![]() 岩本の不動滝 大きさ比較がないので、 落差もイマイチよく分からないが、 上下合わせて10メートルはないと思う。 するん、するんと落ちる、 上品な滝だ。 ![]() 手前の橋から見た滝。 突き当りに滝があるんだけど。 沢自体、積雪で真っ白。 ![]() 不動尊の裏から見る。 木々に囲まれた滝だ。 ![]() 落ち口。 ![]() もうちょっと寒ければ、 もうちょっと凍っていたかもね。 ![]() 滝つぼにはわずかに氷のオブジェがあった。 ![]() 霧降の滝 えーと、滝です。 滝なんだってば、しくしく。 霧降というからには、 普段からそんなに水量はないのかも。 落差は20メートルくらいあるだろう。 水があれば、の話だけど。 ![]() 横から見てみた。 どーみても、ただの崖。 |
2014/2/9(日) 岩本の不動滝、霧降の滝 群馬県中之条町 2014年の冬は、北極圏を覆う寒気のベールが大きく蛇行して、日本にも冬がおかしなことになった。 我々の住む、新潟県の平野部では平年よりも積雪が少なく、最低気温が低い状態だった。山間部では積雪が多い。 例年であればほとんど雪の降らない関東地方で二週連続で20センチ以上の積雪になり、交通機関などが大混乱した。山梨県などでは一晩で1メートルも積もったという。積雪に対する備えのない地域での積雪は色々な被害をもたらした。 さて、滝だ。 冬になると我々滝好きは凍る滝を目指してあちこちを訪れる。 いくら冬とはいえ、滝が凍るには条件がある。寒いのはもちろんだが、水量や滝の向きなども凍るか凍らないかの大きな要因になる。 そんなこんなで新潟には凍る滝がほとんど無く、あったとしても積雪で見に行けないので、だいたい長野か群馬に遠征することになるのである。 厳寒の2月、さて、どこに行くか迷って、あまり有名じゃないけど凍りそうな滝を探してみようか、ということになった。 とりあえず、長野の氷瀑のメッカ、北相木村や南相木村は我々の住むあたりからは少し遠いので、群馬県にしてみようか。 12月に行った世立八滝あたりはなんとなく凍りかけていたので、きっと氷瀑もあるに違いない。よし、四万温泉のほうに行ってみよう。 2月9日日曜日、そうと決めで群馬に向かった。 実はこの前々日、関東に大雪が降った。その1回目である。まだ1回目であるから被害も少なく、ちょうど週末に重なったので交通機関もさほど困ったことにはならなかった。 我々も関越道で群馬に向かったが、月夜野から先の関東は通行止めになっていたが、我々が群馬入りするには全く困らなかった。なにせ、新潟の平野部はそれほど降っていないのである。そんなに深刻に考えてもいなくて、やっぱり雪に慣れていない関東に雪が降ると大変だよね〜、と笑っているくらいだったのだ。 ![]() ところが、である。 群馬に入って、いつもと様子が違うことに気がついた。 晴れてはいたが、道のあちこちで雪を片づける人たちがスコップをふるっている。道には雪はないのだが、屋根の上の雪はいつも見るカラカラの群馬の風景とはどこか違っていた。 この日の最初の訪問は、みなかみ町(旧新治村)の綾織の滝だ。この滝は、2005年の氷瀑時に訪問していたので、必ず凍っていると思っていた。 ところが、である。滝に向かうために町道から集落に入ると、なんと道が只今除雪中。進む先にも重機、戻ろうとすると重機。下手な場所に路上駐車すると除雪の邪魔になるし、まず路肩が雪だらけで駐車する場所なんて皆無だ。 これは諦めるしかない。除雪の邪魔にならないように県道に戻り、仕方なく先に進む。 予め中之条町観光協会のHPでこの滝なんか凍りそうじゃないかしらん、という滝を調べておいたので、そっちに向かうことにした。 県道53号を南下していき、中之条町に入りしばらく走ると、美野原ゴルフクラブの脇を通るのだが、そのあたりが伊参(いさま)地区だ。