2014年氷瀑を求めて@岩本不動滝、霧降の滝へ2014年氷瀑を求めてA2014年氷瀑を求めてB日光三名瀑へ
善五郎の滝、辺尾の滝、八坂大滝
カネッコオリ



善五郎の滝
本年の善五郎さんの凍った姿。
全体的にもっさりした感じなのは、
積雪のせいかも。


アイスクライマーいました。
中腹まで登っているのが
わかるかな〜?


向かって右側のこの部分は
いつ見ても流れがあったのだが、
今年は覆っている氷も多かった。


今年の厳冬期の滝壺はごく狭い。
流れている水もこんなくらいしか
見えない。


で、氷はもっさりと分厚かった。




八坂大滝
大きさ、イマイチ分かりづらいと思うけど、
我々が見た中では、
最大級の氷柱になっていた。


凍った部分のアップ。


ちょうど流れに日光が当たって、
細かい光になって
ステージに落ちていった。


遊歩道の脇には
こんなツララもあった。


この日の水量は
けっこう多かったと思う。


遊歩道からそれて、滝前に行く。
ただ、積雪で氷柱に接近するのは
ちょっと難しかった。


あいかわらず、ぐずぐずの氷。
こんなんでも、ちゃんと氷柱になるから、
やっぱり長野は寒い。




辺尾の滝
ここまで立派に成長してるとは、
思いもよらなかった。
上段と下段は分かれていると
信じていたんだけどなぁ。


上段のアップ。
もっと成長すると、落ち口まで
氷が到達するかは、不明。


フェンスから覗き込んだ図は
こんな感じに見える。


で、大きさ比較にならないんだけど、
手前にダンナがいる。
落差はかなりあると思うけど。


アップで見てみたら、
ちゃんとクラゲ状になってました。




カネッコオリ
滝じゃないんですが。
近づければ、かなりすごい氷柱だけど。


ちょうど山の上だけ青空だっだか、
山の頂に雲がかかってしまって、
カネッコオリは暗くなってしまった。
雲の真下の白い縦線が
カネッコオリ。

2014/2/22(土)   善五郎の滝 長野県松本市 
    辺尾の滝
 長野県大町市 八坂大滝 長野県大町市        カネッコオリ 新潟県糸魚川市

さて、大失敗に終わった2014年の氷瀑探訪の第一弾から二週間が過ぎた。実はこの一週間前、つまり、氷瀑探訪の第一弾の一週間後にまたもや関東を大雪が襲った。この時は1回目よりも被害がひどくて、新幹線は止まるわ、関越道も関越トンネルを超えられないわ、一般道も通行止めになるわ、で、新潟から関東方面には1歩も出られなかった。もちろん、関東から新潟にも入ってくることができずに、物流がストップ。新潟がそんなに関東からの物資でまかなわれていたのか、と思うくらいにスーパーの棚がすかすかになった。
一週間たっても、関東の雪の影響はそこいらじゅうに残っていて、まだ陸の孤島と化している集落もあるらしかった。
前回、大雪が氷瀑めぐりにも多少の影響をもたらしていると感じていた我々はできるだけ影響のない場所を探すつもりでいた。
ニュースによれば氷瀑の鉄板、長野県北相木村でもとんでもない積雪で一時孤立していたようだ。毎年行われていた氷瀑祭も中止になったらしい。そっちには行けない。もちろん群馬方面も無理だ。こりゃ、山形かなぁと東北方面に行くつもりになっていたが、ダンナが松本ならいいんじゃないか、と調べ始めた。
幸いなことに、こちらも氷瀑の代名詞である善五郎の滝のすぐ上にあるスキー場のホームページで、道路も完全に大丈夫だし、スキー場も問題なく営業していると書いてあった。よし、行ける。今回は乗鞍の滝を見よう。
そんなこんなで、道路状況も考えてちょっと早めに起きて、午前7時過ぎに家を出発。意外にも高速道路は除雪隊にも遭遇せずに順調に走り抜けることができて、長野道松本ICを下りた。
よく晴れていたので、道路も乾いていたし、大雪の影響はなかったのだが、屋根の雪の多さに少し驚いた。何度か真冬に松本に来ているが、こんなに屋根に雪が乗っているのを見たことがなかった。
インターを下りて、国道158号を西に。ずーっと道路は綺麗だ。本当に通行に支障はない。いつもであれば乗鞍高原に入って、旅館などが並んだ場所を通り過ぎて坂をグッと登るあたりから道路は雪で固められてちょっと走るのが怖くなるのだが、今日はそんなこともなく、善五郎の滝の入り口まで来てしまった。
さて、駐車する場所はあるかな。
うまい具合に1台分雪を除いて止められるようにできた場所が開いていた。そこに自動車を入れる。午前11時を少し回ったくらいの時間なので、善五郎の滝を見て、いつものように番所大滝の前で昼食にしよう。
  
