自動車に戻ろう。
滝を見たというよりも、むしろきれいな沢沿いを歩いたことのほうが満足感が強い。
自動車に戻るともう午後3時を回り、冬の太陽が傾きかけていた。
日帰り温泉にでも行ってあったまりたいと思ったが、ここから下仁田インターまではめぼしい温泉が無い。早めに家に帰って家でゆっくりしようということになった。
本日の目的は滝というよりは福寿草だった。ついでにまわったわりには、南牧村の滝たちは綺麗で楽しかった。なんとも早春らしいよい休日だった。
今度はちゃんと覚えていようっと。


      ちなみに2010年に訪問した象ケ滝はこちら。三段の滝はこちら
交通
 虻田 福寿草の里 上信越自動車道下仁田ICを下り、国道254号で下仁田市街方面に進む。市街を通り抜け、中小坂という交差点を右折。あとは案内看板がある。下仁田町の観光ページに詳しい行き方がある。協力金大人一人300円。開園期間が限られているので、要確認。
 象ケ滝  一番近いICは、上信越自動車道下仁田IC。インターを下りて、国道254号で下仁田駅方面に進む。道案内にしたがって、県道45号で南牧方面へと左折。県道93号が出てきたらそちらへ進む。
蝉の渓谷などを通り、いくつか道を分けるが県道93号からはずれないように進むが、最後に勧能バス停で県道93号から離れて県道108号に入る。
県道108号に入ってしまえば、あとは道が終わるまで進めばよい。
ただし、冬場は最後の民家あたりか熊倉バス停あたりに駐車するのが無難。
最後の民家から5号橋までは徒歩で15分ほどである。
雪や凍結がなければ、さらに自動車で進めて、5号橋のたもとに1台か2台駐車できる。
そこから遊歩道を5分ほど歩くと象ケ滝である。

 熊倉不動滝  熊倉バス停のすぐそばになんもく村自然公園に向かう大上林道に入ってすぐ見ることができる。

 三段の滝  一番近いICは、上信越自動車道下仁田IC。インターを下りて、国道254号で下仁田駅方面に進む。道案内にしたがって、県道45号で南牧方面へと左折。県道93号が出てきたらそちらへ進む。
蝉の渓谷などを通り、いくつか道を分けるが県道93号からはずれないように進むが、最後に勧能バス停で県道93号から離れて県道108号に入る。
県道108号に入って、右手に流れていた熊倉川が橋を渡って左手に変わって、ほんの少し進むと、その川の向こう側に公衆トイレのある駐車スペースが見える。
そこが三段の滝の遊歩道の入り口である。
入り口からは、ゆっくり歩いて30分ほどで滝前に着く。
木道は、濡れていると滑りやすいので注意するように。最後に鉄製のハシゴがあるが、概ね安全に歩くことができる。

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