ここに岩本の不動滝というのがあったはずだ。 HPにはこう書かれている。 『岩本地区のお寺「清滝寺」を目安に進みます。美野原カントリークラブをすぎて、道路沿いから鳥居が見つかればもうすぐです。』 伊参地区に入り、うろうろしたがHPにあったような鳥居がみつけられない。よくよく見ると、県道から伊参の集落に入った高台に、あれはお寺の屋根なんじゃないか、という感じの大きな屋根があったので、とりあえずそっちに進んでみた。ものすごく細い道で、地元の人の軽トラが進んで行くので道だとわかる程度の場所に行ってしまった。その軽トラも自宅らしい道に入り込んでしまって、我々はどこかUターンできる場所まで進んで戻らざるを得ない状況に。寺はあったけど、鳥居なんかないじゃないか〜っ。しかも、あの寺が清滝寺かどうかもわからないし。 とにかくおっかなびっくり積雪の中、細い道を登って行くと、あら、右手の杉林の手前に鳥居が。えーーー、鳥居〜? あったよ。 信じられない状況でダンナと顔を見合わせ、とにかくどこかに自動車を止めなくてはともう少し進めると、何かしらの公共の施設の入り口があった。どうも日曜日でお休みらしく、門が閉じられているので、その前に止められそうだった。ついでにUターンもできる。よよよよ、よかった。 一応、施設に緊急の用事があって自動車が来ても通れるスペースは確保して駐車ができたので、仕度をして鳥居に向かった。 鳥居は細い道路沿いにあるのではない。積雪があるので、雪のないときの状態が分からないのだが、田んぼのあぜ道くらいの場所を通って杉林の入り口に近づく。 あれ、なんだか鉄線みたいな柵が張り巡らされていて、鳥居の向こうに行けないぞ。これはどこかで見た覚えがあるぞ。鹿避けの電流が流れる鉄線じゃないか? ちょっと怖いので触れない。 どうしようかと思っていると、なにやら立て看板が。 いわく、『大滝不動尊入り口、このゲートをはずしてお入りください』 つまり、だれでもはずして入っていいということだ。でも、はずすって、どうやって? どうやら、可動のゲートらしいのだが、積雪のために動かない。うまく上にむかって蝶番の部分を外せば、なんとかなりそうだ。 2人がかりでおさえて持ち上げて、斜めにして、とがんばって人が通れるスペースを作って、中に入った。もちろん、開けっ放しで行くわけにはいかないので、閉めてから歩き出す。 ![]() ![]() 鳥居の前の鉄線をなんとか外して中に入る。 雪は長靴のくるぶしほどの深さで歩くのには全く困らない。杉林の中、しばらく歩いて行くと、「おこもり堂」と書かれた建物が。小屋の間が門になって通れるようになっている建物で、おこもりというからには、ここで修業でもしたんだろうか。 「おこもり堂」をくぐると、すぐに橋になった。鉄製の橋で、ちょっと渡るのが怖い感じだった。そこから上流を見ると、もっさりと積もった雪の向こうにどうやら滝があるらしかった。 ![]() ![]() 鳥居をくぐって、おこもり堂へ。 ![]() 橋を渡り、急な石段らしい道(なにせ雪でよく分からない)を登ると、不動尊の建物が。その奥に少しだけ進むと、おお、滝だ。 ![]() ![]() 不動堂へ登って行き、裏手の滝へ。 落差はないが、岩をするりと落ちている二段の滝があった。 期待していたような氷瀑にはなっていない。ちゃんと流れがある。どうやら、谷ではなくて、日光がさんさんと当たる場所なので、それほど凍らないのだろう。 ここに至るまでに足跡もなかったので、参拝する人もいない場所なのかしらん、と思っていたが、不動尊の灯篭には今年の正月の日付けが書かれた紙があって、とりあえず初詣はされたんだなぁ、というのが分かった。 どっちみち、この滝は真冬に来る滝じゃないなぁ。 それに、中之条町観光協会の案内では絶対にたどり着けないよなぁ。まず県道名が間違っていたし。県道から鳥居は見えるワケないし。 