この青空!乗鞍岳が真っ白。

  
ちょうど1台分の駐車スペース。

  
遊歩道を行く。
仕度をして歩き出すと、あら、いつもとなんだか感じが違うぞ。
空気が痛くない。つまり、あまり寒くないのだ。善五郎の滝の氷瀑を見に来る時は、いつも鼻がツンツンするほど空気が冷たかった。今日はそれほどではない。
それに、足元の雪が柔らかい。つまり、凍りついてカチンコチンになっていないのだ。こりゃ、ちょっと長靴では大変かもしれないぞ。
一応滝までは踏み跡がある。踏み跡を外しさえしなければ、雪に埋もれることはない。が、時々、ズボっといってしまうこともあるので、注意が必要だ。
緩やかに下って行き、沢を渡る場所に出て、ああ、やっぱり積雪は多いのだ、と実感した。橋の上の雪が尋常ではない。手すりがあるはずだか、まったく見えなくて、踏み固めた跡でさえ手すりよりもずっと上にある状態のようだった。この量の雪の重さにこの橋は耐えられるのかなぁ、とちょっと不安になりながら渡る。
  
欄干より積雪が高い。

  
この階段を超えると滝が見える。
渡って、階段を登るとすぐに善五郎の滝が見える。なんだか人の声がした、と思っていたが、何人も滝の前にいた。
アイスクライミングをする人たちだ。
すでに落ち口からロープが下がっていて、女性が一人登り始めていた。
それにしても、善五郎さん、今年はもっさり雪をかぶって、しかも、かなりガッチリ凍っていた。
  
アイスクライマーたち、準備中。

  
先陣を切っていたのは、女性だった。

  
滝の落ち口にはこんな積雪。1mはある。
いつもなら、向かって左側の、流れの一番多い場所は凍っていずに、ドバドバと落ちているのだが、今回はドバドバの量が少なく、氷の壁が厚い。
アイスクライマーたちを見上げながら写真を撮影していく。あら、あまりに積雪が多くて、展望台に上がるほうの道がつけられていない。左岸サイドから滝の横顔が拝めるはずだったが、今年は無理だ。こちらがわの氷壁もアイスクライマーたちの登る場所になっていて、男性が一人チャレンジしていたが、どうにも登れない様子だった。
それに今年は積雪が多くて滝つぼがかなり埋められている。前はちょっと乗るのが怖いなぁと思われた滝つぼの上の雪が、今年は何の心配もなく乗ることができた。滝の真正面に出られる。
あちこち歩いて撮影しているうちに次のアイスクライマーたちの団体が到着して、滝前はかなり混雑してきた。我々は写真だけなので、さっさと戻ることにしよう。
自動車に戻って、番所大滝に向かう。
番所大滝は、入り口はしっかりとあったが、おやおやおや、除雪がどうも自動車1台分くらいしかしてないぞ。ソーラー発電のヒーターまでついた、快適公衆トイレの前はきれいに除雪してあるが、その先が雪野原だ。
これ、もしかしたら、滝まで行けないかしらん。
しかし、しっかり足跡がついているので、雪野原を滝の遊歩道に向かって歩き出した。が、足跡め〜、途中で諦めてやんのぉ〜。
遊歩道から下り坂になるあたりで、まったく踏み跡のない状態になってしまった。この先はかなり急な階段になっているのを知っている。転がり落ちたら川まで直行だし、いや、そんなことがなくても、帰りに登るのがどれほど大変か。
滝見台のあずまやで昼食をとるのは、こっちの氷瀑を見に来た時の恒例になっていたのだが、ここは、諦めなくちゃ。ってか、番所大滝を見るのも諦めなくちゃ。滝の音、しているのにぃ〜っっ。
  