写真を撮影して、来た道を戻り、鉄線のゲートをちゃんと閉めなおして自動車に戻った。 県道53号に復帰して、さらに南下する。国道353号に合流する前に道の駅があるので、そこに立ち寄り、昼食に。道の駅「霊山たけやま」は嵩山に登る登山口にある道の駅で、登山口近くにはあずまやなどもあって、おにぎり持参の我々の昼食にはもってこいの場所だった。 この後の予定としては、沢渡地区の霧降の滝を見て、四万温泉の滝の行けそうな滝に行くつもりだった。 で、12月にも世立八滝に行く時に通った道を通り、国道353号から自然橋というガッチリとした鉄骨の橋を渡って県道56号に入る。ややして、沢渡温泉の入り口になったので、そこに立っているイラスト看板でこれから行く滝の位置を確認した。しかし、これがイラストマップだけに縮尺も方向もかなり大雑把でめちゃくちゃなもので、無駄に温泉街の中に入ってしまって、多少迷って、なんとか入り口である大岩不動堂の鳥居を確認した。なんのこたない、県道55号沿いにちゃっかりあった。 しかし、ここでも駐車する場所がない。不動堂に来た人用にお土産屋とおぼしき建物があり、そこの敷地に駐車するように書かれているのだが、除雪された雪が入り口にこんもりあったし、敷地内も除雪されていないのだ。路肩には雪があり、路駐できる場所はない。これは困った。少し走ると、牧水会館という建物があって、そこに至る引き込みの道が綺麗に除雪されていた。けっこう広く除雪されていたので、そこに駐車しても会館に入る人がいても邪魔にはなりそうもなかった。ここなら大丈夫だろう。 県道から少し歩くことになりそうなので、ガッチリと仕度をして歩き出す。 観光協会の記述によると、滝までの道のりはこうだ。 『大岩不動堂/三叉スギの裏手15分程歩いて行くと、霧降の滝があります。』 よし、まず三叉スギを目指してそこから15分歩くのだな。 鳥居は入り口の目印みたいなもので、すぐには大岩不動堂はなかった。林道みたいな場所に入り込み、杉林の中を延々と歩く。 三叉スギはどこ〜? いっこうに三叉スギは現れなかった。くるぶしから足首ほどの積雪になり、緩やかに登っているので、なんとなく疲れて来た。 25分ほど歩いて行くと、ロープで道をふさがれた場所になった。自動車はここまでで、あとは徒歩ということらしい。我々は雪で除雪されていなかったので、歩かざるを得なかったのだが。看板があって不動堂まで300メートルとのこと。 ![]() ![]() 積雪がなければ、右写真の場所まで自動車で行けるらしい。 あれ、三叉スギは? とにかく300メートル歩こう。しかし、そこに三叉スギがあったら、そこからもう15分歩くことになるのか?キツイぞ、それは。 すると、少し歩くと、今度は「霧降の滝まで300メートル」の文字が。 えー、すると、三叉スギを見落としたのか、私たちは。 このあたりで、なんとなく私のおなかが痛くなり始めた。ここまで来て、戻るのも悔しいし、とにかく300メートル行けば滝だし。 なんとかがんばって歩くと、あらららら、前方に大きな杉の木が。 三叉スギだよ〜。 ![]() 三本あったうちの1本が折れてしまったらしいが、2本の杉がすっくと空に向かって伸びている。そして、その向こう側にどうやら不動堂があるらしかった。 石段を登って行くと、その不動堂はなにやら高名な彫師が彫ったのかもしれない立派な彫刻が施されていて、山奥だからといって除雪もされないでほっとかれてしまうには惜しい感じの建物だった。 すぐ裏手にはひかりごけもあるらしい。覗き込んでみたが、どれがひかりごけなのやら、真冬もちゃんとあるのやら、さっぱりわからなかった。 さあ、滝だ。 裏手にあるはずである。看板があったので、そちらに行ってみた。 ちょっと岩っぽい場所を進んで行く。 ![]() 滝を探すには沢の上流に行けばいい、滝の水音がするはずである。 はずである。 