最初は踏み跡あったけど。

  
ついに積雪は膝まで〜。
泳ぐように雪野原を駐車スペースまで戻って、さて、どこでごはん食べましょう、ということになった。
これがまあ、うまい具合に快適トイレの前には調理台みたいな台があって、バーナーで湯を沸かすにちょうどよくなってまして。
トイレの前でカップラーメン作って、食べましたとさ〜。雪の椅子にクッションを敷いてぽかぽかの日差しを浴びておにぎりもほお張る。ま、これも楽しいアウトドアです。
さて、松本方面に来たら、我々には立ち寄らなくてはならない氷瀑がある。
八坂大滝。
もう何回もこの滝に来て、「たこ坊主」だの「巨神兵」だの好き勝手なあだ名をつけていたユニークな氷瀑。今年の凍り具合はどうだろう。全く凍っていない年も何回かあったけど。
番所大滝から八坂大滝まで、ちょっとドライブなのだが、この間、私は完全熟睡してしまって、気がついたら八坂大滝に行く旧道の入り口だった。橋の手前に駐車場があるはずなのだが、ダンナの言うことには除雪されていなくて入れなかった、とのこと。旧道の入り口に1台分の駐車できる場所があってよかった。
駐車場や橋から滝が凍っているかどうか見えるのだが、私は眠っていたので分からない。ダンナは凍っていたよ、と言う。
自動車を下りて、長靴に履き替えて歩き出す。幸いなことに、物好きが歩いていてくれて、踏み跡があった。もし踏み跡が無かったら、ちょっと滝前まで行くには躊躇する積雪である。
  
八坂大滝に向かう道はこれくらいの積雪。
寝起きでぼーっとしながらダンナの後について山を登り、滝の姿が見えた時には、わおっ、と声を上げてしまった。
でかい。
今年の八坂大滝の氷瀑は大きいぞ。ぽっこりとしたたこ坊主ではなくて、雪の筒、といった感じでそびえたっている。
木の橋状になっている遊歩道を避けて踏み跡は滝前に下って行っているようだが、ダンナはそのまま滝の後ろを通る遊歩道へ進んだ。日の当たる場所まで行けば積雪はない。
ところが、きの木の遊歩道、途中が抜け落ちていて、雪が積もっているもんだから、ちょっと怖かった。
なんとか雪のない場所まで行ってみて、滝の真後ろくらいまで行くと、ダンナが立ち止まった。その先には何かしらの死骸があった。野生動物らしかった。
うずくまったその死骸は何かよく分からない。柴犬より一回りくらい小さくて、一瞬子ザルかと思うくらいの毛色をしていた。
どうも、イノシシのようだった。
なんでこんな場所で死んでしまったのだろう。
周りを掘って少しでも暖を取ろうとした跡があったが、滝のすぐ真後ろでは暖かいわけがなかった。
  
むくろを見て立ち止まるダンナ。右側に氷の柱の頭が見えている。
滝はすばらしくて、いつもより大きく凍っているのに、小さなイノシシのことが気になって仕方かなかった。
帰りにダンナがあのイノシシは自分で死に場所を探して登って来たんだな、と言った。なぜなら、木の遊歩道になにやら獣の足跡があったというのだ。たぶんあのイノシシが自力でそこを歩いたのだろう。そうして、滝の真後ろで進む力を失ったのだ。
イノシシは足が短いから、積雪の多い場所には生息できないのだ、と聞いたことがある。あの小さなイノシシが命を落としたのも、今回の大雪のせいなのかもしれない、と思うと、少し胸が痛んだ。
自然界のできごとのこと、我々にどうすることもできないが、滝の周りでそんな営みが繰り広げられているのだというのを垣間見た気がした。
神妙な気分になって、自動車に戻り、次に向かうのは、同じ大町市にある辺尾の滝である。この滝は昨年初めて来たのだが、その時には半分氷が崩れてしまっていた。たぶんちゃんと凍っている時は、二段のウェディングケーキみたいになるんじゃないか、と予想していた滝である。
昨年行った記憶を頼りに、今回は国道19号線がわから県道394号に入って探す。県道は細く、両側に雪があるもんだから、さらに狭く感じられる。左側に金熊川を見ながら進み、右側の金網状のフェンスが途切れて、あ、滝があった、と通過しながら確認したが、さて、どこに駐車する?この細い道では路駐は無理だ。少し進んでみると、除雪車が河原に雪を押し出したような、かなり広いスペースがあった。ここなら駐車しても大丈夫だろう。
ちょっとだけ歩いて戻り、滝を見るためにフェンスの途切れた場所を覗き込む。
おわ〜、凍っているよ。しかも、凍りすぎているよ。
二段になっているはずの氷が上下合体して、一つの滝になってしまっていた。
これじゃあウェディングケーキじゃないなぁ。
しかも、滝までの沢が雪で埋まっていて、近づくことができない。こりゃ、県道から遠望するしかない。
よくよく見ると、ちゃんとクラゲ状の氷が集まって氷瀑を作り上げていて、立派な氷瀑であることがわかる。でも、二段分かれた姿が見たかったなぁ。これはまた今後の課題になってしまったなぁ。
このまま県道を大町市街に向けて通り抜け、国道148号に出て、北上すれば新潟県だ。昨年辺尾の滝を見に来た時と同じように糸魚川市に抜けて、最後はカネッコオリを見て自宅に戻ることに。
日没と競争になったが、午後5時過ぎにはシーサイドバレースキー場に到着。新潟県に入って雪がちだった空も、奇跡的に駒ケ岳上空だけ青空を覗かせていた。
昨年カネッコオリを撮影した道路まで進み、夕暮れ時のカネッコオリを見る。ちょっと雲がかかってしまったが、今年も巨大なツララは駒ケ岳の壁面に形成されていた。
  