しなかったのよぉぉぉ、。 まったく音がなかった。 イヤな予感がした。 的中した。 あーーーーーーー。水、落ちてないじゃんっっっっ! 垂直な岩盤にどうもそのあたりに水が落ちていたんじゃなかろうか、という跡はあった。しかし、ここには水は無い。 我々が通って来た道のすぐ脇にはけっこう豊富な水の沢があったはずなのに、その上流なんじゃないのか、この滝は。 だが、どう見ても水はない。 こんなにハズれたのは、もしかしたら滝好き人生初めてかもしれない。 お腹痛いのに。だいぶ歩いたのに。 完全にくじけてしまった。 自動車までなんとか戻り、これからほかの滝をめぐる気力もなくなってしまって、家に戻ることにした。 だいたい、中之条町観光協会の記述があまりにもざっくりしすぎている。というか、完全に誤りである。ほかの行きかたを調べておかなかった我々も悪いのだが、HPの観光案内で誤ってしまってはマズいだろう〜。 せっかく今年の氷瀑を占う第一弾だったはずなのに、ここまでダメだったとは。 も、レポするのもやめちゃおうかな〜、と思ったが、一応岩本の不動滝は訪問しているし。とりあえず書いてみたら1ページになっちゃったし。 相変わらずの失敗談におつきあいいただいてありがとうございました。しくしく。 翌々週の2014年の氷瀑探訪第二弾は鉄板を選びましたとさ。 2014年氷瀑を求めてそのA善五郎の滝、辺美の滝、八坂大滝、カネッコオリへ |
交通 中之条町に入るには、我々は新潟からで、しかも綾織の滝を見たかったので、関越自動車道月夜野ICから県道53号を南下する形になったが、観光協会の案内によれば、関東方面からなら渋川伊香保ICから国道353でまっすぐに向かうとよいらしい。 岩本不動滝 国道353号で中之条の駅あたりに入ったら、右折で県道53号へ。たぶん、美野原C.Cの案内があるんじゃなかろうかと思う。北上して行くと道の駅「霊山たけやま」がある。それを通り越すと、美野原C.Cが左にあり、けっこう長いことゴルフ場の脇を通るがゴルフ場は見えない。ゴルフ場をぬけると、ややして、伊参の集落が左手に見える。奥に行くにしたがって高い位置に家が並んでいる集落で、その中に一際大きなお寺さんみたいな屋根が見えると思う。そっちにむかって自動車を進める。道なりにお寺さんみたいな屋根の建物を左に見ながら通り越し、どんどん山の中に入って行くなぁ、ヤバいなぁと思いつつ坂を登って行く。民家がなくなり、杉林の只中に突入する直前に右手に赤い鳥居が見えるはずである。 それが岩本不動尊で、その鳥居の奥に不動滝がある。 鳥居から滝までは積雪のある状態でも徒歩7、8分だった。 自動車の止め場所に困ると思うが、鳥居の見える場所の左側に何らかの公共施設の入り口がある。お休みならここの端っこに止められると思う。 霧降の滝 国道353号でとりあえず草津温泉方面に向かう。国道を離れ、県道53号に入るとややして、沢渡温泉になる。入り口にイラスト看板もあるが、この看板は大雑把に方向がわかるだけの代物だと考えよう。そのまま県道53号を進み、下写真のような「大岩の三叉杉」と書かれた案内がある。(下の写真は草津方向から見たものなので、行く時には左側に自販機のある商店、右側に赤い鳥居がある) 雪のない時なら、鳥居を右に見てちょっとだけ先に駐車スペースがある。ここに自動車をとめて徒歩で行ってもよいし、鳥居の右に見える道(この日は積雪があったので、民家までしか除雪していなくて、自動車は侵入てきなかった)から林道を進んでもよいだろう。ただし、林道は擦れ違いが困難で細い。と、思う。 我々は徒歩で向かい、積雪と腹痛のため、ちょっと遅めになったが、鳥居から滝まで50分かかった。徒歩はやめたほうがよい。 ![]() ![]() ちなみに、不動尊は立派な建物で、一見の価値はあると思う。 何の説明もなかったが、彫刻も立派だった。 ![]() ![]() |