道路の雪にもちいさなツララからいっぱい。
これにて今回の氷瀑ドライブは終了だ。
毎年毎年、本当に氷瀑たちは表情が違う。
大雪であっても凍った滝の姿を見られてよかった。暖冬でちっとも滝が凍ってくれない年だってあるんだから。どっちがよくてどっちが悪いとはもちろん言えないが、凍るべき場所に落ちる滝は、やっぱり凍ってくれないとね。
そんなこんなで2014年の氷瀑めぐりは終了した。

     2014年氷瀑を求めてそのB 日光三名瀑へ
交通
善五郎の滝  長野自動車道松本ICをおりて、国道158号線で上高地方面に進む。スイカの名産地波田町を通り過ぎると、道の駅「風穴の里」があるので、そこで情報収集をするとよい。
途中、トンネルとトンネルの間で左折して乗鞍高原に向かう道に入る。県道84号である。乗鞍高原、と必ず道案内があるので、見落とさないようにすれば間違わない。
国道158号線がわから行くと、最初に番所大滝に出る。JAなどがある建物が立ち並んだ場所であるが、看板があるのですぐにわかる。一応有料駐車場になっているが、管理人などはいない。トイレはとても綺麗で、暖房が入っているので、冬場はありがたい。ぜひ利用したい。県道84号をさらに進み、いくつかのカーブを曲がったあたりに右側に善五郎の滝の駐車スペースがある。ここから行くと滝前に出られる。もう少し進んで、すずらん橋の手前左がわにもかなり広い駐車スペースがある。ここのすずらん橋がわからも善五郎の滝に行ける。こちらからはかなり高い位置にある滝見台に先に行くことができる。
冬場は休暇村までしか除雪されていない。

八坂大滝  一番近いICは、長野自動車道の麻績ICである。ここから国道403号を明科方面に進み、坂北村に入る少し手前で県道55号へと右折する。分かりづらいかもしれないが、403号を走っていて上信越道をくぐってしまったら行きすぎである。。
国道19号を変則的に横切り旧八坂村に入る。すると大滝洞門というスノーシェッドがある。これをくぐるとすぐに新大滝橋という橋と弘法橋という橋が連続て出てくる。右側には駐車スペースらしい広場がある。ここからでも滝は遠望できる。
滝に近づくには、弘法橋を渡ってすぐ右側の細い道を入る。突き当たりは行き止まりで、使われていない橋のあたりに滝についての説明看板がある。
そこからかなり手前に県道を背にして左側の山に登る道がある。足跡があるので、見つけられると思う。登りだが5分もすると崖下に氷のオバケが出現する。

辺尾の滝  上記八坂大滝から国道19号にもどり左折、北上する。道の駅を少しすぎたあたりで、左側県道393号のほうに入る。すぐに左側の県道394号に進む。眼下右手に当信川を見ながらかなりの角度で山を登って行く。しばらく進むと、左手に金熊川が沿って流れるようになる。このあたりから気をつけて右側のフェンスを見ていて、途切れたら奥を確認するようにする。特に目印はないので、フェンスの途切れだけに注意。そばの路肩に駐車するが、道が狭いので注意が必要だ。

カネッコオリ 最寄ICは、北陸自動車道糸魚川IC。
インターを下りて、国道148号を松本方面に向かって南下する。
根知谷入り口交差点で左折。シーサイドバレースキー場を目指す。
スキー場の駐車場からでも見えるらしいが、スキー場を通り越して、除雪の終了地点まで行くと、上欄のように見える。 



んがお工房の日本百名滝めぐり  滝レポートトップ  掲示板